[日本と韓国の交差点] 徴兵は、韓国男性アイドルの芸能人生命を左右する

「イジェナルババミスター イルミモヤミスター、ジージージージーベイベーベイベーベイベー」。しまった、また口ずさんでしまった。テレビでもネットでも街中でも、洗脳されるほど聞いてしまったせいだろうか。この歳になってもアイドルの歌がすんなり歌えてしまう。

 60万人に及ぶ韓国国軍の希望とロマンと呼ばれる女神さま、「少女時代」がついに日本にやってきた。彼女たちだけではない。「カーラ」や「ブラウンアイドガールズ」、「フォーミニッツ」など、韓国で大人気の女性アイドルグループが次々日本デビューを果たしている。


 韓国のメディアも、「女性アイドルたちが日本を魅了した」と連日報道している。「ライブに2万人が集まった」。「海外アーティストのアルバム売上順位で記録を更新した」。「バラエティー番組に出演したこんな発言をした」。などなど、日本におけるすべての活動が報道されていると感じられるほどだ。「本当に人気がある」ことの証拠として、レコード店の陳列やライブ会場の写真がネットに投稿されている。日本に住んでいる韓国人が中心となって投稿しているようだ。



軍での慰問公演の数は人気のバロメータ



 韓国のアイドルの人気順位は、アルバムや曲がダウンロード販売された数の順位だけでなく、軍の慰問公演にどれぐらい呼ばれるかも重要な要素だ。慰問公演の回数が多いほど、国民的人気を誇るアイドルであると言える。人気が高いのはやはりセクシーな踊りを売りにする女性歌手。ここ最近は「少女時代」が人気ナンバーワンなのだそう。韓国軍の最終兵器は軍人の士気を最高潮にしてくれる「少女時代」ではないかと思ってしまうほどすごい。ネットに投稿された慰問公演の動画を見ていると、少女時代の歌声が「うお~」という軍人たちの歓声にかき消されて全く聞こえない!


 国軍放送の広報大使にも、男性芸能人ではなく女性アイドルグループ「Fx」が選ばれた。「少女時代」の妹分として結成されたグループだ。1年間、国軍放送への出演、キャンペーン、慰問公演をする。男性アイドルは徴兵で軍とかかわるいっぽう、女性アイドルもこうした形で軍と密接な関係にある。



男性アイドルにとって徴兵は「アイドルの終わり」を意味する



 最近の若手スターの中には、「徴兵のことであれこれ言われたくない」と、厳しい海軍や空軍にわざと志願する人もいる。本人は苦労するし、除隊後も人気が続くかどうか不安はあるだろう。だが、株は上がる。自分の子供を軍に行かせたお母さんたちの支持率が高くなれば、視聴率を取れるタレントになれるかもしれない。


 いっぽうで年々増えているのは、不祥事を起こし、「自粛」のために入隊するケースである。麻薬、飲酒運転、傷害事件などの問題を起こし、“みそぎ”のために軍に入る。そして、事件が忘れられたころに除隊して芸能界に復帰する。


 「芸能人」の場合、入隊してからも「芸能兵士」として芸能活動を続けられる道がある軍の広報映画に出演したり、国軍が放送するFMラジオ番組のパーソナリティを務めたり(国軍放送のラジオは誰でも聞ける)、慰問イベントの司会をしたり。それでも人気が落ちるのを恐れて、法律違反を犯してでも徴兵を免除されたがる。


 男性アイドルの場合、徴兵の通知は「もうアイドルではなくなる」という通知にも等しい。徴兵をきっかけにグループ解散もよくある話しだ。小学校5~6年生のときにオーディションで選ばれ、練習生として5~6年ほど苦労してやっとデビュー……と思ったら、3~4年たった全盛期に徴兵の通知が届く。除隊後もアイドルで居られる保障はない。


 最近は「軍必ドル(徴兵を済ませたアイドル)」といって、除隊してからデビューする実力派もいるが、美少年というよりお笑い系アイドルとして人気を得ている。


>>次ページ アイドルのマネジメント会社にとっても徴兵は大問題 



次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




By 趙 章恩

2010年9月24日


-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100928/216412/

[日本と韓国の交差点] 兵役は本当に義務なのか?

