韓国インターネット振興院が毎年発表する「無線インターネット利用実態調査」によると、2011年9月時点で12~59歳の韓国のモバイルインターネット利用率は前年比で5.9ポイント増加し、65.2%となった。

 年齢別には20代の利用が94.1%と最も多く、その次が12~19歳の85.2%、30代の78.2%、40代の45.0%と続く。

 スマートフォンの利用率は2.6%(2009年)から36.6%と約15倍に増えている。タブレットPC(韓国では「スマートパッド」という)の利用者は2010年の1.2%から3.1%に伸びた。

 モバイルインターネットにアクセスしている端末はスマートフォンが60.1%と最も多く、これも2010年(13.8%)と比べ4倍以上伸びている。利用するモバイルインターネットの種類はWi-Fiが69.2%と最も多かった。韓国は2010年から地下鉄駅構内はもちろん、地下鉄の車両の中、バスの中、図書館、いたるところでWi-Fiが使える。フリースポットも多い。そのため3Gよりは料金の負担なく使えるWi-Fiの利用が集中している。




韓国は2010年からWi-Fiスポットが増えていて、全国のほぼどこでも、地下鉄の車両の中でも、バスの中でもWi-Fiが使える。フリースポットも多いため、3GよりWi-Fiを利用する人の方が多い


モバイルインターネットから利用するコンテンツは情報検索(71.4%)、音楽(70.1%)、ニュース(57.6%)、メッセンジャー(56.1%)、SNS(45.0%)の順だった。

 またモバイルインターネットユーザーの51.6%が「モバイルインターネットを使うようになって有線インターネット利用時間が減少した」と答えている。また36.4%は「有線インターネットが使える環境でもあえてモバイルインターネットを使う」と答え、「インターネット」=「有線ブロードバンドとパソコン」だった韓国のネット環境が、急速にスマートフォンとWi-Fi中心に変わっていることを確認できた。

 今回の調査の中で浮き彫りになったのは、「スマートデジタルデバイド」である。

 大卒以上のモバイルインターネット利用率は69.8%、高卒以下の利用率は40.3%と、その差は広がっている。韓国はデジタルデバイド、所得による情報格差を解消するため、生活保護を受けている低所得層には国が無料でパソコンを支給し、KTが無料でインターネット接続を提供するといった支援を行っていた。スマートフォンの時代でもそのような支援をするのか、それとも別のアイデアがあるのか、対策を考えるべき時期を迎えている。


 一方、ポータルサイトのDAUMとLG経済研究院が共同で、2010年8月から2011年9月までモバイルWebとPC Webの利用動向を比較した結果も発表された。

 これによると、20~30代の場合、インターネットに接続する際に携帯やスマートフォンを使う「モバイルWeb」が70.6%、パソコン経由でWebに接続する「PC Web」が57.5%とモバイル機器からネットにアクセスする方が多くなっていた。PC Webは主に仕事用として昼に利用し、モバイルWebは私用に移動中や夜間に利用していた。

 モバイルから利用するコンテンツとしては、交通情報、乗り換え案内、バス到着時間、道路情報、出前、グルメなど位置情報基盤検索やリアルタイム情報検索を利用する人が多い。移動中や暇つぶしに利用できるエンタメ情報、ソーシャルコマースやオーディション番組の情報も頻繁に検索されていた。

 またページビューを比較してみたところ、女性はマンガ、音楽、映画、料理、女性用掲示板のコンテンツをよく利用し、男性はニュース、スポーツ、掲示板のコンテンツをよく利用することが分かった。

 今後は20~30代だけでなく、中年層においても有線インターネットよりモバイルインターネットの利用者が増えると見込まれていることから、KTは40代以上主婦向けサービスとして「スマートホームパッド」を発売した。

 サムスンの8.9型Galaxy Tab端末に、主婦向けアプリとしてテレビ電話、位置情報を利用した地域情報案内、IPTV、音楽鑑賞、ニュース、クーポン、ホームセキュリティ、スマートホームドクター(ヘルスケア)などをインストールしている。KTのアプリケーションストアを利用すれば他のアプリもインストールして使える。タブレットには地上波DMB(ワンセグ)受信機能が付くので、テレビも観られる。

 スマートホームパッドは設定をいじる必要もなく、顔写真を登録すると性別と年齢を判断しておすすめの音楽と動画を推薦してくれる機能が付くのが特徴である。若い人のように自分もタブレットPCを使ってみたいけど、使い方が難しそうだからとあきらめていた主婦をターゲットに、誰に教えてもらわなくても使える端末とアプリであることをアピールしている。

 スマートホームパッドの利用料金はテレビ電話・音声通話100分、Wi-Fi、IPTV、音楽、専用アプリ含めて2年間契約すると端末価格を含めて1カ月3万ウォン(約2100円)。KTは幼児向け、シニア向けのタブレットとアプリ、Wi-Fiをセットにしたサービスも企画しているそうで、国民がパソコンよりスマートデバイスとモバイルインターネットを使う日も遠くないようだ。

趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
  [2012年1月17日]

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20120105/1040084/
2012/02/29 09:23 2012/02/29 09:23

