iPhone 6発売まで待てない!ネット経由で海外から買い求める韓国ユーザー [2014年9月26日]

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 iPhone 6を求めて中国人が団体で日本のアップルストアやキャリアの代理店に並び、早速中国内で数倍の値段で転売されていることが日本で話題になっているが、韓国でも似たようなことが起きている。

 iPhone 6と同Plusの韓国発売日はいまだに決まっていない。韓国メディアによると、米国や日本など先に発売した国で予約が殺到していることから、iPhoneのシェアが小さい韓国はさらに後回しになり、発売が12月以降になる可能性もあるとしている。

 正式発売まで待てない韓国ユーザーは、ネットを経由して海外のアップルストアにiPhone 6/6 Plusを注文し始めた。本人が直接ネットから海外のアップルストアに注文すると、海外配送料だけ負担すればいいので、海外まで行って買ったり、「購入代行」を利用したりするより断然安い。

 「購入代行」は、文字通り海外のアップルストアで「買ってきてもらう」ということ。これは手数料が上乗せされる。海外のアップルストアで購入したiPhone 6 SIMフリー16GBが約100万~138万ウォン(約11万~15万円)、iPhone 6 Plusの16GBが約135万~180万ウォン(約15万~20万円)で取引されている。韓国で人気のカラーはゴールドで、同じモデルでもゴールドは手数料が高くなっている。

 日本での販売価格は、同じモデルがそれぞれ6万7800円 (税別)、7万9800円 (同)である。日本よりほぼ2倍の値段が付けられたが、それでもあっという間に予約が完了した。今では買いたくても買えない状態になってしまっている。




iPhone 6とiPhone 6 Plusを海外のアップルストアで購入代行してくれる
業者のサイト


 一部のインターネットショッピングサイトでは、米国から直送し、手数料なしで、米国での定価に海外配送料と米国内の消費税だけを上乗せしたiPhone 6 Plusを目玉商品として発売した。ただし米国でもiPhone 6 Plusを手に入れるのが難しくなっているため、定価で買えるのは先着20人だけ。しかも、1カ月待ちという条件が付けられた。それでもiPhone 6 Plusを買えるというだけでサイトは話題になり、宣伝効果はバツグンだった。





趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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スマートウォッチ競争の決め手はデザイン? アップル、サムスン、LGが続々と新製品 [2014年9月22日]

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米アップルが「Apple Watch」を公開してから、韓国ではついに本格的なスマートウォッチ競争が始まったとして、サムスン電子とLGエレクトロニクスのスマートウォッチも今まで以上に注目を浴びている。両社は、9月上旬にドイツで開催された国際コンシューマーエレクトロニクスショー「IFA 2014」に合わせてスマートウォッチの新作「Gear S」と「G Watch R」をそれぞれ公開した。

 Apple Watchは3つのモデルがある。基本モデルのほかにフィットネス機能のあるスポーツモデル、18金を使ったラグジュアリーモデルと、ウォッチの材質や使う目的に応じて選択できるようにしている。Apple Watchの外見は端末というより時計に近い。男性用、女性用があるのも特徴だ。既存のウォッチが抱える「バッテリーの持ちが悪い」「毎日充電しないといけないので面倒」という課題はアップルも解決できなかったが、決済機能が付いているのはとても魅力的だ。

 サムスン電子とLGエレクトロニクスも、スマートウォッチの新作「Gear S」と「G Watch R」をファッションアイテムの一部として位置付けようとしている。スマートウォッチはウエアラブルデバイスというよりも時計に近いおしゃれなデザインに変わりつつある。

サムスン電子の新しいスマートウォッチ「Gear S」

 

サムスン電子は、9月4日から9月11日まで開催されたニューヨークファッションウイークのスポンサーになった。ファッションブランドDIESEL BLACK GOLDのショーでは、モデルがGear Sの DIESELコラボモデルを腕に着けて登場した。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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「iPhone 6は革新がない」と韓国メディアは酷評、ユーザーは「価格次第でGALAXYから乗り換える」と期待 [2014年9月12日]

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米アップルの新しいスマートフォン「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」は、韓国でも大きなニュースになっている。韓国のキャリア3社が推定する韓国のスマートフォンシェアでは、サムスン電子の「GALAXY」シリーズが70%以上、iPhoneはせいぜい5%前後と見られている。シェアが低いせいか、韓国での発売日はiPhone 6が10月末以降、iPhone 6 Plusが12月以降となりそうだ。