徴兵回避で揺れる韓国


韓国で有名なジョークの一つにこういうのがある。韓国女性が男性から最も聞きたくない話のネタ1位は軍隊の話、2位はサッカーの話、3位は軍隊でサッカーした話。

 韓国男性は軍の話になると、どんな寡黙な人でも興奮する傾向がある。英雄談に、自慢話に、苦労話に。延々としゃべりたがる。


 サッカーも同じ。軍隊でサッカーした話はもっとうんざりする。女性は「戦闘体育」がどうのこうのよりも、共通の話題で盛り上がりたいと思うからだ。でもやっぱり止められないみたい。60代の父だって、学生将校で同じ部隊に居た友達と、いまだに最も仲良くしているし、当時の話で盛り上がる。


 韓国の国籍を持つ男性は国防の義務があり、2年ほど軍に行かなければならない。兵役法の規定により、韓国の男性は19歳になると徴兵検査(身体検査)を受け、その結果に応じて入隊することになっている。


 服務期間は入隊した時期によって違う。2007年の兵役法改定により、2014年までに陸軍24カ月→18カ月、海軍26カ月→20カ月、空軍27カ月→21カ月と段階的に服務期間を短縮していく。ところが少子化で徴兵の対象となる男子の数が減っている。そのいっぽうで、北朝鮮は約117万人の兵士を維持している。韓国軍の人数が50万人にも満たなくなるという懸念から、徴兵期間をまた24カ月に戻す議論が始まっている。


 兵役は、大きく分けると2種類ある。陸軍の私兵(将校でない兵士。二等兵から兵長までを指す)となって入営する「現役」と、自宅から通い区役所や市役所など政府機関の業務補助をする「公益勤務」だ。徴兵の代わりにIT企業に勤める産業機能要員という制度もあったが、あまりにも弊害が多かったため2012年には廃止される。例えば、知り合いの会社に登録して出勤もしていないのに勤務したことにする、社長同士で自分の息子をお互いの会社に産業機能要員として登録させる、といったことがあった。


 医者、弁護士などの専門職も徴兵の例外ではない。軍医や公衆保険医、裁判所など専門的な仕事を任される。大学生の場合、成績優秀者のうち選抜試験を通過した学生は、将校で入隊できる制度がある。海軍と空軍は、自分から進んで入隊を申し込む「自願入隊」なので陸軍より選抜基準が厳しく、入るのが難しい。


 もちろん、女性も軍に入れる。女性の場合は徴兵ではなく志願入隊となる。それも、私兵ではなく幹部候補として入隊する。徴兵ではないので、女軍が入隊するためのハードルは高い。しかしエリート集団として、社会や軍が注目している。つい最近、女子大生向けにもROTC(Reserve Officers’ Training Corps)が新設され、全国各地の女子大から応募が殺到した。ROTCは、大学に通いながら軍事訓練を受け、卒業後は将校として入隊する仕組みだ。



兵役で細マッチョを実現



 徴兵検査の結果、右手の人差し指がなくて銃が撃てない、心臓が悪くて歩けない、精神異常、視力が悪すぎる、高度肥満で動けない…などの理由で免除される人がいる。


 知人の中に、この制度を“悪用”しようとした人が居る。もともとデブだったのを、さらに高度肥満にして入隊を免れようとした。だが、体重を増やすのに失敗。中途半端な体重にしかならなかったため、けっきょく入隊することになった。ただし、彼は軍のダイエット部隊に連れて行かれて、肉体改造に成功! みごとな細マッチョになって帰ってきた。


