テレビCM以上の影響力 韓国で全盛“ワイフロガー”って?




韓国の中小企業振興公団のブロガー募集案内 

企業が商品やサンプルをネットユーザーに無料で提供し、使用感などをブログやコミュニティーサイトに掲載してもらうことで宣伝効果を高める「口コミマーケティング」は日本でも盛んだが、韓国ではブログを持つ主婦が「ワイフロガー」と呼ばれ、マーケティングに大きな影響力を持っている。

 韓国では、ブログがきっかけとなって有名になった専業主婦が何人もいる。1日のサイト訪問者数が1万人以上の「パワーブロガー」たちの中には、企業と交渉して自分のブログでお勧め商品を販売する代わりに手数料をもらう人や製品開発に参加する人もいる。中にはCMのモデルになった人もいる。すでに小遣い稼ぎという範疇を超え、「1人企業」と言えるほど成長し、年間数千万ウォン(数百万円)を稼ぐワイフロガーが数え切れないほど登場している。

 日本人に比べ、韓国人は自分の顔写真や実名などをネットで公開することに抵抗が少ないだけに、ブログは信頼性のある生の情報源として人気を集め、検索結果でも上位にくることがある。商品はネットで直接買えるので、企業もテレビCMよりブログで宣伝するほうに注力する傾向が強い。

実際、韓国を代表するメーカーであるサムスン電子やLG電子も、ワイフロガーを活用している。洗濯機、オーブン、携帯電話、ノートパソコン、プリンターなど、ありとあらゆる商品を主婦ブロガーに提供し、「物語」を作ってもらう。ブロガーたちは「こういう時に使うと便利」「こんな機能もある」という感想や意見を写真や動画付きで紹介する。

 とくに、主婦の目線で書き込まれた体験記には、企業も思いつかなかったアイデアがどんどん紹介されている。写真や動画付きなので、作り話だと攻撃されることもない。主婦のブログに口コミを載せるぐらいで何の効果があるだろうかと思われるかもしれないが、それによりサムスン電子のオーブンは市場シェアが15%から48%にまで上昇したという。

 企業が狙っているのは主に1974-79年生まれの高学歴の主婦だ。育児が一段落し、時間的に余裕もあり、写真や動画を撮って編集してネットに載せられるだけのITの知識もあるからだ。彼女たちは、他の人との交流や社会活動に積極的でもある。

 韓国のアンケート結果を見ると、商品を購入する際に個人のブログを参考にしたと答えた人は48.5%で、企業サイトや企業のブログを参考にした38.7%より多かった。

 ただ問題は、ブログの力が大きくなればなるほど、自由度がなくなってしまうことだ。韓国では以前、企業が事前にブロガーに対し、「こういうこと(自社にとって不利なこと)は書かないでほしい」と要求したとニュースで報道され、話題になった。

 企業にとって、ブロガーはもろ刃の剣だ。費用対効果を考えると、口コミを広げやすいブログマーケティングはこれからも拡大するしかない。しかし、ブロガーの選定や管理はとても難しい。ブログマーケティングを専門とするPR代理店も増えているが、代理店の対応で企業の印象が悪くなり、ブログに悪口を書かれるケースもたびたび起きている。なかでも、ワイフブロガーを味方につけるのは簡単そうで難しい。有料広告よりも実は難しいのがブログマーケティングなのだ。(韓日ITジャーナリスト・趙章恩)


産経新聞社  ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/digi-mono/internet/news/20091104/net0911041638004-n2.htm

企業がとる感染防止の秘策とは? 新型インフルで経済活動にも影響が

韓国政府は2009年11月3日、新型インフルエンザの伝染危険度を「警戒」から「深刻」へ一段階強めた。

 新型インフルエンザによる死者は11月9日付けで52人。その後さらに9人ほど増えている。死亡者数は日本とあまり変わらないが、韓国の人口は約4800万人と日本の3分の1に過ぎない。比率として韓国では3倍も死亡者数が多いことになる。芸能人の中でも感染者が広がり、有名人の子供が死亡するなど、韓国はパニックに近い状態になっている。


 観光やサービス産業、飲食店の打撃は大きく、新型インフルエンザの影響で回復の兆しを見せていた韓国経済がまた沈んでしまうのではないか懸念されている。地域祭りや大型イベントはほとんど中止されている。それでも韓流スターが登場するイベントには、新型インフルエンザで人があまり来ない今がチャンスとばかりに日本のファンが韓国まで駆けつけている。


