iPhone 4かサムスンGalaxy Sか、韓国中が激しく悩む

日本でもNTTドコモより発売されるとして話題のサムスン製Androidスマートフォン「Galaxy S」が6月、韓国で発売された。iPhoneを発売しているKTに対抗して、「Galaxy S」は最大手キャリアであるSKテレコムから発売された。LGテレコム向けにも発売するという。KTだけ除外された。

 7月末発売と予想されているiPhone 4にするか、今すぐGalaxy Sにするか、スマートフォン好きな韓国携帯電話ユーザーの間では「究極の選択」として「あなたならどっちを選ぶ?」という特集記事やTwitterの書き込みが増えている。



     販売店でGalaxySの使い方について説明を受ける購入客


 iPhone 4とGalaxy Sは6月8日、同じ日に製品発表を行っている。Galaxy S はAndroid 端末の中では最高スペックを持ち、世界100以上のキャリアから発売されることが決まっているだけに、アップルの一人勝ちを抑えられるスマートフォンとなるか、注目を浴びている。サムスンはGalaxy Sを「サムスンの携帯電話開発20年の技術が凝縮された傑作」、「スマートフォンの新しい使い方を体験できる」、「世界で毎月100万台、サムスン携帯電話初の1000万台販売突破を期待している」と宣伝していた。その自信を裏付けるかのように、Galaxy Sは韓国で既に10日で20万台が売れ、iPhone3GSの記録を更新している。


 薄さ9.3mm、重さ137g、ディスプレイ960×640ドット(326ppi)3.5インチHD LCD(iPhone 4)に対してGalaxy Sは9.9mm、121g、800×480ドット(233ppi)4インチSuper AMOLED。500万画素カメラに1GHzのCPUは共通している。バッテリーの持ち時間はほぼ同じである。薄さではiPhone 4が勝っているけどGalaxy Sの方が軽い、解像度はiPhone 4が高いがGalaxy Sのディスプレイがもう少し大きくて明るい。端末のスペックからいうとどっちもすごい。


 スマートフォンを選ぶカギとなるアプリケーションも魅力的だ。アップルのアプリケーションが豊富で面白いのは周知の通り。Galaxy SはAndroidマーケットのほかにもサムスンのアプリケーションストアであるSamsung Apps、SKテレコムのアプリケーションTストアも利用できる。iPhoneにはない地上波DMB(韓国のワンセグ)、Adobe Flash表示機能を搭載する。韓国のWebサイトはFlashがたくさん使われるため、iPhoneのSafariからは表示できないサイトが多く不満の種であった。またSDメモリーカードを使えばパソコンからスマートフォンへ簡単に音楽や動画ファイルを移せる。いちいちiTunesを使わないといけないiPhoneに比べ断然便利である。

さらに韓国型アプリケーションとしてサムスンは教育アプリに力を入れている。入試向け講義動画をスマートフォンから利用できる「Smart M Study」は韓国の有名予備校のほとんどが参加する教育コンテンツで、親が子供にスマートフォンを買ってあげたくなるきっかけを提供している。


 そのほかには拡張現実の位置情報「ARoo ARoo」、農水産物のトレーサビリティを照会できる「安全な食べ物」、顔の形でその人の性格や財運・恋愛運などを占う「顔認識観相」、最大手書店と提携した電子ブック、各地域の天気を映像で確認できる天気情報、ソウル市公式交通情報が追加された。


 「観相(クァンサン)」は韓国では手相のようにポピュラーな占いで、大手企業の面接では観相も採用に影響すると言われているせいか、「顔認識観相」はSamsung Appsの中でも人気上位を占めているという。


 さらに、サムスン電子の社員約8万8000人、SKテレコムの社員約2万5000人にはGalaxy Sが支給され、モバイルオフィスも始まる。社内決裁システムをスマートフォンから利用できるのはもちろん、FMCで社内では内線電話として、外では携帯電話として使える。業務を迅速に効率的に行おうとしている企業は多いので、それに対応できるGalaxy Sの法人需要は大きく伸びるだろう。これはiPhoneにはできない戦略である。


 SKテレコムもGalaxy S発売をきっかけに、フリーWi-Fiスポット拡大、モバイルVoIPとモバイルインターネット定額料金制開始、LTE(携帯電話事業者が2010年以降に導入することを目指している次世代通信システム)早期商用化を発表している。端末ベンダーとキャリアが足並みそろえてスマートフォンをより使いやすくしているという印象を受けた。


 7月末にiPhone 4が韓国で発売されてから本当の勝負が始まることになるが、世界で話題のiPhone 4にするか、それとも韓国向けアプリケーションが多くて簡単に音楽・動画ファイルを再生できるGalaxy Sにするか、本当に悩ましい。もう、両方買っちゃう?


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年7月15日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100715/1026168/

韓国を機能不全に陥れたサイバーテロ「7.7 DDoS大乱」から1年

ちょうど1年前の2009年7月7日から10日にかけて、韓国の政府サイトと銀行、大手ショッピングサイトなどがDDoS攻撃(特定のコンピューターを利用不可能にするため、大量のパケットを送りつけるなどして負荷をかける行為)を受け、社会的な大混乱に陥る事件が発生した。攻撃されたサイトには24~78時間ほどアクセスできず、金融取引ができなくなったことで大騒ぎになった。それだけでなくDDoS攻撃に利用されたゾンビパソコンのハードディスクが使えなくなるという被害も受けた(それまでのDDoS攻撃といえばほとんどが金銭目的で、脅していくらかの金銭を要求するぐらいのものだった)。

