[日本と韓国の交差点] 韓国民を激怒させた東北地方太平洋沖地震の歪曲報道

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ネットでは「ガンバレ日本」義援金


東北地方太平洋沖地震が発生した金曜日の午後、韓国でも正規の放送が中断され、緊急速報でニュースが始まった。刻々と伝わる被害の大きさに言葉を失ってしまった。この映像が本当に日本で起きていることだなんて、信じたくなかった。

 仙台には韓国領事館がある。東北地方には、東北大学の留学生や在日コリアンを含め多くの韓国人が住んでいる。外交通商部によると、東北地方太平洋沖地震後、14日午前までに安否が確認されていない韓国人は21世帯70人、死亡は1人となっている。いずれも海岸地域に住んでおり、津波に襲われたとみられている。



「日本だからこそ被害の拡大を食い止められた」



 東北地方や東京に住んでいる韓国人らは、メールやTwitterを利用して「私は無事です」とメッセージを家族に伝え、安心させた。携帯電話はつながらなかった。日本にいる韓国人のTwitterのつぶやきには共通した「あること」が書かれてあった。「日本だからこそ被害の拡大を食い止められた」。家をなくし家族をなくした被害者が大勢いる中、こういうことを言っては申し訳ないが、これが外国人である韓国人の共通した意見だった。


 しっかりと耐震構造になっており、どんなに地震で揺れても、倒れたり割れたりしないビル。子供の頃から受けている避難訓練のおかげか、とても沈着で、秩序を守る市民。バス停やタクシー乗り場では弱者に配慮して譲り合う。「韓国人も見習うべき」、「日本が先進国と言われる理由はここにある」と日本人の強い精神力に感動したというつぶやきが後を絶たない。


 もし韓国でこのような地震が発生していたら、地震そのものよりも、パニックになった人が起こす2次災害による被害の方が大きかっただろう。


 避難所においてさえ、お先にどうぞとおにぎりやお茶を譲り合。給水場では我慢強く並ぶ。何時間も待ったにもかかわらず水をもらえないこともある。それでも苛立ったり怒ったりせず次の給水を待つ。足を怪我したおばあちゃんが、「私よりもっとひどい怪我をされた方がいるだろう。応急処置してもらうのは申し訳ない」と謝っていた、物資が不足しているというのに、店番のいないお店の商品がそのまま残されていた。


 恥ずかしい話、韓国だったらあり得ないことだ。これが被災地では当たり前の光景だということに驚いた韓国人が本当に多い。


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Twitter に集まる励ましの声、ポータルサイトでは義援金集め



 Twitter上では、ある韓流タレントのファンである日本人が韓国語で残したつぶやきが感動を巻き起こした。「日本で大きな地震がありました。(歴史的な問題で韓国人に)罪の多い日本ですが、韓国の皆さん祈ってください。電車もすべて止まりました。子供たちも家に帰れなくなりました。祈ってください。お願いします」。


 このつぶやきはあちこちのTwitterに再送信され、「胸が痛む」、「これ以上被害が大きくならないように、安否不明の方はみんなどこかで生きていますように」、「韓国にいる私たちにできることを教えてほしい」と一般市民から政治家、著名人、芸能人までTwitterで日本のために祈っている。そして、「日本は災害にもめげず、またすぐ元の姿を取り戻すに違いない」とエールを送っている。


 日本に知人がいる人はみんな、知人たちに安否を心配するメールを送り、「返事が来た!無事だった!」と喜びのつぶやきを残していた。その知人が、地震の被害を受けていない地域に住んでいたとしてもだ。


 ネットでは、主にポータルサイトが「ヒムネラ(ガンバレ、力を出せという意味)日本」というタイトルの下、義援金を集めている。例えばポータルサイトDAUMの募金は、2日間で3700万ウォン(約300万円)超と、どの募金よりも早く義援金が集まっている。このサイトは福祉団体などではない。ネットユーザーが自発的に募金を呼びかけるもので、1000人近くが参加している。



