OECD의 인공지능 권고안 주도를 위한 일본의 전략

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정보통신기획평가원 ITFIND

 [2020.03.10]
(
주간기술동향 1937)

OECD의 인공지능 권고안 주도를 위한 일본의
전략

 조장은 (도쿄대학 프로젝트 부교수)


– 2019 5월 경제협력개발기구(OECD) 인공지능을 개발 및 활용하는데 있어 국제사회가 공유해야할 기본적인 가치를 정한 인공지능 이사회 권고안(OECD Council Recommendation on AI)을 공식 채택했다.
국제기구 차원에서 수립된 최초의 인공지능 권고안으로 파급효과가 클 것으로 보인다. 과학기술정보통신부는
미국, 일본, 유럽연합(EU)
등 주요국들도 이번 권고안 채택을 적극 지지하였으며, 특히 권고안 마련에 주도적인 역할을
한 한국의 기여를 높게 평가하였다고 설명했다. 한편 일본 정부 또한 일본이 OECD의 인공지능 관련 논의를 주도했다고 강조했다 이에 일본정부가 OECD 인공지능
권고안 협의 과정을 주도하기 위해 구체적으로 어떤 지원을 했는지 일본 정부의 전략을 알아보고 국내 정부기관의 국제협력 방안 수립에 도움이 될 만한
시사점을 도출하고자 한다.

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Samsungがアシスタントロボット披露、障害者スポーツ効果で外骨格アシストスーツにも脚光

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

2020年1月6日、「CES 2020」の基調講演で韓国Samsung Electronics社の消費者家電部門社長のキム・ヒョンソク氏は、今後10年を象徴するキーワードとして「Age of Experience」を挙げた。

 「ユーザーは製品の所有に満足するのではなく、製品の使用を通じて利便性や楽しさ、安心感を得られることを期待する。これからの10年は人間中心の経験の時代になる。当社は、蓄積した技術力、および半導体やモバイル、家電など幅広い分野のリーダーシップで全ての人が楽しく豊かな生活をできるように努力する」と同氏は語った。

 さらに同氏は、テニスボール大のアシスタントロボット「Ballie」を紹介した(図1)。ユーザー1人ひとりを理解し、そのニーズを満たして「人生の同伴者」となる知能ロボットだという。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2020. 2.

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00006/00047/

サムスンの照準は5Gから3nmプロセスへ、2022年量産開始に向けTSMCと先陣争い

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2020年1月20日、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の定期人事異動が発表された。年初の人事異動は同社の関心や投資先を推測できるとして韓国ではとても注目されている。今回は半導体研究所やファウンドリーなど半導体部門の昇進者が多く、半導体事業を担当するデバイスソリューション部門としては初めて女性専務も誕生した。

 韓国メディアは、日本の半導体素材輸出規制を乗り越えたことをたたえる意味を込めた人事だったと評価した。さらに、今回の人事異動からサムスン電子の2020年は、「半導体工程」「5G(第5世代移動通信システム)」「LEDテレビ」がキーワードになるとも分析した。

 サムスン電子の報道発表資料によれば、潜在力のある若手リーダーを昇進させたことや、成果主義という原則に沿って年齢や入社年度に関係なく成果と力量を保有した人材を登用したこと、外国人や女性の昇進を拡大したことが主な特徴だという。さらに、半導体部門は世界で初めて100層超えを達成した3次元積層NAND(3D NAND)フラッシュメモリーである第6世代「V-NAND」にCOP(Cell on Peri)技術を適用して量産できるようにしたことや、MRAM研究、DRAM競争力強化などの実績を評価した人事とも説明した。

 人事発表の翌1月21日には、半導体部門協力会社271社に過去最高額のインセンティブ417億4000万ウォン(約38億2000万円)を支給したと発表した。サムスン電子の半導体工場に常駐する協力会社を対象にしたもので、上期および下期の2回に分けて支給する。同社によれば、2010年から累計3476億5000万ウォン(約318億1000万円)を支給してきたという。

