韓国が抱える統一の障害は「情報」(1)

韓国にはこんなことわざがある――「もう遅い」と思った時がいちばん早い時。日本の「思い立ったが吉日」と同じ意味を持つ。その言葉を信じて私は、社会人になって10年目で日本への留学を決意した。私は小さいころから高校を卒業するまで東京に住んでいたが、歳をとってもう一度日本に来てみると、子供のころには気づかなかったいろんな日本が見えてくる。

 特に驚いたのは、朝鮮半島――韓国では「韓半島」と呼ぶ――を取り巻くニュースがとても豊富なこと。特に北朝鮮関連ニュースは、韓国でよりも早く詳しく報道される点である(韓国の芸能人情報も日本の週刊誌の方が詳しく報道しているのでびっくり!)。北朝鮮の街並みや生活を隠し撮りした映像は韓国ではなかなか見られない。後継者問題や金正日総書記の健康状態など、韓国ではどのマスコミも似たり寄ったりの報道しかしない。それに対して日本は、自由にモノが言えるせいか、中身が濃くて面白い。いろんな専門家がいろいろな意見を言っている。

 逆に韓国が、日本の報道を引用して報道しているほどだ。日本のマスコミの方が韓国以上に北朝鮮に敏感になっているのではないかと感じる。もちろん韓国でも、毎週北朝鮮の動向を報道するテレビ番組がある。北朝鮮研究も盛んだ。しかし、一般市民が肌で感じる北朝鮮はとても遠い。

 韓国にとって北朝鮮の動きは国家の国防・政治だけでなく株価や為替レート、企業の長期戦略など経済的にも多大な影響を及ぼす。しかし、休戦状態が60年も続いているせいか、もう北朝鮮は遠いどこかにある未知の国のような存在になってしまっている。鈍感になってしまった面もある。

2010年は朝鮮戦争の勃発から60年~いまだに続く休戦リスク

 韓国人と北朝鮮人――韓国では「北韓」(ブッハン)という――は同じ民族でありながら、 1950年6月25日に勃発した戦争のため、まだ休戦状態である。韓国にとって北朝鮮は、どの国よりも対立している敵であると同時に、助けるべき同胞なのだ。2010年は戦争開始から60年、「あの日のことを忘れてはならない」と朝鮮戦争――韓国では「韓国戦争」と呼ぶ――をテーマにした特別ドラマや映画が制作され、人気の韓流スターが大挙出演している。

 各種の国際イベントも続いている。例えば、朝鮮戦争に参戦した国連軍所属のアメリカ、フランス、カナダ、ギリシャ、オランダ、ニュージーランド、トルコ、南アフリカ、エチオピア、タイ、フィリピンなど16カ国の参戦兵士や青少年、記者などを韓国に招待し、世界でもっとも貧乏だった韓国の生まれ変わった姿を見せる恩返しイベントがあった。特に参戦国の中でも最近注目されているアフリカの新興国との関係は緊密だ。「兄弟の国」として大手企業のCSRやソーシャルビジネスの対象になっている。

 日本の友達によく言われるのは、「韓国はいつ行っても活気があって、人々は元気で、全然不景気に見えない」という感想である。軍事政権が終わった90年代以降かなり緩和されているが、韓国はまだ休戦というリスクを背負っている(軍事政権時代には、韓国人は海外旅行に行く自由はなかった。国外に行く際には北朝鮮の人と接触してはならないという教育もあったという)。

 外国人に人気の観光コースの一つが南北休戦線の上にある板門店の見学だ。しかしここは、韓国人にとっては気軽に足を運べる場所ではない。ハリーポッターの世界に「魔法省」があるように韓国には「統一部」――(韓国では「部」が「省」にあたる――がある。統一部が身分照会をして「問題ない」と判定された人だけで構成された団体でないと板門店は観光できない。


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By 趙 章恩

2010年8月25日

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100823/215914/

2010/08/29 13:28 2010/08/29 13:28

主要先進国の景気回復が遅れるなか、アジア各国の成長は止まりません。中国や韓国、インドなど、まだまだ元気な国が多いのが実情です。知っているようで知らないアジアのコンテンツビジネス事情はどうなっているのでしょうか。最終回となる第6回は、インドネシアやベトナムなど、普段目に触れることのない東南アジアのコンテンツ事情を紹介します。