 子供とお年よりの感染が多いが、感染した場合その家族も全員1週間ほど自宅から外に出てはならないため、企業や政府機関では在宅勤務を余儀なくされる人が増加している。


 その影響からか、画像会議・音声通話・ファイル送信ができるインターネットメッセンジャーの利用が増加している。メッセンジャーさえつながっていれば、在宅勤務であってもリアルタイムで会話ができて会議にも参加できるので、1週間ぐらいは問題なく過ごせるからだ。



在宅勤務に有用なインスタントメッセンジャー



 トラフィック調査会社のコリアンクリックのデータによると、韓国でもっとも利用者の多いNATEメッセンジャーの利用者は、10月19~25日726万人から10月26日~11月1日754万人へと3.7%ほど増えている。同じ期間中インターネット全体の利用者数は1.1%しか増えていないので、メッセンジャーだけが特に利用が伸びていることがわかる。


 しかし韓国ではメッセンジャーを業務用に利用している会社が多い。インターネットのアンケート調査では、1202人の79.1%が業務時間中にメッセンジャーを利用していると答えた。メッセンジャー利用が禁止されていると答えた人は9.9%しかなかった(残り11.0%は使っていないと回答)。


 業務時間中のメッセンジャーは7割以上が友達と雑談するために利用していて(複数応答)、業務用に使っていると答えた人は4割ほどしかいなかった。使っている理由は、リアルタイムで会話ができる、迅速な資料の送受信や質疑応答、仕事をしながら会話できるといったことがあげられた。元々メッセンジャーを会社の中で利用している文化があったので、在宅勤務でも電話やメールよりメッセンジャーでやりとりする方が多いのかもしれない。


 新型インフルエンザの恐怖は銀行の利用スタイルも変えた。


 不特定多数が集まる場所だけに、銀行窓口担当者5人が集団感染し支店を閉鎖した銀行が出たからだ。顧客の安全のため、これからも感染危険度の高い支店は閉鎖する方針だ。銀行の支店では感染を恐れ、社員にマスクを利用させ、入り口で消毒、雑誌や新聞もおかないことにしている。大型店舗では熱感知カメラを導入することも検討されているほどだ。

人と接触せずにお金を振り込む、ファンドや信託・定期貯金に加入できるインターネットバンキングやモバイルバンキングの利用が銀行ごとに前年同期比10~15%ほど増加しているという。インターネットから定期貯金や積立貯金を申し込むと0.2%ほど金利が上乗せされ、貸出もより安い金利が適用される。税金納付、電気代やマンション管理費なども全てインターネットバンキングで解決できる。


 このようなメリットがあっても、やっぱりインターネットバンキングよりは直接銀行の窓口に行って相談しながら済ませるのが安心だった主婦やお年寄りの間でも、コールセンターに電話して何度も教えてもらいながらインターネットバンキングにチャレンジしているという。貯金や振込みといった基本的な機能の他に、財テク・保険相談やチャット相談コーナーの利用も20%以上増えているそうだ。


 あれだけ普及させようとしても伸びなかったモバイルインターネットやモバイルバンキングも、新型インフルエンザ恐怖のおかげで利用が増加している。


 感染者が増え休校になった小学校の学生を対象にしたEラーニングやオンラインゲームも利用者が増加していて、ここぞとばかりにオンラインゲームを応用した数学教育サイトや英会話サイトの広告も目立って増えている。新型インフルエンザで沈みところあれば生き返るところあり。それでもやっぱり新型インフルエンザの影響による景気後退は心配である。インフルエンザの猛威はいつまで続くことやら。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年11月12日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091112/1020372/

韓国版WiMAX,最後の賭けに出る,音声通話サービスの成否が命運握る

日経エレクトロニクス2009年10月19日号


ワールド・レポート

韓国版WiMAX,最後の賭けに出る,音声通話サービスの成否が命運握る



趙 章恩(チョウ・チャンウン)
ITジャーナリスト


 2009年9月3日,李明博政府初のIT戦略である「ITコリア5大未来戦略」が発表された。「韓国の全産業の競争力はIT(情報技術)の力にある」(李大統領)とし,IT産業そのものを支援すると同時に,他の産業とITの融合などを支援していく。これによって,自動車,造船に続いて国内生産で1兆ウォン(1ウォン=約0.07円で700億円)を超える産業を10部門以上に増やすのが目標である。政府はこのIT戦略によって,韓国の潜在成長率が0.5%上昇すると見込んでいる。


 具体的には,「既存産業とITの融合」「主力IT関連産業(半導体,ディスプレイ,携帯電話機)」「ソフトウエア」「放送通信(WiBro,IPTV)」「Gビット高速インターネット」の5大部門を強化する。これらにおいて,装置の国産化や世界市場シェアの増加などを支援していく。2013年までに,政府が14兆1000億ウォン(約9900億円)を,民間が175兆2000億ウォン(約12兆2600億円)を投資する。