 このように社会的混乱を狙ったサイバーテロとしてのDDoS攻撃は初めてだったため、「7.7 DDoS大乱」は韓国社会に衝撃を与えた。誰が攻撃したのかは未だに明らかになっていない。


 あれから1年、DDoS攻撃は減るどころか、政府サイトや大手企業サイトでは毎日のように攻撃を受け防御を施すサイバー戦争を繰り広げているという。攻撃手法も多様になり、把握しきれないほどの巧妙化した悪性コードが出回っている。


 中国からの攻撃も増えている。6月にはアイドル歌手がきっかけとなりDDoS攻撃が発生したこともある。きっかけは、上海万博の韓国館で行われた韓流スター公演に中国ファンが殺到して人が下敷きになる事故だった。これを韓国側の問題だとして中国のコミュニティサイトで攻撃参加者を募集、DDoS攻撃ツールをダウンロードさせた。6月9日、韓国政府ポータルサイトkorea.go.krとアイドル歌手のファンサイトに対するDDoS攻撃が一斉に始まり、あっという間に約4800万件の書き込みをしてほかのユーザーがサイトを利用できないようにした。



韓国最大手通信事業者のKTは企業顧客向けにIP帯域でのDDoS攻撃をモニタリングし、異常トラフィックを遮断するサービスを提供している


このように、大量の人数が参加して特定サイトにアクセスしてリロードを繰り返すか書き込みを続けるという攻撃法もあるが、DDoS攻撃は一般的に「ゾンビパソコン」が使われる。スパムメールを使ってウイルスを送り込み、そのパソコンを操るため、知らないうちに攻撃に加わってしまう。もっと危ないのは、自分のPCがゾンビパソコンであることに気付かないまま、ずっと悪用されっぱなしになることである。韓国インターネット振興院によると、監視ネットワークで把握できるゾンビパソコンだけでも1日8万アドレスを超えているので、いつ大規模なDDoS攻撃が起きてもおかしくない状況だという。

ゾンビパソコンにならないよう、少しでも怪しいメールは絶対開かない、ウイルスチェックプログラムを利用する、といった基本的なことをネットユーザーに呼びかけ、企業でもDDoS対策を含めセキュリティのためにかなりの予算を韓国政府はつぎ込んできた。サイバーテロ対策としていろいろなシナリオを想定し、組織体制も整えてきた。しかし、DDoS攻撃はひどくなっている。メッセンジャー経由で友達の名前を詐称したり、自分が加入しているクレジットカード会社の明細に見せかけたり、スパムメールも区別が難しい場合が多い。しかし何よりも問題なのはセキュリティ意識。「ウイルスチェックプログラムをインストールしたからもう大丈夫!」と安心してアップデートもしない、ウイルス検査もしない、そういうユーザーがまだまだ多いからだ。


 そこで登場したのが「悪性プログラム拡散防止などに関する法律」という制度である。まだこれから国会で議論が進められる予定ではあるが、ISPがゾンビパソコンのインターネットアクセスを一時的に遮断することで攻撃を防ぐ、感染したパソコンより悪性コードを取り出せる、という内容が含まれることから「ゾンビPC法」とも呼ばれている。


 韓国では小中高校でもネチケット(ネット上のエチケットや個人情報保護教育)に続いてDDoSやサイバーテロに関する教育が始まっている。面白半分でハッキングやDDoS攻撃をしかける子供たちがいるからだ。それにデジタルネイティブの子供たちからセキュリティ意識を持ってもらうことが大事だからだ。しかし一方ではついに「どんなサイトでも攻撃できます」と宣伝するサイバー殺し屋まで登場する始末。お金を渡してライバルのショッピングサイトを攻撃させアクセスできないようにして自分のサイトにお客さんを集めたというニュースも目にするほどだ。


 終わることなく繰り返される攻撃に「ゾンビPC法」は果たして効果をあげられるだろうか。DDoS攻撃に悩まされているのは日本も同じ。韓国の事例からいいアイデアが生まれるかも。

趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年7月8日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100708/1025988/

副業として人気のビジネス、アイドルも例外じゃない?

老後のためにレストランやショップ、会社を経営する芸能人が増えてきた。ちょっと前までも芸能界を引退してから食堂を経営したり、ビジネスを立ち上げたりするか、自分の写真入り記念品やアジアの韓流ファンを狙ったお土産程度の品物を販売するショップが主流だったが、それが成長して今では本格的なデザインショップを運営するスターも登場した。芸能人グッズとは思えないクオリティーの高いアクセサリーやファッショングッズを自らデザインして販売するショップを持つのは、日本でも人気の高いジウ姫やイ・ビョンホンなど。特にジウ姫のデザインした靴は履きやすくてかわいいと評判が高い。

 最近韓国の芸能人の間では、もっと手軽な副業が人気を集めている。それはインターネット上にお店を持つことである。ショッピングモールに名前を貸すだけの人もいるが、自ら問屋に行って商品を買い付け、モデルとしてサイトに登場し、商品の説明も自ら書き込むなど、積極的に運営にかかわる人が増えている。主にファッションアイテムが多く、自分のお店で売る商品をテレビで着用して宣伝するなどしている。インターネットショッピングモールを運営する副業は特に20~30代の女性芸能人に多く、自分がデザインした商品を販売するケースも増えている。


 芸能人のインターネット副業ブームはアイドルグループも例外ではない。もちろん、本人達は忙しいので、事務所側が運営をバックアップし、利益をシェアする場合が多い。


 日本でも話題の女性アイドルグループ「KARA」が参加するショップ「KARAYA」は芸能人インターネットショッピングサイトの人気上位ランキングをいつも占めている。洋服が中心のファッションストアで、KARAのメンバーがモデルとして登場している。サイトの構成もショッピングだけでなく、KARAが出演する番組情報やKARAのメンバーが教えてくれるコーディネートアドバイスもあり、ちょっとしたファンサイトのようになっている。