 韓国の検索ポータル市場シェア73%を占めるNAVERが、2011年の検索キーワードランキングを同年12月、発表した。

 NAVERで検索されたキーワードの1位はソーシャルコマースサイトの「クーパン」、2位もソーシャルコマースサイトの「チケットモンスター」であった(関連記事)。ソーシャルコマースは日替わりで商品を半額で販売していて、SNSで口コミが広がり一定以上の人が購入するとさらに割引されるショッピングサイトである。

 3位は地上波テレビ番組の「私は歌手だ」。歌番組なのだが、歌手を7人出演させて、聴衆の投票で1位から7位までを決め、最下位になった人は脱落しまた新しい歌手が登場するというプロの歌手を対象にしたサバイバル番組である。毎回自分の持ち歌ではなく、他の歌手の曲をアレンジして歌う課題が出されるので、今週はどんな曲が課題なのか、誰が脱落するのか、新しく合流するのは誰か、今番組で流れる曲名は何か、といったことを検索する人が多く、ポータルサイトごとに特設コーナーまであるほどだ。





NAVERの2011年検索キーワードランキング発表画面。1位「クーパン」(ソーシャルコマースサイト)、2位「チケットモンスター」(同)、3位「私は歌手だ」(テレビ番組)

俳優のペ・ヨンジュンも出演したドラマだったので、韓国でも大変な話題になった。

 ブルーホールスタジオが開発し、NAVERの運営会社NHNが提供するオンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)の「TERA」は5位。中世ヨーロッパを舞台したファンタジーで、2011年韓国ゲーム大賞で大賞である大統領賞、サウンド賞、グラフィック賞、キャラクター賞を獲得し4冠に輝いたゲームでもある。生き生きしたキャラクターとグラフィックが印象的で、ゲーム大賞の審査員からもMMORPGのレベルを上げたと評価された。


 6位は日本でも販売されているサムスンのスマートフォン「Galaxy S2」。2011年7~9月期は世界市場でiPhoneよりも売れたスマートフォンとして話題になっている。

 7位はケーブルテレビ番組「スーパースターK3」。米国の人気テレビ番組「アメリカンアイドル」のようなオーディション番組で、2011年はシーズン3が放送された。オーディションの予選参加者だけで196万7267人に上る。人口5000万人の国で200万人近い人がオーディションを受けたということからも、国民的な人気ぶりが分かる。優勝者には賞金5億ウォン(約3500万円)が与えられ、プロの歌手としてデビューする。

 スーパースターK3はネットからも番組が見られるようにVOD(ビデオ・オン・デマンド)が公開されている。一方、誰が合格するのか知りたくて、オンエアといってテレビと同時にネットでも配信する生放送を見ようとアクセスした人も多く、毎週平均3万8000人が同時接続していた。携帯電話から投票するSMS投票も最終回のファイナル投票には170万件の投票が殺到した。

 オーディション出演者の名前を検索したり、オーディションの投票に参加したり、裏話を検索したりとネットでも話題が絶えなかった。

 8位はiPhone 5。iPhone 5のスペック、発売日が気になるのは韓国のスマートフォンユーザーも同じである。2012年早々サムスンのGalaxy S3が発売されると噂されているだけに、購入を検討するユーザーは、iPhone 5 にするかGalaxy S3にするか、悩ましい。

 9位はイ・ジア、10位イム・ジェボムと世間を騒がせた芸能人の名前が挙がっている。秘密主義で私生活がヴェールに包まれていた女優のイ・ジアが、ずっと独身だと思われていた一世を風靡した大物歌手を相手に離婚訴訟を起こし韓国社会を驚愕させた。イ・ジアは日本でも放映されたドラマ「太王四神記」と「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」の主人公である女優。イム・ジェボムはキーワードランキング3位の「私は歌手だ」に出演して再起に成功した往年のロック歌手である。

 2011年から新しく集計されることになったスマートフォンからの検索キーワードランキングは、1位が「私は歌手だ」、2位が「スーパースターK3」で優勝したグループ「ウララセッション」、3位がiPhone 5、4位が「スーパースターK3」、5位がポータルサイトで無料公開されているウェブマンガ(韓国ではWebtoonという)であった。

 一方、移動通信キャリアSKテレコムのグループ会社であるSKマーケティング&カンパニーが成人9016人を対象に調査した「2011年IT・モバイル最高のイシュー」では、1位はスティーブ・ジョブス死亡、2位が次世代高速通信仕様であるLTEの時代到来、3位がスマートフォン加入者2000万人突破(人口の4割)、4位はサムスンとアップルの訴訟、5位がソーシャルコマース市場の急成長であった。2011年末にはサムスン、LG、パンテックからLTE搭載スマートフォンが出そろい、2012年から本格的な競争が始まると予想されているだけに、LTEは当分重要なキーワードになりそうだ。

 韓国では日本のグーグルやMSN、Biglobeなどネットサービスの検索キーワードランキングもいろいろな媒体で紹介されている。東方神起や少女時代、KARAといったKPOPアイドルの名前が日本の検索キーワードランキングに入っていることがTwitterやブログなどで話題になった。韓国人が好きなアイドルが日本でも人気を集めていることが嬉しくもあり不思議でもあるといった反応だった。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
 [2012年1月5日]

 
-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20120104/1040054/
2012/02/27 09:19 2012/02/27 09:19
 韓国インターネット企業協会が選定した「2011年インターネット業界10大ニュース」が発表された。大手ポータル、コミュニティ、オンラインゲームなどネットサービス会社のCEOが会員になっている団体で、毎年インターネット業界CEOが注目した話題を発表する。

