タブレットPCの買い時はまだ遠い? それでも準備急ぐ韓国(前編)~アーリーアダプターは飛びつくか

2010年9月3日、ドイツで開催されたヨーロッパ最大規模の家電展示会「IFA2010」でサムスン電子が初のタブレットパソコンである「Galaxy Tab」を公開した。サムスンが「2010年末までに世界市場で100万台以上売りたい」とする自信満々の端末である。

 iPhoneキラーとして大ヒットが期待される「Galaxy Tab」は、日本でも発売予定の「Galaxy S」3個分ほどの大きさ(7型)。iPadに対抗してスーツのポケットにも入るほど小さく軽く、携帯性と移動性を優先する。カメラ付きでテレビ電話や音声通話もできるスマートフォンのようなパソコンであることを強調している。




サムスン初のタブレットパソコン「Galaxy Tab」

WebサイトのデザインにFlashを使うのが大好きな韓国では、iPhoneやiPadではサイトが表示されなかったり、ログインできなかったりという問題があったが、「Galaxy Tab」にはFlash表示機能があるので、どんなサイトでもすいすい見られるようになった。地上派DMB(ワンセグ)でテレビも見られるので、会社でも「昨日あのドラマ見た~?」が挨拶代わりのドラマ好きの韓国人にはぴったりかもしれない。


 韓国ではSKテレコムより9月中には発売される予定で、スマートフォンよりは高い。ただし約定加入すれば補助金がもらえるのでそれほど負担にならないという。


 「よりパソコンに近い」のがiPadで、より「スマートフォンに近い」のが「Galaxy Tab」と国内では説明している。アップルに比べてアプリケーションが少ない、バッテリーの持ちがiPadより短いといった点もあるが、ビジネス用途にタブレットPCを使う人も増えていることから、やはり携帯性の高い7型の需要が伸びるのでは?という見方もある。




 「Galaxy Tab」が公開されたことで、ついにサムスンとアップルの真剣勝負が始まったと世界的に注目を集めているようだ。年末商戦に向けてHPやDell、グーグルもタブレットPCを発売するとしているので、「アップル対その他大勢」の競争になる可能性もある。





IFA2010で公開されたGalaxy Tab


 「Galaxy Tab」は韓国でも今年の春から「S-Pad」というプロジェクトで期待を集めていたタブレットPCだけに、マスコミでは大々的に「Galaxy Tab」の機能を動画で見せ、どれぐらい売れるだろうかと人々の予測が飛び交っている。携帯電話、MP3プレーヤー、テレビ、パソコンなどを開発してきた総合メーカーとして、ユーザーのメディア利用形態のパターンや近年の変化を熟知するサムスンの自信作であることからも注目せずにはいられない。同社はさらに、2011年からは多様なサイズのタブレットPCを発売するとしている。


 先にサムスンとKTの国産タブレットPCを売ってしまおうという戦略なのだろうか、韓国ではまだiPadの正式発売が決まらない。ネットでは「Galaxy Tabもいいけど、それより早くiPad発売して! iPadと比べようがない!」、「なんで韓国だけiPad発売してくれないの?」という不満を書き込む人がどんどん増えている。KTのタブレットPC以外は発売も未定でニュースや宣伝ばかりなので、アーリーアダプター(誰よりも早く新製品を使いたがる人)で自慢したがりの韓国人はいらいらしている。



 韓国のデジタルデイリーに面白い記事があった。台湾の携帯端末メーカーであるHTCの製品修理を担当するTGSという会社が2010年8月、利用者1008人を対象にタブレットPCについてアンケート調査を行ったところ、「タブレットPCはスマートフォンのように売れると思いますか?」という質問に対して64.3%が「そう思わない」と否定的な見方を示したことである。


「売れる」と答えた人は28.2%、「分からない」と答えた人は7.5%だった。「タブレットPCを買いたいですか?」という質問に対しても「はい」は43.8%、「スマートフォンだけで十分」という人が37.1%だった。「購入しない」と答えた人は19.1%だった。「現在のスマートフォンに満足していますか?」という質問には67.3%が「満足」と答えている。


 韓国の家庭内パソコン普及率は9割ほどで、会社でも社員1人パソコン1台が当たり前、学校でも先生1人パソコン1台どころか2台ぐらいは置いてある。そのせいか、あとはスマートフォンで十分と考えるユーザーが多く、タブレットPCが売れるようになるまでには時間がかかりそうだ。


 2009年11月、世界より2年半遅れてiPhoneが韓国で発売されたとき、スマートフォンは2010年末まで多くて100万台ほど売れるだろうと予測されていたが、既に400万台規模の市場に成長した。タブレットPCも発売直後からあっという間に普及するのではないかと期待されていただけに、ユーザーのこのような反応は意外だった。


 タブレットPC記事に対するコメントなどを見ていると、インターネットを使いたい、映画が見たい、電子書籍が読みたい、という理由でタブレットPCを購入するよりも、新しい端末を体験してみたいから、世界でブームになっているから、といった理由の方が多いように感じた。(後編に続く)



趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年9月9日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100909/1027377/

月刊Journalism10月号特集- T・G・I・F! 韓国はいまスマートフォン革命まっただ中

■月刊Journalism


【10月号のご案内】
Journalism10月号特集は「大学とジャーナリスト教育」


特集は「大学とジャーナリスト教育」。メディア激変期のジャーナリスト教育のあり方を問い直す。慶應・上智・早稲田教授座談会「今、大学は何を教えるべきか?」、「慶大メディアコムの成果と課題」、「現役記者が大学で教える調査報道の方法」、「米国大学のオンライン・ジャーナリスト教育」ほか。「新聞記者のための動画撮影講座」なども掲載。



2010年10月号の内容(目次)






特集 大学とジャーナリスト教育


◎[慶應・上智・早稲田教授座談会]
メディアは揺らぎ、学生は変わる 今、大学は何を教えるべきか?