 この戦略を推し進める司令塔として,李政府は2009年下半期に大統領直属の「IT特別補佐官」を新設した。同政府は2008年,IT産業の振興ではなく,すべての産業をITと融合して発展させるとして,それまでIT政策を担当していた情報通信部を廃止している。


加入者はわずか23万人


 今回のIT戦略の中で,大きな注目を集めているのが「WiBro」である。WiBroは,WiMAX(IEEE802.16)規格をベースに,韓国の ETRI(電子通信研究院)らが中心となって独自に拡張した無線通信規格である。料金が高い3Gのモバイル・インターネットに代わる,安価で,かつ時速 100kmで移動しながらでも使える高速インターネット・サービスとして,政府の肝いりで開発が進められた。商用化は2006年6月と,WiMAX関連のサービスでは世界で最も開始が早かった。WiBroを内蔵し,全国各地に設置したカメラによる道路のリアルタイム映像を確認できるPNDが登場するなど,新たな市場の形成に向けて期待も大きかった





WiBroへの期待は大きいが…





『日経エレクトロニクス』2009年10月19日号より一部掲載


続きは日経エレクトロニクス(2009年10月19日号)で

普及が災い? 悪用された携帯電話の小額決済システム

 「以前、電話番号を交換した○○ですが、私の顔写真を添付するので確認したら連絡ください」。こんな、SMS(ショートメッセージ)が不特定多数の携帯電話に送信されている。その写真をダウンロードしようとすると自動的に有料コンテンツサイトにつながり2990ウォンが決済される。


 この手のスパム詐欺で40万人から17億ウォンを騙し取った犯人と、112万人から117万回に渡り33億ウォンを騙し取った犯人が逮捕された。被害者の中では同じ手法で何度も騙された人がいた。携帯電話料金の明細を細かく確認せず、いつもより200~300円増えたことぐらいはあまり気にしない人が多かったのも被害額が膨らんだ原因となった。


 小学生向けのコミュニティサイトのメッセンジャーを利用し、「イベントに当選したけど景品を発送するためには保護者の携帯電話番号と住民登録番号が必要」と騙して聞き出し、小額決済で1億ウォン以上を騙し取った犯人も逮捕された。


 便利で安心な携帯電話の小額決済システムが、いとも簡単に悪用できる決済方法だったのだ。


 日本では電子マネーの利用者が急増している中、韓国では2000年世界初のサービスとして登場した携帯電話の小額決済が益々勢力を拡大させている。


 携帯電話の小額決済はキャリアに関係なく利用できるもので、Web画面に携帯電話番号と氏名、住民登録番号を入力すると個人を認証し、その携帯電話に6桁のインスタント暗証番号が送られてくる。これを3分以内にWeb画面に入力すると決済終了。携帯電話の利用料金と一緒に合算請求される。決済代行会社のサイトからリアルタイムで決済内訳、決済時間などを詳細に確認することもできる。


他人の携帯電話番号を盗もうとしても、携帯電話に送られてくる暗証番号も必要なので、名義人の住民登録番号を手に入れ、携帯電話そのものも所持していないと盗めない。クレジットカードより個人認証しやすく便利な支払方法として、ネットユーザーの10人に7人が利用しているという。


 カード番号や口座番号が残ることもないし、携帯電話の小額決済なら月々使える金額が決まっているので安心できるということから利用は益々増えている。以前はデジタル音楽や映画VODといった有料デジタルコンテンツの決済が主流だったが、今では書籍、化粧品、衣類などインターネットショッピング全般、宅配便、公共料金、新聞購読料、大学入試願書、国家試験受験料、映画チケット、料理出前などでも使えるようになった。2009年の携帯電話小額決済取引規模は1兆8000億ウォン(約1400億円)、2002年に比べ6倍も成長した。


 しかし安全だと思われていた小額決済にも抜け道はあった。より便利な決済のために、1回の課金が3000ウォン(約220円)未満の場合、住民登録番号を使った個人認証をしなくても決済できるようにしたところ、すぐに悪用されてしまったのだ。それが上記、一連の詐欺事件である。


 電子マネーやモバイル決済のように手軽な決済手段が増えれば増えるほど、それを悪用した犯罪の手口も巧妙になる。200~300円の小額だから仕方ないとあきらめてしまうと、犯罪は繰り返され被害が大きくなってしまう。知らない相手からの親しげなメールは無視するのが一番だが、騙されたと気付いたらすぐ警察や関連団体に届け出ることで似たような犯罪を食い止められる。


 韓国は住民登録番号があるから楽に個人認証できて安心、と思いきや、その住民登録番号のせいで被害に合うことも増えている。何事も光あれば影があるものだけど、日本も個人識別番号制度導入には十分気をつけてほしい。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年11月4日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091104/1020118/