 韓国ではこれまで、SKテレコムとKTのキャリア2社がiPhoneを販売していたが、iPhone 6からはLGユープラスも加わり、全3社がiPhoneを販売する。キャリア3社のiPhone 6販売競争によって、韓国内のiPhoneシェアが拡大する可能性がある。

 韓国メディアは「iPhone 6には革新がない、仕様を比べるとサムスン電子が9月3日に公開した『GALAXY Note 4』の方が圧倒的に良い」「スマートフォン市場をリードしていたアップルが、今はGALAXYに似た端末を作るようになった。ユーザーを驚かせるポイントがない」「海外でもiPhone 6にがっかりしたという反応を見せている」など、酷評する記事の方が多い。しかし韓国のユーザーは「画面が大きくて薄いのがいい」と期待を寄せているようだ。








韓国サムスン電子の「GALAXY Note 4」


 韓国ユーザーがiPhoneを選択しない理由として、最もよく言われたのが「画面が小さくて不便」という点だった。日本では「画面が大きすぎず、片手で使えるスマートフォンがいい」という意見もあるようだが、韓国のユーザーはiPhone史上もっとも薄くて大きいスマートフォンというだけで「iPhoneに乗り換えるチャンスが来た」と期待している。

 Androidに飽きたのか、新OSの「iOS 8」が使いたくてiPhone 6に買い替えたいという意見も多かった。




4.7インチの「iPhone 6」(左)と5.5インチの「iPhone 6 Plus」(右)
(撮影:磯修)








趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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グーグルがアジア初の起業家支援センター「Campus Seoul」をオープン [2014年9月5日]

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2014年8月27日、米グーグルは韓国ソウルに「Campus Seoul」をオープンすることを明らかにした

 「Campus」はグーグルがスタートアップを支援するための施設で、起業家が集まって学んで交流し、企業を立ち上げてビジネスできるよう助けることを目的としている。「Campus Seoul」の場所はCOEX展示場(ホテル、デパート、ショッピングセンターなどがある大型展示場、IT展示会が頻繁に開催される)があるサムスン駅の近くで2000平方メートル規模。2015年1月のオープンを予定している。

 グーグルのCampusは2012年オープンした英国の「Campus London」、2013年オープンしたイスラエルの「Campus Tel Aviv」が既ににあり、ポーランドの「Campus Warsaw」とブラジルの「Campus São Paulo」を準備している。「Campus Seoul」は、グーグルが運営するアジア初の起業家支援センターになる。

 「Campus Seoul」では起業のための専門知識(法務、財務、デザイン、マーケティングなど)を取得できる教育プログラム、グーグル社員やベンチャー経営者が起業を目指す人へアドバイスするプログラムを運営する。インターネットで申し込めば、誰でもプログラムに参加できるようにするという。

 さらに、子供がいる主婦向けの起業プログラム「Campus for Moms」、グーグル本社のIT専門家からアドバイスをもらえるプログラム、他のCampusにいる起業家とのグローバル交流プログラムなども進める。

 「Campus London」の場合、年間1100回ほど起業関連イベントを開催し、延べ7万人以上が参加している。ベンチャーインキュベーションセンターもあり、優れたアイデアを持つベンチャーを世界中から集めている。「Campus Seoul」も似たような施設になりそうだ。







「Campus London」のWebサイト

 グーグルのスンダル・ピチャイ シニアバイスプレジデントは、アジア初のCampusを韓国ソウルに設立する理由を、「韓国のスタートアップが全世界で話題になっている。特にモバイル分野がそうだ。グーグルは元気のある韓国の起業家を積極的に支援したい」とし、さらに「韓国は変化に慣れた国。新しい技術を受け入れるのが速い。スマートフォン普及率も人口の8割を超えている。この2年間で韓国人のAndroid開発者数も増えた。韓国からいいアイデアが生まれると見ている」と期待感を示した。

 また、「Campus Seoul」を通じて、シリコンバレーに浸透している「リスクを冒す文化」「不可能に見えることも財政や技術の面で支援し、挑戦させて成功させる文化」を韓国にも広げたいとしている。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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KakaoTalkやLINEには負けない!韓国キャリア3社が「通話」サービス強化 [2014年8月29日]