3nmプロセス開発工場を幹部が激励

 サムスン電子副会長の李在鎔(イ・ジェヨン)氏の2020年初仕事も半導体だった。同氏は1月2日、世界初の3nmプロセスを開発している華城(ファソン)工場の研究所を訪問、「過去の実績が未来の成功を保障してくれるわけではない」「間違った慣行や思考は果敢に廃止して新しい未来を開拓していこう」「隣人や社会と一緒に分け合い一緒に成長するのが我々の使命であり100年続く企業に至る道であることを肝に銘じよう」と社員を激励した。同工場では2019年12月31日に停電事故が起きており、その対策を議論するために同氏が訪問した可能性もある。この事故では、華城変電所の送電ケーブルに問題が発生して付近一帯が停電。その影響で同工場の半導体生産ラインが1分あまり中断し、数十億ウォンの損失が発生したと報道された。ちなみに同氏の2019年の初仕事は、水原(スウォン)工場の5Gネットワーク通信装備生産ラインの稼働式典だった。

 華城工場の研究所が開発している3nmプロセスは、5nmプロセスよりも半導体チップの面積が35%以上減り、消費電力は半分に、処理速度は30%ほど早くなるという。サムスン電子は、2020年に5nmプロセス半導体の量産、2022年に3nmプロセス半導体の量産を目標としている。同社は3nmプロセスにおいてゲート全周型トランジスタ構造を採用する計画であり、「3nm Gate-All-Around Early(3GAAE)」と呼ぶ工程の設計キット(PDK v0.1, Process Design Kit)を、2019年5月14日に米国サンタクララで開催した「Samsung Foundry Forum 2019」で配布済みである。ファウンドリー世界1位の台湾積体電路製造(TSMC)も当初2023年だった計画を前倒しして2022年に3nmプロセス半導体を量産すると表明しているだけに、どちらが先に量産に成功するかも注目されている。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2020. 2.

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00950/00017/

韓国の半導体用レジスト調達に米国が助け舟、日本の輸出管理厳格化に対応

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2019年7月に日本政府による対韓半導体・ディスプレー材料3品目の輸出管理厳格化が始まってから、韓国企業は材料・設備を日本に依存しすぎていたとして、国産化を進めるとともに日本以外の国からの調達に切り替えていた。安定的な材料・設備調達のために韓国産業通商資源部(韓国の部は日本の省に相当)のソン・ユンモ長官が“セールスパーソン”となって米国シリコンバレーで説明会を開催するなどの“営業”を続けた結果、2020年1月9日に米デュポン(DuPont)が半導体の材料として使われるEUV(極端紫外線)リソグラフィー用フォトレジストの開発・生産施設を韓国の天安(チョナン)市に新設すると発表した。

 新施設では、同社が世界市場でシェア8割を占める半導体製造用CMP(化学機械研磨)パッドも生産する。天安市には同社の韓国子会社(ローム・アンド・ハース電子材料コリア)の工場がある。この韓国子会社は現在、回路基板用材料を生産している。フォトレジストとCMPパッドの韓国での生産に向けて、デュポンは2800万米ドル(約30億5000万円)を新施設に投資する。フォトレジストは半導体製造に欠かせない材料で、日本が韓国に輸出管理を厳格化している品目の1つである。

 デュポン・エレクトロニクス・アンド・イメージングの社長であるジョン・ケンプ氏は、韓国政府機関に投資申告書を提出した場で、「フォトレジストの開発・生産のために、これから韓国内の主な供給先と製品の実証テストを進めるなど緊密に協力する計画」であると述べた。これを受けて産業通商資源部のソン長官は「政府は核心材料や部品、設備に関する技術競争力の確保と供給先の多様化を今後も継続して推進する」と返答した。ソン長官は、米国の半導体メーカーや自動車メーカー、再生エネルギー企業、ベンチャーキャピタルなどを招待して韓国政府の戦略や外国人投資向け支援策を解説するなど、かねて熱心に営業をかけてきた。

