サムスンはディスプレー、LGはAI家電 韓国最大規模のICT展示会で競演

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韓国ソウルのCOEX展示場で、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)や韓国LG Electronics(LG電子)、通信事業者3社、ICT(情報通信技術)関連の中堅企業、放送事業者、AI(人工知能)スタートアップ、大学の研究所などが参加する大規模な展示会が開催された。韓国科学技術情報通信部(部は省に当たる)が主催する、ICT関連の展示会「World IT Show(WIS) 2026」である。

「World IT Show 2026」の会場入り口

(写真:趙 章恩)

 今年で18回目を迎えたWISのテーマは「Beyond Idea, Into Action:AI moves Reality」。出展されたブースは合計1400。展示内容は、家電、通信、AIサービス、コンテンツサービス、モビリティー、ヘルスケア、スマートファクトリー、半導体など幅広い。2026年4月22~24日に開催された。

 WISの特徴はビジネス向けの展示会でありながら、一方で韓国のICTがどれほど発展したかをあらゆる世代の国民に体験してもらう役目を担っているという点である。ブースごとに、自社の技術が日常生活や産業でどのように使われているのかをわかりやすく説明する映像を流し、会場はスタンプラリーやクイズ大会でにぎわっていた。

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LG電子はAI家電とIoT訴求

趙 章恩=(ITジャーナリスト/KDDI総研特別研究員)

(NIKKEI TECH)

2026. 5. 
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サムスンはディスプレー、LGはAI家電 韓国最大規模のICT展示会で競演 | 日経クロステック(xTECH)

サムスン、26年1~3月営業益で韓国最高記録 AIメモリー特需

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サムスン電子の第7世代「HBM4E」(写真:趙 章恩)

 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の2026年1~3月期の営業利益が50兆ウォン(約5兆3700億円)を突破した。四半期ベースの営業利益として韓国企業の最高記録となる。大部分を稼いだのが、半導体事業を担うデバイス・ソリューション部門だ。半導体メモリーの「スーパーサイクル」により、同社の営業利益は2027年まで拡大が続く見込みで、近い将来にGAFAMに⽐肩する可能性がある。

 サムスン電子の2026年1~3月期業績は、売上高が前年同期比68%増の133兆ウォン(14兆2800億円)、営業利益が8.55倍の57.2兆ウォン(6兆1400億円)だった。デバイス・ソリューション部門の営業利益は50兆ウォンを上回ったとみられる。

 同社の2025年12月期の営業利益は43.6兆ウォン(4兆4800億円)だった。2026年1~3月期だけで前年度通期の営業利益を越えたことになる。

 好業績の背景にあるのはAI(人工知能)向けの半導体需要だ。AIデータセンターやAI推論向けに半導体メモリーの受注が急拡大した。半導体市場は通常、年末商戦で10~12月期に売上高が伸び、その反動で1~3月期は減少する傾向がある。最近はAI向け需要の伸びにより、こうした季節性が見られなくなってきた。

 サムスン電子はこれまで、HBM(広帯域メモリー)市場で韓国SK hynix(SKハイニックス)に出遅れ苦戦していた。2026年2月に量産を始めた第6世代HBM「HBM4」から巻き返し、市場シェアを伸ばしている。

 サムスン電子の好業績は韓国経済にも影響している。韓国・産業通商資源部(部は省に当たる)が公表した2026年3月輸出入動向によれば、韓国の同月の輸出額は861億ドル(約13兆7000億円)で過去最高となった。このうち半導体輸出額は328億ドル(約5兆2200億円)と初めて300億ドルを突破した。韓国全体の貿易収支は257億ドル(4兆1000億円)の黒字で、14カ月連続の黒字となった。

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スマホ伸び悩むも全社利益の見通しは明るく

趙 章恩=(ITジャーナリスト/KDDI総研特別研究員)

(NIKKEI TECH)