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 韓国では国民の8割がスマートフォンを使い、KakaoTalkやLINEのような無料メッセージ・通話アプリの利用も当たり前になっている。韓国のキャリア3社は、スマートフォンを利用するためには欠かせないネットワークを握ってはいるものの、「無料アプリ」の影響で音声通話収入は激減した。キャリア同士の料金割引競争により、データ通信収入もパッとしない。

 キャリア3社は、KakaoTalk、LINEといった無料メッセージ通話アプリばかり使うユーザーを取り戻すために、この8月から「通話品質」を強調するCMを流し、「通話しながら利用できる付加サービス」を次々に始めた。

 韓国のキャリアが音声通話に力を入れるのは十数年ぶりのこと。90年代後半には「エレベーターの中でも通話できる」「山の頂上でも通話できる」といったCMをよく流していたが、2000年代に入ってからは通話品質に不満を持つユーザーがさほどいなくなったため、キャリアのCMは「データ通信の速度が速い」「料金が安い」といった内容ばかりだった。

 いまさらながら通話品質をうたうCMを流すということは、それだけKakaoTalkとLINEの影響力が大きいということだろう。

 SKテレコムが始めた「T電話」サービスは、「安心して使える賢いモバイルコミュニケーション」を目標としている。電話がかかってきたとき、自分の携帯電話に保存していない番号でも自動検索して発信者情報をスマートフォンの画面に表示する機能と、スパム電話の可能性が高い場合は自動的に着信しないようにする機能がある。

 今までは、知らない番号から電話がかかってくると、ユーザーが自分でネットや電話帳アプリで検索して、スパム電話かどうかを確認してからかけ直すのが一般的だった。SKテレコムは150万件以上の電話番号情報を保有していて、ユーザーが検索しなくてもネットや電話帳アプリで検索できる番号は自動表示してくれるので助かる。

 さらに「T電話専用ホームページ」を開設し、ユーザーが自らスパム電話番号やお店の電話番号を登録または番号修正を要請できるようにした。







韓国のキャリア3社は無料メッセージアプリに対抗して、より便利な「音声通話」サービスに力を入れている。SKテレコムは、端末に保存していない電話番号も自動検索で表示し、スパム電話は着信拒否する「T電話」の提供を始めた
趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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韓国でLTEを利用した「災害安全通信網」構築へ、迅速な救助を目指す [2014年8月22日]

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2003年から議論が始まった韓国の「災害安全通信網」がようやく具体的に動き始めた。

 韓国政府は、7月末に災害安全通信網としてLTEを活用することを決めた。周波数は地上波放送のデジタル化以降にあまった700MHz帯のうち、20MHz幅を使うことになった。700MHz帯は電波が届く範囲が広い。

 災害安全通信網は、PS(Public Safety)‐LTEとして政府予算で新たに構築する。8月からは複数の省庁が協力し、2014年末までに災害安全通信網構築実行計画を策定。2015年から一部地域で実証実験を始め、2017年までに全国でネットワークを構築するという予定になっている。

 韓国政府は、音声だけの短波無線通信とは違い、LTEは音声・映像・データを高速伝送できるため、救助活動には最適の通信方式であると評価した。米国と英国の政府が、LTEを災害通信・救急通信として利用しているという点も影響した。

 災害安全通信網の構築は、災害や事故といった非常事態が発生した際に、警察、消防、軍、地方自治体が同じ通信を使ってコミュニケーションしながら救助作業ができるようにするための国家政策である。現在は、警察、消防、軍、地方自治体がそれぞれ別のネットワークを使っているせいでコミュニケーションがうまくとれず、救助にあたる消防と警察などの間でミスコミュニケーションが発生し、深刻な2次被害を招いてしまったこともあった。

 代表的な例が、2003年に発生したテグ地下鉄の大惨事である。71歳の男が地下鉄の車両内に放火し、192人が死亡、148人が負傷した事件だ。

 救助にかけつけた消防・警察・テグ地下鉄公社が、それぞれ異なる方式の無線通信を利用し、それぞれが指令を出していたため、捜索する場所を間違えたり、市民が警察に通報した内容が消防には伝わっていなかったりして、救助が混乱して死傷者が増えてしまった。何人救助できたのかもわからなかったという問題もあった。無線通信がバラバラだと、現場で救助にあたる全ての組織を一括指揮することもできない。

 また、警察や地下鉄公社が使っている無線通信の方式が古く、盗聴されやすいことも問題として挙がっていた。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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日本の方が安くない?総務省のスマホ利用料金国際比較を巡って韓国ユーザーが反論 [2014年8月8日]

