ジャパネットたかたを超えた?笑って買わせる動画効果 [2007年4月10日]

世界的に動画投稿サイトが話題になっているが、韓国ではもう古い話題になってしまっている。韓国のネットユーザーは、元々プライバシーを堂々とネットに公開してコミュニケーションするのが好きでSNSやBlogに日常の写真や動画をよく公開してきた。そういう意味で動画というコンテンツは特に新しいということもない。

 しかも、最近では何度も動画コンテンツを利用した詐欺というか、人をだますような事件があった。例えば、とてもかわいい女の子が彼氏にプレゼントするため撮ったラブレター代わりの動画として、あちこちでコピーされ出回っていたものが、数日後、実は新人タレントが話題になるのが目的でわざと素人のふりして流したものだったという話。このほかにも、犯罪現場を撮影したとテレビのニュースにまで登場した動画が実は演技だった、なんていうのもあった。ちょっと動画に対して、飽きのムードが漂っていたところに、こういうことが何度も続き、UCC(User Created Contents)の面白さが半減してしまった。


 この頃は一般ユーザーが投稿する動画よりネットショッピングの動画の方がはるかに面白い。UCCに対抗するSCC(Seller-created content)、これが結構いける。商品の使い方やショッピングモールの特徴を宣伝するため、お笑いのコント仕立てに仕上げた動画のことなのだが、社長と社員が企画・撮影・出演までこなしている。普通のビデオカメラで撮ってウェブに掲載しているので画質もそれほどよくないし、画面も揺れたりするが、これがとても新鮮で動画を見ているうちに衝動買いしたくなる。


 元祖SCCは韓国で最も有名な「ジュインジャンドットコム」だ。商品の説明をテキストや写真はもちろん、実演を兼ねた動画も掲載している。ギフト商品やパーティー用品を専門に扱うショップなので、「このおもちゃを買うとパーティーでこうやって主役になれる」、とか、「このカップを彼女にプレゼントして効果的にハートをキャッチするためのアドバイス」などの演技とトークで笑いを取る。物を売る前に笑わせることで、「面白い動画がある」という口コミが生まれ、本業のショッピングサイト自体の認知度も上がった。


 ネットでの生放送もやっているので、顧客とチャットを通して質問に答えるかたちで商品を紹介する試みもある。この試みはユーザーにとってもより分りやすいし、何より、ショップの社長が顔を見せて案内してくれるから信頼できる。ウェブカメラと照明購入費13万ウォンを投資して月1億ウォンの売上を達成したという。今やマスコミに引っ張りだこの人気ショップだ。


 家具・インテリア小物ショップの「ファニーホームショッピング」もSCC作戦が成功し、サイトオープンからわずか1カ月で軌道にのった。ドラマ仕立ての商品紹介動画がネット上のあちこちに出回り、宣伝費を全くかけず有名サイトになったのだ。ここは、毎週2本ずつ動画を制作している。このほかにも、連日、テレビや新聞では、SCCを利用して認知度を上げ、売上高が2倍になった、3倍になったというショッピングサイトのことが紹介されている。


 この動きは個人向けのサービスにも広がっている。オークションサイトでは、販売者が動画を登録できるツールを追加している。既存大手ショッピングサイトも毎日1時間は生放送で、顧客と画像チャットをしながら商品を紹介するコーナーを設け、SCCを強化している。また逆にユーザーが「商品を購入してからこのように使ってます」という動画を掲載するとマイレージがもらえるイベントも年中開かれている。これはメーカー側にとっても、商品開発の参考になるし、ユーザーが何を知りたがっているのかも把握できる。


 ショッピングモール制作ソリューション会社も動画制作サービスとトラフィック支援に乗り出している。これからはSCC動画のないショッピングサイトはあり得ない、とまで言われるほどだ。ウェブカメラさえあれば一人でもできるのがSCC動画だといっても、まず何をどう見せてしゃべったらいいのか恥ずかしいやら難しいやらでチャレンジできないショップ運営者も多い。


 ネットマーケティングアドバイザーのキム・ユンジョン氏は「SCCは制作費もかからないしアイデアだけあればいいと言われるが、動画は波及力が物凄いので慎重になる必要もある。最初から商品ごとに動画を制作するのは大変なので、まずはショップ運営者の自己紹介や今週の目玉商品から始めてみるのもいい。面白く作りたいという意欲ばかりでは逆効果」と話している。


 テレホンショッピングのわざとらしい演技よりは(詰まった下水管をポンプしただけで大げさな歓声をあげ拍手喝さいするのも面白いけど)をショップ主人の一生懸命なコント動画の方が魅力あるのは確かだ。日本でもショップ主人が親しげに自己紹介するネットショッピングが多いが、自分で制作した動画で笑いをとってみるのはいかが?吉本興業にスカウトされたりして、二度おいしいかも?