大石 裕(慶應義塾大学教授)・音 好宏(上智大学教授)・瀬川 至朗(早稲田大学大学院教授)/司会 野村 彰男(朝日新聞社ジャーナリスト学校長))
◎就職と研究の両立をめざす慶應「メディアコム」の教育内容
大石 裕(慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所所長)
◎大学と記者のコラボで調査報道 早大大学院ジャーナリズムコース
澤 康臣(共同通信外信部記者)
◎「科学技術コミュニケーター」の役割 北大CoSTEPの成果と今後
杉山 滋郎(北海道大学理学研究院教授)
◎ビジネス教育の手法から見えた、新たなジャーナリスト教育の方向
藤代 裕之(ジャーナリスト/学習院大学非常勤講師)
◎世界中いつ、どこでも学べる 白熱のオンライン・ジャーナリズム講座
[ミズーリ大学とポインター・インスティテュートの場合]

松下 佳世(朝日新聞社ジャーナリスト学校主任研究員)

[新聞記者のための動画撮影講座]第1回〈企画から撮影〉


新聞記事をウェブ・ニュース映像にする

奥村 信幸(立命館大学産業社会学部准教授)

海外メディア報告


T・G・I・F! 韓国はいまスマートフォン革命まっただ中

趙 章恩(ITジャーナリスト)

メディア・リポート
※アサヒ・コムで記事がお読みいただけます。記事一覧はこちら>>
新聞


報道から一歩踏み出す「新聞力」が世の中を変える

服部 孝司(神戸新聞社取締役地域事業本部長)

放送


映画「ザ・コーヴ」は文化衝突の問題なのか?

金平 茂紀(TBSテレビ執行役員=報道局担当)

ネット


ヤフーとグーグルの提携で懸念される情報への自由なアクセス

藤代 裕之(ジャーナリスト/学習院大学非常勤講師)

出版


不況とデジタル時代の中で元気な「最寄りの書店」の共通点

星野 渉(文化通信社取締役編集長/東洋大学非常勤講師)

カラーグラビア


カンザスシティのホームレス・シェルター

山口 元(写真家)

ジャーナリズムの名言
別府 三奈子
[朝日新聞全国世論調査詳報]
◎2010年8月名古屋市民意識調査
◎2010年8月定例RDD調査


Link
http://www.asahi.com/shimbun/jschool/report/1010.html

韓国のタブレットPC競争、KTが「iPadより軽い」テレビ付きタブレット発売で拍車

 iPadの正式発売が未だ決まらない韓国。それでも新し物好きで自慢したがりの韓国人だけに、個人輸入でiPadを使っている人が数千人を超えると言われているほどである。


 iPadを早く使いたくてユーザーがうずうずする中、一足先に国内メーカーがAndroid OSを搭載したタブレットパソコンを発売すると発表。8月30日と31日、立て続けに、通信最大手KTが7型タブレット「IDENTITY TAB」を、ナビゲーションシステムや電子辞書などの電子端末メーカーであるi-STATIONが7型3Dタブレット「Z3D」と5型のミニタブレット「Buddy」と「Dude」を公開した。


 メーカーはタブレットPCの主なユーザーを外回りの多いビジネスマンと受験生とに想定している。教育熱が高く大学入試にすべてをかける韓国では、受験対策として、教育放送が無料で提供する動画を見るために、携帯型動画再生端末やネットブック、スマートフォンが売れるからだ。Eラーニングが広く浸透しているこの国ならではの事情もタブレットPCの普及に影響を与えそうだ。


 またスマートフォンの急速な普及により、立派なパソコンを買うよりもスマートフォン+タブレットPCの組み合わせが理想的と考える人が増えてきた。さらに、韓国では2013年からタブレット型のデジタル教科書を全国の学校へ導入するとしているだけに、タブレットPCによってどこよりも早く「子ども1人に1台」の普及も期待される。デジタル教科書としての表現力を高めるため、タブレットから3Dや拡張現実(AR)を表示できることも重要になっている。


 その上、IPTVの次に話題をさらうスマートTVとスマートフォン、タブレットPC、情報家電の連動によるマルチスクリーン戦略も今後の重要なビジネスモデルと考えられるため、メーカーにとってその間をつなぐタブレットPCの市場先制とシェア獲得は急務と言える。


 KTの「IDENTITY TAB」はAndroid 2.1、7型TFT LCD、重さ450g。静電式タッチパネル、1GHzのCPU、8GBの内蔵メモリー、外付けSDカード、地上波DMB(ワンセグ)、300万画素カメラ、SNSと電子書籍リーダー、文書編集機能を備える。バッテリーの持ち時間は動画連続再生3時間30分、連続待機時間72時間。多様なファイル形式の動画を再生できるコーデックを搭載することで、マルチメディア利用に特化した。iPadより小さく、軽く、安くすることで差別化している。