 性格も丸くなって、「人が変わった!」と両親も大喜びだった。軍に入るまで、彼の友達は、同じ学校、同じ地域、同じような家庭環境の人ばかりだった。だが、軍の友達は出身地も職業もばらばら。一緒に苦労した者同士だから、自然と友情が深まった。除隊後は人脈が広がって、社会生活の強い味方になっているという。



>>次ページ 大統領や議員、芸能人など、有名で高所得な人ほど徴兵を免れている  



次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




By 趙 章恩

2010年9月22日


-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100921/216310/

[日本と韓国の交差点] 儒教の国・韓国で続くゴールドミスの躍進

韓国の女性はたいへんなんだけど…


前回」から続く


 日本でも知られているように韓国は儒教の国である。儒教を韓国の国教のようにとらえる人も居るが、そうではない。儒教は生活方式や考え方、倫理、仁義禮知信に関する教えで、生活の基盤として社会全般に広がっている。家族を大事にする、友達を大事にする、お年寄りを大事にする、先生を尊敬して影さえも踏まない、年上には礼儀を守る、などが代表例。男性中心で男尊女卑の考えを含んでいる。女性は子供のころは父に従い、結婚したら夫に従い、老いてからは息子に従う、というのが昔からの教えである。


 先祖を大事にする考えから、法事も多い。法事は日本のように3回忌、7回忌ではなく、亡くなった日を陰暦カウントして毎年行う。忘れずにカレンダーに書いておかなければならない。親の世代は誕生日も陰暦で祝うので、カレンダーをもらったらまず法事の日、両親の誕生日、祖父母の誕生日を記録しておく。


 日本人はお葬式をお寺でするらしいが、韓国では法事を家で行う。儒教の教えを守って料理を準備し、しきたり通りに行う。由緒ある家柄ほど法事が多く、毎週のように何代目かの先祖の法事が回ってくる。



金さんはと金さんと同じではない



 韓国人の名字はみんな金さん、李さん、朴さんと同じように見えても、実は金海金氏、慶州金氏、豊壌趙氏、漢陽趙氏、といった具合に本貫(ボングァン)を持っている。本貫は自分の始祖は誰なのかを示すもので、初めて会った人でも本貫が同じであればご先祖さまは同じと考えられている。そのため2005年に民法が改定されるまで、本貫と名字が同じだと、他人なのに結婚できなかった。


 本貫ごとに、長男の長男のまた長男といった何百年も続く長男家系を「宗家(ジョンガ)」と呼ぶ。宗家の人たちはその家の伝統と歴史を守るのが義務というか仕事になる。最近は全国各地の宗家の法事料理がテレビで紹介されたり、本が出版されたりしているほど脚光を浴びている。「どこどこの宗家のお醤油がおいしい」、「どこどこの宗家は秘伝のレシピで作るキムチがすごい」と評判になり商品化されることもある。



長男の嫁は韓国でもたいへん!



 宗家の嫁である宗婦(ジョンブ)は、家を守って次の代にバトンタッチする重い責任を果たさなければならない。このため、結婚する男性が宗家だったりすると新婦の家が猛反対することも珍しくない。


 宗婦には、「男の子を生まなければならない」という暗黙の圧力も続いている。宗家を途絶えさせてはならないからだ。男の子が生まれるまで子供を生み続けるため、1男7女、1男8女なんていう家も珍しくない。70年代には「息子と娘を区別せず、2人だけ生んで育てよう」、80年代には「よく育った1人娘。息子10人もうらやましくない」という政府の標語まであったほどだ。


 90年代になっても、こうした風潮は続いている。成功できるよう家族全員が一人息子に尽くす家庭で、親にも差別され苦労ばかりする娘たちが、めげることなく自分の道を探す、というテレビドラマが放映された。「まるで私の話しだわ~」と年配の主婦に支持され高視聴率を獲得した。