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070407/267695/

電化製品も芸術的な感性で選ぶ [2007年4月3日]

フィギュアスケート世界選手権で史上最高得点を獲得しながら緊張しすぎたせいか3位に落ちてしまった韓国のキム・ヨンア選手。腰の負傷がなかなか治らず毎回鎮痛剤を打っての試合だそう。それもそうだろう。スポンサーになってくれる企業が見つからず、日本の選手とは比べにならないひどい待遇を受けているからだ。世界どこに行くにも飛行機はいつもエコノミー、ホテルに泊まるお金もなくて韓国人が経営する民宿に泊まっているんだと。こんな環境で負傷が治るわけがないのにあれだけの才能を発揮していること自体が奇跡ではないだろうか。

 韓国の企業はどうしてスポンサーになってくれないんだろう。こうなったら日本の企業がキム・ヨンア選手をサポートして、日韓友好に役立ってほしいものだ。


 スポーツ大会でフィギュアスケートやシンクロナイズドスイミングなど、芸術性を争う種目には弱かった韓国だが、特に芸術性に優れているというキム・ヨンア選手の影響だろうか、芸術に目覚め始めた産業分野が多い。その中でも目立つのが電化製品だ。


 LGテレコムから発売されたカシオのCanU端末(モデル名canU701d、写真1)は白い端末をキャンパスにして画家5人と漫画家5人に作品を依頼し、「アートCanU」というモデルを用意した。限定500台のうちに400台をインターネットで予約発売したところ、1台80万ウォン(約10万4000円)もするにも関わらずあっという間に売り切れたという。絵が描かれていない普通のCanUは50万ウォン(約6万5000円)だ。



写真1:LGテレコムが発売したCanU端末


 ネット連載漫画で有名な作家から大学教授を務める画家に至るまで、幅広い作家の作品を集めたおかげで若い世代はもちろん、携帯電話にあまり興味がなさそうな中年層までも所蔵価値があると予約販売に飛びついたそう。デザインだけでなく、機能面でも、衛星モバイル放送受信、360度回転する液晶、MP3再生、おサイフケータイ対応と充実している。


 LG電子の携帯電話「シャイン・デザイナーズ・エディッション」(写真2)は鏡のように光る端末の裏側に詩を彫刻した。パリで活躍しているファッションデザイナー「イ・サンボン」がアレンジしたハングル文字で彫刻された特別なこの端末は自分だけの高級端末を持っていたいマニア達に大人気で、LG電子の携帯電話端末そのものの評価も上がった。



写真2:シャイン・デザイナーズ・エディッション携帯電話



 サムスン電子は韓国で最も有名なファッションデザイナー「アンドレ・キム」がデザインした皇室花柄を、LG電子は西洋画家「ハ・サンリム」の花をモチーフにアート家電に力を入れている。


 アート家電の種類も洗濯機、冷蔵庫(キムチ冷蔵庫も)、エアコン、炊飯器など幅広い(写真3から5)。アート家電はプレミアムと呼ばれる高機能ブランドの新商品として発売されるが、値段もさらに15%ほど高くなるのでシンプルな白物家電の2倍近くなる。それでも2006年に販売されたプレミアム冷蔵庫の70%、エアコンの72%はワイン色をベースにゴールドで花や蝶々を描いた派手なデザインだった。LG電子はエアコンや冷蔵庫のパネルにきらきら光るスワロフスキークリスタルまで施している。家電もアクセサリーの時代だろうか、優れた機能は当たり前、これからは独特なデザインでないと消費が活発な高所得層の顧客をつかめない。


添付画像
サムスン電子のキムチ冷蔵庫(左、写真3)とエアコン(右、写真4)





写真5:LG電子のクリスタルを使ったエアコン


 このようなアート家電発売を専門用語ではテカルト(techart)マーケティングという。技術(technology)と芸術(art)の出会いで消費者の感性を刺激する製品やブランドを追及するマーケティングだ。これは韓国だけでなく世界的な傾向のようで、サムスン電子とLG電子は中国やヨーロッパ、中南米向け製品もアート家電で勝負する計画だ。


 テカルト(techart)マーケティングについてサムスン電子広報チームは、「この頃の家電はメーカーごとの差を感じないほど機能もデザインも優秀だ。その中で差別化するためには希少価値が必要だが、それでアートに目を向けるようになった。限定発売でいくつか試してみたエアコンや冷蔵庫のイラストパネルが予想以上の販売を記録したので、今ではキムチ冷蔵庫、洗濯機、携帯電話もアートが重要になってきた」と説明した。