韓国新聞・テレビが歪曲報道



 一般市民やネットユーザーはこのように日本を心配し励ましたいと思っているのだが、韓国のマスコミの態度はひどいものだった。東北地方太平洋沖地震の報道をめぐって、韓国マスコミの「マスコミらしくない」報道が大問題になった。


 これまた恥ずかしい話なのだが、中央日報はなんと、1面に大きく「日本沈没」という見出しをつけたのだ。穴があったら入りたいぐらい恥ずかしい。使われた写真はニューヨークタイムズやワシントンポストなどと同じ写真だったのに、韓国だけが「日本沈没」だの「日本列島阿鼻叫喚」だの、「東京も食べるものがない」だの、日本全土が地震による被害で壊滅しているかのような報道をした。


 他国の新聞は「日本の東北地方で大規模な地震発生」という事実を伝え、どの地域でどのような被害が発生しているのか淡々と伝えている。


 さらに、地上波放送局のMBCは、視聴率が最も高い夜9時のニュースで、東北地方の状況や韓国人の被害などを伝えるかと思ったら、今回の地震によって「韓流ブームが打撃を受ける」、「韓国芸能人が日本で活動する機会が減る」といったバカな特集をしていた。


「日本では化学薬品が含まれた雨が降る」というチェーンメールが問題になり、注意するよう言われている。それにもかかわらず、韓国の一部新聞はそれが事実かのように報道した。NAVERなどのポータルサイトがメイン画面にそれらを表示し、不安を煽った。


 韓国の報道を見る限り、日本全土が地震で大きな被害に遭い、東京には食べ物もなく交通も麻痺していると受け止めるしかなかった。日本に留学する子供を持つ親は、航空券を手配して子供を韓国に呼び戻している。このため、チケット価格が急騰し、12~13日には片道2~3万円で購入できた羽田‐金浦路線が、10万円を出しても座席が取れなくなっている。


 これには韓国人も激怒した。どこで何が起きたか正確に伝えない新聞、安否不明者が1万人を超える大惨事が起きているというのに韓流ブームの心配なんかしている非常識な報道番組に非難が殺到した。韓国のマスコミは日本全国に特派員がいるはず。なのに、こんな小説のような見出しに感傷的な記事ばかり書くなんて、あり得ないだろう


 猛烈な非難を浴びてから、新聞もテレビもやっと落ち着いて日本の東北地方で何が起きているのか、被害状況はどうなのか、韓国人の被害者はいるのか、といったことを淡々と伝えるようにあった。



故チャン・ジャヨンさんの性接待事件から目をそらすため?



 ネット上では、韓国のマスコミが日本の地震をこのように歪曲して、わざと日本全国で被害が発生しているかのように騒いだのは、ある狙いがあったからではないかという推測が出回っている。


 それは日本でも既に報道されている故チャン・ジャヨンさんの性接待事件である。手紙が見つかり、31人に100回性接待を行ったというニュースをもみ消すためというのだ。31人の中には某新聞社の幹部や某放送局の幹部らが含まれていて、国民の関心を他のところにそむけるために、地震の報道を悪用したのではないか、というわけだ。


 31人のリストを公開しろと世論が騒ぎ、政治家や芸能界でもリストを公開するよう警察や検察に要求した。国立科学捜査研究院による筆跡鑑定がもうすぐ発表されるという時に東北地方太平洋沖地震が発生した。


 これがもし事実だとしたらもっと問題である。どんな時でも信念を曲げず、事実を暴き記事にするのが新聞というものではなかったのか? マスコミがマスコミでなくなったら、何を信じればいいのか。


 韓国で災害が発生した際に、日本と違って人々がニュースを信じずパニックになるのは、マスコミは信頼できない存在だからかもしれない。マスコミが自分勝手に歪曲報道を続ける限り、その災いは韓国中に降り注ぐだろう。


 どうか日本のみなさんが、心ない韓国マスコミの報道を許してくれることを願う。韓国では、東北地方太平洋沖地震で破壊された村の映像に涙を流し、被災地の再建のために自分も何か役に立てることはないだろうかと気を揉んでいる人ばかりである。どんな災害にもめげず乗り越えてきた強い日本である。これからも、学ぶべきところの多い、頼もしい隣国であり続けるに違いないと信じている。