 少子化によって、韓国の家族はますます男児を望むようになった。産み分けに取り組む夫婦も珍しくない。このため韓国では、胎児の性別を両親に教えることが禁止されている。男児を望む傾向はさらにエスカレートし、「遠征出産」が問題になったこともある。男の子を身ごもったら、韓国男性の義務である徴兵を逃れるため、アメリカで産みアメリカ国籍を取得させてあげよう、という取り組みだ。




>>次ページ 「αガール」、「ゴールドミス」が登場 



次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




By 趙 章恩

2010年9月15日


-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100914/216222/

[日本と韓国の交差点] ミョンジョル症候群、今年の秋夕は大丈夫かな?

民主主義が広まった儒教の国の今の姿

もうすぐ90歳になる祖母が「こんなに暑い夏は生まれて初めてだ」と言った。例年のソウルは湿気がなく日陰に入れば涼しかったのに、今年の夏は燃えているかのようだった。夜な夜な風を求めて集まる家族連れで、漢江沿いにある公園は大賑わい。芝生の上に蚊よけのテントを張り、ノートパソコンを持ち込んで映画を見たり、携帯電話でテレビをみたり。私もその一人だった。

 夏休みが終わり涼しい風が吹き始めると秋夕(チュソク、韓国のお盆)がやってくる。漢字にできない純粋な韓国語ではハンガウィという。収穫した新しいお米と野菜、果物などが出回る時期である。しかし今年の韓国は猛暑に次いで台風が訪れているので、野菜も果物も値段が暴騰した! ねぎ1束が8000ウォン(約600円)と、信じられない値段がついていた。


ミョンジョルが近づいてきた


 お正月とお盆は「名節(ミョンジョル)」といい、先祖たちが春夏秋冬季節ごとに楽しんだ祝日のうち最も大事な2つである。お正月とお盆の前後2日を含め3日間連休になる。韓国はまだ振り替え休日がないので、お正月やお盆が日曜だったりするとがっかりだ。落ち込まずにはいられない。以前は「国軍の日」と「ハングルの日」も公休日だったのに、「休日が多すぎる」という理由で平日になってしまった。このため、連休と言えばお正月とお盆ぐらいしかない。


 「連休だから海外旅行でも」なんていうのは独身貴族か親戚に嘘ついてこっそり抜け出した人ぐらい。教会に行くキリスト教徒のように宗教的な信念から法事をしない家庭も増えているが、それでもまだ韓国のミョンジョルは餅代としていくらかのボーナスが支給され、故郷に帰るため民族大移動が始まる時期である。ちなみに韓国では、教会に行くのは「キリスト教」。「カトリック教徒」は聖堂に通う。


 子供のころのミョンジョルは、何十人もの親戚が集まって、おいしいものを食べて、わいわい過ごした楽しい思い出しかない。だが、結婚すると風景が変わった。結婚した女性はミョンジョルの前の日から夫の家に行って茶禮(チャレ)の準備をしなくてはならない。茶禮はお正月やお盆の日の朝に行う先祖への挨拶のようなものである。


ミョンジョルの準備はたいへん


 ミョンジョルが近づくと物価が急騰するので、茶禮の準備にはお金もかかる。お正月と秋夕には子供に新しい服を買ってあげる。親戚やお世話になった人たちに手土産として健康食品や調味料セット、りんご1箱、韓菓(伝統菓子)などを送るのが習わしである。茶禮のテーブルに載せる今年収穫された新しい米も買わなくてはならない。茶禮のテーブルには、ほかにもこうしたご馳走を載せる――ナムル5種類ほど、白身魚やきのこ、かまぼこ、かぼちゃ、牛肉を四角に切って味付けしないで焼いたもの、鶏まるごと一羽、豚肉を蒸したもの、蒸したタコまるごと。




>>次ページ ミンジョルが原因で離婚することも 



次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




By 趙 章恩

2010年9月8日


-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100907/216135/

[日本と韓国の交差点] 朝鮮半島の統一はありえるのか? (2)