 2011年はスティーブ・ジョブス死亡、スマートフォン加入者が全国民の40%/経済人口の80%突破、モバイルポータルサービス拡大、SNSの進化、ソーシャルコマース急成長、インターネット経済規模がGDPの5.94%にあたる63兆ウォン(約4兆2300万円)に成長したこと---などが選ばれた。

 話題が集中したのはなんといってもソーシャルコマースである。取引額がこの1年の間に500億ウォン(約34億円)から1兆ウォンへ(約670億円)と20倍成長しているからだ。ポータルサイトのNAVERが発表した2011年度のキーワード検索1位と2位もソーシャルコマースだった。1位はクーパン、2位はチケットモンスター、どっちもソーシャルコマース事業者の名前である。





ソーシャルコマース1位「クーパン」のアプリ


 ニールセンコリアが発表した「成長サイト」でもソーシャルコマースサイトの躍進が目立つ。2011年1月と11月の訪問者数を比較して、最も訪問者数が伸びたサイトを分野別に発表するものである。電子商取引ではクーパンが320万8805人から829万5095人へ158.5%増加、チケットモンスターが313万1808人から580万2745人へ85.3%増加し、成長率1位、2位となった。

 韓国のソーシャルコマースは2010年2月にウィーポンという会社が登場してから、チケットモンスター、ウィ メイク プライス、クーパン、グルーポンをはじめ2011年8月時点で500社以上もある。

韓国のソーシャルコマースも日本と同じで、5000ウォンの商品券が1000ウォンで買えるとか、特定の商品と交換できる商品券(クーポン)を半額以下の値段で買って、お店で交換するというものである。レストランのセットメニュー、ケーキなど食べ物とネイルサロン、エステが人気を集めている。

 ソーシャルコマースの商品券はスマートフォンからも購入できる。AR(「拡張現実」の略。現実の映像にデジタル情報を重ね合わせる技術のこと)と位置情報を利用して自分の周りにソーシャルコマースで安く商品券を販売しているお店を探すアプリ「スキャンサーチ」も300万人がダウンロードしたほど人気を集めている。

 日本でも有名な女優キム・テヒと徴兵制により出入隊したピ(Rain)がイメージモデルのクーパンは会員数900万人を突破。チケットモンスターは400万人を突破した。Webサイトログ分析専門会社のrankey.comによると、ソーシャルコマース訪問者数1位は「クーパン」、2位は「チケットモンスター」、3位は「グルーポン」、4位は「ウィ メイク プライス」で、この4社対残り500社以上の競争になっている。






女優のキム・テヒはクーパンのCMにイメージモデルとして出演している

 米国のソーシャルコマースは、SNSを基盤にしているのでその分マーケティング費用がかからないから安く販売するという趣旨であるが、韓国は「○○を半額で買える商品券販売」という一種の商品券サイトのようになってしまった。

 日本では2011年の年初、サイトに掲載された、割引クーポンで申し込むおせち料理と見た目が違うおせちが配送された「おせち事件」をきっかけにソーシャルコマースが委縮したというが、韓国でも似たような事件があった。商品券を買ってレストランに行ったところ、ソーシャルコマース会社が宣伝していた写真と全然違うメニューを出された、商品券を買ったのに予約がいっぱいだと断られ有効期間内に使えなかったなど、消費者センターへの苦情が相次いだ。

 2011年5月に韓国公正取引委員会がソーシャルコマースを「通信販売仲介業者」ではなく「通信販売業者」として定義し、顧客が購入した日から7日以内であれば自由に払い戻しできるようにし、商品の販売方式や品質なども厳しく監督するようになった。

 それでもソーシャルコマース会社は雨後のたけのこのように設立している。その理由はやはりお金になるからだ。


スマートフォンが普及してから、韓国の人口の4割はいつでもどこでもネットにつながっている。買う前にスマートフォンのアプリで価格を比較して、同じものなら安い方で買うのがライフスタイルとして定着しつつある。長引く不況の影響もあるが、買うかどうか迷う時も、SNSを利用して友達に聞けばすぐ答えが帰ってくるので、衝動買いというのもだんだんしなくなった。

 そのため一つの商品を大量に売ることで安くしているソーシャルコマースに人が集まり、ソーシャルコマースを利用しないと、なんだか払いすぎているような気分になることすらある。いろいろなクレームがある中でも、ソーシャルコマースの市場規模が2011年の1年間に20倍も成長している理由はやはり「安い」からだ。それに今韓国でソーシャルネットワークは最もホットな話題になっているので、ソーシャルコマースに商品を提供しただけで一緒に話題になり広告効果が倍になるため、企業側も喜んで商品を出すというのもある。

 最近はソーシャルコマースでも、レストラン、ファッションだけでなく歯科のインプラント治療、眼科のレーシック手術の商品券を安く販売するところも出てきた。育児専門、ウェディング専門、食材専門など、分野別専門ソーシャルコマースも登場し始めている。SNS経由で口コミが広がり商品の売上にも大きな影響を与えるのがソーシャルコマースである。人々の口コミを欲しがる企業をターゲットに、グルーポンは中小企業の「名品」、ウィ メイク プライスは地方特産品を日替わりで安く販売するコーナーを設けている。