2026. 4. 
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サムスン、26年1~3月営業益で韓国最高記録 AIメモリー特需 | 日経クロステック(xTECH)

韓国AI基盤モデルの開発が第2段階へ、SKは「A.X K1」をMWCで初公開

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

モバイル関連で世界最大級の展示会「MWC Barcelona 2026」がスペイン・バルセロナで2026年3月に開催された。今回のテーマは「The IQ Era」(知能の時代)。自律的にネットワークを管理するAI、AIを支えるインフラとしてのネットワーク、AIを搭載したデバイスやロボット、製造現場のAX(AIトランスフォーメーション)の事例など、MWCはモバイルの展示会からAIの展示会に変化していた。

 モバイルデバイスでは中国Honorの「Robot Phone」が大きく注目された(図1)。スマートフォンの裏側から上部へとカメラがせり出すのが特徴である。4自由度のジンバル機構にカメラを搭載し、自動回転しながら最適な撮影モードで被写体をトラッキングして撮影する。

図1 中国Honorの「Robot Phone」

スマートフォンの裏側から上部へとカメラがせり出す機構を備え、MWCで大きな注目を集めていた。会場では、バレリーナの動きに合わせてスマートフォンのカメラが向きを変え、被写体が真ん中になるよう撮影する様子をデモンストレーションした。(写真:趙 章恩)

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MWCの会場では、バレリーナが踊る姿をRobot…

趙 章恩=(ITジャーナリスト)

《日経Robo》 2026. 4.

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サムスン電子、GPU2強とHBMで協力強化 AMDトップが公式訪韓

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GPU(画像処理半導体)市場の2大メーカーであり競合関係にある米NVIDIA(エヌビディア)と米AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)が、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)にAI(人工知能)半導体に関して協力関係の強化を求めている。NVIDIAのジェンスン・フアンCEO(最高経営責任者)は年次イベントでサムスン電子に感謝の言葉を贈り、AMDのリサ・スーCEOはNVIDIAのイベント期間中に訪韓してサムスン電子を訪問、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン会長とAI半導体協力について議論した。

 韓国ではAIインフラの主導権を巡る競争が激化する中、GPUに搭載するHBM(広帯域幅メモリー、High Bandwidth Memory)を供給する韓国の半導体メーカーが重要な存在に浮上したと評価されている。

 2026年3月16日から19日にかけて米カリフォルニア州サンノゼで開催されたNVIDIAの開発者会議「GTC 2026」では、フアン氏が基調講演で次世代のAIデータセンター向け統合プラットフォーム「Vera Rubin」を公開した。NVIDIAのために「(Vera Rubinと組み合わせて使う推論専用チップ)Groq 3 LPUを製造しているサムスンには感謝している。彼らは可能な限り速やかに生産量を増やしている」とサムスン電子を取り上げて話題になった。Groq 3 LPUをサムスン電子のファウンドリーで製造していることを公開したことで、サムスン電子のファウンドリー収益が急増していることが判明した。

 GPU市場で圧倒的なシェアを誇るNVIDIAを追いかけるAMDはGTC 2026の期間中である3月18日、スー氏が初めて公式に訪韓した。サムスン電子の平沢(ピョンテク)半導体工場を訪問し、サムスン会長の李氏は晩さん会を開いた。

 AMDは同日、サムスン電子と次世代AIメモリー・コンピューティング技術分野の協力を拡大する覚書(MOU)を締結し、AMDのAIアクセラレーターに搭載する第6世代HBM4の優先供給業者としてサムスン電子を指定したと発表した。サムスン電子のHBM4は、AMDのデータセンター向け次世代AIチップ「Instinct MI455X GPU」に搭載される予定である。HBMだけでなく、AMDの次世代チップをサムスン電子のファウンドリーで委託生産する可能性もある。