 メーカーによるとアート家電は年齢を選ばずよく売れているそうだ。新婚夫婦向けの中小マンションはリビングからキッチンが丸見えなので、高くてもインテリア効果のある家電を選びたがるし、中年層もどうせ買い換えるならちょっと高くても話題の人気商品を買って自慢したいと思うようだ。経済権が夫より主婦にあるという家庭が増えてきたのも女性好みのアート家電が売れる理由かもしれない。



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070402/267133/

韓国最大ゲーム展示会「G★2008」

オンラインゲム大の盛り上がり方はやっぱり違う!韓最大ゲム展示G★2008」 


 


 


2008年11月13日~16日、韓ソウルから北へ1時間ほど離れた一山(イルサン)KINTEX展示場には連日長蛇の列が! 初雪が降るかもしれないというほどの寒さにもかかわらず、開場時間の1時間以上も前から場周には「G★2008」の開幕を今か今かと待ちわびるゲムファンが集結した。



展示
開催の4日間、場の中は足の踏み場もないほどの人混みに、休む時間も惜しいほどのイベントラッシュがいた。加社も参観者もともに興奮し盛り上がった「G★2008」! 展示規模は日本のゲムショより小さいながらも、盛り上がり方では負けていない「G★2008」はオンラインゲム大における最大規模のゲムショである。 


2005年、15ヶ156社が加して始まったこの際ゲム展示G★(GSTAR)」は、今年で4回目を迎える。今年は「ゲムで開くしい世界!」をテマに、韓から104社、海外から58社、計162社が加、3000人以上のバイヤ19万人もの客が訪れ、代最大の動員を記。ゲム産業振興を担する政府省である「文化光文化部」の長官も場を訪問し、新作ゲムを体してみたり、参観者らにをかけるシンも見られた。 


 


添付画像

のゲム展示はオンラインゲムに偏りすぎているという批判もあったが、そこが韓の特といえなくもない。参観者らも、モバイルやコンソルより新作表の行われたオンラインゲムブスやプロゲを招待したイベントブスに集まっていた。 


今年のG★は例年に比べ新作が豊富だったのも特だ。



G★から新作を表しているNEXONは新作3種と新しくパブリッシングするゲ2種を出展。友達を作れるコミュニティ型ゲム「ネクソンビョル」、「カバティナスト」、「ハスキエキスプレス」、「エバプラネット」、「ドラゴンネスト」。そして、1700万人を誇る人シングゲム「カトライダ」の基本コンセプトを踏襲したエアフライトゲム「エアライダ」や、日本でもお馴染の「マビノギ」から派生した「マビノギ英雄」も注目された。 



また、韓
でスポツオンラインゲムを誕生させたJCエンタテインメントは、バスケットボルゲム「フリスタイル」のサッカ版「フリスタイルサッカ」を表。ダンスゲム「ディション」を利用して英語も勉できるHANVITソフトの「オディションイングリッシュ」は音認識が特だ。



NHNは全身を使って
しむテトリスとフル3DMMORPG「C9」と「モンスタハンタフロンティア2.0」を、NCソフトは5年ぶりの新作として期待されている「アイオン」を中心にブスを展開していたが、イケメンスタッフが案するダンスゲム「ラブビト」に若い女性ばかり集まっていたのが印象的だった。



CJインタ
ネットは公開テストが始まったMMORPG「プリウスオンライン」を前面プッシュ。妖精アニマをペットのように育てながら知をもらってゲムを進めるというコンセプトがポイントだ。白いワンピスを着た妖精キャラのコスプレガル達もとてもかわいく、カメラがもっとも集まったブスでもあった。ゲムの詳しい容は次回特集にてご紹介しよう。 



添付画像 




 


G★は家族連れが多いことも特である。小生の子供を連れたお母さん達とオンラインゲムのキャラクタコスプレをした美女達が一に記念写真を撮っているところを目したが、お母さん達の方が萌えていたほど。



では主婦達もオンラインゲムに慣れ親しんでおり、GOSTOPという花札ゲムの一種はお正月やお盆の時に必ず登場する民ゲムでもあるだけに、それをオンラインゲムにしたGOSTOPは主婦の暇つぶしアイテムとして愛用されている。花札やカドといったカジュアルゲムをはじめ、シュティングやMMORPGにはまる主婦も少なくないといわれているだけに、ブスで行われたイベントに我先にと加するなど、ゲムにして積極的な主婦の姿が目立っていた。



また、家族
加を主眼においたイベント構成とすべく、露出の多すぎるコンパニオンを制限する等の主催側の手配も好評だったようである。


 


次回は新作ゲムの中身を見てみよう! 