KTが発表した「IDENTITY TAB」

「IDENTITY TAB」の特徴は、Wibro(モバイルWiMAX)使い放題料金プラン(月額約2000円)に24カ月約定加入すれば、無料で端末をもらえることである。この料金プランに加入すればWi-Fiも無料で使え、Wibroの信号をWi-Fiに変える「Egg」という手のひらサイズのモデムももらえる。約定なしの場合、約3万8000円で購入する。

ナビゲーションや受験勉強用として高校生に人気の高い動画再生端末を製造するi-STATIONは、同社「Z3D」が世界初の3DタブレットPCだと宣伝する。偏光3Dパネルを搭載しており、専用のメガネが必要だ。Android 2.1、7型TFT LCD、16GBのモデルは約3万円、32GBモデルは約4万6000円で販売する。2011年にはメガネなしで3Dが見られるタブレットを発売するという。

 「Buddy」は学習用タブレットとして企画されたもので、約2万2000円と値段を安く抑えた。5型TFT LCD画面で持ち運びやすくし、電子辞書、教育放送の動画をダイレクトにダウンロードできる。「Dude」はマルチメディア機能に重点を置いたタブレットで、5型、ワンセグ、300万画素カメラ、GPSを搭載する。


 この春から注目されていたサムスン電子のAndroid 2.2、7型タブレット「Galaxy Tab」は今秋ドイツで開催するコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA 2010」で公開され、アメリカで先行販売されるという。iPadにはないテレビ電話機能付きが特徴である。LGも「OPTIMUS PAD」をIFA 2010で公開して、年内に韓国で発売するとしている。KTの「IDENTITY TAB」に対抗して、9月中にはSKテレコムから「Galaxy Tab」が発売されるというので、スマートフォンに続いてキャリアのタブレットPC競争も激しくなりそうだ。


 端末の普及のためには仕様や価格と同じぐらいモバイルインターネットとコンテンツも重要である。韓国では全地下鉄駅内でWi-Fiが使えるようにし、フリースポットも増やしている。KTもサムスンもこれからはタブレット向けコンテンツに力を入れるとして、動画ストリーミング、電子ブック、スマートフォン向けアプリケーションとの連動を強調する。特に教育コンテンツは大事で、有名な塾や講師の動画を独占提供することでタブレットの売れ行きが違ってくるとも見られている。


 しかし韓国ユーザーの間では、9.7型のiPadの方が見やすく、動画再生時間も韓国産の3倍を超える10~12時間でバッテリーの持ちがいい、2万件以上のアプリを利用できる、といったことから、今すぐ韓国メーカーのタブレットを買うより、iPadの発売を待った方がいいという意見もある。携帯電話端末メーカーやMP3プレーヤーメーカー、ノートPCメーカーの相次ぐタブレットPC発売の発表で、本格的なタブレットPC競争は2010年の年末になると見込まれている。

趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年9月2日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100902/1027250/

また、趙さんセミナーに来てください!! 日韓部品素材産業セミナー GP JAPAN 2010


昨日、銀座で毛皮のついたコートを着ている人を見かけました。
そ、そんなに寒い?
ソウルに比べるととても暑くて、私は半そでで歩いていたのに。。。


それで、またまたセミナー告知です。


韓国企業の展示会も見れる無料のセミナーです。
http://www.kotra.or.jp/buhinten2010/seminar/index.html


日  時 2010年10月14日(木) 10:10 ~ 14:00、15日(金) 10:20 ~ 11:20
場  所 東京ビッグサイト 東1ホール 「2010韓国部品産業展」内 特別セミナー会場
主  催 KOTRA(大韓貿易投資振興公社)
内 容
10月14日(木)
10:10 ~ 11:00 韓国IT産業の最新動向
KDDI総研
チョウ・ジャンウン特別研究員 → ジャンウン。。。^0^


韓国IT産業の最新動向
危機を期待へ変えたスマート・コリア
韓国に学ぶICT融合ビジネス戦略


という、長いタイトルをつけようかどうか悩んでいる最中ではありますが、今韓国ではIT融合による新市場創出が課題です。


どういう分野が注目されていて、日本企業にも参考になる戦略とはどんなものがあるのか、といったことを話します。


最近講演が多くて楽しい日々を送ってます。資料作るのは本当に大変だけど、しゃべるの好きです!9月29日に開催された日経エレクトロニクス主催、デジタルヘルスケアのセミナーも楽しかったです。日本と韓国は非常に制度が似ているので、韓国の試行錯誤や先進事例は、日本企業と政府の参考になるはずです。今度はビッグサイトでお会いしましょう!


セミナー (日経エレクトロニクス ) : デジタルヘルスの未来 – 趙 章恩 氏

Original Link
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/SEMINAR/20100806/184879/


日経エレクトロニクス

デジタルヘルスの未来
~暮らしが変わる,インフラが生まれる,技術が活きる






10年後の医療/ヘルスケアの姿を想像できますか?