携帯電話の加入者の方が、人口よりも多いベトナム


東南アジアの中でもこれから急成長が見込まれているのがインドネシアとベトナム、マレーシアです。インドネシアは世界第4位の人口を持つ国で、ベトナムは人口の6割が30歳未満という若い国です。マレーシアは東南アジアの中では所得水準が高く、政府が積極的にインターネット普及率を高めようとしていて、2010年までに普及率50%と全学校の情報化を目指しています。

東南アジアの共通点は土地が広く熱帯雨林などが多いことから、固定通信ではなくモバイルインターネットでの情報化を目指していることです。都心部ではWi-Fiスポットも多く、高級レストランほどWi-Fi導入に積極的という印象を受けました。

ベトナムでは人口よりも携帯電話加入者の方が1.5倍ほど多く、インドネシアとマレーシアでも固定通信より断然モバイルユーザーの方が多いです。スマートフォンの普及も進んでいて、BlackberryやNokiaを中心に世界各国の携帯電話端末が売られているのも特徴です。

スマートフォンが売れている理由の一つはFacebookです。Webサイトのアクセスランキングを提供するAlexa.comによると、インドネシアで最も利用されているサイトの1位はFacebookで、ベトナムやマレーシアでも上位を占めています。

Facebookのデータによると、インドネシアのユーザーは前年比6倍以上増えていて、中国やインドよりも早いスピードで伸びているとのことです。全体的に東南アジアからの利用率が高く、ソーシャルネットワークサイト(SNS)は欧米からアジアへ移行していることが分かります。Facebookをより便利に手軽に利用するためにスマートフォンに買い替える人が多いというのも納得です。


Twitterの書き込み数、第3位はあの国

Twitterも似たような状況です。フランスの調査会社セミオキャストのデータによると、Twitterの書き込みが多い国の1位がアメリカ、2位が日本、3位がインドネシア、4位がブラジルなのだそうで、全般的に欧米よりアジアからの書き込みの方が多いとのことです。ニュースサイトのほとんどがFacebookやTwitterに記事を転送できるようにしてあるのは日本と変わりません。

イスラム国家であるインドネシアとマレーシアでは、Facebookが「不適切な男女交際を促進する恐れがある」として、宗教指導者が集まり利用ガイドラインについて議論が繰り広げられたほどです。今や東南アジアの若い世代に最も影響を与えているのはFacebookと言えます。

また、韓流ブームの影響から韓国の音楽やドラマの知名度が高く、パソコンを使ったインターネット接続はまだ普及率が10%程度にもかかわらず、韓国のドラマ動画視聴やオンラインゲームユーザーがとても多いことも特徴です。

高い携帯電話の普及率を背景に、東南アジアでは音楽コンテンツの利用が盛んで、着メロや楽曲ダウンロードといったモバイル音楽サービスの利用が非常に人気を集めています。しかし端末間コンテンツを自由に転送できるようにしたため、違法コピーが多いのが問題です。それでもアジアのコンテンツ市場はこれからもっとモバイルブロードバンドが普及し、スマートフォン中心になっていくことは間違いありません。

さて、6回にわたってアジアのコンテンツビジネス事情をご紹介してきました。グローバル時代においては、アジアのコンテンツ事情も目まぐるしく変わります。これからもアジアから目が離せません。


By- 趙 章恩(チョウ チャンウン)

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2010/08/23 09:41 2010/08/23 09:41
主要先進国の景気回復が遅れるなか、アジア各国の成長は止まりません。中国や韓国、インドなど、まだまだ元気な国が多いのが実情です。知っているようで知らないアジアのコンテンツビジネス事情はどうなっているのでしょうか。第5回は、知られざるインドのコンテンツ事情を紹介します。