韓国が抱える統一の障害は「情報」(2)



第1回から続く


 韓国内では北朝鮮の情報が錯綜している。このため、韓国人が肌で感じる北朝鮮は宇宙のように遠くなるしかない。


 韓国銀行によると、北朝鮮と韓国の国民所得の格差は18倍、経済規模の差は38倍もあるという。(驚いたことに、1960年代まで、北朝鮮の方が韓国より経済的に発展していたという)しかし数字だけでは北朝鮮がどのような状態にあるのか、よく分からない。



北朝鮮がどういう状態にあるのか、韓国は分っているのだろうか

 北朝鮮に関するニュースを読んでも聞いても、やっぱりよく分からない。韓国のマスコミは、ある日は「北朝鮮は政権崩壊直前。飢餓で死者が続出した」といい、また、ある日は「闇市は活気があふれ、経済が活性化している」という。「韓国の大衆文化が北朝鮮にも伝わり歌謡曲がよく歌われるようになった」。「韓国のドラマをDVDで見ている」。「幹部奥さんの間では韓国産シャンプーを使わないと仲間外れになる」などなど。ニュースがないわけではないが、やっぱりよく分からない。IT強国の韓国であるが、北朝鮮関連サイトはアクセス禁止になっていて韓国政府が監視している。気にはなるが見ようとは思わない。スパイと勘違いされては大変だからだ。


 韓国政府の行動や発表も一貫してはいない。政府はかつて太陽政策を取り、北朝鮮を援助していた。しかし、李明博大統領に変わるプチッと中断した。「北朝鮮への援助物資が北朝鮮軍に流れている」というのが理由だった。哨戒船が沈没し多くの犠牲者が出た事件でも、「北朝鮮の仕業」と言ったり違うと言ったり、よく分からない状況が続いている。


 今までも、北朝鮮の仕業として知られていた事件が、実は違っていたことがいくつかあった。映画化された「シルミド」もその一例だ。韓国政府は、数人の人たちを書類上は死んだものとし、北朝鮮に送り込むために訓練していた。その彼らが反発。しかし軍は、彼らが、訓練地の島を脱出してバスを乗っ取りソウルへ向う中に射殺した。この事件も、韓国政府は長い間北朝鮮の仕業としていた。


 私が小学生のころに見た韓国の本に登場する北朝鮮は許されない敵であり倒すべき敵と書いてあったほどだ。中には軍服を着た狼の挿絵が描かれており、とても恐ろしかった。


 北朝鮮にどんな人が住んでいてどんな状態なのか、韓国人は日本の報道や衛星写真などを見てパズルを合わせるように想像するしかないのだ。だから怖い。南だけでも所得の格差による問題が絶えない。「働いても働いても貧乏を抜け出せない」と悲観して20代の女性が自殺した事件が起きたばかりである。北朝鮮から南へ流れてくる人々をどう助けたらいいのか。その費用は税金だけでまかなえるのか。


>>次ページ 統一したとして、北朝鮮の人は韓国になじめるか? 



次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




By 趙 章恩

2010年9月1日



-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100827/215997/

[日本と韓国の交差点] 朝鮮半島の統一はありえるのか?

韓国が抱える統一の障害は「情報」(1)

韓国にはこんなことわざがある――「もう遅い」と思った時がいちばん早い時。日本の「思い立ったが吉日」と同じ意味を持つ。その言葉を信じて私は、社会人になって10年目で日本への留学を決意した。私は小さいころから高校を卒業するまで東京に住んでいたが、歳をとってもう一度日本に来てみると、子供のころには気づかなかったいろんな日本が見えてくる。