添付画像
 




By.趙章恩



Original report (@niftyゲム)


http://game.nifty.com/cs/column/detail/081121101891/1.htm

韓国 アイデア勝負のデジカメが好評(2007年4月23日 掲載)

旅行情報の保存などができる機種も



 


 


【ソウル】韓市場でシェア1位、中でも2006年市場シェア16%とキヤノン、ソニいて3位の座を保持している三星Kenoxが、デジタルカメラとしての充した機能はもちろん、ユが利用するのに便利なアイデアを盛りんだ機種を発売して話題になっている。



 韓
のデジタルカメラ市場は今年、2005年からシェア1位につけている三星Kenox(社名、三星テックウィン)を日本のメが追うかたちになると予想される。06年のシェアは三星Kenoxが30%、ソニ19%、キヤノン16%、ニコン9%、オリンパス9%の順で、三星Kenoxが然トップでれている。


 


 最近のデジカメは、ほとんどの機種が手ブレ防止撮影1000万素の高顔認識などの機能を取り揃えている。そんななかで三星Kenoxが人を博しているのは、カメラとしての光機能に限らず、ユの利便性を考慮した機能にも力を入れているところにある。


 


 3月29日発売された「i7」と「L74ワイド」は、三星Kenoxのホムペジから世界30かの旅行地6500か所の情報をカメラにダウンロドできる。一般的に旅行に出かける時には必ずデジカメを持って行くので、カメラがガイドブックの役割までしてくれるとなれば荷物も減るし、とても便利だ。またカメラをポタブルマルチメディアプレイヤのように利用できる機能もついているので、MP3ファイルや動再生も可能だ。1月に発売された「i70」はHSDPAで無線インタネットにアクセスできるので、デジカメをカメラ付き携電話として使うこともできる。


 


 三星テックウィンは現在、米、英、ドイツ、フランス、中にある自社現地法人のほかに三星電子とも輸出協力を結び、07年からは世界市場での3位確保にり出す計を立てている。これによりロシア、香港、シンガポル、メキシコ、パナマ、台、マレシア、コロンビアなど合計12かにある三星電子海外法人でも三星テックウィンのデジカメを販することになった。三星電子のMP3プレイヤやテレビ、ビデオカメラなどのAV家電と一に展示販するようになる。2010年には年間2000万台販を達成し、世界市場のトップに立つ計で、中の天津工場を設した。


 


 三星テックウィンの06年上高は2兆8690億ウォン。同社は今年30周年を迎えるが、77年に三星精密として設立されてから87年三星航空、00年三星テックウィンに社名更して現在に至っている。IMF経済危機の際に航空部門を韓宇宙航空産業に却し、デジタルカメラ製造に切り替え、成功した。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年4月23日 vol.1184 載] Link 


 


 


 

韓国 韓米FTAが妥結(2007年4月23日 掲載)

米市場で韓日のシェアい激化


三星電子、米市場で優位に立つ


 


 


【ソウル】円安の影響で米市場で苦していた韓デジタル製品だが、4月2日の韓米FTA(自由貿易協定)妥結で関税が撤され、米市場における日本メとのシェアいに優位な立場となった。一方で、米からの輸入部品の格が下がるので、韓と日本の間での貿易が減るのではないかとする見方もある。


 


 半導体などのIT製品はすでにITA協定(情報技術分野の関税)により米市場では関税がゼロないしは1-2%に過ぎないため、今回のFTA妥結による輸出・内需の影響はそれほど大きくない。しかし、カラTVデジタルTVは5%の関税っていたため、三星電子や韓電子企業などはFTA妥結で「5%の関税障壁」がなくなり、米デジタルTV市場で日本のソニ、シャプ、松下電器よりも格競で有利になったとみている。5%だったデジタルTVの関税が撤されると、42インチHDTVの場合は約80ドルの値下げ果がある。



 


 特に三星電子はFTA果により、世界デジタルTV市場の30%ほどを占める米市場で、2年連でシェア1位の達成が有力となっている。三星電子は今年、米市場で200万台以上、世界市場で1350万台のデジタルTVを販できると予想している。


 


 米デジタルTV市場の規模は2005年で560万台、06年860万台、今年は900万台に加する見みだ。三星電子米法人の係者は「米デジタルTV市場は韓と日本の場になっている。今回の韓米FTA締結により、米デジタルTV市場で日本より有利な立場になれたので、2年連1位達成が可能になった」と話している。


 