インターネットの最大市場はインドになる可能性も

今回ご紹介するのは、2026年には中国を抜いて世界人口1位になるといわれているインドです。2006年、GoogleのCEOエリック・シュミット氏が、「インターネットの最大市場は中国でなくインドになる。英語と中国語に続いてヒンズー語がインターネット言語になる」と発言してから一気に注目度が高まりました。アメリカをはじめ、世界のIT企業で働く優秀な技術者の多くがインド人であることは日本でも有名です。しかし、インドにおけるネット普及率や利用はまだまだこれからです。

インターネット利用率は人口12億人の約7%で、そのうちオンラインゲームや動画などのデジタルコンテンツをスムーズに利用できるブロードバンド加入者は0.6%しかいません。ところが、携帯電話の利用率は約23%、世界で最も速いスピードで携帯電話加入者が伸びているのがインドです。

インド通信局は、固定通信によるインフラ普及ではなく、第4世代(4G)と呼ばれるモバイルブロードバンド、LTEまたはWiMAX(ワイマックス)で国家情報化を進めようとしています。インドでは既にパソコンユーザーよりも携帯電話ユーザーの方が多く、クレジットカードや銀行口座よりも携帯電話を使った送金や決済の方がよく使われているほどです。

オンラインゲーム/モバイルゲームもよく利用されていて、韓国や欧米企業のゲームが広く浸透しています。モバイルインターネットユーザーが急増していること、ネットユーザーの4割がゲームを利用していることから、印刷物とテレビが90%近くを占めていた広告市場も、インターネットへと方向転換し始めました。





インドで人気なのはソーシャルネットワークサイト(SNS)とお見合いサイト

結婚相手をお見合いサイトで探すインド

電子書籍ユーザーも多く、毎年2倍近く成長しているのがインドの特徴です。インフラが整備されていない中でも、インドの国民的スポーツであるクリケットのプレミアリーグをYouTubeで生中継したところ、5000万人以上が視聴したというからすごいですね。

ソーシャルネットワークサイト(SNS)の人気はインドでも例外ではありません。今インドで最も話題のサイトはFacebookと、GoogleのOrkutです。2009年まで、Orkutはユーザー数1800万人を突破し、圧倒的にユーザーが多かったのですが、2010年からはFacebookに追いつかれています。Twitterも人気です。インドで起きたテロや政治問題を真っ先に伝えてくれたのもFacebookとTwitterでした。

世界各国にいるインド人同士がつながりやすいということでもFacebookが人気ですが、もう一つ、結婚相手を探すツールとしても人気なのだとか。インドではお見合いサイトの需要も高く、交際相手をネットで見つけ、ソーシャルネットワークサイトで愛をはぐくみゴールイン! というカップルが増えている模様。花嫁の持参金をめぐるトラブルで殺人事件まで起きているインドだけに、ネットで出会い、恋愛結婚することで慣習に従わないカップルの登場が新鮮に映るようです。

インドはまた“ボリウッド”と呼ばれるほど映画産業も盛んです。そのため3D映画や3Dテレビ、モバイル端末から利用できる3D映像コンテンツが注目されています。

次回は東南アジアのコンテンツビジネス事情をご紹介します。



By- 趙 章恩(チョウ チャンウン)

@nifty
ビジネス

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http://business.nifty.com/articles/asia/100803/

2010/08/16 01:33 2010/08/16 01:33
韓国をIT強国へと導くきっかけとなった対戦型オンラインゲーム「StarCraft」(1998年)がさらにパワーアップして帰ってきた。日本では聞きなれないゲームだが、米Blizzard Entertainment社が開発したもので、韓国をはじめ東南アジア、北米、南米、欧州では知名度が高く、PCゲーム・オンラインゲームの代名詞のような存在である。

 12年ぶりとなる「StarCraft II」のベータサービスは2010年7月27日、世界同時オープンとなった。韓国では12歳以上のユーザーなら誰でも無料でゲームができる。国内ではダウンロード方式だけの販売で、ベータサービス終了後は「1日」、「1カ月」、「無制限」に分けて課金する。約6000円を払えば、無制限にゲームを楽しめる。