 特に驚いたのは、朝鮮半島――韓国では「韓半島」と呼ぶ――を取り巻くニュースがとても豊富なこと。特に北朝鮮関連ニュースは、韓国でよりも早く詳しく報道される点である(韓国の芸能人情報も日本の週刊誌の方が詳しく報道しているのでびっくり!)。北朝鮮の街並みや生活を隠し撮りした映像は韓国ではなかなか見られない。後継者問題や金正日総書記の健康状態など、韓国ではどのマスコミも似たり寄ったりの報道しかしない。それに対して日本は、自由にモノが言えるせいか、中身が濃くて面白い。いろんな専門家がいろいろな意見を言っている。


 逆に韓国が、日本の報道を引用して報道しているほどだ。日本のマスコミの方が韓国以上に北朝鮮に敏感になっているのではないかと感じる。もちろん韓国でも、毎週北朝鮮の動向を報道するテレビ番組がある。北朝鮮研究も盛んだ。しかし、一般市民が肌で感じる北朝鮮はとても遠い。


 韓国にとって北朝鮮の動きは国家の国防・政治だけでなく株価や為替レート、企業の長期戦略など経済的にも多大な影響を及ぼす。しかし、休戦状態が60年も続いているせいか、もう北朝鮮は遠いどこかにある未知の国のような存在になってしまっている。鈍感になってしまった面もある。



2010年は朝鮮戦争の勃発から60年~いまだに続く休戦リスク


 韓国人と北朝鮮人――韓国では「北韓」(ブッハン)という――は同じ民族でありながら、 1950年6月25日に勃発した戦争のため、まだ休戦状態である。韓国にとって北朝鮮は、どの国よりも対立している敵であると同時に、助けるべき同胞なのだ。2010年は戦争開始から60年、「あの日のことを忘れてはならない」と朝鮮戦争――韓国では「韓国戦争」と呼ぶ――をテーマにした特別ドラマや映画が制作され、人気の韓流スターが大挙出演している。


 各種の国際イベントも続いている。例えば、朝鮮戦争に参戦した国連軍所属のアメリカ、フランス、カナダ、ギリシャ、オランダ、ニュージーランド、トルコ、南アフリカ、エチオピア、タイ、フィリピンなど16カ国の参戦兵士や青少年、記者などを韓国に招待し、世界でもっとも貧乏だった韓国の生まれ変わった姿を見せる恩返しイベントがあった。特に参戦国の中でも最近注目されているアフリカの新興国との関係は緊密だ。「兄弟の国」として大手企業のCSRやソーシャルビジネスの対象になっている。


 日本の友達によく言われるのは、「韓国はいつ行っても活気があって、人々は元気で、全然不景気に見えない」という感想である。軍事政権が終わった90年代以降かなり緩和されているが、韓国はまだ休戦というリスクを背負っている(軍事政権時代には、韓国人は海外旅行に行く自由はなかった。国外に行く際には北朝鮮の人と接触してはならないという教育もあったという)。


 外国人に人気の観光コースの一つが南北休戦線の上にある板門店の見学だ。しかしここは、韓国人にとっては気軽に足を運べる場所ではない。ハリーポッターの世界に「魔法省」があるように韓国には「統一部」――(韓国では「部」が「省」にあたる――がある。統一部が身分照会をして「問題ない」と判定された人だけで構成された団体でないと板門店は観光できない。


>>次ページ「我々の願いは統一」は誰でも歌えるが…



次ページ以降は「日経ビジネスオンライン会員」(無料)の方および「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみお読みいただけます。ご登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。




By 趙 章恩

2010年8月25日

-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100823/215914/

2010韓国訪問の年 ソウルから慶州まで無料バス! 太っ腹~

2010年は韓国訪問の年です。

http://www.visitkoreayear.com/korea/incentive/incentive_06_01_01.asp?src=image&kw=000092

まだ韓国語の案内だけですが、6月からなんと!
ソウル明洞から地方にある有名観光地まで、外国人専用の無料バスを運行するそうです!