それは,今とガラリと変わったものになっているでしょう。社会のカタチやインフラの変革にもつながる極めて大きな変化が,今まさに起ころうとしているのです。その中心となるのが,エレクトロニクス技術です。足もとでは,電子機器を積極活用したデジタルヘルス・サービスも,実ビジネスとしてにわかに動きだしました。


本セミナーでは,我々の暮らしを変え,社会インフラとして日常生活に溶け込んでいく医療/ヘルスケアの将来像を,各分野の第一人者が明確に提示します。その将来像からは,エレクトロニクス技術が活躍している姿が必ずや想像できるはずです。デジタルヘルスは新産業になり得るのか。本セミナーを通して見極めていただければ幸いです。



概要



  • 日時:2010年9月29日(水) 10:00~17:00 (開場9:30)予定
  • 会場:Learning Square新橋(東京都港区)
  • 主催:日経エレクトロニクス

受講料 (税込み)



  • 一般価格:22,000円
  • 日経エレクトロニクス(NE)読者価格:18,000円
  • 日経エレクトロニクスPremium読者価格:11,000円



◇一般価格には「日経エレクトロニクス(半年13冊)」の購読が含まれます。 ご送本開始はセミナー開催後になります。
◇日経エレクトロニクス,日経エレクトロニクスPremium定期購読者の皆様は,それぞれの読者価格でお申し込みいただけます。

日経エレクトロニクスPremium読者の方は,
・読者価格からの割引優待,または無料(年1回限定)で受講できます。専用ハガキでお申し込みください。
・「割引優待,無料」をご利用済みの場合は,日経エレクトロニクスPremium読者価格で受講いただけます。


※ 受講料には,昼食は含まれておりません。
※ 満席になり次第,申込受付を締め切らせていただきますので,お早めにお申し込みください。


プログラム詳細






































10:00~10:05


主催者あいさつ

日経エレクトロニクス発行人 浅見 直樹


10:05~11:00



【基調講演】
10年後の医療と社会インフラ



康誠会 東員病院・認知症疾患医療センター
院長(日本遠隔医療学会 元理事長)
村瀬 澄夫 氏


医療は今,大きな変革期を迎えている。医療は今後,社会インフラとして日常生活に溶け込むようになり,我々にとって極めて身近なものになる。果たして,10年後の医療とはどのようなものなのか。電子技術の動向にも詳しい東員病院 院長の村瀬氏が,“ケータイ化”する医療の将来を展望する。


11:00~11:55



【基調講演】
2030年の暮らしと医療・ヘルスケア



経済産業省
産業技術環境局 研究開発課
加藤 二子 氏


将来の暮らしに,どのような形で医療・ヘルスケアが溶け込んでいるのか。そのビジョンを共有することで,技術的課題が明確になり,イノベーションも促進される。その指針となる「技術戦略マップ2010」の策定にも携わった経済産業省の加藤氏が,新産業の創造を促すビジョンを示す。


11:55~12:50



昼休憩


12:50~13:30



カプセル内視鏡の未来



ギブン・イメージング(イスラエルGiven Imaging社 日本法人)
取締役社長
河上 正三 氏


飲み込むだけ。苦痛もない。これまで見えなかった場所を観察できる。そんな「夢の機器」,カプセル内視鏡を実現した立役者は,電子技術にほかならない。カプセル内視鏡の先駆者で最大手企業であるイスラエルGiven Imaging社が,今後まだまだ進化を続けるカプセル内視鏡の未来を語る。


13:30~14:10



半導体テクノロジーから見た,医療向けローパワーアプリケーションのトレンド
Future trends of Medical application towards low power ˜ A semiconductor perspective



Texas Instruments
Manager, Medical Business Unit
Rick Jordanger 氏


ヘルスケア製品をはじめ,医療機器は小型化,低消費電力化を実現し,ウェアラブル,さらにはインプラント可能なものへと進化しつつある。このようなトレンドに対し,半導体の見地から将来の医療に向けた最新の半導体テクノロジーの紹介を行う。
Medical and Healthcare market is shifting more small size, more low power, more easy to use for wearable or point of care application. TI’s low power technology will lead it’s requirement and improve the quality of life for everyone.


14:10~14:20



休 憩


14:20~15:00



韓国のスマートヘルスケアの現状と今後



ITジャーナリスト
趙 章恩 氏


韓国では,携帯電話機/スマートフォンなどを利用した医療の取り組みが進んでいる。例えば,LG Electronics社は病院と連携し,携帯電話機を利用して血糖値を測定し,糖尿病ケアを実現するシステムを展開している。こうした「スマートヘルスケア」の現状と今後の計画を,ITジャーナリストの趙氏が示す。


15:00~15:40



GE社のヘルスケア戦略(仮)



GEヘルスケア・ジャパン
ヘルスケアIT本部 ITマーケティング部 部長
江澤 道広 氏


15:40~15:50



休 憩


15:50~17:00



【パネル・ディスカッション】
デジタルヘルス–市場創出のカギは?



<モデレーター>
慶應義塾大学 総合政策学部 准教授
秋山 美紀 氏



<パネリスト>
経済産業省 産業技術環境局 研究開発課
加藤 二子 氏

ギブン・イメージング 取締役社長
河上 正三 氏

ITジャーナリスト
趙 章恩 氏

東京大学 工学系研究科 精密機械工学専攻 特任助教
梅田 智広 氏


デジタルヘルスは新たな産業としてどのような可能性を持っているのか。その課題はどこにあるのか。新市場創出のカギを,各分野の第一人者が議論する。



Original Link
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/SEMINAR/20100806/184879/

国民背番号制とネット実名確認に一石を投じる個人認証“I-PIN”

 実名確認や個人情報を活用した電子政府、医療情報などのために日本でも導入が議論されている国民ID制度。韓国では全国民が「住民登録番号」という国民IDをすでに持っている。


 住民登録番号は生年月日と性別、出身地などを組み合わせた13けたの数字で、この番号と住所、氏名が書いてある住民登録証が身分証の役割を果たす。これがないと携帯電話にも加入できないし、銀行取引もできない。Webサイトの会員登録にも実名確認という名目で住民登録番号を書かせられる。