StarCraft IIのロゴ

「StarCraft」は3つの部族から選んで対戦するオンラインゲームで、1998年の発売以来、ゲームCDは世界で950万枚以上販売されている。違法コピーで利用された数を含めると、少なくともこの10倍以上はユーザーがいると言われている。特に韓国で大当たりし、オンラインゲームとしては初めてキャラクター商品が大ヒット。ファンによって小説化されたり、フィギュアが売られたりもした。オンラインゲームがEスポーツとしてプロのリーグ戦として開催されるようになり、「プロゲーマー」という職業が登場したのも、この「StarCraft」がきっかけなのである。

 「StarCraft」はネットワーク上でユーザー同士が出会い対戦をするため、高速ブロードバンドと高仕様パソコンでないと十分楽しめなかった。そのためブロードバンドと大画面パソコンを利用できるPCバン(ネットカフェ)が大ブームとなり、当時は街中PCバンが溢れていた。このゲームをするためにパソコンを購入しブロードバンドに加入した人も少なくなかった。

 あれから韓国産オンラインゲームがどんどん発売され、韓国のデジタルコンテンツ産業のほとんどをゲームが占めるほどにまで成長した。韓国のNCSoft社やNEXON社のゲームは日本、台湾、中国、ヨーロッパのネットカフェならどこでも見かけるほどポピュラーなものになっている。韓国産オンラインゲームが市場を席巻している中、「StarCraft II」が昔の名声を取り戻せるかどうかは、ゲーム大好き熱血ユーザーの多い韓国市場での反応にかかっているとも見られている。


「StarCraft II」は早速韓国で大々的なイベントを開始している。PCバンにプロゲーマーを招待してユーザーと対戦させる古典的なイベントはもちろん、ロッテリアとタイアップした「StarCraftセット」も登場した。セットを食べるとスクラッチカードがもらえ、ノートパソコンや「StarCraft II」利用チケットが当る。ゲーム解説本ももちろん出版されている。

 驚いたのは飛行機のラッピング! その昔ピカチュウが空を飛んだように、韓国を代表する航空会社である大韓航空の飛行機にStarCraftのキャラクターがラッピングされたのだ。マイレージカードにも、リムジンバスにもStarCraftのキャラクターが印刷されゲームファンを興奮させた。大韓航空は「StarCraft」プロリーグのスポンサーでもある(韓国では主な大手企業や携帯電話、パソコンメーカー、キャリアのほとんどがEスポーツのスポンサーとなっている)。





StarCraft IIのキャラクターをラッピングした大韓航空の飛行機

 パワーアップした「StarCraft II」は3Dグラフィックス、音声チャットなどが新しく追加された。それにゲームを駆動するハード容量もかなり多めに使うため、「StarCraft II」のためにパソコンのパーツをアップグレードさせるPCバンとユーザーが増えている。価格比較サイトのDANAWAによると、7月のパソコン部品販売量は4月に比べ142%、前年同期比で120%増えているという。売れたのはハードディスク、メインボード、CPUの順で、「StarCraft II」の3Dグラフィックスを楽しむために部品を買い換えるユーザーが増えているからではないかと分析していた。グラフィックスカード、ゲーム用マウスも売り上げが伸びている。しかし今の「StarCraft II」はまだベータ版。有料サービスが本格化して最終的にゲームを円滑に駆動するためのパソコン推奨仕様が発表されれば、PCバンを中心に、部品の買い替え需要が大幅に伸びると見込まれている。

 スマートフォンやタブレットパソコンにその座を奪われ、デスクトップパソコンの販売台数は減り続けている。パソコンや部品メーカーが「Windows 7の次はStarCraft IIしかない」とまで言い切るほど、パソコンの売り上げを促進できるようなきっかけがしばらくなかったので、なおさら注目度は高い。年々数が減っているPCバン業界にとっても、国民的ゲームだった「StarCraft」への期待は高い。

 「StarCraft」は12年前、IMF経済危機をIT革命で乗り越えたパワフルな韓国を思い出させる象徴的なゲームだけに、小売業界でもタイアップマーケティングすることで、若くて前向きなイメージを打ち出そうとしている。失業、格差、長引く不況に悩む現在の韓国を今度の「StarCraft II」も元気にしてくれるだろうか。注目せずにはいられない。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年8月5日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100805/1026756/