交通費にしては5000円以上セーブできるんです。さらに、記念品に観光資料に色々ともらえるというから、なんて太っ腹な~


申請者が多い場合は抽選だそうけど、こりゃ、韓国に行くしかないですな~


日本もこういうのやってくれないんでしょうか。交通費の高い日本だけに、外国人専用といっても、大抽選会で宝くじより当たらず大混乱になるかもしれないけど。


韓国訪問の年の広報大使はヨン様とヨナちゃんです。
ポスターとか映像もいいですね~
http://www.visitkoreayear.com/korea/public/public_06_01_01.asp


慶州 ギョンジュ といえば新羅の首都、今でも修学旅行のメッカ、70年代の新婚旅行メッカ、最近は自転車旅行や立派な韓屋(お屋敷)に泊まって温泉でのんびりが人気の旅行地、日本でいえば京都のようなところです。


 


全州 ジョンジュ は芸と食の都!とっても粋なところです。本当のビビンバを食べてみたいなら全州です。あと、本当の韓定食が知りたいなら全州です。

近況報告




先日のセミナーにはたくさんの方に来ていただきましてありがとうございます。


スマートフォンの話題は私もとっても興味のある分野なので、楽しくお話させていただくことができました~~~


 


ところで、


私、驚いたことにGlobal voices from japan コラムコンテストで優秀賞を頂いてしまいました。


 


留学生が見た日本・日本人をテーマにしたものですが、私も留学生ですので、日頃から思っていたことを書いたところ、優秀賞に選ばれしまいました~~~


 


とっても重くて持って帰るのに苦労した大理石??のオベリスクと賞金を頂きました!きゃ~


日本に留学してよかった~と思いました。


研究以外の分野では順調??研究はT_Tな感じです。。。


コラムは、ネットでも公開されてます。
恥ずかしいのでリンクは・・・^^


韓国人のケンチャナヨ~(大丈夫~)に関して誤解している日本人が多いので、そうじゃないんだ!ということを伝えたかったのと、日本がんばれ!というのを伝えたかったです。



– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=226

第一回GVJコラムコンテスト受賞: 「謙遜しすぎる憂鬱な日本、もっと明るく前向きになるのが国際競争力」

第一回GVJコラムコンテスト受賞者発表

優秀賞 :Cho Chang Eun(arare)

「謙遜しすぎる憂鬱な日本、もっと明るく前向きになるのが国際競争力」


日本では最近韓国の国際競争力を学ぼう、という内容の報道が増えている。日本に住む韓国人として、日本が韓国を高く評価してくれるのはうれしいが、
本当に韓国を学びたいというより、謙遜しすぎて自虐するのが好きなだけなのではないかと思うこともある。日本で誤解されているが、韓国の「ケンチャナヨ」精神は大丈夫大丈夫と責任を逃れる言葉ではない。どんなことにもめげず、元気を出すためのおまじないである。日本も「ケンチャナヨ」でもっと元気に前向きになってほしい。

—————————————————–


冬のソナタをきっかけに日本で巻き起こった「韓流」ブームは、韓国人の日本に対する敵対心を和らげるきっかけとなった。それまでは「日本が好き」だなんて、怖くて言えなかった。韓国を植民地支配して苦しめた日本は、競争相手であり克服すべき相手であって、好きになってはいけないという潜在意識があった。ところが「韓流」ブームのおかげで韓国のドラマや文化に興味を持つ日本人が増えたことで、韓国でも自然と日本文化に対する好感をオープンに表現できるようになった。


それどころか、韓国では「日流」、「NIPPON FEEL」と呼ばれる日本大衆文化が若い世代に広く浸透している。ベストセラーのほとんどが日本の小説で、どんぶりやラーメンといった日本の大衆食がおしゃれな外食として流行っている。日本語の「感じ」を韓国式に発音した「ガンジ」はかっこいいという意味を持つ新造語になった。