 AMDはこれまで台湾積体電路製造(TSMC)のファウンドリーで委託生産していたが、TSMCの生産能力が限界に達したと言われ続けていることや、サムスン電子が米Tesla(テスラ)や米Qualcomm(クアルコム)からもファウンドリー委託生産を受注したことから、AMDもサムスン電子に生産を任せる可能性が高くなっている。安定した供給網を確保するという面でもTSMCとサムスン電子の両方に任せた方がいいという判断もあるようだ。AMDがサムスン電子と、メモリー半導体とファウンドリーの両方を取り引きすることで有利な条件を引き出せる可能性もある。

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26年は12兆円以上を投資

趙 章恩=(ITジャーナリスト/KDDI総研特別研究員)

(NIKKEI TECH)

2026. 4. 
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サムスン電子、GPU2強とHBMで協力強化 AMDトップが公式訪韓 | 日経クロステック(xTECH)

韓国KTやSK系、MWCで示した6G生き残り策 AI主導権狙う

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SK Telecomが展示したAIデータセンター。液浸冷却やAIデータセンター内の多様なデータを統合管理するAIデータセンターのインフラマネジャーで差別化した(出所:趙 章恩)

 韓国の通信大手3社がモバイル関連の世界最大級の展示会「MWC Barcelona 2026」(2026年3月2~5日、スペイン・バルセロナ)に出展した。KTとSK Telecom(SKテレコム)、LGU+が披露したのはAI(人工知能)関連のサービスや技術だ。韓国科学技術情報通信部はこれら3社などが参画する「AI Network Alliance」の立ち上げを発表した。産学官でAIインフラの立ち上げと実証を目指す。

 KTとSKテレコム、LGU+は、自社開発したAIモデルとAIデータセンター向けのAX(AIトランスフォーメーション)の事例を展示した。通信ネットワーク管理の自動化やコールセンターのオペレーター業務効率化、利用できる通信データ量の家族間での融通手続きの効率化などにAIを活用した。もはやAIなしでは通信キャリアの仕事は成り立たなくなったことが感じ取れた。

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SKが目指す「アジア最大のAIハブ」

趙 章恩=(ITジャーナリスト/KDDI総研特別研究員)

(NIKKEI TECH)

2026. 3. 
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韓国KTやSK系、MWCで示した6G生き残り策 AI主導権狙う | 日経クロステック(xTECH)

韓国の旧正月「ソルラル」は一人で過ごす時間に

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コンビニ「EMART24」の1人用ソルラル晩餐弁当 (EMART24提供)
コンビニ「EMART24」の1人用ソルラル晩餐弁当 (EMART24提供)

 2026年2月14〜18日は韓国ではソルラル(旧正月)連休だった。ソルラルは親戚が集まり朝チャレ(茶礼=先祖に感謝を報告する伝統儀式)を行い、トック(牛骨のスープにスライスした餅を入れた料理)を食べる。トックを食べると1歳年を取ったことになる。しかし、26年のソルラルは一人で過ごす人が増えた。

 農村振興庁が首都圏の1000人を対象に調査したところ、茶礼を「行わない」と答えた家庭が63.9%と、前…

残り376文字(全文576文字)

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)


週刊エコノミスト
2026. 2


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ワールドウオッチ:韓国の旧正月「ソルラル」は一人で過ごす時間に 趙章恩 | 週刊エコノミスト Online

韓国で大ブームのスイーツ「ドゥチョンク」とは?

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韓国の大手ベーカリー「パリクロワッサン」が販売するドゥチョンク (パリクロワッサンのインスタグラムから)
韓国の大手ベーカリー「パリクロワッサン」が販売するドゥチョンク (パリクロワッサンのインスタグラムから)

 韓国で「ドゥチョンク食べてみた?」があいさつ代わりになるほどの大ブームが起きている。「ドゥチョンク」はドバイ・チョンドゥク(もちもち)・クッキーの略語。マシュマロとチョコを混ぜた生地でピスタチオペーストとカダイフ(中東発祥の細い麺)を混ぜた具材を包んだデザートで、さくさくもっちりした食感が特徴である。あまりの人気にピザ屋やすし屋もドゥチョンクを作って売るほど。材料のピスタチオは品薄になり、2倍以…

残り340文字(全文540文字)

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)


週刊エコノミスト
2026. 1.