実はKARAYAは某番組の企画で誕生したショップ。女性向けにインターネットショッピングモールを立ち上げる手続きや運営ノウハウを教えるという特集番組で、KARAが直接お手本となってインターネットにお店を作り、その過程をすべて番組で見せようということから始まったショップなのだ。


 KARAのメンバーが役所に行って事業者登録し、商品の写真を撮ってショッピングモールに掲載する方法などを体験する過程を番組にすることで、そのまま見て真似れば誰でもインターネットにお店が持てます、という企画だった。韓国の雑誌や新聞にも頻繁に取り上げられているせいか、KARAYAはオープンして間もないというのに1日の訪問者数は2万人を下らない。20代女性が気軽に着られるお手頃価格のものばかりで、売り上げが1日数千万ウォン規模もあるというからすごい。KARAのようにかわいくなりたいと願うファンの間では聖地のようなサイトになっているのだ。


 お笑い芸人もインターネットショッピングモール運営に乗り出していて、ビキニ水着専用ショップを運営したり、海外で買い付けた1点もののアクセサリーだけ扱うショップを運営したり、専門ショップで勝負するケースが多かった。ビキニを着た美人モデルの隣でおとぼけポーズで一緒に写真を撮り、それをショップの商品紹介の写真に使うことで笑いもとり商品も売るという戦略で話題になっている。


 テレビCMや雑誌広告で宣伝するお金のない中小企業のブランドは、知名度を上げるため芸能人ショップにわざと安く洋服を提供することもあるという。ショップ側としてもほかのショップより安く売れるのであればお客さんは喜んでくれるので、Win-Winというわけだ。


 しかし芸能人のお店だから売れるというプレミアムは最初の数カ月だけで、結局ほかのショップと同じように、価格や商品の品ぞろえ、配送の素早さが売り上げの決め手だという。芸能人インターネットショッピングモールはその人のファッションセンスをアピールする場にもなるので、下手に手を出すと「テレビではかわいくしているのに売り物はダサい」とネットに書きこまれ、好感度ががくっと落ちてしまうことすらある。


 芸能人に限らず、韓国では就職難から20~30代女性が就職をあきらめ自分でお店を持つケースが急増している。オフラインではなかなか売っていないビッグサイズ洋服専門店や1年中夏服しか売らない専門店で成功し、パソコン1台、カメラ1台で創業して今や億万長者という人も数人登場している。中には女子高生が高校生向けのファッションモールを立ち上げたところ大当たりしたケースもあった。韓国政府も「インターネット起業」に関する無料講座を全国各地で実施し、失業対策として取り組んでいる。


 最近はスマートフォンのアプリケーションとして利用できるショッピングモールが大人気で、芸能人ショップもほかのショップもみんなスマートフォンへと移行している。Twitterのようにソーシャルネットワークサイトと連動したショップも人気が高く、好きな芸能人をフォローしながらおそろいの服を着るファンがますます増えそうだ。

趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年7月1日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100630/1025841/

第3回 : 幼児の6割以上がインターネットを利用!ブロードバンド先進国―韓国

第3回 趙章恩(チョウ チャンウン)


幼児の6割以上がインターネットを利用!ブロードバンド先進国―韓国


主要先進国の景気回復が遅れるなか、アジア各国の成長は止まりません。中国や韓国、インドなど、まだまだ元気な国が多いのが実情です。知っているようで知らないアジアのコンテンツビジネス事情はどうなっているのでしょうか。第3回は、ブロードバンドが普及している韓国で人気の高いコンテンツを紹介します。


ブロードバンド革命で10代~30代の99%がネット利用者に


韓国では目が覚めた途端にスマートフォンから自分のBlogやTwitterを確認し、地下鉄の駅で配られる無料新聞に目を通して、会社に着いたら気になるニュースをポータルサイトからじっくり検索することから1日が始まります。


ニュースは新聞社のサイトではなく「NAVER.com」「DAUM.net」「NATE.com」の3大ポータルサイトから利用するのが定番となっています。ニュースをBlogやTwitterに転送するのも楽ですし、ほかのユーザーが記事の下に書きこんだ「デッグル」(コメント)が面白いからです。


インターネット実名制度により、会員登録したりコメントを書き込んだりするためには出生申告の時に付与される住民登録番号で個人認証を行わないといけません。誰が何をしたのか記録が残りますが、あまり気にすることなくみんな自由に書き込んでいます。一時期、実名制度に反対して海外サイトを利用するユーザーもいましたが、韓国も中国同様、Yahoo!やGoogleといった外資系サイトの利用率がとても低いのが特徴です。


1998年の経済危機から立ち直るため国を挙げて取り組んだブロードバンド革命により、世界のどの国よりもインターネットが早く普及した韓国。韓国インターネット振興院の「2009インターネット利用実態調査」によると、10~30代の99%がインターネット利用者で、国民の98%は携帯電話を持っています。3~5歳幼児のインターネット利用率も61.8%に至ります。子供の絵本や童謡も、紙やCDではなくパソコンとネットを経由して利用されているほどです。


生活のほぼすべてが情報化され、世界のテストベッドといわれるほど電子政府や医療情報化、デジタル教科書などあらゆる分野で最先端のサービスが提供されている韓国では、コンテンツサービスも世界に先駆けてブームになったものがたくさんあります.