 2012年もソーシャルコマースは勢いよく成長すると見られる。クーパン、チケットモンスター、グルーポン、ウィ メイク プライスの4社は「信頼」される企業になりたいとして顧客センターの人員を増やし、購入取り消しや払い戻し手続きを改善した。また未使用商品券の場合は、顧客が払い戻し申請をしなくても、有効期間が終わった日から20日後購入価格の90%を自動払い戻しする。宣伝したのとは違う商品を渡された、写真と違う料理だったという苦情を防止するため、品質管理も徹底して行うとしている。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
 [2011年12月28日]

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20111228/1040023/



2012/02/25 08:57 2012/02/25 08:57

 ソウル市の朴元淳(パク・ウォンスン)市長が、初の海外出張として2月8日から10日まで東京と横浜を訪問した。

 朴市長は市民運動家。2011年10月のソウル市長選で当選した。「市民のために正直にまじめに働いてくれること間違いなし」と、20~40代の市民から熱烈な支持を受け、53.4%の票を得て当選した。政治家同士のしがらみがなく、不正で富を蓄積するようにも見えもない――庶民の側に立つ正義の味方として若い世代ほど朴市長を支持した。2012年2月3日で就任100日目を迎えた。

 朴市長は東京へ出発した2月8日、ソウル市のホームページに市民への手紙を公開した。出張についても触れている。「これまでの10年は、都市のために人を犠牲にした10年でした。これからの10年は、人のために都市を変える10年にしなければなりません。ソウルという都市の哲学、都市文明の発展と衰退、市民の参加と協力というテーマを進展させるために、絶えず努力します。これを思うと胸がときめきます。日本に行って、都市の興亡の原因と代案について、より深く勉強してきます」。

 市民の期待を背負って当選した朴市長が初の海外出張先として東京と横浜を選んだのは、「都市の安全」を学ぶためである。朴市長は当選した時から、これを市長としての課題にしていた。朴市長は予算を節約しながら住みやすいソウル市にするため、土木工事を最小限にし、エネルギー、環境、防災問題に積極的に取り組んできた。

 再生エネルギーと防災対策について、ソウルと横浜は社会制度や都市構造が似ている。このため、鶴見川遊水池と川井浄水場を視察して、集中豪雨・洪水対策と小規模水力発電について学ぶ考えだ。具体的には、以下の方案に生かす。ソウル市内にある52の遊水地の水質を改善して、鶴見川多目的遊水池のように貯水容量を増やし、普段は公園や文化施設として活用する。ソウル市浄水センターに、川井浄水場のような小規模水力発電所を設置して太陽光発電設備を拡大する。

 東京の環状7号線の地下にある貯水トンネルのような施設を、ソウルに導入することも検討する。ソウルは2011年夏、集中豪雨のため大混乱に陥った。繁華街では、乗用車が水に沈んだ。ソウル南部の住宅街では土砂災害により7人が亡くなった。大雨のたびに浸水する住宅や地下鉄駅が残っている。

 ソウル市は2011年6月、東日本大震災をきっかけに「地震に強いソウルづくり総合計画」を作成した。施設の耐震性強化と、地震が発生した時に各省庁が迅速に対応できる体制を整えるのが主な内容だ。東京都の防災対策について学び、この計画をより現実的なものにするとしている。

一般人と一緒に搭乗手続き、席はエコノミー

 朴市長の海外出張は出発前から話題になった。これまでの慣例をことごとく破ったからだ。今回は、現場で実際に働く課長クラスが同行した。従来は、局長クラスが同行していた。金浦空港では、他の乗客と一緒に出国手続きをした。座席もエコノミークラスを利用した。これまでの市長はビジネスクラスを利用。空港ではVIPルームから出国手続きをしていた。従来のように5つ星ホテルではなく、今回、東京では、3つ星の新宿ワシントンホテルのスタンダード客室を利用した。

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By 趙 章恩

2021年2月15

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120213/227147/
2012/02/23 09:13 2012/02/23 09:13

 2012年1月23日は旧暦のお正月だった。韓国は旧暦のお正月で、お正月を祝う。中国も同様だ。春節といって大型連休になる。このため、中国人の多くが海外旅行に出かける。中国人観光客を誘致しようと周辺国は大忙しだ。お金を使ってくれる中国人観光客を積極的に誘致しようとしているのは日本だけでない。韓国も同じことを考えている。

 日本のニュース番組が、日本を訪問する中国人観光客が増え、家電売場や免税店の売り上げが伸びていることを紹介していた。さらに、韓流ブームの影響を受け、中国人観光客が日本以上に韓国に訪問していると紹介していた。

 韓国を訪問する日本人観光客が爆発的に伸びたのは、韓国ドラマ「冬のソナタ」がきっかけだった。「冬のソナタ」のロケ地巡りツアーが大ヒットし、ソウルだけでなく、ソウルから東北へ3時間以上離れた江原道にまで日本人観光客が殺到したのには驚いた。

 その後、日本では、いろんな韓流ドラマのロケ地巡りツアーがヒットした。芸能人に会えるツアー、音楽番組の公開収録に参加するツアーも登場した。日本で韓流ブームが巻き起こってから、日本に対する韓国人の意識がずいぶん変ったものだ。韓国でも日流ブームが始まり、日本の小説がベストセラー上位を占め、日本のドラマがケーブルテレビで放映されるようになった。韓国でも、日本ドラマのロケ地巡りがはやった。日本のアイドルが韓国で公演できるようにもなった。