 韓国のサムスン電子(Samsung Electronics)とSKハイニックス(SK Hynix)は、輸出管理厳格化の前までフォトレジストの9割を日本企業から輸入していた。そのため、輸出管理厳格化が始まってから代替調達先を見つけるのに苦労した。デュポンの工場誘致は、日本企業以外の調達先を確保して半導体製造を問題なく継続させようと走り回った韓国政府の努力の結果でもあることから、韓国内で高く評価されている。日本では「韓国向け輸出管理厳格化を一部緩和した」との報道もあるが、韓国企業の立場からすると、不確実性を減らすために今後も日本企業以外の調達先を見つけるしかない状況は続いている。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2020. 2.

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00950/00018/

新型肺炎に厳戒態勢の韓国、自動車製造に打撃もディスプレー業界は利益期待

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新型コロナウイルスによる肺炎拡散防止のため、韓国では大勢の人が集まるイベントがほぼ中止になっている。2020年2月に行われる小・中・高校、大学の卒業式は先生と職員だけが集まり式典を行った。学生と保護者はYouTubeで卒業式のネット配信を見ながら、コメント欄で参加した。毎年3月が新学期の韓国では、臨時休校を決めた学校も多く、複数の大学では冬休みを中国で過ごし韓国に戻ってきた中国人留学生を寮に集めて2週間隔離し、その間は毎日お弁当やマスクなどを支給してケアしている。展示会やカンファレンス、学会など人が集まるイベントはほとんど中止になり、4月以降に再開する見込みである。

感染者の訪れたデパートが休業に

 韓国メディアすら過剰反応ではないかと報道するほど、韓国のあらゆる企業や政府機関が新型コロナウイルス肺炎拡散防止に力を注いでいる。ショッピングモールやホテルなど人がたくさん集まる建物の入り口には、熱感知カメラと消毒剤が置かれている。海外観光客が多い免税店ではマスクも無料で配布していた。2月10日には全国の大手デパートが一部店舗だけを残して臨時休業し防疫を行ったほどである。

 感染確診者(指定保健所で感染が確認できた人)が出ると、その人がいつどこに行ったのかという情報がテレビのニュースで詳しく報道され、訪問したとされるレストランやショッピングモールなどは自主的に臨時休業して防疫を行っている。それでも感染確診者が行ったとされる場所はガラガラになる。

 韓国で最も大きいロッテデパート明洞(ミョンドン)本店は、感染確診者の中国人観光客が買い物に訪れたことが分かってから、消毒のために2月7日午後から3日間臨時休業した。ロッテデパート本店が3日も休業したのは1979年の開店以来の出来事だそうで、休業による損失は300億ウォン(約28億円)に上るという。

 韓国通販大手のGSホームショッピングは社員の1人に感染確診者がいたことから、3日間本社が職場閉鎖となった。安全のために教育庁は同社周辺の小学校も休校にした。同社は通常、生中継で商品の説明をしながら電話やネットで注文を受け付けるが、この3日間は再放送を流してネットで注文を受けるしかなかった。防疫のための臨時休業は、政府の決定ではなく企業の判断によるものである。小売りの場合、これぐらい安全性をアピールしないと顧客が戻ってこない。

 感染拡散防止のため人が集まる場所には行かなくなったことで、ネット通販の売り上げは伸びた。2月11日に韓国のクレジットカード会社8社が公開した個人の決済額データによると、1月28日~2月3日のネット通販モール決済額は2兆5087億ウォン(約2340億円)と、前年同期の1兆7367億ウォン(約1620億円)に比べて44.5%増加した。さらに、ネットスーパーの配送件数も前年同期比51.4%増加した。この期間、オフライン店舗での決済額は同9.3%増の9兆530億ウォン(約8440億円)である。

MWCは延期に

 新型コロナウイルス肺炎は、グローバル規模の展示会にも大きな影響を与えた。2月4日、LG電子(LG Electronics)は社員と顧客の健康のために、モバイル通信関連のイベント「MWC Barcelona 2020」(スペイン・バルセロナ)への出展を取り消すと発表した。一方、サムスン電子(Samsung Electronics)は出展の意向を示していたが、その後2月13日にイベント主催者であるGSMアソシエーション(GSMA)が開催中止を決定した.