韓国CM REPORT – ロッテ – ヨ・ウクファン




ヨ・ウクファン プロフィール


1979年12月23日生まれ。


189cm、75kg。モデルとしてデビュー後、神秘的な視線で人気を集め、ベストドレッサー賞、新人モデル賞を受賞し、ドラマ『学校4』、『ノンストップ3』、『ロマンスハンター』などに抜擢された。2001年KBS放送演技大賞青少年新人賞受賞。2004年から芸能兵士として軍服務後、復帰、2008年演劇『悪い磁石』に出演。弟のヨ・スンヒョクもモデルを経て俳優に転身、「ヨ・ブラザース」と呼ばれている。





セブンイレブン



出演




ヨ・ウクファン

放映日




2002年4月

元気いっぱいに自転車に乗りながら、片手でおにぎりを食べる高校生たち。ワンタッチで簡単に食べられるおにぎりが登場しました~というCMですが、初々しい高校生役のヨ・ウクファンは、当時すでに25歳。でも、普通の高校生に見えますよね! 189cmという長身に、スタイリッシュなファッションが話題の新人で、若者向けドラマで母性本能をくすぐる、ちょっと変わった人物の役を演じ、絶大な人気を誇りました。ドラマのヒット後すぐに徴兵で入隊、2006年に復帰しました。最近では、真の俳優になるためのステップアップとして、演劇に夢中になっています。


韓国でも、おにぎりは昼食として、また、ちょっと小腹が空いたときに食べるものとして、コンビニの定番メニューとなっています。韓国でおにぎりは「サムガッキンパプ(三角海苔巻き)」といいます。


「サムガッキンパプ」の具は、韓国らしくプルコギやキムチが人気で、日本の梅干、昆布、おかかなどが入っているおにぎりは売っていません。韓国では梅のことを「メシル」と呼び、梅酒や梅茶、梅チャンアチ(梅をコチュジャンの中に入れて熟成させた、保存食品の一種)などとして食べますが、梅干というものはありません。健康食品として、日本から輸入した梅干を売っているスーパーやコンビニもありますが、「日本で梅干というものを食べて、酸っぱくて仰天した!」なんて大げさにいう人も少なくないようです。


韓国にもコンビニはたくさんあり、売っている品物も日本とあまり変わりません。雑誌の立ち読みはしませんが、お客さんがおにぎりにカップラーメンを買ってお湯を入れてもらい、その場で食べたり、お弁当を温めてもらったり……。そしてもちろん、24時間いつでもオープンしているところは同じです。海外に行くと、その国のコンビニでおいしそうなお菓子や、「これは一体何?」というような、おもしろい食べ物を探索するのも楽しいですよね。明洞(ミョンドン)にあるロッテホテルから出て左、地下歩道の前で右に信号を渡ったところにも、セブンイレブンがあります(2008年2月現在)。ぜひ立ち寄ってみてください。



– BY  趙章恩


ニッコリア 
韓国CM動画「ニッコリアCM」
Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200204&dr=food

ネット検索は信用できない? ユーザー詐称する広告代理店を処罰

Yahoo知恵袋を始めとして、教えてgoo、価格ドットコム、アットコスメなど、ユーザーがユーザーへ質問し教えてもらったり、商品を購入する前に同じユーザー目線で書かれた他の人の経験を検索して参考にしたり、ということが定着している。

 韓国でもブロードバンドが始まって間もない頃から、オンラインゲームのチャットを利用して宿題を教えてもらったり、コミュニティサイトを通じて口コミをしたり、もっとさかのぼればPC通信の時代から見ず知らずのユーザー同士が助け合ったり、ということがよくあった。


 韓国で最も利用されている口コミはポータルサイトNAVERの「知識検索」。ユーザー同士が質問をして教えてもらうサービスだ。「ノートパソコンの中でもっとも軽いのはどれ」「携帯電話AとBのどっちを買うべき」「二重手術が上手な整形外科はどこ」「深夜にやけどをしてしまってどうしたらいい」「交通事故を起こしてしまった場合はどのように対処すればいい」、といった今すぐ解決したい疑問が書き込まれ、みんなが自分の経験を語りアドバイスしてくれる。キーワード広告やバナー広告、企業が提供する情報よりも信頼できる情報として親しまれてきた。


 ところが、ユーザーの信頼の上に成り立つ知識検索を悪用した広告代理店6社が摘発されたことから、口コミの信頼ががた落ちしている。盗んだ個人情報で4900個ものアカウントを作り、一般ユーザーのふりをして「ここがよかったよ~」と、特定のお店やWebサイトの宣伝をしていた。つまり、私達が利用したのは知識検索ではなく広告検索だったのだ。