2010/08/11 12:32 2010/08/11 12:32
韓国では発売未定のiPad。個人輸入だけで数千台は売れているというだけに、街中でもよく見かけるiPadだが、正式販売は未だ決まっていない。しかしiPadの影響からタブレットPCに対する期待は高まるばかりである。アップルがいない間に先手を打って市場を狙おうと、キャリアもメーカーもタブレットPCの開発を急いでいる。

 中でも韓国最大手通信事業者のKTが自社ブランドでタブレットPCを販売しようとしていることが話題だ。KTはiPhoneを独占販売しているキャリアであり、iPadもKTから発売される予定。KTのショールームにはしっかりとiPadが展示されている。なのに、あえて自社ブランドのタブレットPCを発売するというから意外である。



韓国では発売未定のiPadだが、KTのショールームでは体験できる

KTのタブレット端末は中小企業が開発していて、遅くても9月にはAndroid OSを搭載した7型画面のものが発売されるという。iPadは重いという韓国ユーザーの声から、より軽く、持ち運びを便利にするため7型にしたという。タブレットPC用に電子書籍コンテンツも充実させている。端末の値段は約2万円前後になるようだ。

 韓国ではiPhone 4も発売未定なので、KTはアップルに苛立っていることをアピールするために開発姿勢を見せているのかもしれない。KTは固定でも携帯電話でもシェア1位を目指してiPhone発売+Wi-Fi無料という賭けに出たが、ライバルであるSKテレコムのシェアはビクともせず50%を超えている。スマートフォンブームが絶頂になったここでiPhone 4とiPadを発売できていれば、KTのシェアは大きく変わったかもしれない。ところがアップルはなかなか製品を出してくれない。

 サムスン電子もiPadのようなタブレットPCを開発していて、6月には試作品の写真がネットで出回った。SKテレコムから発売する予定で、KTと同じくiPadより小さい7型、音声通話もできるようになっている。そのほかの具体的な仕様は公開されておらず、8月にでも商品化されるということだけ明かされている。

世界で旋風を巻き起こしているiPadは当座発売未定のまま、韓国内のタブレットPC市場ではKTとサムスン電子の競争になるかもしれない。KTがiPhoneを発売してから、サムスン電子の新機種はすべてSKテレコムとLGテレコムでしか買えなくなっているほどの仲なので、タブレットPC競争も容赦なく派手にやってくれそうだ。

 韓国でタブレットPCが注目されているのは、大人気のiPadを使ってみたいという新し物好きな人が多いのに加え、スマートフォンやノートPCよりも使い方が単純で大画面のタッチパネルが欲しい、去年から流行っている電子書籍端末のアップグレード版が欲しい、といった要望もある。さらに、デジタル教科書や医療、企業のモバイルオフィスといったB2Bの需要がとても高いのもタブレットPC開発を急がせる要因となっている。

 アップルファンの間では、「iPadだから価値があるのであってほかのタブレットPCはいらない」という意見も多い。だが、開発ラッシュは止まりそうにない。LG電子もiPadのような端末をもうすぐ発売するとしている。中小パソコンメーカー、Eラーニング用の動画再生端末やMP3プレーヤーのメーカーもタブレットに興味を持っている。しかし中小メーカーがiPadやサムスン電子が予定する製品と競争しても勝てないことは見え見えなので、Androidを搭載した5型、7型で教育用に的を絞る作戦を練っている。

 スマートフォンに続いてタブレットPCも大ブームになるか。これもやはり端末そのものよりもやはりアプリケーション次第ではないだろうか。iPhoneに熱狂するのは端末デザインが良いというのもあるが、やはりアプリケーションの力が大きかった。タブレットPCではネットと電子書籍、新聞、ゲーム以外に何ができるんだろう? それを見せてくれるところが勝ちなのかもしれない。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年7月29日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100729/1026560/

2010/08/04 08:43 2010/08/04 08:43