韓国ユーザーが携帯に求める機能は「自分」撮りのしやすさ、機種変更周期は1年未満

韓国での携帯電話の買い替え周期がまた短くなった。

 リサーチ会社と携帯電話部品開発会社が2008年1月に共同で開催したアンケート調査の結果によると、16~35歳の利用者629人のうち、58.2%が過去1年以内に携帯電話を機種変更しているという。しかもそのうち36.4%は機種変更して6カ月も経たないと答えた。2007年に行われた政府機関の調査では、機種変更の周期は1年4カ月ほどという結果があったが、今回は16~35歳と若い世代を対象にした調査のせいか、さらに短くなった。


 韓国の携帯電話は決して安くない。2008年3月末から奨励金規制がなくなり自由化されてから無料端末も登場したが、無料といっておきながら実は月賦で36カ月払いとか、特定の付加サービスに加入しなくてはならない条件があるから、顧客は端末価格を違う形で支払っているだけである。


 奨励金があっても最新端末の価格は大体7万~9万円はするので、どんなに安くなっても流行の新機種だと5万円は下らない。それでも機種変更を繰り返す理由は、携帯電話は機能やデザインよりも、自慢になるかどうかで決めるようなものだからではないだろうか。そしてもう一つ、韓国携帯ユーザーにとっては自分撮りしやすいカメラ、実物よりきれいに写してくれるカメラが付いているかどうかもすごく大事なのである。


 上記のアンケートでは1年以内に機種変更したいという人も35%いた。機種変更の理由としては端末の故障が43.9%ともっとも多かったが、「流行遅れ」25.8%、「キャリアを変えたい」6.7%、「新しい機能とサービスを利用したい」5.6%という理由もあった。


 携帯電話購入時に最優先する要素としては価格、デザイン、ブランド、通話品質、付加機能、故障しないといった順でカメラの画素数は上位に登場しないのだが、携帯電話で通話以外に頻繁に使う機能はカメラが圧倒的だった。その次に音楽再生、電子辞書、ワンセグ、モバイルインターネットと続く。日本では当たり前な携帯電話でインターネットを使うという機能は韓国ではまだまだそれほど使われていない。何よりも料金が高いからだ。

携帯電話カメラを使った撮影頻度は週6.7回。日本だと携帯電話のカメラで撮るのは風景や食べ物などだろうが、韓国は違う。男性の場合は友達や彼女が37.7%で1位、女性の場合は自分自身を撮ると答えた人が48.9%と圧倒的に多かった。


 確かに、時間と場所に関係なくあちこちで携帯電話で自分を撮っている女性をよく見かける。腕を思いっきり上に伸ばして、できるだけ顔が小さく写るようにがんばるんだよね。今街を歩いている自分、今ケーキを食べている自分などなど、この瞬間の自分を記録に残したいという個人的な目的だけでなく、SNSやホームページに堂々と掲載して自分のかわいさをアピールするところは、世界でも稀なのではないかと思ってしまう。自分に自信がありすぎるというか、国民総芸能人化というか、自分のことをアピールするのが好きなんだよね。


 韓国では人に撮ってもらうのではなく自分で自分を撮る「セルフカメラ」好きな女性が本当に多くて、写真写りがいい場所とネットで噂になれば客がどっと増える。ソウルの中心部である鐘路には33階建てのビルがあり、最上階はガラス張りのレストランになっている。このレストランでセルフカメラを撮ると美人に見えるとネットの書き込みが増え話題になったことから、周辺のレストランやカフェではお店で撮ったセルフカメラの写真を投稿するイベントを開催し、照明にものすごく気を使っているほどだ。携帯電話の大型代理店にはフォトゾーンみたいなコーナーがあって、壁に絵を掛けたり照明を落としたりしてセルフカメラを撮りたくなるようにしている。


 韓国のこの夏の人気機種はどれもタッチパネルで、500万~800万画素のカメラが付いている。顔認識でセルフカメラが撮りやすくしたカメラが付いた携帯も増えている。日本ではiPhone 3Gだとメールが打ちにくいということがよく言われているが、韓国ではメールよりSMS、モバイルコンテンツよりは写真なのでタッチパネルの方が使いやすい。撮った写真を確認したいので液晶もどんどん大きくなっている。写真を保存するためにメモリも大容量になっている。


 ここで、セルフカメラのコツを伝授。「顔は15度横に傾け、カメラを45度上に置いて上目にして撮る」。すると、顔は細く目は大きく見えるという。みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょう?



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月20日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080808/1006883/