 三星電子やLG電子の場合、米に輸出する製品はNAFTA(北米自由貿易協定)締結であるメキシコ工場で生産供給しているため、関税の適用を受けていない。ただし、韓国内で生産されるプレミアム家電、PDPTV、LCDTVなどは関税象となっていた。それが関税の負担なく輸出できるようになったわけだ。また、円安の影響で、日本製品との格競で負けていたのが、関税によりデジタルTVなどプレミアム製品群で挽回できるものと予想されている。


 


 FTA妥結により商品の輸出入だけでなく、米の先進技術投資の誘致が大され、新しい経営技法などが導入される可能性が高くなった。米市場進出にする不確性がなくなるという点でも、IT製品の製造に好ましい影響をえている。


 


 KOTRA(大韓貿易投資振興公社)は、「関税率が低い機械類や電機電子製品類の場合、関税引き下げによる直接的な影響は小さいが、工作機械デジタルTVなどは家イメジの向上や通簡素化にともなう費用節減など韓米FTA妥結の間接果が期待される」と分析している。特にプレミアム家電、LCDTVなど映像家電製品、通信機器生産技術、メモリ半導体、ディスプレイなどは輸出果がある。


 


 産業究院の分析結果によると、韓米FTAが発効されてから韓の輸出は10年の間に年平均23.4億ドル加すると予想されている。FTA果で投資家の利保護などが整備され、外信用度が高まって外人投資もえる。経済政策究院(KIEP)は、韓米FTAの影響で長期的には外人投資が216.3億─318.8億ドル加すると展望している。


 


 一方で、FTA妥結により米家電製品が韓市場に流入してくることのほうが深刻だという見方もある。現在8%の韓輸入関税が撤されることにより、値下げ果が大きいからだ。また、日本や中に依存していた部品輸入もより値段が安い米から輸入することになるため、日本との貿易が減ってくるのではないかとの測もある。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)



BCN This Week 2007年4月23日 vol.1184 載] Link

図書券がオンラインゲーム中毒を煽る [2007年4月25日]

日本と変わらず、韓国にも色んな種類の商品券がある。ネット強国らしく、韓国の商品券はほとんどがオフラインでもオンラインでも使える。その中でもお年玉やちょっとしたプレゼントに人気なのが図書券だ。

 オンライン書店(韓国の書店はオフラインでは定価制だが、オンラインでは1年未満の新刊は10%、その他は20~40%ほど割引販売されている)でも図書券が使えるように、金額のところをスクラッチにして、その下にあるPIN番号を利用すればオンラインでサイバーマネーとして使えるように配慮したのはいいが、これが思わぬ方向へ転がってしまった。


 図書券はオンラインショッピングや映画前売り、オンラインゲーム決済、デジタルコンテンツ購入、携帯電話利用料金決済など220以上のサイトで決済手段として使える。携帯電話料金の場合は、プリペイド式で音声通話10分にいくら、という利用権を買う方式だ。


 問題になっているのは小学生の図書券を利用したオンラインゲーム決済。未成年者なのでクレジットカードは利用できず、携帯電話小額決済やARS(固定電話から特定の番号に電話をかけ、利用番号を入力すると決まった金額が電話料金に合算請求される方式)決済を利用する。しかし、これらの方法だと利用の明細が残り、親に叱られる。子供達は本を買うから図書券をプレゼントしてほしいとねだったり、お小遣いで図書券を買ってはオンラインゲームのアイテム購入に使っているのだ。


 図書券をオンラインゲームで使う方法はとても簡単で、図書券を発行している会社のホームページに会員登録し、図書券のスクラッチを剥がして下に書いてあるPIN番号を入力してサイバーマネーに転換すると、図書券と提携した220サイトで現金と同じように使える。スクラッチを剥がした図書券は例えオンラインで使っていないとしてもオフラインでは絶対使えない。


 2006年にサイバーマネーとして使われた図書券は1800億ウォン(約230億円)で、全発行額の半分以上にも及ぶ。1800億ウォンの中でもゲーム用に使われたのは780億ウォン(約100億円)で、2007年には1000億ウォン以上になる見込みだ。このように図書券を利用してこっそりオンラインゲームの利用料決済やアイテムを購入できるようになっているため、親は自分の子供がどれぐらいの金額をオンラインゲームに注ぎ込んでいるのかさえも分らない。


 市民団体は「産業育成という名目でオンラインゲームを野放しにしたために、純粋に楽しめる子供向けゲームはなく、ほとんどがアイテムを次々に購入しないとゲームを楽しめないようにしている。判断力のない子供たちが親に隠れてゲームにお金を使いすぎて困っているという相談が絶えない。子供のサイバーマネー利用をオンラインゲーム側が制限するようにするべきではないだろうか」と主張している。