 なんと、2008年11月から09年6月まで、2万4000件ものユーザーを詐称した宣伝を書き込み、広告主から1億4000万ウォン(約1100万円)を受け取っていた。さらに、特定キーワードの質問には自動的に広告が答えとして登録されるプログラムや、広告が書き込まれた掲示物を推薦して検索キーワード順位上位に押し上げるプログラムまで使っていたのだ。このプログラムを68社もの広告代理店に販売したというから、「検索キーワード上位にあるものがホッとな話題」ではなかったということだ。口コミのように書かれた広告は、主に整形外科、フラワーショップ、ショッピングモール、アダルトサイトの広告に集中していた。

NAVERも広告を書き込んだIDやIPアドレスではアクセスできないようにしたが、自動プログラムにまでは対応しきれなかったようだ。これからは取り締まりを強化し、信頼して利用できる知識検索にしていくとしている。


 この直後に行われたアンケート(回答数1016人)では、実に84.8%の人が「検索結果の信頼性に疑問を感じる」と答えている。NAVERが信頼を取り戻すには時間がかかりそうだ。信頼できない検索サービスとしては(複数選択)知識検索56.3%、ブログ32.8%、ニュース21.8%、カフェ(同好会)14.4%の順だった。検索結果を信頼できない理由については、ほしい情報が出てこない、専門性がない情報、内容に不満(広告ばかり)といったことが選ばれた。


 警察は、「これは消費者の意思決定を妨害する悪質な行為であるため起訴した」と説明している。このように信頼がなくなってしまうと、自然とインターネット広告市場の萎縮につながる。1回クリック当たりいくらか費用を払う広告ではなく、このように抜け道を使った広告をすれば費用も安く収められるからだ。


 今回の事件は検索サービスや広告の信頼をなくすだけでは済まなかった。個人情報を盗んでIDを大量に作り利用していたというのがもっと深刻な問題である。知らないうちに共犯者になっていた4900人に、その事実を知らせてあげるべきではないだろうか。


 ショッピングの前は検索が当たり前だったのに、全部広告に騙されていたような気がして後味が悪い。広告か口コミかを判断するのはやっぱりユーザー自身。嘘を見抜く目を持たないといけない。この際、検索に頼る受け身なユーザーにならず、些細なことでもどんどん自分から情報発信して、健全なネット作りに一躍してみたくもなる。ユーザー同士の助け合い、マスコラボレーションはこれからも萎縮されないことを願う。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年10月28日

-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091028/1019904/

韓国CM REPORT – ロッテ – チャン・ジニョン


チャン・ジニョン プロフィール


1974年5月16日生まれ。


169cm49kg。1992年ミスコリア忠南に選ばれ1996年ドラマの助演で芸能界入りしたが、ドラマでは芽が出ず映画に移ってから輝き始めた。2001年映画『ソルム(鳥肌)』で韓国で最も権威ある映画賞、青龍映画賞主演女優賞を受賞。映画『菊の香り』『シングルズ』『反則王』『青燕』などに出演。2005年チャン・ジニョンが3年ぶりに主演した日韓合作映画『青燕』は、アジアで初めてのパイロットになった韓国人女性の実話を元にした物語。





ロッテキャッスル



出演




チャン・ジニョン

放映日




2007年4月

これは「ロッテキャッスル」という、韓国でも高級なことで有名なマンションのCMですが、韓国のマンションはこんなお城みたいにゴージャスだと誤解しないでくださいね。あくまでも「お城のようなマンション」というブランドイメージですから……。


チャン・ジニョンの8年ぶりのドラマ復帰作として注目された『ロビイスト』は、120億Wの制作費をかけ、米国ロケまで敢行した大型プロジェクトでしたが、同じ時間帯に放映されたヨン様の『太王四神記』に視聴率でも話題性でも完敗してしまいました。この作品は、韓国ドラマとしては初めて武器ロビイストの活躍を描いたドラマになるはずが、いろいろな制約から、結局つじつまの合わない疑問だらけの恋愛ドラマになってしまったのがとても残念です。完璧にそのキャラクターに没頭しないと気が済まないチャン・ジニョンらしく、7ヵ月以上も『ロビイスト』のために英語を勉強し、乗馬、バスの運転まで習ったのに……。次回作を期待したいですね。


ドラマの視聴率は悪くても、チャン・ジニョンの女優としての評価は相変わらず高く、出演しているCMすべてにおいて長期契約が結ばれるほど、韓国人が憧れる女優でもあります。2007年には、テレビの撮影監督が選んだ「2007年最高演技賞」を受賞しました。