By
趙 章恩

2011年3月16日


-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20110315/218989/

[日本と韓国の交差点] 地震がないはずの韓国で大きな地震が増えている

韓日中で協力すれば災害被害を減らすことができる



日本での地震初体験話で盛り上がる



 韓国でも自然災害は例外ではなく、猛暑の後の大雨で家が崩れたりする災害が発生した。ただし、地震の発生回数が増えているというが、体感できるほどの揺れは2005年と2007年の地震しかない。それも、一部の地域だけだった。そのせいか、韓国人が日本に来て期待してしまう体験といえば、地震である。


 日本人は地震が発生しても、「あ~なんか揺れてるね~」ぐらいで平気でいる。なのに、韓国のマスコミは「東京南部海底で震度○.○度の地震発生! 東京都内の建物が揺れた! 韓国への津波影響は!」と大きく報道する。以前、九州で大きな地震が発生した際に、釜山地域で少し揺れを感じたことがあったからだ。


 韓国人が日本を訪れて、初めて体験する地震は恐怖そのもの! なにせ、建物が揺れるのだ。特に高層ビルがキーキーという音とともに揺れ続けるあの恐怖は、かなりスリリングである。日本に住んだことのある韓国人が集まると「私の地震初体験」話でかなり盛り上がる。


 ほとんどの韓国人が初めての地震を体験したとき、しかも震度3以上の揺れを感じたときには「死ぬかと思った」と笑顔で喜ぶ。「揺れを感じたとき、あまりにも驚いて会議中だったのに悲鳴を上げてしまった」、「3~4秒の揺れなのに30~40分にも感じられた」、「テーブルの下に潜り込むべきか悩んでいるうちに地震が終わった」などなど。


 こう語るとき、なぜかみんな笑顔になっている。韓国人が日本の「地震初体験」を笑顔で語れるのも、日本は地震対策がしっかりしていて安全と信じているからだ。



韓国でも地震が増え始めた



 「韓国ではこんな体験できない」なんて思っていたにもかかわらず、韓国もついに地震の安全地帯ではなくなったという。


 ここ20年の間に、震度3.0以上の地震が174件発生している。2010年2月にはソウルの西側で震度3.0の地震が発生した。ソウル市内では、敏感な人が2~3秒ほど揺れるのを感じたという。リゾート地で知られるチェジュの海でも地震発生が増えている。


 1978年には5回しかなかった地震が2009年には80回以上に増えた。東海岸を中心に震度3.0以上の地震が5回以上起きている。韓国気象庁が観測を始めて以来、最大の震度記録は震度5.3である。1980年1月、北朝鮮の平安北道で発生した地震だ。これに次ぐものとして、2007年1月には北朝鮮に近い江原道で震度4.8、2004年5月には慶尚北道で震度5.2を記録している。



「近くの軍隊で爆弾でも爆発したのかと思った」



 2005年3月には福岡の北西45キロの地点で発生した地震の影響で釜山地域のマンションが大きく揺れ、一大騒動になった。釜山では、50階近い超高層マンションが海沿いに並ぶ。室内の灯りが大きく揺れたり、エレベーターが止まったり、額縁が落ちるなどの影響があったようだ。はっきりとした揺れを生まれて初めて感じた住民らは、建物の外へと逃げ、「死ぬかと思った」という恐怖を味わった。


 「韓国には地震がない」という安心感があったので、地震が発生したときにどうすればいいのか、訓練したことがなかった。だから、とにかく建物の外に逃げる、ということしか頭に浮かばないのだ。この地震では火災も発生している。工場が密集した工業団地では余震に備えて、非常勤務の人員を配備したほどだった。この揺れはソウルにまで届いた。


 2007年の江原道の地震でも戸惑いは大きかった。このときの音と揺れは激しく、住民らは「近くの軍隊で爆弾でも爆発したのかと思った」という感想を漏らした。固定電話も携帯電話もつながらなくなった。消防や気象庁への問い合わせの電話が殺到したからだ。



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By 趙 章恩

2010年12月24日


-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20101222/217680/