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韓国で今一番の話題は、現代自動車の株価である。2026年1月2日に29万8500ウォン(約3万2800円)だった株価の終値は、世界最大級のテクノロジー展示会「CES 2026」(2026年1月6~9日、米ラスベガス)開幕直後の1月7日には35万500ウォン(約3万9000円)に上昇し、1月21日には54万9000ウォン(約6万円)に急騰した。現代自動車の時価総額は初めて100兆ウォン(約11兆円)を超えた。韓国証券取引所では、サムスン電子、SKハイニックスに続く時価総額第3位の企業になった。
現代自動車の株価が急騰したのは、CES 2026で初めて一般公開した、傘下の米Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)の人型(ヒューマノイド)ロボット「Atlas(アトラス)」が期待以上だったことが影響している。海外のメディアもAtlasを高く評価し、現代自動車はフィジカルAI(人工知能)を代表する企業の1つとして注目されている。

現代自動車が出展した、ボストン・ダイナミクスの人型ロボット「Atlas(アトラス)」
(写真:趙 章恩)
現代自動車は2025年、米国の自動車関税によって輸出が減少するとともに、米国での生産拠点拡大を強いられるなどから、苦戦しているというイメージが強かった。それが今ではフィジカルAIの先頭グループとして、株価はさらに上がるとみられている。
ちなみに、サムスン電子もメモリー半導体の好況とCES 2026で見せたAI家電の成長可能性から株価が上がっている。同社の株価 は2026年1月2日の最高値が12万8500ウォン(約1万4100円)だったのが、1月19日には一時過去最高値の15万600ウォン(約1万6600円)を記録した。しかし、現代自動車の株価上昇率には及ばない。
現代自動車はCES 2026で、約1836m²のブースを用意し、ボストン・ダイナミクスのAtlas以外に多様なロボットを展示した。ボストン・ダイナミクスの4足歩行ロボット「Spot(スポット)」や物流向け運搬ロボット「Stretch(ストレッチ)」、現代自動車が開発したどんな地形も安定して走行するモビリティーロボット「MobED(モベッド)」、EV(電気自動車)を充電するための自動充電ロボット、グループ会社の現代WIAが開発した駐車ロボットなどだ。そして、20分おきに種類が異なるロボットのデモを披露した。グループ全体でAIロボティクス事業を強化するというメッセージを強く打ち出し、ロボット開発、製造、流通の全部を担えるのが現代自動車グループであることを示した。
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2026. 1.
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