 今、中国で同じようなことが起きているそうだ。韓国ドラマのロケ地を巡り、人気アイドルが出演するコンサートに行き、ドラマの主人公が着ていた韓国ブランドの洋服や化粧品をお土産に買って行く。逆に中国を旅行する韓国人も増えた。

明洞で、中国語しか通じない店に出会う

 この前、外国人観光客が集まるソウルの繁華街、明洞(ミョンドン)に行って驚いた。明洞のお店のどこに入っても日本語と中国語の両方で案内が書かれている。店員さんも、日本語と中国語の両方が話せる人がとても多かった。しかも、ある化粧品店では、店員さんが中国人で、韓国語が通じなかった。

 90年代まで、女子大生に人気のショッピングスポットだった梨花女子大学前は、今や中国人観光客で埋め尽くされている。中国人の間で、「梨花女子大学正門の前で写真を撮るとお金持ちになれる」という噂が広まっていることが理由だ。「梨花」(イファ)が、「お金を稼ぐ」という意味の中国語「利發」と発音が似ていることから、そのような“ジンクス”ができたらしい。韓国ではこれを「ストーリーテリング観光」と呼ぶ。縁起が良い場所、中国と縁のある場所など、観光客が訪問したくなるスポットを増やそうとしている。

中国人観光客は接客しだいで、1日700万円ぐらいを平気で使う

 有名ブランド品しか扱わないソウル江南区にある高級デパートの「ギャラリア」には日本語と中国語を話すコンセルジュが常駐している。免税店よりも新作がそろっていて、空港で税金を控除してもらえるので、デパートでブランド品を買う観光客が増えているからだ。

 デパートのコンセルジュの仕事は主にショッピングのお手伝いをする通訳である。それに加えて顧客の趣向を覚え、韓国の芸能人に関する話題から観光案内まで情報を提供する。顧客が「○○という韓国ドラマの□□のシーンで、主人公の女性が着ていたスカートがほしい」と言うだけで、そのブランドの売り場に案内するという神業が、売り上げの拡大に貢献している。

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2012/02/20 09:12 2012/02/20 09:12
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 2011年12月5日、韓国の貿易高が1兆ドルに達した。関税庁の通関基準で輸出5153億ドル、輸入4855億ドルを記録したのだ。貿易高がこれまでに1兆ドルを超えた国は米、英、独、仏、蘭、伊、中国、日本で、韓国は世界で9番目にこの記録を達成した。

 韓国は1974年に貿易高100億ドルを達成した後、1988年に1000億ドル、2005年に5000億ドル、2011年には1兆ドルと拡大させてきた。韓国は世界でも稀なスピードで貿易を拡大させている。70年代の輸出品の主力は繊維とかつらだった。今は、自動車、船舶、半導体、LCD、携帯電話が輸出を支えている。

 2011年の貿易収支が31年ぶりに赤字となった日本とは対照的に、韓国経済は勢いよく成長しているように見える。実際、サムスン、LG、ロッテ、SKなど韓国を代表する財閥企業の利益は増えるばかりである。

所得が減った人、負債が増えた人が全体の4分の1に上る

 ところが一般国民の“体感経済”は厳しくなるばかりである。韓国統計庁が2011年12月に発表した「2011社会調査」を見ると、自分を「中流」と答えた人の割合は1988年の調査開始以来最も少なかった。

 「私は社会的・経済的に中流」と答えた人は、2年前より2.1ポイント減の52.8%。一方「私は下流」と答えた人は2年前より2.9ポイント増加して45.3%だった。「上流」と答えた人は1.9%で2年前より0.8ポイント減っている。社会調査は2年に1度行われるもの。今回は、13歳以上の3万8000人を対象に行った。

 65歳以上の回答者を見ると、自分を「中流」と答えた人は35%しかいなかった。60歳以上を対象に「最も大変なこと」を尋ねたところ、40.6%が「経済的問題」と答え、「健康」(37.8%)、「やることがない」(6.2%)、「さびしい」(3.7%)よりも断然多かった。超高齢化社会になりつつある韓国で、生活に困っている高齢者の増加は今後大きな社会問題になるだろう。

 韓国では1998年の経済危機以降、40代定年が定着している。このため老後の準備をする経済的余裕がない人が多い。社会調査でも、「老後の準備をしている」と答えた人は75.8%(19歳以上の回答者)。24.2%は「老後の準備をするほどの能力がない」(同)と答えている。

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By 趙 章恩

2021年2月1

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120130/226641/
2012/02/15 23:38 2012/02/15 23:38
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旧正月を前に、デパートや大手スーパー、コンビニがギフトセットコーナーを設けている。韓国にもお歳暮を贈る習慣がある。お正月前の贈り物として人気なのはやはり食品だ。牛カルビ、牛テール(しっぽや牛の骨を24時間以上煮込んでスープにする)、りんご、干し魚、のりなど、世代に関係なく喜ばれるものを贈り合う。