昨年末あたりから、日本の新聞や雑誌には韓国は世界市場で競争力を持っている、日本企業が世界家電市場で1位だったのに今では韓国企業にその座を奪われている、という内容の記事が頻繁に掲載されている。日経新聞が「韓国企業が強い理由」という特集を組んだり韓国を学ぼうという社説を書いたり、日経ビジネスに韓国四天王としてサムスンやLGが紹介され、「日本を真似ていた韓国の製造業が今では価格も品質も日本を越えている」という内容の特集が組まれたことも大々的に報道されている。韓国人としては韓国を高く評価してくれてうれしいというより、「何で?」というのが正直な感想だ。


日本は世界経済を動かす先進国であり、経済規模も人口も韓国とは比べにならないほど大きい。韓国企業はいつも日本企業のように優秀な技術を持ちたい、世界で認められたいと追いかけてきた。その過程で「反日」では「克日」という言葉も登場した。


韓国家電製品のほとんどは日本の部品なしでは作れないといわれている。日本が物づくり、職人気質から品質にこだわっている間、韓国はデザインと価格競争力に力を入れただけで、いつ世界市場シェアが逆転するかわからない。日本は組み立てられた製品としては韓国の勢いに押されているかもしれないが、世界電子機器の中核に日本企業がいることは間違いない。


日本では謙遜が美徳で、どんな時でも相手を立ててくれる。しかし、いつもはっきり自己主張し、人に負けるな、リーダーになれと教えられた韓国人の私からみると、日本人の中には「自虐」としか思えないほど謙遜しすぎる人が多い。特にマスコミの報道を見ているとそうだ。日本企業はすごい、日本は世界のためにこんなことをしているという報道より、日本はだめだ、韓国にも負けて中国にも負けて日本はもう危ない、と否定的なニュースばかり目立つ。


日本はアジア唯一の先進国である。アジアのリーダーとして、色んな国が幅広く公正に取引することで「共生」できる市場を作り、地球の課題となっている環境保護問題にもアジア全体で取り組めるよう盛り上げる役になるべきではないだろうか。ところが今の日本は、「もうだめだ」と自分を責めることで責任を回避しているように見えてしょうがない。


韓国の国際競争力はいつだって前向きで、謙遜より向上心が強かったからかもしれない。日本のマスコミには「物が売れない時代」、「このご時世に」という言葉が登場するが、韓国では世界は広く市場の数だけニーズがある、物は売れると前向きに考える。


日本が誤解している韓国語の一つに「ケンチャナヨ(大丈夫です)」がある。


日本では、韓国人はいいかげんで何事も「ケンチャナヨ~」といってけろっとしてしまう、とよく紹介されている。しかし、韓国人にとって「ケンチャナヨ」は、「失敗しても大丈夫。また次のチャンスがある!」という慰めであり、「こんなことでめげるものか。どんなことがあっても立ち直ってみせる」という自分への励ましでもある。これから起こることへの不安をなくしてあきらめないため、希望を持つためのおまじないのような言葉である。「リスクはあるけどきっと大丈夫。だからやってみましょう」という前向きな意味が込められている。


私は日本に来て、一度失敗するともう終わり、失敗は許されないのであえて何もチャレンジしない方がいいという話を何度も聞いた。謙遜が美徳の日本ではあるが、謙遜しすぎると周りはしらける。アジアのリーダーとして、「ケンチャナヨ!」と明るく前向きに、元気出してほしい。


日本は世界市場の中でも指折りの大きな市場である。日本が元気でないと、世界も元気になれない。日本はもうだめだなんてそんな記事ばかり書かないで、日本はこんなにすごい!と盛り上がってほしいものだ。

Original Link


LEDリップでどんなもの?

韓国の最大手化粧品会社から「1000万画素LDEリップスティック」というのが発売されました。


LEDの照明を施したケースに入ったパウダーというのはありましたが、LEDリップ?


なんだなんだ~と思ったらこれでした。


LEDのように内側から光るくちびるになる、というコンセプトだそうな。







化粧品もITな韓国です。


– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/?p=214