 国民背番号制というとちょっと怖いイメージもあるが、戸籍、医療、教育、不動産、納税など行政情報がすべてつながっているため、実名認証と個人情報の活用ができ、とても便利だ。本人が申請しなくても税金が自動的に計算されて払い戻し分が口座に振り込まれたり、医療保険証を忘れても保険で診察してもらえたりする。マイレージやポイントも住民登録番号で管理されるので、いろんなお店のポイントを無駄にすることなくまとめてショッピングに使える。


 住民登録番号は国民の生活を便利にした反面、番号と氏名が分かれば個人情報が次から次へと掘り出されることを可能にした。ゲームアイテム欲しさに、オンラインゲームサイトのIDをたくさん持って他人の住民登録番号を盗用する事件が相次いでから、住民登録番号は行政用に、Webサイトでの実名確認はほかの手段を使うべきという議論が続いている。こうしたことから、自分の住民登録番号がどこどこのサイトの会員登録に使われているのかチェックできる機能を持ち、住民登録番号が盗まれていないか確認できるサービスが人気を集めている。


 韓国政府は住民登録番号をWebサイトごとに入力しないで実名確認できる制度として2006年、I-PIN(Internet Personal Identification Number)を始めた。政府認定機関に住民登録番号と携帯電話番号を入力して個人認証IDをもらい、それをインターネットで使うことで、本人確認をしながら、企業の個人情報保護負担も軽減し、ユーザーの個人情報も守るという目的から生まれた。今まで何度も住民登録番号と氏名が書かれた会員情報が盗まれ、取引された事件が起きていることから、個人情報を保護するためにインターネット専用の本人確認方法が必要だったからだ(ちなみに、外国人が韓国のWebサイトに会員登録するためには、外国人登録番号またはパスポートのコピーをサイト側に送信しないといけない)。


住民登録番号の代わりに本人確認できる制度であるI-PIN。韓国に住む外国人のために日本語・英語案内ページもある


ポータルサイトでは会員登録の際に住民登録番号またはI-PINで実名確認できるようにしている。また住民登録番号を使って実名登録した会員でも、その情報をI-PINに変えて番号の記録を残さないようにすることもできる。


 韓国政府はインターネットを利用するためには実名確認が必要で、個人情報の露出を最小限にしながらも本人を確認できる制度としてI-PINの利用拡大を狙う。2011年3月からは1日の利用者数が5万人以上のポータルサイトなどが対象となり、2015年にはすべてのWebサイトの会員登録や実名確認のために住民登録番号ではなくI-PINを使うことが義務化される。既に住民登録番号で会員登録した人もI-PINに変えるようキャンペーンも行われている。


 ところが、個人情報保護のために導入されたI-PINですら名義が盗用され、中国でIDが取引される事件があった。国民IDを導入するのは容易でないことが分かる。


 最近流行っているTwitterを見ると、本人確認なんかなくてもユーザーは自分の写真を公開し、自分がどんな人であるかさらけ出すので、悪質な書き込みを心配することはあまりない。スマートフォンやモバイルデバイスから1日中利用し、ポータルサイトやショッピングサイト、ゲームサイトに代わるプラットフォームにこれからなると言われているソーシャルネットワークサイトを見ても、国民IDを使った本人確認がなくても友達とつながるためには正体を明かさないといけないため、悪い目的を持って会員登録する人は少ない方だ。韓国では犯罪対策とはいえ、ネットを使うための本人確認は本当に必要なのか? 何をするにも住民登録番号を入力させられるのはおかしくないか? と疑問を持つ人も少なくない。


 国民IDはプッシュ型行政サービスを提供できるという面では非常に便利であるが、韓国のように何でも国民IDがないと利用できなくすると、逆にいつどこで個人情報が漏洩(ろうえい)するか分からない不安を抱えてしまうという問題もある。国民IDをどこでどう使い誰が保管するのかはっきりしないと、便利な面よりも背番号を付けられる恐怖の方が大きくなってしまうだろう。I-PIN義務化で漏洩の危険性が減じられるのか、影響がどのようなものか、見続けたいと思う。



趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年8月26日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100826/1027133/

SNS時代のクレーマー、「悪プラー」への対応を強化する韓国

 「悪プラー」(悪+Reply+er)と呼ばれる悪質な書き込みを繰り返すネットユーザーが後を絶たず、芸能人のソーシャルネットワークサイトの脱退や自殺が問題になっている韓国。悪プラー対策として強制脱退、利用停止なども積極的に導入されている。


 韓国の元祖ソーシャルネットワークサイトのCyworldは、相次ぐ芸能人の脱退をきっかけに、常習悪プラーとしてほかのユーザーから苦情があった場合、最大10年間Cyworldの利用を停止することにした。既存の約款では最大1年だったので、10倍強化されたことになる。



悪プラー対策を決めたCyworldのサイト

一方、ネットの書き込みがきっかけとなり、長年住民を困らせていた問題が解決したり、行方不明だった人が見つかったり、巧妙に人をだまし続けていた偽宗教団体の正体が明るみになったり、いいこともたくさんある。ネットは通信やコミュニケーションという以上に、韓国社会を支えるインフラである。そのため小学校からインターネットを有効活用するためのネチケット教育が重視され、「悪プラー」ではなく「善プラー」になろうといったキャンペーンも年中実施されている。