 お正月には法事もあるので、できるだけ韓国産の高級食材を買う。韓国の牛は「ハンウ(韓牛)」と呼ばれ、輸入牛よりも高級な肉として高く売られている。食堂でも、輸入牛のカルビに比べて、韓牛のカルビは2倍以上高い値段がついている。日本で、輸入牛より和牛の方が高くておいしいのと同じだ。

 韓牛の値段は毎年どんどん値上がりしている。コットゥンシム――花のようにきれいなマーブルがあるという意味――と呼ばれるRib Eye Roll は、食堂で食べると1人前150グラムで5万ウォン(約3500円)ほどする。自治体が主催するイベントにソウル市内の農協が参加して「韓牛を安く買える特売イベント」を行うと、毎回2~3万人の人が集まるほど人気が高い。

 ところが2012年1月4日、衝撃的なニュースが流れた。全羅道のある農場で農場主が牛9頭を餓死させたというのだ。10日には同じ農場で牛4頭がまた餓死した。この農場では2011年12月にも牛が十数頭餓死しているという内容だった。飼料は値上がりしているのに牛の値段が安すぎてもう飼えない、という理由で餓死させたという。中央省庁の農林水産食品部はこの農家を「動物保護法違反」で取り調べ、過怠料を賦課すると発表した。

 これに対して韓牛畜産団体は「牛の餓死は虐待ではなく仕方ないことだった」「政府が牛の需要予測、価格統制に失敗したせいで起きた惨事」「牛を飼う農場は、人が死ぬか牛が死ぬかの切羽詰まった状況に置かれている」と反発している。

 動物保護団体が農場に行って調査したところ、農場主は30年にわたって150頭以上もの牛を飼っていた。国際穀物価格の上昇に伴って飼料が値上がりし続けたため、畑を売り、老後のための保険まで解約して対応した。しかし、借金は増える一方で1億5000万ウォン(約1050万円)にまで増えたという。牛を売ろうとしても、価格が暴落していて、飼料より牛の価格の方が安かった。結局、牛に水しかあげられず、牛は次々に餓死した。

牛の卸値は半値に、飼料価格は2倍に

 主婦の1人として、一体何が起こっているのか、驚かずにはいられなかった。スーパーやデパート、食堂で売られている牛肉の値段は値上がり続けているのだ。産地では牛の値段が安すぎて餓死させるしかないなんて、まったく知らなかった。

 韓国消費者連盟が公正取引委員会の支援を受けて、2012年1月、全国641カ所のデパートと食堂の牛肉価格を調べた。この結果、牛肉の消費者価格は値上がり続けていることが分かった。韓牛の中で最も高価な1++等級の牛肉の場合、2012年1月の卸売価格は、2010年10月に比べて22.7%下落した。

 いっぽう消費者価格を調べると、デパートは3%、大手スーパーは12%も値上げしていた。1++等級韓牛100グラム当たり値段は、デパートが1万1738ウォン(約840円)、大手スーパーが8047ウォン(約560円)、市場の精肉店が6873ウォン(約481円)だった。

 韓牛価格に占める小売流通業者のマージンは、2009年には37.5%だったものが2011年には42.3%にまで上昇していることも分かった。デパート側は「肉の管理や包装、加工の仕方によって味も栄養も異なる。その努力をするためには、人件費や運営費を考えると、値上げするしかない」と主張していた。しかし、この調査結果が発表されて以降、「ロッテ、現代、新世界、EMART、Homeplusといったデパートと大手スーパーが流通マージンを取りすぎている」との非難がネットのニュースコメント欄に集中している。

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By 趙 章恩

2012年1月25

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120123/226410/
2012/02/12 23:34 2012/02/12 23:34
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2012年は、日本では「辰」年、韓国では「龍」年である。韓国では「黒龍」の年とも言われている。黒龍年に生まれる子供は、財産にも社会的地位にも恵まれるという俗説がある。

 出産率がどんどん落ちている韓国で、「黒龍」年こそ出産率を高めようと、自治体がいろんな出産奨励策と打ち出している。出産支援金を支給したり、子供の予防接種を無料にしたり。託児所の設置を会社に義務づけてもいる。

 しかし2011年末、ますます子供を産みたくなくなる出来事が連続して起こった。

ネット代を支払わせる、ネットに悪口を執拗に書きこむ

 2011年12月だけで、3人もの中高生が「いじめ」を苦に自殺したのだ。大田では女子高生が、大邱と光州では男子中学生が自殺した。

 韓国語には、「いじめ」に相当する単語がない。なので、「多数から仲間外れにされる」という意味を持つ造語「ワンタ」を使うことが多い。一部のマスコミは、日本語の「イジメ」をそのまま使っている。

 具体的ないじめ方法として、「パンシャトル」「Wifiシャトル」などが挙げられる。「シャトル」は「お遣い」の意味。いじめっ子たちの命令を受け、売店に行き自分のお金で買い物をするのが「パンシャトル」。「Wifiシャトル」は、いじめっ子がスマートフォンを使ってタダでインターネットにアクセスできるようにすることだ。

 ネットでは「○○学校□年□組△△(名前)のアンチカフェ」という掲示板をつくり、特定の子に対して集団で執拗に悪口を書き込む“仲間外れ”が行われている。中高校だけでなく小学校でもいじめが問題になっている。