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総務省が2014年7月29日に発表した「平成25年度 電気通信サービスに係る内外価格差調査」によると、ソウル市のスマートフォン料金が東京より安いという結果になり、韓国のスマートフォンユーザーの間で議論になっている。韓国メディアが総務省の調査結果を元に、「韓国のスマートフォン料金は世界で最も安い」と見出しを付けたからだ。

 韓国のスマートフォンユーザーは、すぐに反論し始めた。「韓国より日本の方が安い。日本は24カ月の契約で端末が実質無料になるけど、韓国は通信費に上乗せして毎月端末代を支払わないといけない。実質負担している毎月のスマートフォン料金は総務省調査結果の2倍近い」「韓国のスマートフォン料金は、韓国人の平均所得に比べて高い。日本は時給1000円近いけど、韓国はせいぜい500円。他の国は韓国よりスマートフォン料金が高くても、その分給料が高いからそれほど負担にならないはずだ」など、総務省の調査結果を都合よく解釈する韓国メディアに怒っている。

 総務省の調査は、東京、ソウル、ニューヨーク、ロンドン、パリ、デュッセルドルフ、ストックホルムの7都市のシェア1位通信事業者の通信費を比較したものである。

 スマートフォン料金の場合、総務省は平均的な使用例として、音声通話を月に47分、メールを月に338通、データ通信を月に2GB利用する利用者を「一般ユーザー」と規定し、7都市7キャリアの通信費を比較した。

 その結果、購買力評価レート(物価水準を考慮したレート)を適用した場合、東京は月7263円、ソウルは月5136円、ストックホルムは月4313円などとなり、ソウルは7都市の中で2番目に安かった。単純に市場レート(銀行に表示されている為替レート)で換算すると、ソウルは3595円、ストックホルムは5245円、東京は7263円などで、ソウルが7都市の中で最も安くなる。






スマートフォン料金(一般ユーザー、購買力評価レート)の世界7都市比較(総務省の「平成25年度 電気通信サービスに係る内外価格差に関する調査」より引用)

 音声通話とメールが一般ユーザーと同じで、データ通信を月500MBに変えた「ライトユーザー」で見ると、ソウルは購買力評価レートで月3493円、市場レートで月2445円となり、7都市の中で最も安くなった。

 この調査結果から、韓国メディアは韓国のスマートフォン料金が世界で最も安いという見出しを付けたのだ。韓国では、スマートフォン端末も通信費も所得に比べて高すぎるとして問題になっている最中だった。

 総務省の調査結果でも、市場レートで換算するとソウルの料金は安いが、購買力レートで換算すると他の都市に比べて高くなることが明記してある。韓国メディアはそのことにはあまり触れず、「韓国が最も安い」と報道したことから、韓国のスマートフォンユーザーの怒りをかった。

 韓国メディアはこれにとどまらず、放送通信委員会の調査結果を引き出して、「韓国キャリアのデータ・音声通信の品質は、日本、英国、フランス、米国より優れているので、品質は高く料金は安いことが証明された。韓国のスマートフォン利用料金は品質に比べるとかなり安い」と書いた。


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20140807/1139284/

「これからの時代ソフトウエアは基礎教養」、韓国の小中学校でソフトの義務教育を実施へ [2014年8月1日]

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韓国政府は2014年7月23日、国家経済成長のために「ソフトウエア中心社会を作る」と発表した。2015年3月の新学期から中学校の、2017年3月から小学校の正規教育課程としてソフトウエアを教えることにした。高校では2018年3月から選択科目としてソフトウエアを教える。韓国政府が言うソフトウエアとは、ハードウエアを除いた全て。ソリューション、アプリケーション、コンテンツなどである。

 韓国政府は、「スマートフォンの登場以降、ソフトウエアとサービスが商品の価値を決める時代になった」として、「子供たちがソフトウエアを理解して扱える能力を養うことで、全産業で既存産業とソフトウエアを融合した新しいアイデアが生まれるだろう」と期待している。

 今までのソフトウエア教育は、ソフトウエアを作ることやソフトウエア産業そのものの市場規模を大きくすることに焦点を当てていた。これからは、ソフトウエアに関する基礎知識を義務教育を通じて身に付けることで応用力を養い、ソフトウエア+他産業の融合で新しいビジネスを開拓するようにする。