また、あるファッションブランドが開催した「2007年、今年の女性賞」にも選ばれました。今の時代が要求する女性像に合致していて、女優として、そして広告モデルとして、スタイリッシュで堂々と自信あふれる女性の魅力を表現していることが高く評価されました。この賞金をシングルマザーのための福祉機関に寄付したことで、さらに話題になったのです。その他人を思いやる美しい心も、美の秘訣なんでしょうね。


– BY  趙章恩


ニッコリア 
韓国CM動画「ニッコリアCM」
Link
http://ni-korea.jp/lottecm/details.php?id=200704&dr=facilities

モバイルネットが不人気の韓国 政府主導の活性化策が始動






韓国サムスン電子のスマートフォン「OMNIA」シリーズ


韓国政府は今年、3月と9月の2回にわたってモバイルインターネットを活性化させるための国家戦略を発表した。「モバイルインターネット活性化計画」と「モバイルインターネット活性化推進計画」がそれである。


 韓国は日本と同じく1999年、モバイルインターネットサービスを始めた。ところが、その普及度合いでは日本に大きく水をあけられている。


 旧メリルリンチがまとめた「Global Wireless Matrix」(09年第1四半期)は韓国に衝撃を与えた。日米韓の通信キャリアのARPU(一人当たり月額利用料)に占めるデータ通信の割合を07年と08年で比較したところ、韓国だけが減っていた。08年の韓国キャリアのデータ通信ARPU比率は17%で、日本の41%はもちろん、北米の25.5%、ドイツの25.3%も下回った。



■世界の潮流から取り残される?


 韓国でモバイルインターネットが普及しない理由について、キャリアや専門家は、有線ブロードバンドインフラが早期に発達しすぎたためと見ている。パソコンからインターネットを利用する習慣が根付いた半面、有線ブロードバンドに比べて速度が遅く画面も小さいモバイルインターネットは多くの人から敬遠された。その結果、世界のモバイルコンテンツ市場が年平均30%以上成長しているのに対し、韓国ではゲームを除けば06年から足踏み状態となっている。


 さらにメリルリンチの調査によると、韓国のモバイルインターネット料金は対象15カ国の中でもっとも高いという。日本は携帯電話利用者の4割がパケット定額制に加入しているが、韓国ではまだ10%にも満たない。プランの仕組みも日本のような使い放題ではなく、1GBまでいくら、5GBまでいくら、といった定量制になっている。


 この報告書が引き金になり、韓国政府はキャリアに対して命令に近いかたちで料金値下げを要求し始めた。日本でも一時期「パケ死」という言葉があったが、韓国ではいまだに100~300円のコンテンツをダウンロードするのにその倍以上のパケット通信料がかかる。世界の携帯電話人口が40億人を超え、インターネット接続端末がパソコンからスマートフォンへ移行するなかで、政府には「韓国だけが世界に取り残されるかもしれない」という危機感がある。



■日本を参考にデータARPUを40%に引き上げ


 3月にまとめたモバイルインターネット活性化計画は、日本を優秀事例として参考にし、使い放題のパケット定額導入などによるデータ通信料金引き下げ、キャリアとコンテンツプロバイダーの不公正契約改善を通じたモバイルコンテンツ流通の環境改善、ユーザー中心のサービス環境造成などの施策を盛り込んだ。


 具体的には、13年までに携帯キャリアのデータ通信ARPUの割合を40%まで引き上げ、モバイルコンテンツの市場規模を1兆ウォン(約830億円)から3兆ウォンへ拡大するという。さらにキャリアとコンテンツプロバイダーによる収益配分ガイドラインの策定、排他的行為の禁止、ネットワーク開放もこの計画の重要な部分である。


 これまでは料金回収手数料の基準がなく、キャリアの言い値が手数料だった。このため、コンテンツプロバイダーがキャリアに支払う手数料は30~40%に上ることもある。さらに、勝手サイトが存在できないように、キャリアは契約した公式サイトやポータルサイトだけにアクセスできるようネットワークを閉鎖している。政府はこれらの不公正な取引を改善すれば目標達成は可能で、コンテンツ産業の海外進出も活発になると見込んでいる。


 モバイルインターネット活性化計画の策定には、放送通信部だけでなく文化部、行政安全部も参加している。ネットワークとコンテンツ、セキュリティー面の支援を一体で推進していくという考えからだ。モバイルインターネットを活性化させることで、「モバイル電子政府」の早期提供につなげるとともに、セキュリティー対策も固定通信と携帯電話の融合を見据えて検討しようとしている。