韓国で人気のオンラインゲーム「アイオン」のプレイに最適化された高性能ノートパソコンまで登場した


ブロードバンドの普及をけん引したのは対戦型オンラインゲームでした。ネットワークを経由して見ず知らずのユーザーと対戦できる戦争ゲーム「スタークラフト」が大ヒットし、このゲームをより速い速度で楽しむためPCバン(ネットカフェ)に入り浸り、超高速インターネット加入者も急増したものです。


オンラインゲームブームは、ゲームの中に登場するアイテムを現金で売買できる仲介サイトまで登場させました。時間と手間を掛けてキャラクターを育てるより、早く魔法のアイテムを手に入れて勝ちたいというユーザーが増えてしまったからです。アイテム獲得を目的に個人情報を盗んで会員登録する犯罪グループまで登場し問題になったものです。またゲーム中毒も社会問題になり、今では政府が中毒予防教室を運営しているほどです。


動画サービスのネット配信も早く、1998年には既にテレビ局のドラマやバラエティー番組がネットに公開され、決まった時間にテレビの前に座らなくても、好きな番組を好きな時に見られるようになりました。


ドラマのNG場面や出演者のインタビューなどのおまけ動画も登場し、今テレビで流れている画面をそのままテレビ局のホームページから見られる「Onair」サービスもあります。無料だった「ダシボギ」(再放送)サービスは、2001年あたりから一話100円ほどに有料化されました。携帯電話を利用した小額決済が広く普及したことから、デジタルコンテンツの有料化も早く定着しました。2004年以降IPTV(ブロードバンドを利用してコンテンツを配信するサービス)が普及してからは、ダシボギはパソコンよりテレビとリモコンで利用するコンテンツとなりました。


次回は2010年韓国で話題のあのコンテンツをご紹介します。


By- 趙 章恩(チョウ チャンウン)

@nifty
ビジネス

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http://business.nifty.com/articles/asia/100706/








韓国デジタル教科書  デジタル教科書導入とビジネスチャンス


KDDI総 研特別研究員 趙章恩 チョウさん講演します。
韓国のデジタル教科書に関する全て??
何がどうなっていて、これからどうなるのか、デジタル教科書をめぐるビジネスチャンスについて、韓国を事例にお話しします。
有料セミナーなのでお気軽に来てくださいとは言えないのですが。。。お待ちしてます。


http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_10279.html


韓国デジタル教科書 最新ルポ
デジタル教科書導入とビジネスチャンス
~ソリューションビジネスはどうなる?~


セミナー要項
開催日時 2010年7月23日(金)午後2時30分~午後5時
会場 TKP品川カンファレンスセンター
東京都港区高輪3-13-1 TAKANAWA COURT3F
(03)5447-1201
受講料 1名につき 31,290円(税込)
備考:


重点講義内容
ITジャーナリスト
(株)KDDI総研 特別研究員
趙 章恩 (チョウ チャンウン)氏


 韓国では1997年よりデジタル教科書の企画が始まり、2002年より制度改善をはじめ開発に着手しました。2006年より全国の小学校でデジタル教科書の実証実験が始まり、2011年より小中学校でのデジタル教科書使用義務化が決定しています。
 デジタル教科書を導入するためには、教科書の電子化だけでなく、デジタル教科書向け端末、教室と学校のインフラや電子黒板などデジタル教科書で学習するためのデジタル環境、検索や参考資料として使える教育情報DBとの連動、教育行政のデジタル化、デジタル教科書を上手く活用できる教師の養成、保護者の理解などバッググラウンドを整えることも重要でした。韓国ではさらに、4Gモバイル環境でのスマートフォンやipadのようなタブレットパソコンを使ったデジタル教科書、リナックス基盤や現実拡張(AR)の教科書、デジタル教科書と連動する各種3D学習コンテンツの開発も進んでいます。
 これからデジタル教科書を導入する日本はどのようなことに気をつけるべきなのか、ビジネスチャンスはどこにあるのか、韓国の事例から学ぶべきことはたくさんあります。本講演では、韓国のデジタル教科書実証実験について、学校と担当教師、関連企業への取材による最新事情を写真で分かりやすく解説します。


1.2010年韓国のICT現況
2.デジタル教科書とは何か
3.韓国デジタル教科書の特徴
  端末、OS、プラットフォーム、UI、コンテンツ、学習方法
4.韓国デジタル教室
  ネットワーク、端末、電子黒板、
  デジタル教科書のための教育環境デジタル化現況
5.デジタル教科書を導入するまでの過程
  教育科学技術部(韓国文部省)の政策、教育情報・行政システム改善、
  教師・保護者対策
6.デジタル教科書授業様子・事例紹介
  学校内、学校外
7.デジタル教科書の効果
8.デジタル教科書関連企業戦略
9.2011年デジタル教科書義務化に向けた課題
10.デジタル教科書に最適な端末とは?
11.デジタル教科書と教育情報化の未来
   4G、AR、クラウドコンピューティング、端末ラインアップなど
12.質疑応答


※日本語での講演となります。


講師プロフィール
趙 章恩(チョウ チャンウン)氏
韓国ソウル生まれ。日本で高校を卒業、韓国に帰国し梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程、東京大学大学院学際情報学修士。KDDI総研特別研究員、NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。2000年4月創立された、韓日インターネットビジネス実務者団体「KJIBC(Korea Japan Internet Business Community)」会長。韓国IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「NIKKEI NET(日経新聞)」や「日経パソコン(日経BP)」、「日経エレクトロニクス」、「BCN」、「夕刊フジ」、「西日本新聞」、「デジタルコンテンツ白書」、韓国の「中央日報」や月刊誌「Media Future」等に寄稿。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。