 大手企業に勤めるキム・ドンウ氏は
 「小学校2年生の子供が図書券がほしいというから本をたくさん読むのはいいことだと喜んで20万ウォン分買ってあげたら、その日の夜こっそりオンラインゲームに全部使い果たしてしまった。どうしてそんなことをしたんだと咎めたらゲームに勝つためには魔法のアイテムが必要で、ゲームのレベルが低いとみんなにバカにされると泣く。仕方ないのでゲームのアイテムが買いたければお母さんと相談すると約束させただけで怒らなかったけど、ゲーム中毒なのではないか心配。でも小学生のいる家庭はみんな一度は図書券に騙されたというから図書券をオンラインゲームで一定金額以上は使えないようにするべきなのではないだろうか」
 と心配する。


 オンラインゲーム中毒も問題だが、経済観念のない小学校低学年からサイバーマネーの便利さだけを覚え、サイバーマネーはいくら使ってもまた湧き出るものと勘違いしてしまう子供は確かに増えているようだ。銀行や証券会社では顧客の子供を対象に、「お金教室」、「投資教室」を開催し、正しいマネー知識を教えてあげるイベントを熱心に開催している。


 2006年韓国をひっくりかえした「成人PCバン」事件、日本でいうパチスロだが、ここでは図書券を渡して外で換金する方式が問題になった。またギャンブル用の商品券は景品用図書券に分類されるが、商品券発行許可を担当している関係機関が賄賂をもらってでたらめな運用をしていたために約4300億ウォン(約540億円)もの図書券がギャンブルマネーに化け、組織暴力団の資金になった。


 これらの問題を受けて、4月28日からは景品用図書券の流通は全面的に禁止される。そのせいか、金券ショップでの図書券の取引価格は下落、今のうち普通の図書券を安く買い込んでお年玉に使おうかな~と企んでいる。使い方に問題があるとはせよ、あげる側にとっても現金より下手な物よりは図書券の方がプレゼントしやすいからね。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070424/269278/

インターネットこそ若返りの妙薬! [2007年4月18日]

韓国では全国どこに行っても、郵便局、市役所、区役所、住民自治センターといった公共機関には無料でインターネットが使えるパソコンが数台置いてあり、誰でも使えるようになっている、また99年あたりから無料または月1000円ほどの安い授業料で参加できるシニアパソコン教室が市役所や区役所で年中開催されている。ちょっと前までも60代以上の世代はインターネットが使える、いやインターネットがどういうものか知っているだけでも「すご~い」と言われるほどデジタルデバイドが深刻だった。

 でもこの頃はシニアのインターネット利用は当たり前、インターネットがきっかけになり人生が変わったというデジタルシニア世代がよくテレビで紹介されている。ネットでも若い世代と変わらないほど動画投稿やブログ運営、スカイプを利用して世界各国のユーザーとビデオチャットに熱心な、インターネットを利用するのが日常になったWebver族が脚光を浴びている。


 WebverはWebとsilverの合成語で、以前は引退後は世の中の動きには鈍くなり近所付き合いだけになってしまいがちだったシニア世代が、インターネットを利用して最新情報を取り入れ、積極的に友達の輪を広げ人生を楽しんでいることから付けられた名前だ。シニアパソコン教室はパソコンの使い方やネットの基本的な使い方を教えていたが、それぐらい普通に使えるシニアが増えてからは動画教室、HOMPY(韓国のSNS)教室などに種目を変えている。


 韓国マイクロソフトと韓国情報文化振興院が情報化教育を履修した55歳以上400人にアンケート調査をした結果によると、情報化教育後「生活が楽しくなった」が98%、「友達が増えた」が91%と、「より健康になった」が89%、「子供や孫との会話が増えた」が90%、「日常生活がより便利になった」97%、など、インターネットを利用するようになってからコミュニケーションも増え、健康状態もよくなり世代間のデバイド解消にも役立っていることが分った。


中でも21%のシニアが情報化教育後「再就職や経済活動のチャンスに恵まれた」と答え、シニアの情報化が人生の中での経済活動期間の延長にも現実的に役立っていた。また面白いのは54%もの人が「掲示板に投稿したり、他人の書き込みに対してコメントを残したことがある」と答え、27%は「インターネットショッピングを利用したことがある」と答えている点だ。インターネットショッピングは日本のシニアより利用度が低いかも知れないが、さすが討論好きの韓国らしく、書き込みやコメントを残して自己主張を楽しむのは年齢など関係ないようだ。

 この調査を担当した韓国マイクロソフトは「韓国はデジタル化が急速に進みすぎたため、インターネットがシニアを社会から疎外させる主な原因になっていたが、ここ数年インターネットを自由に利用できるようになったシニアが増えたため、逆にインターネットがシニアの社会復帰を促進している」と分析した。