LGテレコムの料金プラン「OZ」のプロモーション風景


■SKテレコム、KTの動向がカギに


 通信キャリアのなかでは、加入者シェア最下位のLGテレコムが値下げに積極的だった。08年に「OZ」というブランドで開始した料金プランは月6000ウォン(約500円)で1GBまで利用できる。他のキャリアに比べると4分の1ほどの水準である。LGテレコムはネットワークも開放し、ポータルサイトやコミュニティーサイトなどに携帯電話から自由にアクセスできるようにした。


 このLGテレコムの攻勢と政府の圧力で、携帯シェア1位、2位のSKテレコム、KTがどこまで料金制度の見直しに動くかが今後のポイントだ。


 韓国の通信業界はKTとKTF、SKテレコムとSKブロードバンド、LGテレコムとLG DACOMが統合するなど、有無線通信会社の再編が進んだ。これにより現在は、携帯電話、ブロードバンド、無線LAN、IPTV、VoIP、固定電話といった通信サービスを同じ会社で複数加入すると基本料金が50%まで安くなるといった「バンドル割引」競争が激しくなっている。


 11年には固定で1Gbps、モバイルでは100Mbpsの速度でネットにつながる4Gの標準化が予定されている。韓国の携帯電話ベンダー、サムスン電子とLGエレクトロニクスはすでにスマートフォンのラインアップを重視している。行政はもちろん、金融、ヘルスケア、教育などあらゆる産業もモバイルインターネットによるサービス展開を見込んでいる。


 政府の圧力による値下げが最善の解決策とは思えないが、お膳立てはそろった。韓国が過去の「ブロードバンド大国」「IT強国」で終わってしまわないために、安く速く安心できるモバイルインターネットの登場が待ち望まれる。


– 趙 章恩  

NIKKEI NET  
インターネット:連載・コラム  
[2009年10月28日]
Original Source (NIKKEI NET)
[
http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx?n=MMIT13000028102009

匿名がもたらす快感、口コミでユーザーを集めたチャットサービス

オープンから1カ月、口コミだけで1日の訪問者数が8万人、同時接続1万5千人のチャットサイトが登場した。韓国政府が進めている実名確認に逆らい、会員登録や本人確認など一切なく、匿名でチャットができる「GAGAライブ」というサイトである。

 しかもランダムチャットといって、同じ時間に接続した人同士がランダムに2人だけで1対1で会話できるようになっている。どんな人とつながるか全く分からない、自分も相手も匿名のままチャットを楽しめるところが人気を集めている要因だ。


 使い方はとてもシンプルで、サイトにアクセスして「ランダムチャット実行」のボタンをクリックするだけ。自分が書き込む文章の前には「あなた」、相手の文章の前には「知らない誰か」としか表示されない。


 これはなんと、お医者さんが趣味で開発したものだそうだ。徹底した匿名ぶりや使い方は、英語サイトの「omegle」に似た仕組み。パソコン通信のようなシンプルなウィンドウの中で文字を書き込みチャットする。


 Flashで動作しているので、HTMLソースを自分のブログやSNSなど、どんなサイトにも貼り付けてチャットができる。平日の昼でも5000千人以上が同時接続しているのをみると、みんなこっそりブログなどに貼り付けてやっているのかもしれない。


 今までのチャットサイトは、実名確認をして会員登録し、カテゴリーを選択し、チャット部屋を作って相手を待つか、チャット部屋の名前を見て面白そうなところに入る。チャット=出会い系、援助交際の温床という悪いイメージがつけられたため、基本的に性別やIDが公開される。住む地域や年齢まで公開しないといけないサイトも多い。

しかし「GAGAライブ」は匿名なのでどんな会話をしても大丈夫、相手がどんな人なのか探るのが面白い、別人になりすまして会話をするスリルがある、といったブログやSNSサイトの書き込みがきっかけとなり、全く宣伝もしなかったのにいつの間にか1日8万人が訪問するサイトに成長してしまった。


 ランダムチャットが話題になったのはもう一つ芸能人や有名人が出没するという噂からだった。ある有名人が、「ランダムチャットで色んな人と他愛のない会話を楽しむとすごく癒される」と発言したことや、チャットを終えて挨拶をしようとしたら歌手の○○だと言ってきたので「嘘つけ!」と言ってやったが、他の人のブログでもその人とチャットをしたという書き込みがあったのでびっくりした、などの証言がコミュニティサイトなどに書き込まれえいる。好きな芸能人に会えるかもしれない、というドキドキ感からか、20歳代女性の利用が増加しているという。女性ユーザーの多いチャットサイトには自然と男性も集まる。ユーザーが増えていくのは


 チャットの内容は色々。意味不明の言葉を残してすぐ出て行く人もいれば、しりとりをしたがる人もいる。就活に悩む大学生がいたり、いきなり数学の問題を解いてほしいと頼んでくる高校生がいたりする。自称ソウル大生に科学の試験問題の解き方を教えてもらったというチャットのキャプチャーは話題になった。


