テレビCM以上の影響力 韓国で全盛“ワイフロガー”って?




韓国の中小企業振興公団のブロガー募集案内 

企業が商品やサンプルをネットユーザーに無料で提供し、使用感などをブログやコミュニティーサイトに掲載してもらうことで宣伝効果を高める「口コミマーケティング」は日本でも盛んだが、韓国ではブログを持つ主婦が「ワイフロガー」と呼ばれ、マーケティングに大きな影響力を持っている。

 韓国では、ブログがきっかけとなって有名になった専業主婦が何人もいる。1日のサイト訪問者数が1万人以上の「パワーブロガー」たちの中には、企業と交渉して自分のブログでお勧め商品を販売する代わりに手数料をもらう人や製品開発に参加する人もいる。中にはCMのモデルになった人もいる。すでに小遣い稼ぎという範疇を超え、「1人企業」と言えるほど成長し、年間数千万ウォン(数百万円)を稼ぐワイフロガーが数え切れないほど登場している。

 日本人に比べ、韓国人は自分の顔写真や実名などをネットで公開することに抵抗が少ないだけに、ブログは信頼性のある生の情報源として人気を集め、検索結果でも上位にくることがある。商品はネットで直接買えるので、企業もテレビCMよりブログで宣伝するほうに注力する傾向が強い。

実際、韓国を代表するメーカーであるサムスン電子やLG電子も、ワイフロガーを活用している。洗濯機、オーブン、携帯電話、ノートパソコン、プリンターなど、ありとあらゆる商品を主婦ブロガーに提供し、「物語」を作ってもらう。ブロガーたちは「こういう時に使うと便利」「こんな機能もある」という感想や意見を写真や動画付きで紹介する。

 とくに、主婦の目線で書き込まれた体験記には、企業も思いつかなかったアイデアがどんどん紹介されている。写真や動画付きなので、作り話だと攻撃されることもない。主婦のブログに口コミを載せるぐらいで何の効果があるだろうかと思われるかもしれないが、それによりサムスン電子のオーブンは市場シェアが15%から48%にまで上昇したという。

 企業が狙っているのは主に1974-79年生まれの高学歴の主婦だ。育児が一段落し、時間的に余裕もあり、写真や動画を撮って編集してネットに載せられるだけのITの知識もあるからだ。彼女たちは、他の人との交流や社会活動に積極的でもある。

 韓国のアンケート結果を見ると、商品を購入する際に個人のブログを参考にしたと答えた人は48.5%で、企業サイトや企業のブログを参考にした38.7%より多かった。

 ただ問題は、ブログの力が大きくなればなるほど、自由度がなくなってしまうことだ。韓国では以前、企業が事前にブロガーに対し、「こういうこと(自社にとって不利なこと)は書かないでほしい」と要求したとニュースで報道され、話題になった。

 企業にとって、ブロガーはもろ刃の剣だ。費用対効果を考えると、口コミを広げやすいブログマーケティングはこれからも拡大するしかない。しかし、ブロガーの選定や管理はとても難しい。ブログマーケティングを専門とするPR代理店も増えているが、代理店の対応で企業の印象が悪くなり、ブログに悪口を書かれるケースもたびたび起きている。なかでも、ワイフブロガーを味方につけるのは簡単そうで難しい。有料広告よりも実は難しいのがブログマーケティングなのだ。(韓日ITジャーナリスト・趙章恩)


産経新聞社  ZAKZAK
http://www.zakzak.co.jp/digi-mono/internet/news/20091104/net0911041638004-n2.htm