 製造にも影響が出ている。中国が感染拡大防止のため春節の連休を延長したことで、山東省にある韓国部品会社の工場が稼働を長期にわたって中断し、ワイヤーハーネスが届かず、現代自動車(Hyundai Motor)、起亜自動車(Kia Motors)、双竜自動車(SsangYong Motor)の韓国内工場も4~7日間製造を中断せざるを得ない事態となった。ワイヤーハーネスは、輸入品の87%が中国産と依存度が高い。ワイヤーハーネスは手作業が必要であり、韓国で製造すると原価が高くなるので、生産拠点を中国に移していた。現代自動車の場合、自動車約3万台の製造が遅れている。

 

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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2020. 2.

-Original column

Bengio氏の下に研究所を開設するSamsung、深層学習研究者を招聘しAI Forumを開催

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 2019年11月18日、韓国NAVER社の子会社LINEとYahoo! JAPANを運営するZホールディングスが経営統合を発表し、世界をリードするAIのテックカンパニーを目指し年間で1000億円規模のAI投資を行うというニュースは韓国でも大きな話題になった。

 韓国でもKT社が2019年10月末に通信キャリアからAI Company (AI専門企業)に生まれ変わり、アジアと中東地域をターゲットにしたAIサービスに力を入れると発表したことで、韓国企業のAIグローバル競争力が注目された。

 KT社は2025年までにアジア市場で自社のAIエンジン「Genie」搭載デバイスをB2C(消費者向け)とB2B(企業向け)の両方で1億台以上販売し、AI分析で各国の社会問題解決に役立てることを目標としている。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2019.12 .

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00006/00043/

ファーウェイ排除で漁夫の利、サムスン電子の5G設備シェアが急上昇

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2019年12月16日、輸出管理を巡る日韓政策対話が3年半ぶりに開催された。政策対話は10時間に及んだ。だが、日本経済新聞によれば、同月17日午前に韓国産業通商資源部(部は省に相当)が発表した開催結果は次の通りだ(関連記事)。

「両国は輸出管理制度運用に関して専門的観点から相互理解を促進できた」
「両国は現在国際的安保環境の元で今後もそれぞれ責任と裁量の元で実効性のある輸出管理を推進する必要があるという認識を共有した」
「両国の輸出管理制度と運用に対して多様な改善情報をアップデートすることを含め、今後も懸案解決に寄与できる輸出管理政策対話と意思疎通を継続して行うことに合意した」

 日韓の関係を改善する糸口が見つかるかもしれないと期待されたが、政策対話の結論は「今後も話し合いを続ける」というものだった。

 韓国メディアの報道をみると、何よりも「経済産業省が今回はちゃんとした会議室を用意した」ということを大々的に報じていた。「2019年7月に行われた輸出管理に関する事務的説明会は荷物が置かれた倉庫のような部屋で行われ、経済産業省の担当者は韓国産業通商資源部の担当者が部屋に入っても立ち上がらず、挨拶もしなかった。今回は正常な会議室で開催されて飲み物もあった。日本側の雰囲気が変わった」という内容だった。日本に「おもてなし」があるように韓国では「儀典」を重視する。これは国家行事や国際会議のように公式な場で守るべき礼儀のことで、外交部(日本の外務省に相当)のホームページで詳細に紹介している。前回の説明会では経済産業省が儀典を守らなかったと韓国メディアが問題視したこともあり、今回も対話の中身はもちろんだが会議場や参加者の行動にまで注目を集めたようだ。

 同年12月になってからは、韓国経済の2020年を展望するセミナーや特集記事が増えている。その中では、日本の輸出管理よりも米中貿易摩擦の方が韓国に与える負の影響が大きい、という分析が多かった。

