韓国・李在明(イ・ジェミョン)大統領が2025年8月23日、日本を訪問し、石破茂首相と首脳会談を行った。韓国の大統領が就任後、米国より先に日本を訪問するのは1965年国交正常化以来のことで大きな話題になった。韓国では李大統領が日本を先に訪問するのは、同月25日に行われた韓米首脳会談を前に日本と米国の関税対策について話し合い、韓国、日本、米国の同盟関係を強化するためではないかと見られていた。
実際に8月24日魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は東京都内で記者会見を開き、「日本側が米トランプ大統領との関税交渉の経験と感じた点を韓国側と共有した」「大変参考になった。日本側に感謝する」と述べた。
李大統領も8月24日、東京からワシントンDCへ向かう専用機の中で同行した記者らに、「石破総理はとても友好的で韓国と米国の交渉に対し助言してくれた」「(首脳会談の)現場で私が特別に要請すると、日本と米国の交渉内容についてより具体的に話してくれて、韓国が米国と交渉する際にどのような点に注意すればどのような利点があるだろう、といったことについても(これから継続して話すなどして)協力すると約束した」「20分の予定だった少人数会談が60分になったのは日本と米国の関税交渉について話を聞くため」だったと説明した。
2025年7月31日に行われた韓国と米国の関税交渉の際も、先に米国と交渉した日本政府からの情報を得て参考にしたという。韓国では米国の関税に打撃を受けるのは韓国も日本も同じなので、日本と足並みをそろえて米国と交渉すれば、より効果があるのではないかといった予測もあった。
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2025. 8.
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