.
米NVIDIA(エヌビディア)は2025年7月14日、中国向けに設計したAI(人工知能)半導体チップH20の中国への販売を近く再開すると発表した。米政府は同年4月から中国のレアアース輸出規制に対抗してH20の中国への輸出を規制していたが、中国側がレアアースに関する規制を緩和し、それに応える形でH20の輸出を許可したという。エヌビディアも米政府にH20を中国に出荷する承認を得たとした。H20用の第4世代HBM(High Bandwidth Memory)であるHBM3を納品していたSamsung Electronics(サムスン電子)の実績が回復する見込みである。
また韓国メディアはエヌビディアが中国向けにRTX Pro 6000 Blackwellをベースにした低価格GPUであるRTX PRO 6000D(B40)を発売しようとしており、その価格を抑えるためHBMではなくサムスン電子のGDDR7(Graphics Double Data Rate)DRAMを搭載するとも報じた。
サムスン電子は2024年11月、業界で初めて12nm(ナノメートル)世代の24Gb GDDR7 DRAMを開発したと発表している。これは1チップ当たり24Gビットの高容量と40Gbps(ビット/秒)以上の伝送速度、低電力であり、AIワークステーションやデータセンターなどで使う高性能モデルである。
「24Gb GDDR7 DRAM」の外観(写真:サムスン電子)
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます。次ページでログインまたはお申し込みください。
趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2025. 7.
-Original column