 同月16日に韓国関税庁が発表した貿易統計によると、2019年の貿易額は1兆米ドルを突破した。1兆米ドルを超えるのは2017年以降3年連続だ。ただし、同庁は2019年は各国で保護貿易主義が強まったことや世界的な不況、日本の輸出管理による混乱が生じたにもかかわらず1兆米ドルを超えられたことに意味があると分析した。同月13日に米中貿易協議が第1段階の合意に達したことで投資家心理の回復が見込まれることに加え、2020年には半導体メモリーの価格上昇と5G(第5世代移動通信システム)投資の拡大、5G加入者の増加による半導体需要の拡大、米国・EU(欧州連合)・日中以外のアジア諸国への輸出拡大などを背景に、景気回復について前向きに評価する証券会社が多かった。

 一方で、米中貿易摩擦によって成長した分野もあった。米国と日本がセキュリティー上の問題から中国勢のネットワーク設備を導入しない方針を決めた結果、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)が5G設備の市場シェアを大幅に伸ばし、世界第2位になった。

 同社のネットワーク事業部の売上高は2018年の4兆1000億ウォン(約3855億円)から2019年には6兆2500億ウォン(推定、約5876億円)に急上昇し、ネットワーク設備の世界市場シェアは2018年末の約5%から2019年9月時点で約11%に伸長している。英国の調査会社IHS マークイット(IHS Markit)の調査によれば、5Gネットワーク設備だけに限ると2019年9月時点で約23%で、中国華為技術(ファーウェイ、Huawei Technologies)の約30%に続く2位になった。サムスン電子は、韓国で世界初となるスマートフォン(スマホ)向け5Gサービス商用化に向け設備を納入したという実績に、米国が中国企業による通信設備を避けたことが加わり、有利な地位を獲得できた。同社は米国の主な通信キャリアと次々に5Gネットワーク設備の納品契約を結び、日本でもKDDIに選ばれた。

 しかし、必ずしも楽観視されているわけではない。ドイツは5G通信網構築に関してファーウェイ排除を明示せず、同国で事業を展開する大手通信事業者のスペイン・テレフォニカ(Telefonica)のドイツ部門は同社と5Gネットワーク設備の導入契約を結んだ。これに続いて欧州では次々にファーウェイが契約を勝ち取り、サムスン電子のシェアはこれ以上伸びないのではないかとの見方もある。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2019.12 .

-Original column

親会社は時価総額30兆ウォン突破、LINE・ヤフー経営統合が韓国で好意的に受け止められる理由

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 2019年12月23日、Zホールディングス(ZHD、旧ヤフー)とLINEは両社の経営統合について、それぞれの親会社であるソフトバンクと韓国最大の検索ポータルサイトを運営するNAVERを含めた4社間で最終合意の締結に合意したと発表した。ZHDとLINEは、2019年11月18日に都内で記者会見を開き、経営統合の基本合意を発表していた。「統合して世界をリードするAI(人工知能)のテックカンパニーを目指す」「(GAFAなどに次ぐ)世界の第三極になるということだ」「互いの手を取り合ってさらなる高みを目指そうという大きな決断をした」といった両社社長の発言は韓国でも大いに話題になった(日本経済新聞 電子版の関連記事)。

 2019年11月28日にはNAVERも報道資料を発表した(同社のプレスリリース)。「LINE・Yahoo! JAPANの経営統合に関してお知らせします」というタイトルで、「LINEはフィンテック領域で緊密な連携を構築することでキャッシュレス時代の新しいユーザーエクスペリエンスを提供し、技術を基にした新規事業に進出して未来の成長に向けた相乗効果を図るため、Yahoo! JAPANや金融持ち株会社などを子会社とするZホールディングスと経営統合(business integration)することを決定しました。経営統合の結果、LINEとZホールディングスの親会社であるNAVERとソフトバンクが50:50でジョイントベンチャーを設立し、Zホールディングスの共同筆頭株主になります」「(経営統合により)日本及びアジア最大のユーザー基盤を確保できると期待しています」「グローバルプラットフォーム事業者と競争できる、AI基盤の新しいテック企業に位置づけられるものと期待しています」といった内容だった。