【連載コラム】
日経新聞 NIKKEI NET IT先進国韓国の素顔
 http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx
日経PCオンライン Korea On The Web
http://pc.nikkeibp.co.jp/pc/column/cho/index.html

第2回: 世界のゲーム市場の5割が中国製に!?中国のSNS・チャット・ゲーム事情

主要先進国の景気回復が遅れるなか、アジア各国の成長は止まりません。中国や韓国、インドなど、まだまだ元気な国が多いのが実情です。知っているようで知らないアジアのコンテンツビジネス事情はどうなっているのでしょうか。第2回は、SNSやゲームなど中国で人気の高いコンテンツを紹介します。


4億人がチャットで人脈づくり


中国インターネット協会Internet Society of China(ISC)が集計しているWEBサイトアクセスランキングを見ると、圧倒的1位はポータルサイトの「百度(Baidu.com)」です。検索を中心にニュース、音楽、動画、コミュニティー、ユーザー同士の質問と答えで成り立つ知恵検索など、一通りのサービスを提供しています。


2位は、チャット・メッセンジャーサービスが目玉のポータルサイト「qqメッセンジャー(qq.com)」です。中国ネットユーザーの約97%が利用しているといわれています。一人のユーザーが複数のIDを登録できるといっても、4億IDを突破したというのはほかの国では考えられないような規模ではないでしょうか。


「関係」がものをいう国だけに、人脈を管理できるSNSやチャット・メッセンジャーの人気は高く、大学生専用や地域別、年齢別など、細分化されたサイトも人気が高くなっています。


qqメッセンジャーは海外に住む中国人もよく利用していて、中華コミュニティーの結束力を高める役割も果たしています。企業の顧客センターもIDを持っていて、チャット方式で苦情処理を行っているほどです。


中国からは海外のソーシャルネットワークサイトにはアクセスできないよう遮断されているため、日本で人気のTwitterは利用したくてもできません。しかしあの手この手を使って“つぶやく”人が増えていて、日本の女優のTwitterアカウントをフォローする中国ユーザーが一万人を超えた、なんていうことが話題になったりもしました。中国側が提供する“つぶやく”サイトとしては、共産党の機関紙である人民日報の「t.people.com.cn」があり、政治家も参加しています。









中国で第2位の人気を誇る「qqメッセンジャー」。
携帯電話からも利用でき、中国の若者の間でなくてはならないコミュニケーション手段となっている




中国政府の後押しで急成長するゲーム市場


3位は中国だけでなく、中華圏ユーザーをターゲットにしているポータルサイト「Sina.com.cn」です。ニュースやブログ、検索に力を入れていて、中国、香港、台湾、米国向けにサイトを分けて、それぞれに特化した初期画面を提供しています。


アクセスランキングでは6位ですが、ここ数年人気なのが動画投稿サイトの「youku.com」です。違法なものもありますが、中国で人気の高い韓国や日本のドラマ、映画、バラエティー番組の動画が見られることからアクセスが急増しています。百度をはじめ、ほかのポータルサイトも動画サービスに力を入れているため、合法な動画を増やすための競争が激化しています。youku.comは韓国の民放であるソウル放送と提携し、2010年から3年間200本の韓流ドラマをストリーミングサービスする予定です。インターネット専用ドラマの制作にも乗り出すようです。


中国で人気が高いコンテンツといえば、やはりオンラインゲームでしょう。中国は政府の文化産業支援政策に伴い、ゲーム市場に集中的な投資が行われています。12年には世界のゲーム市場の5割を占めるだろうと予測されているほどです。ユーザー数で見ると、韓国から輸入された対戦型オンラインRPGが主流ですが、輸入したゲームを中国語でサービスするだけにとどまらず、中国独自のゲーム制作にも力を入れるようになりました。


そのほかインターネットショッピング市場も毎年2倍近く増加していて、09年には約4兆円の規模に達しています。最も人気なのは中国のeBayとも呼ばれる「taobao.com」で、ユーザー数は約1億5000万人、日本の人口よりも多いではありませんか!


10年6月からは日本のYahoo!と提携し、日中でオークションに出品したり落札できたり、海外発送もできるようにする予定です。これをきっかけに日中のインターネットコンテンツサービスの相互進出も期待されているのです。


第3回は、韓国のコンテンツビジネス事情を紹介します。

By- 趙 章恩(チョウ チャンウン)

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http://business.nifty.com/articles/asia/100615/

韓国デジタル教科書  デジタル教科書導入とビジネスチャンス


KDDI総 研特別研究員 趙章恩 チョウさん講演します。
韓国のデジタル教科書に関する全て??
何がどうなっていて、これからどうなるのか、デジタル教科書をめぐるビジネスチャンスについて、韓国を事例にお話しします。
有料セミナーなのでお気軽に来てくださいとは言えないのですが。。。お待ちしてます。


http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_10279.html


韓国デジタル教科書 最新ルポ
デジタル教科書導入とビジネスチャンス
~ソリューションビジネスはどうなる?~


セミナー要項
開催日時 2010年7月23日(金)午後2時30分~午後5時
会場 TKP品川カンファレンスセンター
東京都港区高輪3-13-1 TAKANAWA COURT3F
(03)5447-1201
受講料 1名につき 31,290円(税込)
備考:


重点講義内容
ITジャーナリスト
(株)KDDI総研 特別研究員
趙 章恩 (チョウ チャンウン)氏


 韓国では1997年よりデジタル教科書の企画が始まり、2002年より制度改善をはじめ開発に着手しました。2006年より全国の小学校でデジタル教科書の実証実験が始まり、2011年より小中学校でのデジタル教科書使用義務化が決定しています。
 デジタル教科書を導入するためには、教科書の電子化だけでなく、デジタル教科書向け端末、教室と学校のインフラや電子黒板などデジタル教科書で学習するためのデジタル環境、検索や参考資料として使える教育情報DBとの連動、教育行政のデジタル化、デジタル教科書を上手く活用できる教師の養成、保護者の理解などバッググラウンドを整えることも重要でした。韓国ではさらに、4Gモバイル環境でのスマートフォンやipadのようなタブレットパソコンを使ったデジタル教科書、リナックス基盤や現実拡張(AR)の教科書、デジタル教科書と連動する各種3D学習コンテンツの開発も進んでいます。
 これからデジタル教科書を導入する日本はどのようなことに気をつけるべきなのか、ビジネスチャンスはどこにあるのか、韓国の事例から学ぶべきことはたくさんあります。本講演では、韓国のデジタル教科書実証実験について、学校と担当教師、関連企業への取材による最新事情を写真で分かりやすく解説します。


1.2010年韓国のICT現況
2.デジタル教科書とは何か
3.韓国デジタル教科書の特徴
  端末、OS、プラットフォーム、UI、コンテンツ、学習方法
4.韓国デジタル教室
  ネットワーク、端末、電子黒板、
  デジタル教科書のための教育環境デジタル化現況
5.デジタル教科書を導入するまでの過程
  教育科学技術部(韓国文部省)の政策、教育情報・行政システム改善、
  教師・保護者対策
6.デジタル教科書授業様子・事例紹介
  学校内、学校外
7.デジタル教科書の効果
8.デジタル教科書関連企業戦略
9.2011年デジタル教科書義務化に向けた課題
10.デジタル教科書に最適な端末とは?
11.デジタル教科書と教育情報化の未来
   4G、AR、クラウドコンピューティング、端末ラインアップなど
12.質疑応答


※日本語での講演となります。


講師プロフィール
趙 章恩(チョウ チャンウン)氏
韓国ソウル生まれ。日本で高校を卒業、韓国に帰国し梨花女子大学卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程、東京大学大学院学際情報学修士。KDDI総研特別研究員、NPOアジアITビジネス研究会顧問。韓日政府機関の委託調査(デジタルコンテンツ動向・電子政府動向・IT政策動向)、韓国IT視察コーディネートを行っている「J&J NETWORK」の共同代表。2000年4月創立された、韓日インターネットビジネス実務者団体「KJIBC(Korea Japan Internet Business Community)」会長。韓国IT情報専門家として、数々の講演やセミナー、フォーラムに講師として参加。日刊紙や雑誌の寄稿も多く、「NIKKEI NET(日経新聞)」や「日経パソコン(日経BP)」、「日経エレクトロニクス」、「BCN」、「夕刊フジ」、「西日本新聞」、「デジタルコンテンツ白書」、韓国の「中央日報」や月刊誌「Media Future」等に寄稿。韓国・アジアのIT事情を、日本と比較しながら分かりやすく提供している。


【連載コラム】
日経新聞 NIKKEI NET IT先進国韓国の素顔 http://it.nikkei.co.jp/internet/column/korea.aspx
日経PCオンライン Korea On The Web http://pc.nikkeibp.co.jp/pc/column/cho/index.html

つぶやき効果、いつまで? 政府も国民もTwitterにはまりすぎ

韓国がワールドカップ2010のベスト16に進出した。朝3時からの試合中継だというのに街角応援の熱気は相変わらずすごかった。次の日は学生も先生も会社員も主婦も、みんな朦朧としながらサッカーの話で盛り上がっていた。何かに夢中になると瞬時に、一気に盛り上がる熱血民族らしい光景としか言いようがない。

 ベスト16進出をさらに盛り上げてくれたのはブブゼラではなくTwitter。南アフリカ現地入りしたサポーターから街角応援している人、海外に住んでいる留学生、会社で残業している人、有名芸能人や政治家に至るまで、全世界の韓国人がTwitterを通じて一心に応援した。


 パク・チソンをはじめ代表選手らも、サムスンが運営している2010ワールドカップキャンペーンTwitterに「ベスト16の奇跡のために、必ず勝利します」と意気込みをつぶやいていた。試合を見ながら、応援しながら、つぶやきながら、フォローしながら、夜食を食べながら、本当に忙しい観戦となった。街角応援に参加できなくても、Twitterのつぶやきと写真を見ているだけで一緒に熱くなれる。マスコミのニュースより、スマートフォンを使ってリアルタイムで伝わる生々しいつぶやきの方が断然効果があった。そのせいか、スポーツ新聞社はこぞってTwitterのアカウントを持つようになっている。




サムスンのワールドカップキャンペーンTwitterにはパク・チソン選手もつぶやいている


韓国のTwitter利用者は約60万人、Twitterを訪問した人は5月だけで281万人といわれている。実名制のない海外サイトなので正確な利用者数は把握できていないが、スマートフォン普及との相乗効果で、実際には全国民がTwitterにはまっているような盛り上がりようである。


 韓国は1998年からブロードバンドが広く普及し始めた。ネット普及が7割を超えたあたりから、海外のサイトではなく国内企業のサイトが根強く人気を集めてきた。GoogleよりNAVER、FacebookよりもCyworldと、海外サイトは韓国では全くといっていいほどシェアが取れなかった。なのに、Twitterだけは例外である。同じようなつぶやきサイトは韓国にもたくさんある。しかしユーザーのほとんどはTwitterに集まる。既にみんながそこにいるからだ。


