全て読む >>
1406168023.pdf
“いいとこどり”したPCが人気
性能はデスクトップ、デザインはノート
【ソウル発】個人向けのコンピュータということでPCと呼ばれていたデスクトップパソコンが、ファミリーコンピュータに生まれ変わり始めた。子供のインターネット中毒が深刻になるにつれ、パソコンを部屋ではなくリビングに置いて家族みんなで使うパソコン、AV機能を持つコンパクトなパソコンが売れている。
三星電子とLG電子は2007年から、性能はデスクトップ、デザインはノートパソコンの「デスクノート」というパソコンを発売している。モニターと本体を一つにして筐体はコンパクトにしながらも、HDDは音楽や映像を保存できるように300GB以上、液晶は19インチと大きくなった。三星電子によるとデスクノートは特に主婦に人気で、毎月3000台以上売れているという。
三星電子のデスクノート「NT-G10/MS340」はバッテリーがないノートパソコンだ。4.97kgの重さなので、携帯はできない。しかし性能はデスクトップとほぼ同じで、3Dゲームも楽しめる。ノートパソコンのように場所をとらないのでリビング用に人気が高い。価格は95万ウォン(約12万6000円)とデスクトップパソコンよりも若干高い。量販店「テクノマート」によると、三星のデスクノートは07年春から毎週250台は売れているほどのベストセラーで、全パソコン販売台数の10%を占めるようだ。
LG電子は、ホームエンターテインメント機能を大幅に強化した「XノートS900」を発売した。16:10比で画面損失が少なく、左右/上下160度の広い視野角を提供しながらDolby Home Theater(ドルビーホームシアター)サウンドシステムを搭載している。5.1チャンネルサラウンドも楽しめる。
また、利便性を考慮した各種機能を搭載した。デスクトップの使い勝手をそのまま生かすため数字専用キーボードと接続ケーブルを考慮した左・後面ポート配置、130万画素ウェブカメラなどユーザーのニーズを反映した機能が目立つ。
ノート的な機能でいえば、S900には非常用バッテリーが付けられている。このバッテリーがあると10分ほど緊急時に対応できるので、停電など非常時にデータを保存する時間を確保できて作業中のデータをなくす心配がない。家庭内やオフィスなど短い距離を移動するために電源を消してまた再起動する必要もないのでとても便利だ。カラーはリビングや事務室のインテリアを考慮して高級感のあるシルバーにされている。
LG電子DDM(Digital Display&Media)マーケティング担当イ・ウギョン常務は「S900は幼い子供がいる主婦と独身世代の要求事項を綿密に調査し反映した製品。より高性能で便宜性を高めた製品でターゲット顧客層を集中攻略していく」と述べた。
このデスクノートの発売でLG電子は10.6インチから大画面ワイド製品にいたるまで、ノートパソコンのフルラインを発売することになった。S900の価格は110万ウォン(約14万3000円)前後。
デルやソニーなど国外メーカーもデスクノート型を相次いで発売しており、好調な売れ行きを示している。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
韓国 液晶モニターの不良多発
【ソウル発】TVやパソコンなどに使われる液晶モニターの不良画素(ドット欠け)に関する苦情が増加していることから、韓国消費者保護院が15社の不良画素関連補償基準を調査した。その結果、不良画素に対する客観的補償基準がないまま、メーカーそれぞれの補償内容となっていることが分かった。液晶TVやノートパソコンの販売が増えているなか、補償基準がないため交換を拒否するトラブルが多発しており、至急に合理的な補償基準を準備し、制度を改善する必要性が高まっている。
消費者保護院は2006年、一年間に届け出られたTV・パソコンモニター・ノートパソコン・デジタルカメラ液晶モニターに関する消費者不満のうち、「液晶モニター不良画素」に関する不満は280件で、05年の255件に比べ9.8%増加したことを明らかにした。
品目別にはノートパソコンが38.6%(108件)で最も多く、パソコンモニターが32.5%(91件)、デジタルカメラが18.6%(52件)、液晶TVが10.3%(29件)の順だった。
消費者の不満内容を調べたところ、「不良画素が1-2か所発生する」が85.4%に達し、たった1か所の不良画素に対しても消費者は製品不良を訴える傾向が示された。
しかし、不良画素に関する製品仕様判定基準と補償基準がメーカーごとに違うため、紛争の原因になっている。 現在の消費者紛争解決基準によると、液晶の不良画素に関しては補償基準がないため、メーカー別に異なる基準によって交換や返品などの補償が行われているのが実情だ。