 とはいえ、最近では企業をターゲットにした悪プラーが多い。ちょっとしたことで数百件もの悪口を延々と書き込むクレーマーになることもある。通信会社の相談センターに電話してパソコンの調子が悪いと訴え、解決してもらえなかったからと憤慨してクレーマーになるといった具合だ。また店員が注意したにもかかわらず、子どもが店内を走り回り転んで怪我をしたことが店の責任であるとしてネットに悪口を書き込む親もいる。当然自分に有利になるよう書き込むので、事情を知らずその書き込みだけを見たほかのユーザーが親に同調し、一緒に悪口を書き込み、ポータルサイトの掲示板を中心に大騒動になったこともある。


 韓国ではネットの口コミが世論と見なされるほど影響がとても強い。最近では、ソーシャルネットワークサイトは新たな“ショッピングモール”としても脚光を浴びている。ただ、口コミのふりをした誹謗中傷も多く、大手企業のほとんどはネット掲示板担当の社員やアルバイトを採用し、自社に不利な書き込みを見つけた場合、反論のコメントを書き込んだり、そのユーザーをなだめるコメントを書き込んだりする。どのような理由で悪質な書き込みをしたのかすぐに真相を把握し対処するようにしている。ネット掲示板に書き込まれて怖いのは、それがうそだとしてもすぐTwitterやブログにコピペされ、転送されているうちにうわさがうわさを呼び、いつしかうそが“真実”に化けるからだ。


 そんな中、ネットクレーマーに悩む企業の対策に関する研究が発表され話題になっている。ポータルサイトや企業サイトのQ&A掲示板にわざと悪質な書き込みをするクレーマーにどう対処すればいいのか、という研究だ。タイトルは「オンライン口コミを刺激する要因と対応戦略に対する実証研究」、韓国最大手の通信会社KTの役員の論文で、国際学術誌に掲載された(学会誌:Computers in Human Behavior、論文タイトル: An empirical investigation of electronic word-of-mouth: Informational motive and corporate response strategy)。

この論文によると、企業がネット上の悪プラー、つまりクレーマーと全面的に戦うのは企業の評判に否定的な影響を与えるという。特に重要なのはそのクレーマーに同調する一般ネットユーザーを増やさないことだそうだ。企業がクレーマーに対して論理的に反論すると、クレーマーは自分のプライドを守るためさらにとんでもない言いがかりで攻撃をし始め、ほかのネットユーザーが感情的になりその議論に参加、企業を攻撃するようになるというのだ。相手が常連のクレーマーであっても、「あなたクレーマーでしょう?」という態度を見せてはいけないという。


 もっと気をつけるべきことは「無視」や「脅し」だそうだ。ことを大きくしないためクレーマーを無視する企業が多いが、これも企業の評判を落としかねないという。無視されたことに怒りを感じたクレーマーはさらに複数の掲示板やブログ、Twitterに書き込むからだ。また「こんなことしても無駄ですよ」、「また書き込んだら今度は告訴しますよ」といった反論も、ほかのネットユーザーからすれば企業が個人を脅していると見ることもできるので避けるべきだという。顧客が望んでいるのは誠意を込めた謝罪なのに、それをせず無視したため訴訟沙汰に発展することも少なくない。企業に少しでも非があるときは無視せず公開的にネットでも謝罪すれば、それを見たほかのネットユーザーはその企業を高く評価すると分析している。


 ネット上の悪質な書き込み、クレーマー対策の重要なポイントは、何よりもネットは誰でもアクセスできる公共の場所だということである。一部始終がみんなに見られているということを忘れてはならない。この論文では「企業に隠れ場はない」と表現している。クレーマー本人に対する対策も重要であるが、ほかのネットユーザーが感情的になりクレーマーの味方になって企業を攻撃しないよう、注意深く状況を把握することが大事である。企業自ら釈明するより第3の機関や専門家の口を借りるのも方法としている。


 日本でもTwitterやブログを使った宣伝・マーケティングが増えている。韓国の研究は日本でも参考になるのではないだろうか。



趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年8月19日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100817/1026941/

第6回 : 前年比6倍! 急速に成長する東南アジアで人気なのはFacebook

主要先進国の景気回復が遅れるなか、アジア各国の成長は止まりません。中国や韓国、インドなど、まだまだ元気な国が多いのが実情です。知っているようで知らないアジアのコンテンツビジネス事情はどうなっているのでしょうか。最終回となる第6回は、インドネシアやベトナムなど、普段目に触れることのない東南アジアのコンテンツ事情を紹介します。



携帯電話の加入者の方が、人口よりも多いベトナム



東南アジアの中でもこれから急成長が見込まれているのがインドネシアとベトナム、マレーシアです。インドネシアは世界第4位の人口を持つ国で、ベトナムは人口の6割が30歳未満という若い国です。マレーシアは東南アジアの中では所得水準が高く、政府が積極的にインターネット普及率を高めようとしていて、2010年までに普及率50%と全学校の情報化を目指しています。


東南アジアの共通点は土地が広く熱帯雨林などが多いことから、固定通信ではなくモバイルインターネットでの情報化を目指していることです。都心部ではWi-Fiスポットも多く、高級レストランほどWi-Fi導入に積極的という印象を受けました。


ベトナムでは人口よりも携帯電話加入者の方が1.5倍ほど多く、インドネシアとマレーシアでも固定通信より断然モバイルユーザーの方が多いです。スマートフォンの普及も進んでいて、BlackberryやNokiaを中心に世界各国の携帯電話端末が売られているのも特徴です。


