2025年に向けた米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選した。韓国内では半導体産業を巡りこれからどのような戦略をとるべきか、大きな話題になっている。Samsung Electronics(サムスン電子)とSK hynix(SKハイニックス)は2022年に米バイデン政権が定めたCHIPS法(CHIPS and Science Act)に基づく補助金を前提に米国内に半導体工場を建設しているが、トランプ次期米大統領はCHIPS法に対し何度も否定的な意見を述べてきたからだ。トランプ氏は、選挙運動中も米国の人気ポッドキャスト『The Joe Rogan Experience(ジョー・ローガン・エクスペリエンス)』に出演し、「関税を引き上げれば海外企業は自発的に米国に半導体工場を作る」として補助金を支給する必要がないという意見を述べている。
トランプ次期米大統領は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げ、輸入品に一律10~20%の追加関税、中国からの輸入に対しては一律60%の追加関税を導入する方針を示している。韓国は米国政府との交渉により、今まで韓米FTA(自由貿易協定)や輸出量クオーター制を利用して自動車輸出や鉄鋼輸出において、関税を回避してきた。トランプ次期米大統領は選挙運動中の10月に開催された「The Economic Club of Chicago」での対談で「辞書の中でもっとも美しい言葉は『関税』だ」と発言し、同盟国に対しても関税を引き上げる姿勢を見せている。関税を上げると消費価格が上がり、インフレを生ずる懸念があるが、それでも関税を上げれば海外企業が米国内で生産を始めるので米国の製造業が生き返ると主張した。
SK Siltronの工場内にある「超純水国産化実証プラント」は、海外の設備を韓国の技術で設計・施工した施設と、設計・施工・設備のすべてを韓国産で固めた施設に分かれている。それぞれ毎日1200tの超純水を生産して実証している。韓国の産業界から政府に対し、超純水の技術開発をしてもテストベッドと性能認証環境が整っていないことがネックになっているので解決してほしいと依頼したことから、韓国水資源公社を中心に技術自立と市場開拓のためのテストベッドを運営することになった。
2024年9月25~27日に韓国・京畿道高陽市にあるKINTEX展示場で韓国最大の水素産業展示会「H2 MEET 2024(H2 Mobility Energy Environment Technology 2024)」が開催された。H2MEET組織委員会が主催し、産業通商資源部(部は省に当たる)、環境部、国土交通部が後援、水素生産から活用まで全ライフサイクルの水素ビジネスと技術を公開する展示会である。第5回目となる2024年は「Be a First Mover in Hydrogen」というテーマで米国、オーストラリア、カナダ、チリ、ノルウェー、スイス、ギリシャ、スペイン、コロンビア、オマーン、インド、エジプトなど24カ国317社が参加した。
米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)によると、2024年7月の世界半導体販売額は前年同月比18.7%増の513億2000万米ドル(約7兆2870億円)、9カ月連続で前年を上回った。半導体は韓国の全輸出の20%以上を占めているだけに、世界の半導体販売は韓国経済にも大きな影響を与える。
米国では生成AIの需要増によって半導体の販売が伸びているが、韓国も似たような状況である。最近では「AI半導体バブル説」も出ているが、AI時代が本格的に到来したことで広帯域メモリー(HBM:High Bandwidth Memory)†はもちろん、AIの開発・運用に向けたサーバーの投資も拡大している。こうしたことから、データセンター向けSSD(Solid State Drive)の需要が伸び続けている。