消費者保護院は業者別補償基準を参考にして品目別補償基準を提示した。
購入後6か月以内であれば、液晶TVは中央部2か所以上で製品交換またはパネルを交替、中央部以外は6か所以上で製品交換またはパネルを交替をするようにしている。パソコンのモニターおよびノートパソコンは中央部1か所以上で製品交換またはパネル交換、中央部以外は3か所以上で製品交換を基準として提示した。またデジタルカメラは1か所でも製品交換またはパネル交換するように基準を決めた。
また、不良画素補償基準に達しなくても1-2か所不良画素が発見された場合、品質保証期間を10-20%ほど延長する法的措置も必要と付け加えた。
消費者保護院は今回の調査結果を土台に、液晶パネルの原産地、補償基準・不良画素個数などの重要情報を「重要な表示・広告事項告示」の項目の一つとして製品に明記させるなどの法案を公正取引委員会に建議する。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
[BCN This Week 2007年8月6日 vol.1198 掲載] Link
韓国のネット事情 情報通信部
ポータル取り締まりに乗り出す
悪質なキーワード広告防止が目的
韓国の大手ポータルサイトが人気検索キーワードランキングを商業的に悪用していることをこれ以上見逃せないと、政府が介入を決めた。
情報通信部は7月30日、ポータルの社会的責任を明確にするため、検索キーワードランキング悪用の規制を主な案件とする「情報通信網法改正案」を推進することを明らかにした。
情報通信部が発表した改正案によると、コンピュータプログラムを使ったり集団的にインターネットにキーワードを入力することで検索キーワードランキングを人為的に変えることを禁止し、違反した場合には罰金3000万ウォン(約420万円)を課す。これに伴い、商業的な目的で検索キーワードを人為的に変え、ネットユーザーの好奇心をあおって広告サイトを検索するよう誘導するといった行為は規制対象になる。
韓国では2006年末現在、70%を超える国民が1日に1回以上、3大ポータル(NAVER、DAUM、NATE)を利用していて、これらのトラフィックは全インターネットの32%を占めている。ポータルは「インターネットの恐竜」とまで呼ばれている。1兆2000億ウォン規模のデジタルコンテンツがポータルを経由して販売されていて、インターネット広告が全広告市場の12.4%を占めるなど、ポータルはどんどん大きな力を持つようになってきた。したがって、当然、社会的責任も負わなければならないというのが情報通信部の主張である。
1日1300万人が利用する韓国最大ポータル「NAVER」はどこよりも人気検索キーワードマーケティングを活発に展開している。新しく発売される映画やゲームを宣伝するため、多くの企業はローコストで広告効果が大きいポータルの検索広告を利用している。特に人気検索キーワードの上位に製品名やブランドを表示したり、検索キーワード入力スペースに「○○を検索するとイベントに応募できます」といった「ブランド検索」の売り上げは検索広告のなかでも最も大きな割合を占めている。
韓国インターネット広告審議機構は7月からインターネット広告審議を始めている。過剰な検索広告は注意し、ポータルに自制するよう働きかけている。
例えば、ショッピングモールを運営している事業者が「プロモーション業者」と呼ばれる一部イベント会社や広告代理店にお金を払い、ショッピングモールと関連のある検索キーワードを何百万回も入力するようプログラムを使い、検索キーワードランキングの上位に登場させ、いかにもショッピングモールが話題になっているようにみせかける行為は取り締まりの対象になる。
情報通信部はこのような「プロモーション業者」の検索キーワード操作手法もますます巧みになっているため、取り締まりが難しいという見方もあると認めているが、法的根拠をつくって根絶させると意欲的である。
法改正案は8月1日の公聴会と関係部署協議を経て、国会に上程される予定だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
[BCN This Week 2007年8月27日 vol.1200 掲載] Link
韓国 三星電子
フレックス勤務制拡大の波紋
緊張感の演出と勘ぐる向きも
【ソウル発】三星電子は業務効率を高めるため9月から出退勤時間を弾力的に運用するフレックス勤務制を拡大し、本社スタッフにも適用すると発表した。フレックス勤務制は時差の解消から研究所、海外営業部門ではすでに実施されていたが、一般スタッフでも部署別に自律的に導入できるよう適用対象を拡大することになった。