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ワールドウオッチ:韓国で大ブームのスイーツ「ドゥチョンク」とは? 趙章恩 | 週刊エコノミスト Online

AIインフラへの過剰投資が懸念されるも韓国大手がAIデータセンターへの投資拡大

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

韓国の証券業界では、米国のビッグテックによるAIインフラへの投資が過剰ではないか、という懸念が広がっている。AIの学習や推論に必要なGPUの性能は向上が続いており、買い替え時期が早まり減価償却を5年ではなく2年程度とする可能性もある。AIサービスを拡大するためにデータセンターは必要だが、これ以上のインフラ投資は建設会社とGPUをはじめとした半導体メーカーが恩恵を受けるにとどまるというものだ。

 実際、GPUを製造する米NVIDIA、GPUに搭載するHBM(High Bandwidth Memory)を製造する韓国のSK Hynix(SKハイニックス)とSamsung Electronics(サムスン電子)などの業績は好調だ。通期もしくは四半期で過去最高の営業利益となり、2027年まで業績の上昇が続くと予測されている。

趙 章恩=(ITジャーナリスト)

《日経Robo》 2026. 3.

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AIインフラへの過剰投資が懸念されるも韓国大手がAIデータセンターへの投資拡大 | 日経Robotics(日経ロボティクス)

CESで初公開のAtlas量産モデルが脚光、韓国は3年連続でアワードの最多受賞国に

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 2026年1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2026」で韓国は、大手企業からスタートアップまで約1000社が出展した。AIを搭載した家電をはじめ、フィジカルAIで周辺状況を判断して仕事をするロボット、AIで初心者をサポートする機械など前年に比べてもAI関連の展示が大きく増えた。韓国企業は自社の製品やサービスが企業の生産性向上にどう貢献するのか、実用性や完成度の高さを強調していた。

 今回、筆者は「CES Innovation Awards」の審査員としてロボティクス部門の審査をする機会に恵まれた。応募した企業はどこもAIは当たり前で、「他のロボットにはない機能がある」「前年の展示からここを改良した」と明確な差別化ポイントをアピールしていた。

図1 韓国Doosan Roboticsの「Scan&Go」

フィジカルAIで現場の状況を認識し、自律的に移動してツールを動かす。壁を塗ったり埋めたりする作業を行う。2026年の「CES Innovation Awards」でAI部門の「Best of Innovation」を受賞した3社は、Doosan Roboticsを含めて全て韓国企業だった。(写真:趙 章恩)

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

《日経Robo》 2026. 2.

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CESで初公開のAtlas量産モデルが脚光、韓国は3年連続でアワードの最多受賞国に | 日経Robotics(日経ロボティクス)

「2030年にPhysical AIで世界トップ」へ、AIファクトリー関連で150兆ウォンを投資

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 「2030年にPhysical AIで世界トップ」を目指し、韓国の官民が協力した投資が始まっている。特に製造業のAX(AIトランスフォーメーション)を早期に進め、AIファクトリーを増やそうとしている。

 韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は2025年12月、「AI Driven Company」を目指した組織改編を行った。失敗を恐れない挑戦とイノベーションこそが同社のDNAであるとして、2026年は全事業部がAIへの取り組みを強化する。経営支援担当役員の下にAXチームを新設し、全事業部の課題を見つけ出してAIによって生産性を高める。研究所ではなく経営支援を担当する組織がAXを担うのは、生産性の向上を重視したためとみられている。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

《日経Robo》 2026. 1.

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「2030年にPhysical AIで世界トップ」へ、AIファクトリー関連で150兆ウォンを投資 | 日経Robotics(日経ロボティクス)