スマートフォンが売れている理由の一つはFacebookです。Webサイトのアクセスランキングを提供するAlexa.comによると、インドネシアで最も利用されているサイトの1位はFacebookで、ベトナムやマレーシアでも上位を占めています。


Facebookのデータによると、インドネシアのユーザーは前年比6倍以上増えていて、中国やインドよりも早いスピードで伸びているとのことです。全体的に東南アジアからの利用率が高く、ソーシャルネットワークサイト(SNS)は欧米からアジアへ移行していることが分かります。Facebookをより便利に手軽に利用するためにスマートフォンに買い替える人が多いというのも納得です。


Twitterの書き込み数、第3位はあの国


Twitterも似たような状況です。フランスの調査会社セミオキャストのデータによると、Twitterの書き込みが多い国の1位がアメリカ、2位が日本、3位がインドネシア、4位がブラジルなのだそうで、全般的に欧米よりアジアからの書き込みの方が多いとのことです。ニュースサイトのほとんどがFacebookやTwitterに記事を転送できるようにしてあるのは日本と変わりません。


イスラム国家であるインドネシアとマレーシアでは、Facebookが「不適切な男女交際を促進する恐れがある」として、宗教指導者が集まり利用ガイドラインについて議論が繰り広げられたほどです。今や東南アジアの若い世代に最も影響を与えているのはFacebookと言えます。


また、韓流ブームの影響から韓国の音楽やドラマの知名度が高く、パソコンを使ったインターネット接続はまだ普及率が10%程度にもかかわらず、韓国のドラマ動画視聴やオンラインゲームユーザーがとても多いことも特徴です。


高い携帯電話の普及率を背景に、東南アジアでは音楽コンテンツの利用が盛んで、着メロや楽曲ダウンロードといったモバイル音楽サービスの利用が非常に人気を集めています。しかし端末間コンテンツを自由に転送できるようにしたため、違法コピーが多いのが問題です。それでもアジアのコンテンツ市場はこれからもっとモバイルブロードバンドが普及し、スマートフォン中心になっていくことは間違いありません。


さて、6回にわたってアジアのコンテンツビジネス事情をご紹介してきました。グローバル時代においては、アジアのコンテンツ事情も目まぐるしく変わります。これからもアジアから目が離せません。


By- 趙 章恩(チョウ チャンウン)

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第5回 : ヒンズー語がインターネット言語に!? 世界が注目するインド

主要先進国の景気回復が遅れるなか、アジア各国の成長は止まりません。中国や韓国、インドなど、まだまだ元気な国が多いのが実情です。知っているようで知らないアジアのコンテンツビジネス事情はどうなっているのでしょうか。第5回は、知られざるインドのコンテンツ事情を紹介します。


インターネットの最大市場はインドになる可能性も


今回ご紹介するのは、2026年には中国を抜いて世界人口1位になるといわれているインドです。2006年、GoogleのCEOエリック・シュミット氏が、「インターネットの最大市場は中国でなくインドになる。英語と中国語に続いてヒンズー語がインターネット言語になる」と発言してから一気に注目度が高まりました。アメリカをはじめ、世界のIT企業で働く優秀な技術者の多くがインド人であることは日本でも有名です。しかし、インドにおけるネット普及率や利用はまだまだこれからです。


インターネット利用率は人口12億人の約7%で、そのうちオンラインゲームや動画などのデジタルコンテンツをスムーズに利用できるブロードバンド加入者は0.6%しかいません。ところが、携帯電話の利用率は約23%、世界で最も速いスピードで携帯電話加入者が伸びているのがインドです。


インド通信局は、固定通信によるインフラ普及ではなく、第4世代(4G)と呼ばれるモバイルブロードバンド、LTEまたはWiMAX(ワイマックス)で国家情報化を進めようとしています。インドでは既にパソコンユーザーよりも携帯電話ユーザーの方が多く、クレジットカードや銀行口座よりも携帯電話を使った送金や決済の方がよく使われているほどです。


オンラインゲーム/モバイルゲームもよく利用されていて、韓国や欧米企業のゲームが広く浸透しています。モバイルインターネットユーザーが急増していること、ネットユーザーの4割がゲームを利用していることから、印刷物とテレビが90%近くを占めていた広告市場も、インターネットへと方向転換し始めました。






インドで人気なのはソーシャルネットワークサイト(SNS)とお見合いサイト

結婚相手をお見合いサイトで探すインド


電子書籍ユーザーも多く、毎年2倍近く成長しているのがインドの特徴です。インフラが整備されていない中でも、インドの国民的スポーツであるクリケットのプレミアリーグをYouTubeで生中継したところ、5000万人以上が視聴したというからすごいですね。


ソーシャルネットワークサイト(SNS)の人気はインドでも例外ではありません。今インドで最も話題のサイトはFacebookと、GoogleのOrkutです。2009年まで、Orkutはユーザー数1800万人を突破し、圧倒的にユーザーが多かったのですが、2010年からはFacebookに追いつかれています。Twitterも人気です。インドで起きたテロや政治問題を真っ先に伝えてくれたのもFacebookとTwitterでした。


世界各国にいるインド人同士がつながりやすいということでもFacebookが人気ですが、もう一つ、結婚相手を探すツールとしても人気なのだとか。インドではお見合いサイトの需要も高く、交際相手をネットで見つけ、ソーシャルネットワークサイトで愛をはぐくみゴールイン! というカップルが増えている模様。花嫁の持参金をめぐるトラブルで殺人事件まで起きているインドだけに、ネットで出会い、恋愛結婚することで慣習に従わないカップルの登場が新鮮に映るようです。


