大学路のステキな散歩道

 
マロニエ公園を抜けて奥へと進みます。











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    坂の上にある壁画。モザイクで作ったラクダは必見です!











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    ナクサン公園の階段から振り返ると、ソウルタワーが目の前に~。











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    城郭から見下ろした風景です。












  •  城郭から見た夕暮れはアニメの一場面のようで、どこか懐かしく感じます。











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    城郭に沿って歩いていくと東大門市場です。











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    終着地の東大門市場。名物のタッカンマリを食べに行きましょう~。


    小劇場とカフェが密集する芸術の街。ソウルの大学路(テハンノ)をご存知ですか?

    秋のマロニエ通りはとってもきれいで、必須のデートコースでもあります。移り変わりの早いソウルで、1960年代から続くカフェが残っているのも大学路ならではの風景です。


    マロニエ公園の向かい側にあるハクリムタバン(学林茶房)は、1956年から続く老舗喫茶店。ソウル大学の学園祭の名称だった「学林祭」が名前の由来です。今でも著名な文人や芸術家が通う風格のある喫茶なんです。


    大学路は、大学があるわけでもないのになぜ「大学路」なのでしょう? 今はソウルの南にある巨大な敷地へと移転しましましたが、1975年まで、ここにはソウル国立大学がありました。その跡地にマロニエ公園や劇場が建てられ、今ではソウル大の病院だけが残っています。日本の東大に負けず、韓国全国各地から秀才が集まる憧れのソウル大学があったことから、自然と大学路と呼ばれるようになったのですね。


    この大学路にはもうひとつ、それはそれはステキな散歩道があるんです。ドラマのロケ地としても頻繁に登場する場所、ソウルでは残り少なくなってしまった一戸建ての住宅街とビルの夜景をいっぺんに見下ろせる、絶好のスポットをご紹介しましょう。


    大学路といえばマロニエ公園。まずは、駅から公園方向へ歩き出します。公園の手前で左に折れ、公園を右手にしてまっすぐ路地を進みます。赤いレンガのカフェを過ぎてまた右に曲がります。狭い路地裏を進み、青い看板の中小企業銀行のところで左に曲がると、すごい坂があるので、そこを上ります。


    坂道の左右には、古い一戸建てのあいだにビンテージ古着を売るショップや開業50年は軽く経っていそうな骨董品屋さん、キラキラのアクセサリーを並べたひと坪もないような小さなショップなどが建ち並び、ついこっちに行ったりあっちに行ったり、寄り道をしてしまい坂をまっすぐに上れません。


    坂の上にある灰色の壁には、一面にモザイクのらくだや本物と間違えてしまうほどリアルなお花の絵が描かれています。これは若い画家達がボランティアで描いてくれたものだそうです。


    坂を上りきったところの左側に階段がありますが、この階段の上がナクサン公園、目的地です。


    階段をゆっくり上ると広場があります。さらに奥にある階段で上へ上へと上ります。運動不足の私にはかなりきつい階段でしたが、どんなにゆっくり歩いても、15分はかかりません。階段が苦手な方は、階段の左のスロープになっている散歩道を利用しましょう。


    ナクサン公園は風水的に見ると朝鮮王朝を守る左青龍にあたる位置にあるため、昔から大事にされてきた場所でした。朝鮮時代の城郭が残っている公園で、景色がキレイだとは聞いてましたが、この都心の中にこんな静かな緑があったなんて! 初めてこの公園に来たときには驚いてしまいました。


    途中、階段からうしろを振り返ると~すごい! 遠くには屏風のように山脈が続き、坂を埋め尽くしている一戸建てから明洞のビルまで、手に取れるほど近くに見えるじゃありませんか! よし! 力を振り絞ってあともう少し! ついに頂上です。


    頂上には朝鮮時代の長い城郭が残っていました。この城郭によじ登ると、ちょうど夕日が沈むころ。風が清々しく気持ちいい!


    ここから見下ろすソウルの街は、まるでアニメの一場面のようで懐かしい感じがします。左には80年代風の古い下町が、右には高層ビル群が見えます。ここは高層ビルの屋上と同じぐらいの高さです。山の向こうはまだ青い空と雲が残っています。夕日を反射してオレンジ色にキラキラ光るビルと、朝鮮時代の城郭が共存するソウル……この街を愛さずにはいられません。


    城郭に沿って歩き出すと、階段とは別の道が現われます。ゲートを出て右へ続く坂道を降りていくと、学校があり、小さな公園やベンチがいくつもあります。「まだ人が住んでいるのかな?」と、びっくりしてしまうほど古い韓屋も並んでいます。どの家の庭にも、かぼちゃやねぎ、唐辛子、サンチュがびっしり植えられていました。公園では近所のみなさんが料理を持ち寄り、大きなボールにビビンバを作って食べていました。楽しそう! こういう景色とふれあいがある下町に住んでみたくなります。


    城郭と韓屋の間にある散歩道を歩いて、30分ほどで東大門市場に到着しました。


    雲が流れる音しかしないような静かな坂の上から降りてきたせいか、東大門市場の騒音を聞いた瞬間、朝鮮時代からやってきた浦島太郎になった気分でした。


    韓国はこの秋、「歩く旅」が流行っています。大学路でミュージカルを観て、昔ながらのカフェでお茶して、坂の上の城壁を散歩して、東大門市場でおいしいタッカンマリを食べて(「タッカンマリ」は「鶏1羽」という意味で、鶏の水炊きのようなものです。肉を辛いソースにつけて食べてから、汁にうどんを入れて食べたりします)、ショッピングまですれば、充実した1日になること間違いありません!