 LINEは親会社のNAVERと連携してメッセンジャーやモバイルコンテンツ、フィンテック、AI分野でグローバルビジネスを展開してはいるものの、LINEへの大規模投資によりNAVERの営業利益は減少していた。こうした分野はこの先もまだまだ投資が必要だ。韓国の証券業界では、経営統合によってNAVERの負担はより軽くなりLINEはより強力な資金源を確保できるとして、LINEの親会社であるNAVERの企業価値も上がったと評価されている。経営統合の発表以降NAVERの株価は上昇し、2019年12月20日時点で同社の時価総額は30兆ウォン(約2兆8000億円)を突破した。時価総額規模は韓国サムスン電子(Samsung Electronics)、SKハイニックス(SK hynix)に続き3位になった。

 NAVERが検索ポータルサイトとして正式にサービスを始めたのは1999年のこと。韓国の調査会社オープンサーベイによる2019年2月の調査では、韓国の10~50代のインターネットユーザーのうち74.4%が検索する際にNAVERを利用すると答えたほどである。AIを駆使した検索結果表示やショッピングレコメンドは好評で、広告も増えている。今ではサムスン電子や韓国LG電子(LG Electronics)と並ぶ大手企業であり、人々の生活に欠かせないあらゆる取引をネットであっせんするプラットフォームに成長した。韓国の就職情報サイトを運営するインクルートが2019年6月に国内の大学生を対象に調査した「最も就職したい企業」では1位にも選ばれている。ちなみに2位は有料放送向けコンテンツ制作会社の韓国CJ ENM、3位はサムスン電子だった。

 NAVERは最先端IT企業らしく、AIやロボット研究にも力を入れている。フランスにもAIの研究拠点を設けるなど、世界中の人材を集めている。2019年10月に行われた開発者向けカンファレンスでは、現在建設中の第2自社ビルをロボットと人間が共存する建物にしていると発表した。ビルへの入退出は顔認証で管理し、社員用無人店舗を配置し、人の移動を把握して空調を制御したり、自動運転ロボットが掃除や物品の運搬などを担ったりする、世界初の“ロボットフレンドリービル”になるとしている。

 NAVERのモバイルサービスも充実しているが、韓国内ではKakaoというライバルがいる。NAVERは検索ポータルサイトやパソコン向けサービスは韓国トップであるが、モバイルサービスとしてメッセンジャーアプリである「KakaoTalk」、モバイル決済の「Kakaopay」、モバイルバンキングの「kakaobank」などを提供するKakaoの営業利益は急速に伸びている。メッセンジャーアプリとしてLINEは日本では大流行したが、韓国ではすでに“国民アプリ”と呼ばれるKakao Talkがあり、囲い込み効果(ロックイン効果)によりLINEはほとんど普及しなかった。

 NAVERはKakaoのように銀行事業を保有していないが、LINEと連携して「NAVER Pay」を日本のLINE Pay加盟店でも利用できるようにし、銀行に比べ破格的に安い手数料で日韓国際送金ができるようにした。海外でも使えることから、NAVER PayはKakaopayより遅れてサービスを始めたものの2019年11月末時点で、韓国で最も利用者が多いモバイル決済サービスになった。

 2019年11月1日には、韓国の証券会社、未来アセット大宇より8000億ウォン(約750億円)の投資を受けて「NAVER FINANCIAL」という子会社を立ち上げた。NAVERのモバイル決済を担当する企業だ。同社とLINEが協力し、2020年からは台湾、タイなどにあるLINE Pay加盟店でもNAVER Payを利用できるようにするという。当分の間、NAVERの成功はLINE Payの成功にかかっている、というような状況が続くかもしれない。

 韓国では、経営統合によってLINEはGAFAと競争できるAIテック企業を目指し、まずフィンテックで日本市場のトップになり、それからアジア市場シェアを広げるのではないかとみられている。というのも、NAVER FINANCIALが設立されてすぐLINEの経営統合が発表されたからだ。経営統合により、最大のライバルだったソフトバンクグループのPayPayとの競争がなくなり、日本でのマーケティング費用を減らせる。既にGAFAが市場を掌握したといっても過言ではないコンテンツサービス分野に比べて、モバイル決済のようなフィンテック分野はこれから普及する領域であり、成長の余地が残っている。決済を中心にオンラインとオフラインをつなげる、中国の「Alipay(支付宝)」や「Wechat Pay(微信支付)」のような“スーパーアプリ”になれる可能性がまだある。

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<<NIKKEI X TECH>>

2019. 12.