 韓国のSNS「サイワールド」も、2007年1月現在50歳以上の会員は95万人で、2004年3万8千人に比べ25倍も増えている。全会員の中で50歳以上が占める割合も2004年1%から2005年3%、2006年4%と徐々に増えている。ポータルサイト「DAUM」も2006年末時点の50歳以上利用者は全会員の13.3%で、2004年に比べ4%ほど増えている。自分で撮影した動画をブログやHOMPYに掲載して訪問者の反応をワクワクしながら待ったり、ネットで出会った友達のサイトにコメントを残したりすることで精神的に若返り、健康になったというシニアは一人二人ではないようだ。


 ソウルから南へ30分ほど離れた軍浦市(グンポ市)には「NO老クラブ」という70~80代が中心のインターネット同好会が活発な活動をしている。市が主催した情報化教室に参加した人達が中心となり、クラブのホームページを作って自由に書き込みしたり、次のオフ会ではどこに行こうかとチャットをしたり、子供向けにネット礼儀教室コンテンツを制作してみたり、忙しい毎日を送っている。


 NO老クラブに参加している78歳のおばあさんは「ネットを使うようになる前まではいつ死ぬんだろうか、病気にならず眠ったまま死ねるといい、そんなことばかり考えていて笑うこともなかった。でも今はネットであれこれ検索してみたり、シルバー同好会に加入して掲示板でやりとりをしながら気に入った人とデートもしてみたり、スカイプでアメリカにいる孫娘とビデオチャットもしてみたり、毎日があっという間に過ぎていくから困るわ~」と幸せそうだった。


 まだ韓国の60歳以上のネット人口は30%にならない程度で、日本よりも少ない。だがネットで得られる幸福指数はどの国に負けない。それは逆にデジタルデバイドより世代デバイドの方が怖いという裏返しかもしれないが、積極的に新しい人生を楽しむ姿に子供も孫も元気付けられる。若返りついでに、ネットで青年のふりをしているシニアもいるかもしれないと思わせるほどだ。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン

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http://pc.nikkeibp.co.jp/article/NPC/20070418/268573/

韓国のPC動向 ハイブリッドHDD採用ノートPC(2007年5月14日 掲載)

三星電子が韓で初めて投入


コア2デュオ搭載で23万円



 


【ソウル】世界で初めてハイブリッドHDD(ハドディスクドライブ)を公開した三星電子が4月23日、韓で初めてハイブリッドHDD内蔵PC(senseR55)を発売した。この製品に内蔵されたハイブリッドHDDは昨年、Windows連カンファレンスで表された「三星フラッシュオンMH-80」モデルの商用化バジョンで、存の磁ディスク基盤(80GBHDD)に256MBのNANDフラッシュメモリを内蔵し性能を高めた。Windowsの中核システムファイルを速度のHDDではなく、高速フラッシュメモリに記するため、HDDに比べて消費電力や安全性、音での優位性は高い。


 


 三星電子が販を開始した「senseR55」は80GBハイブリッドHDDとWindows Vista Home Premium、インテルのコア2デュオT5600(1.83GHz)を内蔵した。面サイズはWXGA LCD 15.4インチワイド。値段は180万ウォン台で約23万円だ。


 


 senseR55にはVistaの「レディドライブ(Ready Drive)」技術が適用されているため、ハイブリッドHDDの性能を十分に生かす。「レディドライブ」はハイブリッドHDDに内蔵されたフラッシュメモリのみ取り、書きみの臨時保存所として活用し、ディスク回転数を減らしバッテリの消耗を減らしてくれる機能だ。 三星電子は「自社テストの結果、フラッシュモド動作中はHDD対応に比べて3倍以上の外部衝でも損傷なく正常に動作した。小容量デタ(10MB)をむ際の速度は26%、書きみ速度は71%以上に高速化した」。また「ブティング速度も1分程度かかっていたのが約40秒にまで短縮し、HDD電力消費は32%減少し、寿命も10%以上加した」と性能の高さを明した。


 


 ハイブリッドHDDはメモリとシステム非メモリ(LSI)、ストレジ(保存装置)といった三星電子半導体事業の3大中核技術を結合させた製品で、昨年5月に試作品を公開していた。


 


 同社の半導体係者は「1億8000万台規模のノPCが販される09年には、2.5インチHDD市場の70%以上をハイブリッドHDDが占めるだろう」と予測している。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)


 


BCN This Week 2007年5月14日 vol.1186 載] Link 


 


 

韓国の携帯電話事情 補助金自由化で1円端末が復活(2007年5月7日 掲載)

WIPI搭載免除で海外メも流入か



 


 


