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AI(人工知能)技術の成長に支えられ、韓国の半導体の輸出額は過去最多を更新し続けている。2025年12月15日、韓国科学技術情報通信部(部は省に当たる)が公開した「ICT輸出入動向」によると、2025年11月のICT輸出額は254.5億米ドル(1米ドル=155円換算で約3兆9400億円)で過去最高額をまた更新した。
特に半導体は、DRAM、NAND、HBM(広帯域メモリー)の需要が伸び続け前年同月比38.6%増の172.7億米ドル(約2兆6770億円)だった。スマートフォン、コンピューター・周辺機器、通信装備も輸出が伸びた。半導体を始めとしてICTの輸出が伸びたことで、韓国の年間輸出額は2025年に初めて7000億米ドル(約108兆5000億円)を突破すると見込まれている。
韓国Samsung Electronics(サムスン電子)や韓国SK hynix(SKハイニックス)より1カ月早く業績を発表する米Micron(マイクロン)の2025年9~11月営業利益は、前年同期比182.2%増の61億3600万米ドル(約9510億円)と証券業界の予測を上回る実績だったことから、半導体の好況は当分続くものとみられている。
韓国半導体産業の競争力を維持するため、韓国政府は2025年12月10日、世界半導体市場でトップ2を目標にした「半導体産業育成戦略」を発表した。同12月17日には科学技術関連長官会議を開催し、「AI半導体産業跳躍戦略」も発表した。韓国内では、半導体市場は源泉技術を保有する米国が世界トップで、メモリー世界トップのサムスン電子やSKハイニックスを擁する韓国と、ファウンドリー(受託生産工場)世界トップのTSMC(台湾積体電路製造)を擁する台湾が2位の座を争っていると見ている。

(写真:韓国大統領室)
2025年12月10日、大統領室は「AI時代、K-半導体のビジョンと育成戦略報告会」を開催し、「半導体産業育成戦略」を発表した。官民協力で2047年まで700兆ウォン(約77兆円)以上を半導体に投資するとした。「半導体産業はもはや企業間の競争ではなく国家間の競争になったため、韓国も政府がより強力な支援策を出さないと競争力を維持するのは難しい」、「中国は1000億米ドル(15兆5000億円)、日本は600億米ドル(9兆3000億円)の半導体補助金を出しているのに韓国政府は何をしているのか」と半導体業界が声を出していたこともあり、韓国政府も投資を決めた。
同報告会にはサムスン電子、SKハイニックス、ASLMコリアなど半導体業界の役員らも出席した。市場拡大につながるよう、政府のプロジェクトで使う電力・データセンター・自動車・ロボット向け半導体は韓国企業のものを積極的に購入し、半導体製造装備に対する韓国独自の厳しい審査をグローバルスタンダードに合わせて緩和するよう求めた。
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2026. 1.
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