韓国のマスコミが「フレックス勤務制は三星電子の新経営2.0の第一歩」と報道しているのに対し、三星電子は「業績悪化後のリストラや新経営戦略の一環としてフレックス勤務制を導入したわけではなく、あくまでも効率を高めるための制度。また義務的に実施されるわけでもなく部署別に自律的に判断して適用する。本社スタッフでも営業部は代理店の営業時間に合わせて勤務するのが効率的であるため、フレックス勤務制を拡大させようとしている」と説明した。三星電子の就業時間は現行8時から17時までとなっているが、これを業務状況に合わせて9時-18時、10時-19時などに変えられるようになった。
10時から16時までは集中勤務時間として「コアタイム帯」、この時間帯の前後は「フレキシブルタイム帯」にして、部署長と協議し各人が業務計画に合わせて就業時間を自主的に選択できるようになった。
三星グループは1993年、李健煕会長の「新経営宣言」により、交通渋滞を避けて社員の時間活用を有効にするため、7時出勤16時退社の「7・4制度」を導入したことがある。16時には退社して自分のために時間を活用できるという初期の目的とは違い、出勤時刻が早くなっただけで16時に退社できる人はほとんどいなかった。上司が残っているのに自分だけ帰れないといった理由から逆に残業が増えただけだとする社員からの苦情もあり、01年末からは8時出勤、17時退社に変え、業務効率化のために必要と認められた事業部はフレックス勤務制を導入してもよいことになった。9年間続いた7・4制度は三星グループの雰囲気を変えた。今でも7時には会社に到着するよう出勤する人が少なくない。会社の出勤バスも朝5時からソウル各地の住宅街を回るので、満員電車に揺られるよりは会社の出勤バスを利用しようと早朝から出勤を急ぐようになったせいだ。
三星グループが93年に発表した新経営宣言のように、今回もフレックス勤務制で会社の雰囲気を一新させ緊張感を与えようとしているのではないかと分析する経営専門家も多い。
フレックス勤務制の導入は韓国で珍しい制度ではない。すでに食品やエンターテインメントを中心とするCJグループをはじめ大手企業に導入されつつある。05年からは「公共機関弾力勤務制」が導入され、政府省庁と公企業、地方自治体などでも施行されている。
一方、政府は国家エネルギー節約の一環として夏の間、標準時より1時間操り上げるサマータイム制を導入しようと積極的に検討を続けている。政府は9月末まで公聴会と効果分析を実施する。労働界は「出勤時刻が1時間早くなるのに定刻には帰れず、勤務時間が増えるだけだ」と反対している。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
[BCN This Week 2007年8月27日 vol.1200 掲載] Link
韓国全土にある2800の郵便局には、誰でも無料でネットが使えるパソコンが置いてある。市内はもちろん、地方でもちょっとしたメールのやり取りや検索は携帯電話ではなく郵便局で済ませられるからとても便利だ。高いパケット代を払わなくても済むし。韓国の郵便局は情報通信部の傘下にあるためか、1999年からデジタルデバイドの解消のため「インターネットプラザ」という名前で無料インターネットカフェを運営していて、全国に3253台のパソコンが設置されてある。このPCのOSを2009年までにすべてLinuxにする計画が発表された。郵便局を皮切りに他の公共機関でもLinuxの導入が拡大されるのではないかとみられている。
情報通信部郵政事業本部は2005年から、オープンソース・ソフトウエア(OSS)の活性化実証事業およびTCO(Total Cost of Ownership)削減のため、郵便局「インターネットプラザ」に1台以上はLinux PCを置くようにしている。すでに3353台のうち1265台はLinuxになっている。2007年から導入している新規PCにはすべてLinuxを搭載しているので、台数はもっと増えていくだろう。Linux PCを導入したことで導入費用はかなり節約できた。Windows XP Professionalの値段は15万7000ウォン(約2万円)だが、ハングルとコンピューター社の販売するLinuxは4万9000ウォン(約6000円)に過ぎない。
しかし、いくらコストが割安でも、ユーザーが不便さを感じてはしかたがない。韓国はマイクロソフト依存度がものすごく高いため、2年ほど前までLinuxだと、インターネットバンキングも使えない、電子政府サービスも使えない、ショッピングモールで決済もできないなど、ネット利用を制限されることが多かった。そのせいか、Linuxは不便というのが一般論になってしまっていた。食わず嫌いとはこんなことだろうか。しかし、郵政事業本部の説明によると、郵便局を訪れた人々は「ずっと、これはWindowsのパソコンだと思って使ってました。Linuxって不便だと思っていたけど、ネット検索とかする上では問題ないんですね。」と感想を述べたそうで、OSSの認識を変えるのに役立っているという。