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00950/00014/

現代重工はロボット事業を独立させ強化、ロボット規格の認証機関を韓国内で創設との声も

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2019年12月17~19日、韓国ソウル市内にあるCOEX展示場では、2017年に設立された大統領諮問委員会「4次産業革命委員会」と科学技術情報通信部(部は省に当たる)が主催した「4次産業革命フェスティバル2020」が開催された。

 同イベントでは、第4次産業革命は既に本格的に始まっているとして、韓国政府が2018年からキャッチフレーズにしている「5G基盤D・N・A(Data・Network・AI)強化」戦略の動向を紹介する展示とカンファレンスが行われた。

 カンファレンスで印象的だったのは、4次産業革命委員会委員長のチェ・ヨンジン氏による韓国政府への政策提言だ。

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趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2020. 1.

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https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00006/00045/

「半導体の日」 国産化に向け一致団結する韓国 悲願の脱メモリーに向けサムスンは5G後に期待

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日本政府が韓国に対し半導体材料3品目輸出管理を強化してから4カ月近く過ぎた。日本の財務省が2019年10月21日に発表した2019年9月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、対韓国の輸出額は15.9%減の4027億円。9.4%減だった2019年8月よりさらに減少幅が広がった(日本経済新聞の関連記事)。主に韓国に対して輸出管理を厳格化したことで輸出額が減少したとみられるが、「日本の対韓輸出管理強化は徴用工裁判の報復だ」として韓国で広がった不買運動の影響も出ているようだ。

 日韓関係は相変わらず難しい状態が続いている。2019年10月24日、安倍総理と韓国の李洛淵(イ・ナギョン)国務総理(首相)との会談が行われたが、韓国では会談内容があまり評価されなかった。韓国メディアのほとんどが会談を「日本も韓国も話したいことだけ話した。歩み寄りがない」と評価、「韓国の対話提案を日本が拒絶」、「李総理が安倍総理に渡した文在寅の大統領の親書には首脳会談を希望する内容が書かれていたが、日本側は11月まで保留するとした」など、日韓関係は改善の兆しが見えないと強調する報道をした。

 韓国外交部(部は省)は会談結果について、「韓日両国は重要な隣国として韓日関係の厳しい状態をこのまま放置できないという点で認識を共にした。李洛淵総理は韓日関係の閉塞を早期に打開するため、両国外交当局間対話を含む多様なコミュニケーションと交流を促進させていくことを促した」、「李洛淵総理は、これまでやってきたように今回も韓日両国が知恵を集めて難関を克服できると信じている、と述べた」と説明した。

 2019年10月30日に、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官(外相)は国会外交統一委員会全体会議で文大統領の親書の内容と会談の成果を聞かれ、「首脳間の対話はいつでも開かれているという立場と、難しい懸案を克服して韓日首脳が会えることを望んでいるという希望を表した」、「韓日関係を両国とも重視しており、厳しい状況が続いてはならないという点を明示的に導き出したところに成果がある。外交当局間の持続的協議により、懸案を解決するため努力し続けようと共感していることを確認できた点も成果である」と述べた。その後、2019年11月4日には、タイ・バンコク郊外で安倍晋三首相と文在寅大統領が東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国による首脳会議に先立ち短時間の対話を持ったが、目立った進展はなかったとみられる(日本経済新聞の関連記事)。

 日韓関係はまだ改善の兆しが見えない中、産業界では「国産化」によって日本の対韓輸出管理強化を乗り越えようという意志を再確認するイベントが多数行われた。

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2019. 11.

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