【ソウル】加熱しすぎた競を抑えるため1999年に禁止された携電話補助金(日本では奨励金にあたる)が自由化される。従来は一定期間以上同じキャリアに加入しているユし、千円程度の補助金しか出せないよう情報通信部が細かくルルを決めていたが、5月からは補助金緩和、3月からは規制撤で完全自由化となる。日本の奨励金規制議論とはまったく逆の現象が起きている。



 この規制緩和とは別に、情報通信部は05年4月から携
電話端末に搭載が義務づけられている「WIPI」についても規制を緩和し、搭載を免除することにした。WIPIは韓国独自の技術で開された無線インタネット標準プラットフォムだ。


 


 韓の携電話加入者の多くは、携電話から無線インタネットにアクセスせず、音通話とSMS(ショトメッセジ)しか使わない。韓ではSMSがメルのようにキャリアに係なく送受信できるからだ。


 


 WIPI搭載が免除されれば、携電話端末は約20%ほど安くなる見み。特に加入者個人への端末購入補助金と販売奨励金が上せされれば、1円端末や無料端末が登場するようになる。


 


 KTFが発売したWIPIを搭載していない3G端末の値段は33万ウォン(約4万円)前後で、通常の3G端末に比べると10万ウォン(約1万3000円)以上安くなる。これにKTFは3G加入者にして30万ウォンほどの補助金と10万ウォンほどの奨励金を出している。これを合わせると、端末と手料はすべて無料になる。SKテレコムもKTFの低3G端末による市場攻略に抗し、無線インタネット機能を搭載しない超激安新機種を表する予定だ。


 


 ユにとっては端末が安くなるのはいいことだが、問題もある。WIPIという壁がなくなることによって海外メの低格端末が韓で流通しやすくなるのは避けられないからだ。


 


 また、WIPIを搭載していないというのは無線インタネットが使えない端末ということなので、キャリアの無線デタのり上げ大にもい影響をえる。


 


 HSDPA携はテレビ電話やグロバルロミングなどが付加入となるため、このような機能が使えない端末を販しても意味がないのではないかという議論もある。奨励金の自由化で格競だけがきした場合、WIPI搭載免除で削減された費用をそのままマケティング費用に回すことになり、キャリアにとっては何のメリットもないことになるかもしれない。それでも通信業は政府の規制ではなく市場の流れに任せるべきという意見が倒的に多い。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト) Link


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>22.今回のテーマ■モバイル放送(上)

モバイル放送の危機


商用化“世界初”の裏側は


 


 


 韓2005年5月1日、世界初で商用化したことを自慢にしていた衛星DMB(Digital Multimedia Broadcasting=衛星モバイル放送)の赤字が深刻な況になっている。衛星DMBのようなニュメディアが登場すれば、約3000億円の経済効果があると展望されていたのに、逆に280億円近い累積赤字を記している。衛星DMBの運者であるTUMedia社の負債比率は2045%、親社である最大キャリアのSKテレコムから見放されたらもう終わりという段階に差し掛かっている。



 衛星DMBだけでなくワンセグ、地上波DMBも事情は同じだ。800億円と予測された
経済効果は消え、100億円の赤字だけがっている。無料放送なので利用者をやして入を得ないとやっていけないが、対応端末が1500万台れても韓国独自の告事情からDMB事業者には全くお金が入ってこない。地上波放送局は通常の放送をそのまま地上波DMBに流せばいいので負担はないが、放送局でない三つのコンソシアムが問題だ。韓は中間告(番組の途中に入るCM)が禁止されている。告は番組の最初と最後、60分ごとに1回と法律で決まっている。DMBにしてはそれを緩和すると言いながらも、規制がいてきた。添付画像


 


 ケブルテレビにコンテンツを納品していたプロダクションやインタネット事業者らが集まったコンソシアムはコンテンツの制作にも相な資金を投入している。告でり上げを伸ばさないと益は上がらないのにそれを流せる時間に限りがあり、投資ばかりしなくてはならないとなれば経営が危なくなるのは然だ。なんとか赤字を逃れるため、デタ放送や付加サビスとして放送とショッピングを連動させたサビスに力を入れている。ドラマの主人公が着ている服をその場ですぐ買えるショッピングサビスのために放送局と芸能プロダクション、キャリアが提携し始めた。


 


 韓では携電話から衛星DMBを受信できるし、地下りながら衛星地上波モバイル放送を視できるというのが自慢だったのに、09年5月開通の地下9線以降はそれが見られなくなった。ギャップフィラ(電波のきにくい場所の受信特性を改善する装置)を設置するお金がもうないからだ。

(趙
章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年12月8日 vol.1263 載] Link