まだ2007年7月時点で韓国のOSSのシェアは3%未満と言われている。このようにLinuxの利用率はまだまだ低いのだが、郵便局は特殊な例ではなく、韓国全体で少しずつ変化が生じている。政府機関である韓国ソフトウェア振興院も教育機関、医療機関、社会公共機関へのLinux普及に力を入れている。大学を中心に普及しているEラーニングをOSSで実現できないかといったことについてフォーラムも開催された。韓国のLinux関連企業もデスクトップ用OSを発表し、本格的にマーケティングを始めている。OSSの活性化のためには何よりもデスクトップPC市場への拡散が必要だからだ。ほかの取り組みとして、韓国の公共機関ではOSS普及のため、OSSを導入する際に、保守契約を定額で結ばなくてはならない決まりになっている。これまでは、使うのも無料、作るのも無料、みんなが共有するものだから保護されない、という考えから、OSSはお金にならないという理由でビジネス対象としてとらえられていなかった。でも保守ビジネスが成り立てば、OSSも立派なビジネスモデルになれるのではないだろうか。
このようにOSS市場がにわかに賑やかになっている韓国だが、OSSを消費する人は多いが、開発に関わる人が少なすぎるという大きな問題が立ちはだかっている。OSSが活発な国ほど消費しながら生産もする開発コミュニティーがたくさん存在しており、活性化している。韓国にもいくつかのOSS開発者のコミュニティーが立ち上がっているが、参加率は低いという。アメリカではオープンソース関連コミュニティーが活発なのに韓国にはない、などの話になると必ず、英語ができる開発者が少ないからであり、言葉の問題さえなければもっと参加できるのに……というような話をする人がいる。
しかし、これはおかしな話。韓国では就職のためにTOEICで900点は必須なのに、英語ができない? 英語ができなくてオープンソースのコミュニティーに入れないとは理由になっていないのではないか。日本だって英語が苦手な人が多いのに、韓国のマスコミの報道によると5000人以上のOSS開発者がいるという。韓国では100人にも満たない。英語がペラペラでないとOSSは開発できないものなのか? Windowsに振り回されたように、オープンソースでも輸入に依存するようなことになるのではないか心配だ。
(趙 章恩=ITジャーナリスト)韓国行政自治部をはじめ中央省庁や参加機関は2007年8月からOSが搭載されていない「空PC」を購入できるようになった。「購入できるようになった」というのは、実は今まで「行政業務用多機能事務機器標準規格」により、政府のパソコンはすべてOSが搭載されたパソコンしか購入できないようになっていたのだ。しかし、韓国ではLinuxをOSとしてプリインストールして販売するパソコンメーカーは1社もないので、現実には政府機関はみなWindowsに頼っていたというわけだ。ここにきてOSの自由化を求める声が高まったため、OSをユーザーの自由に任せることにしたという。
空PCを購入し、好きなOSを選択する。これは組み立てPCを購入するユーザーの間では珍しくもなんともないこと。しかし、「いくらWindowsが標準で搭載されているからといって『Windowsはいらないと言われても値段は同じ』とメーカーが主張するのはおかしい。Windowsがプリインストールされたパソコンであっても、OSが不要なら、OS分の料金をユーザーに払い戻すべきだ」と国会議員らが今年7月あたりから関連規定を作る動きを見せている。実際、ハンナラ党の議員らは公正取引委員会が規定を作成するよう主張している。
確かにメーカーの言い分にも理解できる点はある。韓国でのWindowsのシェアは99~99.9%とも言われているほど圧倒的だ。1%未満しかいないユーザーのために、OSを別売りするのは面倒であるとメーカーが思うのも仕方ない部分はある。Windows+Internet Explorer環境でのテスト費用の方がLinuxを使ったテストよりも安あがりで、しかも需要が大きいという理由で、Linuxをプリインストールするのに躊躇しているというのも理由の一つだ。しかし、そういう背景はあるにせよ、OSが不要だからその分を払い戻して欲しい、という主張は正当なものだろう。