 手術中に輸血する血液が足りなくなった患者のために、家族が助けを求めてTwitterでつぶやいたところ、見ず知らずの人が次から次へと献血にやってきたり、白血病の子供がある俳優のファンだとつぶやいたら、1日でその俳優から連絡が来たり、「友達の友達はみんな友達」という公式がTwitterの中で成立している。

Twitterは6月2日に行われた地方選挙でも効果を発揮した。Twitterを利用した選挙運動は禁止されていたが、20代を中心に投票しに行く姿を撮影した写真をTwitterに載せて「投票認証」するのが流行り、投票率がなんと歴代2位の54.5%を記録したのだ。


 この後から政治家はもちろん、大統領官邸やソウル市など中央政府機関もTwitterに公式アカウントを持つようになった。


 ソウル市は市と市民が気軽に意見を言い合える場にしたいとし、文化、交通、生活情報など9つのIDに分けてTwitterを運営している。日本では行政が地域SNSを立ち上げて住民の意見をくみ取ろうとするが結局人が集まらず失敗したという話をよく聞く。それに比べ韓国の中央政府や行政機関は、時代の流れを上手くキャッチして、お金をかけず行政と国民が近づくきっかけを作っているようにみえる。国民ともっと気軽に意見を言い合える関係にしたいと、大統領官邸は、Twitterをはじめ韓国企業が運営する、シンプルで誰でもすぐ利用できるつぶやきサイトに参加している。こういうつぶやきサイトを利用して、ソウル市も、市民と気軽に長期的にコミュニケーションするのを目標としている。


 当然のことながら、企業はTwitter活用に積極的だ。ブログの対応に遅れて辛酸をなめた大手企業ほどTwitterに熱を上げる傾向があるようにみえる。去年までブログを中心に行われていた体験モニターや懸賞イベントが、今はほとんどがTwitterに移行し、スマートフォンからリアルタイムで参加することを前提にしている。Twitterはブログよりも口コミが広がるのが速く、携帯電話のショートメッセージやメッセンジャーよりも広範囲に伝わる効果があるからだ。


 それにしてもブログからTwitterへ移り変わるのが早すぎて、ついていけそうにない。何か一つブームになるとあっという間に燃え上がり、またあっという間に炎が消える。熱しやすくて冷めやすい韓国で、このTwitterブームも寿命がそんな長くはないと思うが、今のところはとにかくすごいとしかいいようがない。


 大手企業の社長も自分の日常をつぶやき、新製品の発表もTwitter中心だ。フォロワーと直接会って食事をしたりする政治家や芸能人もいる。何でもかんでもTwitterでつぶやくのがかっこよくて、ちょっとしたつぶやきに敏感に、いや過剰に反応する政府と企業の姿に「やりすぎじゃない?」と感じるのは私だけのようだ。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年6月24日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100623/1025698/



iPhone 4のデザインは韓国の“あるもの”のパクり?

ワールドカップで盛り上がっている韓国では、雨にもかかわらず12日のギリシャ戦ではソウル市役所前の広場に4万8000人、江南のCOEX展示場周辺に5万人、そのほか主な駅前広場に数千人ずつ集まった。ソウルだけでも20万人以上の人が街角応援に参加。家族や友達を呼んで家で応援する人も多く、ゴールの度にベランダ越しにあちこちの家から歓声が聞こえるので、サッカーに興味がない人でも気になってしょうがないだろう。韓国では夜食として出前でビールとフライドチキン1羽を注文することが多い。韓国戦のある日は注文が殺到して、何軒もお店に電話しても断られてしまったというTwitterのつぶやきも多かった。



「えごまの缶詰」の会社のWebサイト。よく見ると、確かに缶の形がiPhoneに似ているような…


つぶやき、といえば、最近ワールドカップに負けないほどネタになっているのがiPhone 4。予約開始で日本でも話題が絶えないと思う。韓国では7月に発売予定である。それでもアメリカや日本に住む友達に頼んで予約を入れるほど、1日でも早くと端末を手にしたアーリーアダプターでここはあふれている。

 そんな中、韓国ではiPhone 4と並んである商品が目下キーワード検索上位を占めている。それはなんと「えごまの缶詰」。えごまの葉っぱを一枚一枚蒸して、唐辛子とにんにく、ねぎ、醤油などに漬け込んだえごまキムチの缶詰である。焼肉を食べるときサンチュと一緒に出てくるあのえごま!日本人観光客のお土産としても人気があるあのえごま!なぜえごまの缶詰とiPhone 4がセットでキーワード検索上位を占めているのだろうか。


 6月9日、「iPhone 4のデザインって、えごまの缶詰に似てない?」というTwitterのつぶやきが発端だ。みんなが次々に「そういえば、サイズといい形といい似ている」、「そういえば、グリップ感が似てそう」などと盛り上がり、それがあちこちのブログやソーシャルネットワークを経由して一気に広まった。比較写真が登場し、スティーブン・ジョブスがえごまの缶詰を誇らしく手にしている合成写真まで出回り、愉快な騒動に発展したのだ。


 通常、缶詰といえばシーチキンのように丸いか、スパムのように四角で大きいかのどっちか。えごまの缶詰は縦に長い四角で薄い。iPhone 4と並べた写真をみるとなんとなくそれっぽいのだ。その調子で比べるなら、さばの味噌煮とか、さんまの蒲焼とか、100円ショップで売っているようなおかずの缶詰とも似ているけど。