 全く知らない人だからこそ、自分の秘密を打ち明けたり、誰かの悪口を聞いてもらったりしてすっきりするという、毒を排出できる爽快感もある。何でもネットで完結させ、恋人との別れも携帯メールで済ませてしまうというこの頃。そういう世の中だからこそ、PC通信や文通の時代を懐かしみ、ランダムチャットにはまる人も増えているようにみえる。


 ランダムの残念な点は、気が合う人同士が出会い会話が進む中、事情があって途中で切れてしまうともう最後。同じ人にまた巡り会える可能性が非常に少ないということだ。チャットサイトにある掲示板には、「×月×日×時に出会ったあの人を探しています」という書き込みが絶えない。これもランダムチャットの妙味といえるかもしれない。



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年10月22日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091022/1019779/

ミュージシャンに甘くささやき、1位の座を獲得したYouTubeの戦略

 ポータルサイトはNAVER・DAUM・NATE、オンラインゲームはNCソフト・NEXON・Hangame・Netmarble・NEOWIZ、動画はPandoraTV・MGOON・TVPot、というようにブロードバンドが普及してから今日まで、どの分野でも韓国系のサイトが圧倒的なシェアを誇っている。GoogleやYahoo!が韓国では、苦戦しているというのは有名な話である。


 そんな韓国で異変が起きた。韓国のPandoraTVを押しのけ2009年9月、ついにYouTubeが動画サイト月間訪問者数1位になったのだ。韓国に進出して既に1年8カ月が経過している。


 これは実名制度のおかげともいえる。本人確認のために住民登録番号や個人情報を書き込ませることにYouTubeが反対し、韓国のネットユーザーの多くが実名制度を実施するサイトを捨ててYouTubeに引っ越してきたのだ。本人確認をしないことから、GoogleやGmailの利用も少しずつではあるが増えている。


 韓国インターネット振興院の調査によると、3歳以上のネットユーザーの77.2%が1日1回以上ネットを使い(主にパソコン)、48.3%が週14時間以上ネットを使っているという(週平均利用時間は13.9時間)。GoogleはYouTubeを前面に出して、ネット利用時間が長く動画投稿に熱心な韓国のネットユーザーとのつながりを確固たるものにしたいようだ。


 今まで海外サイトが人気のなかった理由は、韓国ネットユーザーのコロコロ変わる趣向についていけなかったからである。本社の認証を得てサイトをリニューアルした頃にはもうブームは終わってしまう。かゆいところに手が届くというか、瞬時に今流行っていることをキャッチしてメニュー化し反映させられる韓国系サイトに当然、利用者が集まる。


 YouTubeは韓国のかゆいところはどこかを探した。答えは、海外進出である。

少ない人口を相手する内需だけでは食べていけない。何でも海外進出して市場を拡大させないといけない。YouTubeは、「YouTube Music Day」を開催し、韓国のミュージシャンが海外進出できるよう支援する計画を発表した。

 30社ほどの韓国アルバム制作会社が集まった中、YouTubeの動画がきっかけとなってスターになったギターリストや歌手の事例が発表され、音楽マーケティングのトレンド、動画広告やアルバム販売による収益配分システムが紹介された。お金がかかるマーケティングができない新人や韓国ではあまり注目されないインディー系には嬉しい話である。


 フィンガープリンティングを利用して著作権のある音源や動画の場合は即時見つけて削除するか広告を付けて収益を分けることができる、再編集されたものでも見つけられる、といった著作権保護に関する説明もされた。


 YouTubeユーザーの20%が音楽目当てで、YouTubeの滞在時間も1日平均28.1分という数字も公開された。18~24歳の間では、世界で有名な音楽専門チャンネル「MTV」よりも YouTubeの方が利用されている、音楽チャンネルだけで4万4千件あり、音楽カテゴリーは13もある、YouTubeを使えば世界とつながる無限の可能性がある、という説明が続いた。


 世界中でオーディション動画を集めて行われたYouTubeオーケストラ、世界のユーザーが「Stand By Me」を歌う動画を投稿し、それをミックスして一つの歌にした「Stand By Me, Playing For Change, Song Around the World」など、YouTubeと音楽はとても密接な関係にあるのは確かだ。


 当たり前なことではあるが、YouTubeは世界中のミュージシャン達に甘く囁きかけていることだろう。それでも各種規制によりネットのガラパゴスが懸念されている韓国で、YouTubeをきっかけに海外とつながりを持つことがネットサービスや音楽産業の新しい風になってくれることを期待したい。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2009年10月14日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20091014/1019478/