2025年2月9日、韓国公正取引委員会は米Broadcom(ブロードコム)が韓国で130億ウォン(1ウォン=0.1円換算で約13億円)規模の基金を設立し、韓国のシステム半導体産業を支援することを提案したと発表した。これは韓国公正取引委員会の制裁を避けるための「自主是正」方策の一環である。ブロードコムは半導体の設計・製造からソフトウエアまでを手掛け、韓国では「第2のNVIDIA(エヌビディア)」とも呼ばれるほどの大手である。
韓国公正取引委員会は、「ブロードコムが韓国のセットトップボックス製造会社に対し、自社の部品を購入するよう強要した」との疑いで調査を行っていた。韓国公正取引委員会の調査結果の発表前に、ブロードコムは「自主是正」として「韓国のセットトップボックス製造会社が必要とするシステム半導体部品の過半数をブロードコムから購入するよう強要しない」「過半数の購入を断ってもシステム半導体部品の販売・配送を中断または遅延したり、提供していた技術支援を撤回・修正したりする不利益を与えない」とした。さらに、次のようなことも約束した。年に一度社内で公正取引法に関する教育を実施するとともに、公正取引法を順守していることを毎年韓国公正取引委員会に報告する。韓国のシステム半導体産業のコンサルティングや海外進出を支援し、半導体専門家養成のため教育センターの設立と運営も行う。中小企業やスタートアップと共生するために130億ウォン規模の基金を設立する。公正取引法違反が確定して制裁を受ける前に自主是正を提案したと見られる。韓国メディアは「ブロードコムが公正取引委員会に白旗をあげた」と報じた。
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2025. 2.
-Original https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00125/