 面白いのはここから。えごまの缶詰を製造している食品会社が喜んで、11日、早速イベントを始めたのだ。えごまの缶詰と一緒に撮った写真を自社のホームページに投稿すると、抽選で一人にiPhone 4を、100人に自社の缶詰セットをプレゼントする。普通企業のイベントは企画から実行までかなりの時間をかけて仕込むものだが、さすが「パリパリ(早く早く)」が身についた韓国企業。ネットの盛り上がりが頂点に達しているところ、イベントを仕掛けたのだ。食品会社の人は、「えごまの缶詰なんてキャンプか登山用、留学生や海外観光客がお手ごろな韓国の味を求めて買っていくぐらいだったのが、ここまで注目されてうれしい!」と素直に喜んでいる。


 ネットとリアルの連携が密接なのも韓国らしいが、フィーバーをすかさず自分のものにしてしまう食品会社のしたたかさもたまげたものだ。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年6月18日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100617/1025568/

熱気ムンムン、W杯もスマートフォンもヒートアップする韓国

「Again2002!」韓国は今年もワールドカップの街角応援準備で大忙し。ソウルではどこを歩いても赤い悪魔(公式サポーター)のTシャツを着た人や、ワールドカップを応援する企業広告に出会う。赤いTシャツや国旗をリフォームした若いお姉さん達のへそ出しルックも、ワールドカップ期間中はあまりとがめられない。企業が運営する真っ赤な応援ブースが街のあちこちに作られ、代表選手らへのメッセージで埋め尽くされている。携帯キャリアによる独自の動画サービスとして、携帯電話で見られる試合中継も決まり、後は開幕を待つのみといったところである。

 しかし、今年の夏はワールドカップに負けず熱く盛り上がっていることがある。それはスマートフォンとiPad向けのアプリケーション。「アプリ長者」の神話はまだ続いていて、学生も社会人も、話しのネタは「どこそこのアプリケーションがもうかっているらしい」、「どこそこの会社がアプリケーション市場に新しく参入した」ということばかり。スマートフォンといううずまきに全国民が巻き込まれていて、それはもう、とりつかれたような盛り上がりなのだ。ワールドカップの応援だって、スマートフォンのアプリとして応援歌が登録され、Twitterやマイクロブログを使って街角応援の日程を決めている。



スマートフォンのワールドカップ応援アプリ

 スマートフォンが生活に本格的に根付き始めた今日この頃、キャリアが中心となってぽつぽつ開催されていたアプリケーション制作教育を政府機関がまとめて無料で実施し、創作を支援するという制度が始まった。中小企業庁が音頭を取ってキャリアとベンダー、大学を集めて「アプリケーション創作支援協議会」を結成し、キャリアや携帯電話端末会社が個別に実施していた開発者向け教育をまとめて全国の大学で行うことにしたのだ(大学10校と産業振興院合わせて11機関がアプリケーション創作センターに指定された)。ここにはなんと“韓国の東大”、国立ソウル大学も含まれている。


 Android、iPhone OS、Windows Mobileだけでなく、サムスンのOSであるBADA向けアプリケーション開発教育も実施される。第1回には700人を募集し、基本教育120時間、OS別に分けて15時間の講義を行う。誰でも参加可能というわけではなく、C言語やJavaなどのプログラミングをある程度は知っている人が対象となる。地域住民が参加する「アプリケーション創作サークル」の育成も支援するというから面白い。


その昔、90年代後半のIMF経済危機でリストラされた人たちがPCバン(ネットカフェ)をオープンしてブロードバンドとオンラインゲーム普及に大きく貢献したように、今度は就職難の若い人達を個人のアプリケーションデベロッパーに育てて、スマートフォンやiPadのようなタブレットPC、WebTVなどの端末市場はもちろん、モバイル市場活性化と競争力を強化するのが狙い。


 また、ソウル市も通信事業最大手のKTと提携し、ソウル市が持つ公共DBを応用して誰もがアプリケーションを開発できるよう支援している。このアプリケーションさえあればソウルでの生活が楽しくなるといった内容のPRもしていて、優秀なアプリケーションを積極的に支援していくとしている。ソウル市の3カ所にアプリケーション開発センターをオープンし、OS別スマートフォンやテストサーバー、Appleのノートパソコンを利用できるようにするという。海外のアプリケーションストアに登録する前のテストも行い、海外進出もサポートしてくれるという。


 中央省庁の文化体育観光部と行政安全部は6月14日より政府主催のアプリケーション公募を始める。公共DBを応用したアプリケーションも審査対象となるため、自治体にも公共DBをアプリケーション向けに公開するよう呼びかけている。プログラミングは分からないけど、こういうアプリケーションがあるといいといった企画だけの応募も受け付けているので、主婦や中高生の参加も期待される。賞金総額は日本円で1000万円ほど、ホームページ(www.koreaapps.or.kr)で公開して宣伝もしてくれる。





アプリ公募を受け付ける政府の
Webサイト

政府主導でアプリケーション開発を支援し、世界を舞台にしたアプリケーション販売で利益を上げられるようにすれば、韓国のモバイル競争力も高まり同時に就職難も解決!めでたしめでたしというわけだが、そう上手くいくものかな? アプリケーションって技術よりもアイデア勝負だったりするので、プログラミングの腕よりは「ひらめき」の方が大事なのではないだろうか。そういう「ひらめき」って大学の無料講座を履修しただけでぽんぽんわき出るようなものでもないし、結局予算の無駄使いになったりして。


 筆者の懸念をよそに、デベロッパーを目指す大学生の間では「Appleのパソコンを持っていないとApple向けのアプリ開発は難しいので高いパソコンを使えるようにしてくれるのは助かる」、「サムスンのBADA向けにもApple向けにもアプリを開発できるように学校の中で教えてくれるので時間の節約になる」と好評のようだ。


 ワールドカップの応援にアプリケーションブームに、韓国の6月は熱気ムンムンです。

(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年6月10日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100609/1025444/