 12月には、あるいじめられた女子の父親が、いじめっ子である同級生の男子小学生を殴り社会問題になった。男の子は、女子をいじめ、数十回にわたって彼女を脅迫するショートメッセージを送信していた。父親は、学校側がいじめ問題に真剣に取り合わないことに腹を立て、“実力行使”に出た。「どんなことがあっても大人が子供を殴るのは間違い」という意見と、「自分が父親だったら同じことをしていた。学校が悪い」という意見がネット上で対立した。1月時点で、いじめっ子の男子は学校に残り、被害者の女子は心療内科でカウンセリングを受けている。その父親は大学教授だったが、この件が問題となり職を失った。

エレベーターの中で何度も迷った女子高生

 大田の女子高生のケースでは、彼女が住むマンションの防犯カメラに彼女の最後の姿が残っていた。これがネットに公開された。防犯カメラは、自宅のある4階でいったんエレベーターを降りた女子高生が、またすぐエレベーターに乗って最上階の14階に向かう姿を録画していた。エレベーターの中にある鏡でじっと自分の顔を見つめていた彼女は、14階に着くと、エレベーターから降りるかどうか何度も迷った。数分後、防犯カメラから姿を消した彼女は、14階から飛び降りて自殺した。

 警察の捜査によると、女子高生は自殺した日、いじめのことで悩んでいると担任教師に相談した。しかし、「いじめ問題は学生同士で解決しなさい」と言われ、相手にしてもらえなかったことが警察の捜査によって判明した。また教員室から出てくるところをいじめっ子らに見つかり、さらにひどくいじめられたと、他の学生が証言している。担任教師は、「体調が悪いので相談は別の日にしてくれないかと言っただけ。自殺するほど悩んでいるとは気づかなかった」と弁解した。

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By 趙 章恩

2021年1月18

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120116/226160/
2012/02/09 23:31 2012/02/09 23:31
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環境財団(Korea Green Foundation)が2011年12月12日、「世の中を明るくした人たち」の7回目の表彰式をソウルで行った。環境財団は2002年11月に設立された環境団体で、環境と生命を守り、持続可能な社会をつくるための活動を行っている。「世の中を明るくした人たち」は、寄付、献身、挑戦、情熱、感動、笑いで韓国社会を明るくしてくれた個人や団体を表彰するもの。ウェブサイトで推薦を受けつけ、環境財団が選んだ審査委員による審議を経て33人の受賞者(団体)を選ぶ。歴代受賞者は主にスポーツ選手、市民運動家、芸能人、学者だった。

 2011年度の受賞者には、政治風刺で人気を集めているお笑い芸人たちと、同じく政治風刺のポッドキャスティングに出演しているチョン・ボンジュ前民主党議員が33人の中に含まれた。このことが話題になっている。

「骨のある笑い」が評価を受けるお笑い芸人

 受賞した1組は、韓国放送(KBS)が毎週日曜日に放送する人気お笑い番組「Gag Concert」の「カマキリ幼稚園」コーナーに出演している芸人たちである。審議委員は韓国社会の問題を面白おかしく批判し、視聴者を笑わせていることが高く評価した。「カマキリ幼稚園」では教育、政治、不動産バブル、青年失業、物価高騰など、韓国に住む人なら誰もが不満に思うことを風刺している。

 例えばカマキリ幼稚園は、塾に頼る教育の実態を風刺する。韓国では、子どもたちを小学生の頃から塾に行かせ、大学入試に備えさせる。塾に行かせるための教育費の負担は重い。

 園児が「私は大人になったら良いお母さんになって子供を賢く育てたい」と言うと、先生がこう反応する。

 「賢い子供を育てるためには早期教育が大事。なので塾に行かせないといけません。英語がいちばん大事だから英語塾に行かせる。その次に作文塾。感性を伸ばすためにピアノ塾。体力を補強するためテクォンド塾にも行かせます。うちの子は公園で遊ばせたいって? 公園に行っても誰もいません。子供はみんな塾にいます」

 「塾に行かせた子供が大きくなると何になるのか。大学生になります。大学を卒業すると英語のうまい会社員、ピアノのうまい会社員になります。塾に行かせても何も残らないって? 塾に行っていたという思い出は残ります」

 「カマキリ幼稚園」の出演者らは「骨のある笑い」を見せてくれるとして、大変人気がある。しかし、それゆえに告訴されたこともある。無所属国会議員のカン・ヨンソク議員が、カマキリ幼稚園に出演しているお笑い芸人のチェ・ヒョジョン氏を「国会議員を侮辱した」として11月17日に告訴したのだ。

 カン議員は、「カマキリ幼稚園」でチェ氏が口にしたセリフを問題にした。チェ・ヒョジョン氏は10月2日の放映で、国会議員になるのは容易であるとして「与党の首脳部と仲良くなって、与党の推薦を受けて、与党の畑(選挙区)で出馬すればいい」「選挙運動の際には普段は行かない市場に行って、おばあちゃんたちと握手すればいい。普段は食べないクッパを一度食べるだけでいい」「公約を話す時はその地域に橋を架けるとか、地下鉄を開通させるとか……あ、現実的に厳しいって? 大丈夫。口で言うだけだから」と話した。カン議員はこのセリフが刑法第311条の侮辱罪に当たると主張した。