インドはまた“ボリウッド”と呼ばれるほど映画産業も盛んです。そのため3D映画や3Dテレビ、モバイル端末から利用できる3D映像コンテンツが注目されています。


次回は東南アジアのコンテンツビジネス事情をご紹介します。



By- 趙 章恩(チョウ チャンウン)

@nifty
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韓国をIT強国にさせた伝説のゲームがカムバック

韓国をIT強国へと導くきっかけとなった対戦型オンラインゲーム「StarCraft」(1998年)がさらにパワーアップして帰ってきた。日本では聞きなれないゲームだが、米Blizzard Entertainment社が開発したもので、韓国をはじめ東南アジア、北米、南米、欧州では知名度が高く、PCゲーム・オンラインゲームの代名詞のような存在である。

 12年ぶりとなる「StarCraft II」のベータサービスは2010年7月27日、世界同時オープンとなった。韓国では12歳以上のユーザーなら誰でも無料でゲームができる。国内ではダウンロード方式だけの販売で、ベータサービス終了後は「1日」、「1カ月」、「無制限」に分けて課金する。約6000円を払えば、無制限にゲームを楽しめる。




StarCraft IIのロゴ

「StarCraft」は3つの部族から選んで対戦するオンラインゲームで、1998年の発売以来、ゲームCDは世界で950万枚以上販売されている。違法コピーで利用された数を含めると、少なくともこの10倍以上はユーザーがいると言われている。特に韓国で大当たりし、オンラインゲームとしては初めてキャラクター商品が大ヒット。ファンによって小説化されたり、フィギュアが売られたりもした。オンラインゲームがEスポーツとしてプロのリーグ戦として開催されるようになり、「プロゲーマー」という職業が登場したのも、この「StarCraft」がきっかけなのである。


 「StarCraft」はネットワーク上でユーザー同士が出会い対戦をするため、高速ブロードバンドと高仕様パソコンでないと十分楽しめなかった。そのためブロードバンドと大画面パソコンを利用できるPCバン(ネットカフェ)が大ブームとなり、当時は街中PCバンが溢れていた。このゲームをするためにパソコンを購入しブロードバンドに加入した人も少なくなかった。


 あれから韓国産オンラインゲームがどんどん発売され、韓国のデジタルコンテンツ産業のほとんどをゲームが占めるほどにまで成長した。韓国のNCSoft社やNEXON社のゲームは日本、台湾、中国、ヨーロッパのネットカフェならどこでも見かけるほどポピュラーなものになっている。韓国産オンラインゲームが市場を席巻している中、「StarCraft II」が昔の名声を取り戻せるかどうかは、ゲーム大好き熱血ユーザーの多い韓国市場での反応にかかっているとも見られている。


「StarCraft II」は早速韓国で大々的なイベントを開始している。PCバンにプロゲーマーを招待してユーザーと対戦させる古典的なイベントはもちろん、ロッテリアとタイアップした「StarCraftセット」も登場した。セットを食べるとスクラッチカードがもらえ、ノートパソコンや「StarCraft II」利用チケットが当る。ゲーム解説本ももちろん出版されている。


 驚いたのは飛行機のラッピング! その昔ピカチュウが空を飛んだように、韓国を代表する航空会社である大韓航空の飛行機にStarCraftのキャラクターがラッピングされたのだ。マイレージカードにも、リムジンバスにもStarCraftのキャラクターが印刷されゲームファンを興奮させた。大韓航空は「StarCraft」プロリーグのスポンサーでもある(韓国では主な大手企業や携帯電話、パソコンメーカー、キャリアのほとんどがEスポーツのスポンサーとなっている)。





StarCraft IIのキャラクターをラッピングした大韓航空の飛行機


 パワーアップした「StarCraft II」は3Dグラフィックス、音声チャットなどが新しく追加された。それにゲームを駆動するハード容量もかなり多めに使うため、「StarCraft II」のためにパソコンのパーツをアップグレードさせるPCバンとユーザーが増えている。価格比較サイトのDANAWAによると、7月のパソコン部品販売量は4月に比べ142%、前年同期比で120%増えているという。売れたのはハードディスク、メインボード、CPUの順で、「StarCraft II」の3Dグラフィックスを楽しむために部品を買い換えるユーザーが増えているからではないかと分析していた。グラフィックスカード、ゲーム用マウスも売り上げが伸びている。しかし今の「StarCraft II」はまだベータ版。有料サービスが本格化して最終的にゲームを円滑に駆動するためのパソコン推奨仕様が発表されれば、PCバンを中心に、部品の買い替え需要が大幅に伸びると見込まれている。


 スマートフォンやタブレットパソコンにその座を奪われ、デスクトップパソコンの販売台数は減り続けている。パソコンや部品メーカーが「Windows 7の次はStarCraft IIしかない」とまで言い切るほど、パソコンの売り上げを促進できるようなきっかけがしばらくなかったので、なおさら注目度は高い。年々数が減っているPCバン業界にとっても、国民的ゲームだった「StarCraft」への期待は高い。


 「StarCraft」は12年前、IMF経済危機をIT革命で乗り越えたパワフルな韓国を思い出させる象徴的なゲームだけに、小売業界でもタイアップマーケティングすることで、若くて前向きなイメージを打ち出そうとしている。失業、格差、長引く不況に悩む現在の韓国を今度の「StarCraft II」も元気にしてくれるだろうか。注目せずにはいられない。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2010年8月5日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20100805/1026756/