 ソフトウエア教育は、主にICT政策を担当する未来創造科学部(部は省に相当)と教育部が担当する。未来創造科学部は、「短期間で成果が出る研究開発ではなく、リスクは大きいが教育をして、ソフトウエアと他の産業を融合した製品やサービスを作れるまでサポートする」としている。

 未来創造科学部が期待するのは、「医学とソフトウエア」「建築とソフトウエア」「ウエアラブル端末とソフトウエア」「3Dプリンティング活用のためのソフトウエア」「センサー活用のためのソフトウエア」といった分野である。政府のソフトウエア研究開発予算も、果敢に世界初・世界最高に挑戦する研究所を優先することにした。

 一方、教育部は「ソフトウエア教育はクリエイティブな思考と論理的に問題を分析する能力を養えるので、小さいうちから始めるべきである。デジタル経済時代を生きることになる今の子供達にソフトウエアは基礎教養として必要になる。米国、英国、中国の子供たちもソフトウエアを学んでいる」として、小学校からの義務教育として行うことにした。

 2014年の2学期から全国72の小中学校のソフトウエア教育モデル学校に指定し、放課後にプログラムとしてソフトウエアを教える。小中学校で行うソフトウエア教育は、アルゴリズム原理の理解とプログラミングの活用といった基礎教育である。

 教育部はこの夏、教員を対象にしたソフトウエア教育も行う。ソフトウエア科目自体は専門の講師を派遣して教えることになるが、学校教育として教えるからには、担任の先生や校長先生も教育内容を熟知していないといけないという理由からだ。




チョンアン市内になる中学校で行っているソフトウエア教育。プログラミングで簡単なゲームを作り、ソフトウエアとは何かを体験することから始める。想像力と論理的思考力を身に付けることを目標としている


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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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パソコンが売れないのはオンラインゲームの影響? 韓国でパソコンの新規需要はあるのか [2014年7月25日]

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IDCによると、2014年4~6月世界市場のパソコン出荷量は前年同期比1.7%減の7440万台だった。韓国の場合は、2014年は前年比3.5%ほど減少すると見込まれている。

 世界的にパソコンの売れ行きが減少し続けているが、4~6月はWindows XPのサポート終了による買い替え需要があり、前年同期比7%減と見込まれたところ1.7%減にとどまった。韓国も企業のパソコン買い替え需要があり、小幅に減少するだけにとどまったようだ。

 ソウル市の龍山(ヨンサン)には、かつて、自作デスクトップパソコンのパーツショップが数えきれないほどズラりと並んでいた。オンラインゲーム好きならこの仕様、ビジネス用にはこの仕様などと、ユーザー同士で情報を公開し合い、パーツショップもどこよりも早く最新のパーツを仕入れようと競争したものだ。

 龍山は「韓国の秋葉原」とも呼ばれたが、今ではパソコンを組み立てようとする人が急減し、値段競争では店舗を持たないオンラインショッピングに負けてしまったことで衰退してしまった。地方からもパソコンを買うなら龍山しかないとわざわざ来ていたものだが、龍山は今や再開発で超高層マンション地域に変わろうとしている。

 韓国では、デスクトップパソコンの代わりにノートパソコンかタブレットPCを使うユーザーや、スマートフォンさえあれば自宅にパソコンは要らないというユーザーが増えてきた。自作パソコンが減った分、サムスン電子やLGエレクトロニクスのノートパソコンが売れるようになっている。

 ノートパソコンは日本メーカーの輸入品ばかりだった時期もあったが、最近はサムスン電子やLGエレクトロニクスからも軽くて安いノートパソコンがたくさん出ている。

 韓国メディアは、パソコン、特にデスクトップパソコンが売れないのはスマートフォンのせいではないと見ている。韓国ユーザーが熱狂したオンラインゲームの衰退が、パソコン市場の衰退につながったのではないかという記事がとても多い。

 韓国でブロードバンドが普及し、ハイエンドパソコンが売れるようになったのはオンラインゲームの影響が大きかった。1998年から2000年代半ばまで、オンラインゲームをプレイしたいがために、値段は高くても高性能なパソコンを買い、超高速インターネットを申し込んだものだった。

 オンラインゲームの新作が出ると、パソコンを買ったりPCパーツをアップグレードしたりする需要が生まれるので、オンラインゲームとパソコンメーカーが組んでバンドル割引もよくしていた。7月になるとオンラインゲームの夏休み商戦が始まり、春の新学期やクリスマスの時期よりもパソコンが売れたものだ。