韓国でWindows Vistaはネット通販で20万ウォンほどの価格。しかし、Linuxはこれより安く、あるいは手間さえかければ無料で利用できる。Windowsはいりません、ということであれば、ざっくりVistaの市販価格の半分くらい(10万ウォン:約1万3000円)はキャッシュバッグされて良いのではないだろうか。
ただし、今のところ、韓国政府はOSの払い戻しをするかどうかはパソコンメーカーの自由としている。
韓国ではパソコンが導入されから今までWindowsに頼りすぎていたのが問題で、国産OSの開発にも投資すべきではないかといった意見も出ている。ともあれ、ユーザーにはOSを選択できる権利がある、Windowsの独占を防止しよう、という点では政府も同意している。
マイクロソフトが、Windows Vistaの価格を韓国内でだけ高く設定し、Windows離れを加速させたこともあり、こうしたWindows離れの動きは自業自得かもしれない。Windowsを使わないということはWordもExcelもInternet Explorerも使わなくなるということ。マイクロソフトの業績に大きく影響することになる。この勢いがマイクロソフトをちょっとは怖がらせるほど広がるといいのだが。
(趙 章恩=ITジャーナリスト)
日経パソコン
2007年9月5日
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070905/281179/
韓国のAV家電事情 三星電子 EISAアワードで4年連続受賞製品も
外国勢に押され気味のデジカメに自信
【ソウル発】EISAアワードで三星電子のホームシアター、液晶TV、デジタルカメラ、携帯電話が選ばれた。
EISA(European Imaging and Sound Association)はヨーロッパ映像音響機器協会の略。欧州20か国の専門誌50誌が加盟している団体で、EISAアワードは1年間に発売された映像・音響関連機器のなかから製品の技術、デザイン、革新性などを評価して部門別に最も優れた製品を選ぶもので、欧州に限らず米国やアジアにも影響を与える権威ある賞の一つである。受賞した製品には欧州地域での販売製品に1年間「EISA」マークを付し、品質と製品力、ブランド力を保証される。
三星電子が今回受賞した製品は、「2007年型ボルドー液晶TV」「フルHDホームシアター」「ウルトラエディション12.1」と、三星テックウィンのデジタルカメラ「VLUU i70」で、ホームシアターは4年連続、デジタルカメラは2年連続、携帯電話は初の受賞となった。
三星テックウィンはデジタルカメラ専門のグループ会社で、韓国内でもキヤノンやニコンには押され気味だったが、EISAアワード受賞でグローバルブランドとして販売が伸びるものと予想されている。
2007年型ボルドー液晶TVはやわらかい曲線のデザインが特徴で、下部をクリスタルワイングラスのような形にした。発売から1年4か月で世界で520万台強の販売実績をあげた。
フルHDホームシアターは高光沢ブラックカラーのモダンなデザインが目立つ製品で、HDプログレッシブ技術により鮮明な画質を鑑賞できる。
ウルトラエディション12.1は、スリムスライドHSDPA携帯で、3.6Mbpsの超高速ダウンロードとフルブラウジング、300万画素カメラ、Bluetooth2.0、USB2.0、外付けmicroSDカードなど先端機能を備えている。
デジタルカメラの「VLUU i70」は、720万画素の高画質で3インチワイド液晶画面、MP3プレーヤー機能を採用するなど、洗練されたデザインと使いやすい機能を取り揃えた。
三星電子は07年のEISAアワード受賞を契機にして、AV製品のマーケティングをより一層強化していく計画だ。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
韓国の携帯コンテンツ事情 携帯電話の新収益モデル
新型待ち受け画面の開発盛んに
【ソウル発】カラリング(通話連結音、日本では「待ちうた」)、デジタル音楽に続いて、韓国の移動通信市場では「待ち受け画面」が新しいキラーアプリケーションとして注目されている。今までの待ち受け画面とは異なり、世界的に流行しているWidget(ウィジェット)が使える待ち受け画面が続々と登場しているからだ。
韓国ではアップルのiPhoneにウィジェットが搭載されてから、モバイルウィジェットにユーザーの関心が集中している。ウィジェットとは、特定機能を遂行するアクセサリーソフトウェアのことで、時計やカレンダー、メモ帳、ニュースなどユーザーがすぐに使いたいアプリケーションを選択して待ち受け画面に配置できる。ノキアも2007年末までには携帯電話からウィジェットを正式に利用できるようにすると発表した。ベータサービスはすでに昨年10月から開始している。
