国が始めた炭素キャッシュバック!省エネ商品を買うとポイントが貯まる

韓国のIT産業政策を担当する省庁の知識経済部は、2008年10月より炭素キャッシュバック制度(Carbon Cashback)を導入すると発表した。

 地球温暖化防止のための活動に市民をより積極的に参加させる方法として、省エネまたは二酸化炭素ガス低排出製品を購入すると炭素キャッシュバックポイントが貯まり、交通費や行政関連手数料納付、自動車購入、商品券などに変えられ、現金のように使えるようにするという内容である。


 クレジットカードのマイレージポイントと同じ使い方で、このキャッシュバック制度のために、政府は現在韓国で人口の約8割、3000万人以上が加入している「OKキャッシュバッグ」の運営会社(株)SKマーケティングアンドカンパニーと提携することにした。既存のOKキャッシュバッグカードに炭素キャッシュバックポイントを別途貯められる。OKキャッシュバッグはSKグループが経営するガソリンスタンド「Enclean」や、携帯電話キャリア「SKテレコム」を利用するとポイントが貯まり、その他にも大手スーパーやチェーン店、本屋など全国4万5000店以上の加盟店でポイントを貯めたり使ったりできる。


 エコ、省エネは韓国でも国家課題になっているほどで、テレビや新聞で毎日何度も耳にする。「ゴミの分別をしっかりしましょう」や「電気を節約するためにエアコンの温度を高めに設定しましょう」というレベルではもう間に合わない、画期的な二酸化炭素排出削減方はないかということで思いついたのがキャッシュバック制度、というわけだ。


 まずは何よりも二酸化炭素を発生させている家電がターゲットになっている。韓国の家電と車には全てエネルギーの効率性を評価し、その結果を表すシールを付着しているが、省エネ1等級または待機電力1W未満の家電製品から優先的にキャッシュバックの対象となる。


 テレビ、オーディオ、DVDプレーヤー、洗濯機、冷蔵庫、電気炊飯器、キムチ冷蔵庫(韓国の家庭にキムチ冷蔵庫は必需品だ)、エアコン、掃除機、扇風機、食器洗い機、電話機など33品目が選ばれた。


 炭素キャッシュバック制度の参加企業はまだ募集中とのことで、当分は販売価格の1~5%をポイントに貯めてあげる方針だという。OKキャッシュバッグの加盟店で購入した場合には重複積立も可能とのこと。


 参加企業はキャッシュバック運営に関する広告宣伝費と運営手数料が免除され、エネルギー管理公団が色々なインセンティブを提供するとしている。キャッシュバックされる金額の部分については基本的に企業が負担するが、政府予算で一部費用を補充する方案も検討されている。今後は二酸化炭素排出情報表示制度とも連携し、炭素排出量によってポイントを提供する制度へと発展させたいとしている。


 韓国では2012年末までにはアナログ放送が中断されデジタルに切り替わるため、日本と同じくデジタルテレビへの買い替え需要が大きく動いている。炭素キャッシュバック制度の導入で、省エネデジタルテレビの普及が促進されることは間違いないようだ。


 韓国では家庭の消費電力の約11%が待機電力によるものであるとして、使わない電気機器類のプラグはこまめに抜きましょうというCMが流れている。待機電力の少ない家電を使うのも省エネであり環境保護につながる。


 しかしエコ以前に切実なのが電気代の節約。韓国も日本以上に物価高騰が問題になっていて、電気代に水道代に光熱費の値上がりも時間の問題だ。電気代も節約してキャッシュバックもしてもらって一石二鳥なのは確かだが、政府が特定企業1社と手をつないでキャッシュバック制度を運営することを懸念する声もなくはない。このまま問題なく始められるのだろうか、10月になったらまた報告します。




(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月27日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080827/1007364/