 オンラインゲームがけん引してきた韓国のパソコン市場は、オンラインゲームからモバイルゲームへと流行が移り変わったことで大きな影響を受けるしかなかった。新しい需要を作るため、今年、パソコンメーカーが強調しているのは「動画が観やすいディスプレイ」「ノートパソコンのようなタブレットPC」である。


次ページ:高解像度タブレット「GALAXY Tab S」が人気


趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 

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「韓国スマートヘルスケア最前線」スマホの次を急ぐSamsung、医療機器に集中する布石か?――Samsung Medison社の合併を検討 [2014年09月08日]

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Samsung Electronics社は2014年9月2日、超音波診断装置などを手掛ける医療機器メーカーで子会社のSamsung Medison社と合併を検討していると発表した。韓国メディアが2社の合併について報道したことから韓国証券取引所がSamsung Electronics社に事実確認を要請し、同社が「当社はSamsung Medison社との合併などについて検討中だが、まだ確定していない」と正式に公示した格好である。

 Samsung Electronics社がSamsung Medison社との合併を否定しなかったのは、合併に向けた話し合いがかなり進んでいるためと見られる。一部のメディアは、2014年内にSamsung Electronics社がSamsung Medison社を吸収合併するか、あるいはSamsung Electronics社内の医療機器事業部に加え、Samsung Medison社などこれまでに買収した医療機器メーカーをすべて合併した別の子会社を作るようだと報道している。

 Samsungグループは現在、組織再編の真っただ中。例えば、サムスン重工業とサムスンエンジニアリングを合併するなど、似たようなビジネスをしている系列社を次々に合併している。

Samsung Electronics社は2010年5月、新規事業として2020年までに医療機器に集中投資すると発表し、2011年にMedison社を買収した。Medison社はSamsung Medison社に社名が変わり、Samsungグループの会社となった。

 Samsung Electronics社内には医療機器事業チームがあったので、2011年の買収当時からSamsung Electronics社とSamsung Medison社が合併するという話があったが、Samsung Electronics社は否定し続けてきた。しかし2012年末、Samsung Electronics社の医療機器事業チームは医療機器事業部に昇格し、医療機器事業部の代表がSamsung Medison社の社長を兼任することになった。Samsung Electronics社はこの時から既に、Samsung Medison社との合併を念頭に置いていたのかもしれない。

Samsung Medison社の超音波診断装置の例
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 Samsung Electronics社は合併が確定したわけではないというが、既にSamsung Medison社の海外販売法人はSamsung Electronics社の海外法人と統合している。2014年6月に発売した新製品からは、Samsung Medison社の独自ブランド「UGEO」ではなく、「Samsung」ブランドで販売している。

合併は時間の問題

 韓国の証券街では、Samsung Electronics社がSamsung Medison社と合併しようとしたのは2013年11月からではないかと推測している。当時、Samsung Electronics社の副会長(クォン・オヒョン氏)は、「Samsung Electronics社の技術力を医療機器に適用すれば素晴らしい製品を作れる。10年以内に医療機器市場のリーダーになる」と発言した。これを受け、Samsung Electronics社がSamsung Medison社と合併してシナジー効果を出すという意味ではないかと話題になった。

 調査会社Espicomの「Medistat Worldwide Medical Market Forecasts To 2017」によると、世界医療機器市場規模は毎年10%ずつ成長し、2017年には4344億米ドルになる見込みだ。高成長が期待されている医療機器市場だが、GEやSiemens、Philips、Johnson & Johnsonなど、欧米企業が市場をリードしている。Samsung Medison社の売上高はこれら欧米大手企業の1/10程度に過ぎない。Samsung Medison社が単体でこれら欧米企業と競争するのは難しい状況である。

 Samsung Medison社としては、スマートフォンや家電市場で世界1位をキープしているSamsung Electronics社と合併すれば、同社の高度な技術と営業ネットワークなどのノウハウを活用できるようになる。一方、スマートフォンなどの事業が下降気味のSamsung Electronics社としても、早く次の戦略を見つけないといけない。こうした中、韓国ではSamsung Electronics社とSamsung Medison社の合併は時間の問題で、この合併をきっかけにSamsungグループが医療機器事業にさらなる巨額の投資をする可能性も高いと見られている。


By 趙章恩の「韓国スマートヘルスケア最前線」
日経デジタルヘルス
 2014年9月8
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