 ソーシャルテイナーの1人である笑い芸人のパク・ミファ氏や評論家のチン・ジュングォン氏などはTwitter上で「お笑い番組の内容を侮辱として受け止めること自体、後ろめたいことがあるからではないか」とカン議員を非難した。野党の民主党は「カン議員は『国会議員を代表して告訴する』と言うが、彼に代表になる資格はない」との声明を発表した。カン議員は11月29日「チェさんには申し訳ないことをした」と自身のブログで謝り告訴を取り下げた。この事件をきっかけに、韓国ではお笑い風刺がもっと注目されるようになった。

「笑いながら戦う」ポッドキャストが大人気に

 「世の中を明るくした人たち」に選ばれたもう1人、チョン・ボンジュ前議員が出演しているのは「ナヌンコムスダ(私はコムスだ、コムスは裏手を使うという意味)」、略してナコムスという有名なポッドキャスティングである。出演者はタンジイルボ(インターネット新聞)のキム・オジュン代表、チョン・ボンジュ前議員、週刊誌「時事IN」のチュ・ジンウ記者、時事評論家のキム・ヨンミン氏の4人。

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By 趙 章恩

2012年1月4

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111222/225566/
2012/02/06 07:26 2012/02/06 07:26
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北朝鮮が12月22日、弔問団に対する立場を変えた。北朝鮮の祖国平和統一委員会は、WEBサイト「ウリミンゾクキリ(我が民族同士)」を通じて、海外、韓国からの弔問団すべてを受け入れると発表した。当初は、海外からの弔問団を拒否するとしていた。それだけではない。祖国平和統一委員会は22日から25日にかけて、韓国政府が弔問団を派遣しないことを猛烈に非難する掲示を同サイトに4件も掲載したのだ。

 祖国平和統一委員会はWEBサイトに「(韓国政府の)半人倫的で、初歩的な礼儀と同胞愛までも完全に喪失した処置に怒りを隠せないでいる」「弔問団の訪朝を妨害することは、北南関係において想像できない破局的結果をもたらすことを肝に銘じなくてはならない」「これを機に北南関係改善に対する(韓国政府の)真正性を検討する」「(韓国政府が)どのような態度を見せるかによって、北南関係が改善する可能性もあり、完全に終わる可能性もある」と書いている。

 韓国政府は立場を変えていない。北朝鮮の住民に対して弔意を表明するが、政府公式の弔問団は派遣しないとしている。ただし、民間弔問団の北朝鮮訪問は限定的に許可することにした。

 世論調査専門機関「リアルメーター」が毎週実施している大統領支持率調査によると、2011年12月4週目の「李大統領の国政遂行支持率」は26.9%。前週より1.2ポイント上がった。金正日総書記が死亡したことを北側が発表するまで大統領が知らなかったことが問題となったが、それでも大統領としてやるべきことをした――北朝鮮へ公式弔問団を派遣しなかった、日韓首脳会談で日本軍慰安婦に対して日本政府が謝罪するよう求めた――として支持率が上向き始めた。

故金大中元大統領の夫人と、現代の会長が弔問のため訪朝

 金正日総書記死亡のニュースが流れてからすぐ、北朝鮮を訪問したいと願っていた故金大中元大統領のイ・ヒホ夫人と、金剛山観光を推進してきた現代グループのヒョン・ジョンウン会長の2人を中心とする民間弔問団が12月26日北朝鮮を訪問した。故金大中元大統領と現代グループの故チョン・チュヨン名誉会長の葬儀に、北朝鮮は公式弔問団を派遣している。そのため政府は、2人の弔問を特別に許可した。

 現代グループは、1998年に北朝鮮観光事業を開始した。翌99年に、対北事業を担当する現代峨山を設立。2003年2月には、陸路で金剛山に行く観光ツアーを始めた。

 しかし2008年7月、北朝鮮兵士が韓国人観光客を射殺したことによって、金剛山観光はもちろん、その他の北朝鮮観光事業もすべて中断することになった。現代グループは北朝鮮観光再開を巡り、この弔問が好転のきっかけになることを願っているのかもしれない。でも北朝鮮は殺害した韓国人観光客に対して何の謝罪もしていないし、再発防止も約束していない。

ハンナラ党の元代表であるパク・グンヘ議員が猛反対

 韓国の国会で、国会議員も民間弔問団に参加すべきではないか、という議論が起こった。これに対して与党ハンナラ党の元代表であるパク・グンヘ議員――故パク・ジョンヒ元大統領の娘――がこれに反対した。「ヨンピョンド砲撃事件と天安艦事件でまだ心を痛めている人が多いのに、弔意を論じる時ではない」「まずは北朝鮮が謝罪するべき」「弔問団については政府が決めた基本方針に従うべきである」。これを受けて、国会議員と政府関係者は弔問しないことが決まった。

 徴兵で軍に行きヨンピョンド砲撃によって亡くなった故ソ・ジョンウ下士の遺族らが、パク・グンヘ議員の個人ホームページに感謝の言葉を書き込んだことも話題になった。「国のために戦死した若き魂には、北朝鮮が言う『金正日に弔問団を送るのが道理』という話が理解できません。弔問どころか哀悼もしなかった人たちが、そして、ヨンピョンドに向けて無差別砲撃という蛮行をした人たちが言う道理とは何なのでしょうか」と書いてあるのが印象的だった。

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By 趙 章恩

2011年12月28

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20111227/225675/
2012/02/05 23:26 2012/02/05 23:26