韓国の携帯電話キャリアもこの夏から続々とモバイルウィジェットサービスを公開している。最大キャリアのSKテレコムはウィジェット機能が含まれた「T─インタラクティブ」を提供している。これは携帯電話の待ち受け画面からニュース・天気予報などリアルタイムで更新される情報が使用料もデータ通信料もかからずに利用でき、頻繁に使うコンテンツや機能のアイコンを表示できるようになっている。さらに詳しいニュースを読む場合は有料で、データ通信料も加算される。
SKテレコムの発表によると、今年4月に始まったT─インタラクティブの累計加入者数は7月末で約34万人を突破している。2000万人に近いSKテレコムの加入者に比べ34万人は少ないかもしれないが、T─インタラクティブに似たような待ち受け画面にコンテンツを表示するサービス「1mm」は、2年間で22万人にとどまっていた。SKテレコムのT─インタラクティブ対応端末は、56種に及び、ほぼどんな携帯電話からでも利用できるという点が加入者増につながっている。
08年に登場する「T─インタラクティブアップグレードバージョン」では事業者があらかじめ設定しているなかでユーザーが選択する方式だったが、これを改善、ユーザーが直接画面を構成して利用したいサービスを何でも待ち受け画面に表示できるようになる。
携帯電話会社のKTFも「顧客連携型デスクトップサービス」として「Pop─Up」という待ち受け画面から、ほしい情報だけをアイコンにして設定できるサービスを開始した。「Pop─Up」は待ち受け画面から証券情報・交通情報・ニュース・位置基盤地域情報を利用できる。データ通信料は無料。モバイルインターネットにつないで検索しなくても待ち受け画面からすぐに確認できるので、時間と通信料の節約になるということで、加入者が増えている。
モバイルソリューション企業も相次いでウィジェットを携帯電話の待ち受け画面に利用できるようにするソリューションを発表し、競争を繰り広げている。モバイルウィジェットの活性化のためには、より多くのウィジェットを作れるようにしなくてはならないと、スクリプトとHTMLなどを導入したりフラッシュのようなベクター形式のグラフィック技術を活用して制作する方法を業界で検討している。またモバイルソリューション企業はウィジェットを開発できるソリューションのほかに、より個性的でユーザーの好みに合わせた特別な提案に向けて頭をひねっている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)
ネットの時代こそのフォント開発
ファッションにも採用
韓国インターネット振興院が実施した「2008年インターネット利用実態調査」によると、韓国では人口の77.1%、10-30代は98-99.9%がインターネットを利用し、そのうち84.5%がインターネットから新聞記事を読んでいるという結果が出ている。ネットの閲覧や文書作成をする際に、少しでも目の疲労を和らげてくれるフォントがあればありがたい。
インターネットを使うのが日常的となっているにもかかわらず、20年近く前に導入されたマイクロソフトのフォントに依存しているのはIT先進国として残念なことである。読みやすく目が疲れないフォント、新聞サイトやポータル独自のフォントを望む動きはどんどん高まってくるということで、フォントを専門的に開発する企業も増えてきた。
ファッション業界でも新しいハングルフォントの開発に注目している。文字をモチーフにしたデザインが流行っているからだ。携帯電話端末や冷蔵庫にも流れ星のようなハングルフォントで有名な詩を彫刻した限定版が登場している。パリのファッションショーでは韓国人デザイナーのハングルがプリントされたシャツやワンピースが注目された。観光地で売っているような類いのものではない。鳥や花を描いたようにも見える美しいハングル書体をアレンジした衣装は、東洋的で不思議な記号にも見え、韓国の芸能人の間でも流行っている。
ハングルをビジネスとして見直す動きが一時的な流行で終わらず、自分の国の言葉を愛し正しく使うことへつながることを願うキャンペーンも行われている。チャットやメッセンジャーの登場によって、韓国でも2ちゃんねる用語のような言葉がたくさん出てきたので、「言語破壊」や世代間の言語デバイドが問題になっている。それに、韓国ではグローバル化の一環として英語教育に力を入れており、小学校から英語の授業を始めている。英語しか使わないという幼稚園は、妊娠したらすぐ予約しないと生まれたわが子を入園させられないという繁盛ぶりだ。
英語ばかりで韓国語は使われなくなり、ハングルフォントはもういらない、なんてことにならないようにしなくては。
(趙 章恩●取材/文)