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韓国LG Display(LGディスプレイ)は2025年6月17日、OLED(有機EL)の技術競争力および成長基盤強化のために1兆2600億ウォン(約1380億円)を投資すると発表した。投資期間は2027年6月末までの約2年間で、投資金額のうち、7000億ウォン(約770億円)は同社の有機EL生産拠点である韓国・坡州(パジュ)事業所の装備やインフラ構築に振り向ける。5600億ウォン(約620億円)はベトナム・ハイフォン工場の組み立てライン投資に使う。
LGディスプレイが開発した高解像度で低消費電力の次世代OLEDパネルの納品契約が進んでいることから、このパネルを大量生産するための投資とみられる。今回の投資金は、2024年に中国・広州市のLCD(液晶ディスプレー)工場を売却して得た資金の一部である。
同社が中国に新規投資せずに韓国を重要な開発拠点としたことから、韓国メディアはリショアリング(国内回帰)事例として注目している。米中貿易摩擦が続くなか、米国の関税問題もあって、中国から韓国へ回帰する可能性が高いとみられていた。
LGディスプレイはOLEDの技術力で中国勢に差をつけることで、世界のディスプレー市場をリードし続けようとしている。「OLED技術投資によって、世界最大級の97型OLEDTV から小型のスマートフォンパネルまですべての製品群でビジネス競争力をより一層強化する。そして全世界でOLEDが主流になるようにする」(同社)とした。
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2025. 7.
-Original column