市場シェア実に7割、韓国最大オークション「eBayKOREA」誕生


 韓国シェア1位のオークションサイトAuctionと2位のGmarketが合併し、eBayKOREAとして生まれ変わることが決まった。Auctionは2001年、Gmarketは2009年、eBayの子会社になっていた。7月5日、公正取引委員会は子会社同士の合併は問題ないと承認し、eBayKOREAが誕生することになった。


 韓国では今までヤフーやグーグルといった外国企業のネットサービスに人気がなく、NAVER、DAUM、Hangame、Yes24、Interparkなど、韓国生まれのネットサービスにユーザーが集中していた。韓国にはまだAmazonもiTunesも入ってきていない。そこに突然巨大なeBayKOREAが生まれるというので、ネットユーザーの間では衝撃的な出来事としてとらえられている。


 韓国企業のサイトが人気なのは、移り変わりの早い韓国人のトレンドをすぐ把握してサイトに反映できたからだ。ポータルサイトが登場して間もなかったころ、Yahoo!が没落してNAVERとDAUMが成長したのも、アバタ―、ゲーム、ブログ、Cafe(ポータルの中の同好会サイト作り)と1~2カ月でころころ変わる韓国ネットユーザーのトレンドを、米本社の許可をもらうまで数カ月はかかるYahoo!は追いつけなかったからであった。AuctionとGmarketの名前がeBayに変わるだけで今までのように韓国系サイトの運営方式を守れるのか、それともeBay方式に変えるのか、これもユーザーにとっては気になるところである。





eBayKOREAに合併されることになったGmarketのWebサイト。韓流スターBigbangのG-dragonがイメージキャラクターになっている



AuctionとGmarketの合併は、いわば日本のYahoo!オークションと楽天とAmazonを一つに合併してeBayに名前を変えるというほどのインパクトである。公正取引委員会の資料を見ても、AuctionとGmarketだけでオープンマーケット市場シェア72%を占めている。オープンマーケットとはインターネットショッピングモールの一つで、1社が商品を仕入れて決済配送までするのではなく、個人や中小企業が入店して商品を販売できるよう場を提供するオークションのような形式のサイトをいう。


 韓国のオープンマーケット市場規模は25兆ウォン(約2兆円)と推定されている。韓国では2008年からデパートよりインターネットショッピングの流通規模が大きくなり、流通市場は大型スーパー(ディスカウントショップ)→インターネットショッピング→デパートの順になっているほど、インターネットで商品を買うことが広く普及している。


AuctionとGmarketの運営方式は全く同じである。個人から大手企業まで商品を登録して販売できる。中古でも新品でも構わない。販売手数料は商品カテゴリーによって違うが平均10%というのもほぼ同じである。ポータルサイトで検索すると、キーワードに該当する両社に登録された商品が検索結果として表示される。インターネットショッピング最安値を強調しているのも同じである。両社を合併した方が効率的だが、競合会社の合併反対に押され様子見状態だった。


 AuctionとGmarketの合併の背景には、大手企業のオープンマーケット進出がある。通信キャリアのSKテレコムが運営する「11番街」のシェアが拡大し、KTもIPTVやスマートTV向けオープンマーケットを始めた。韓国で検索市場シェア7割を占めているポータルサイトNAVERもオープンマーケットを準備しているという。SKテレコムがオープンマーケットに進出してから、AuctionとGmarketの市場シェアはGmarketもeBayの子会社になった2009年の86%から2010年には72%に減少した一方、SKテレコムの11番街は5%から21%に増加していることがある。ここからも、AuctionとGmarketの合併によって市場競争が制限される、販売手数料を談合するといった問題が起こる可能性は低いと公正取引委員会は判断している。


 しかしSKテレコムやその他オープンマーケット会社は、市場シェア72%もあれば市場を支配できる立場であるため不公正な取引が起こり得る可能性を排除できない、小規模の販売者はeBayKOREAからしめ出されないよう気を使い他のオープンマーケットに参加しなくなるかもしれないと指摘する。


 新しくeBayKOREAを誕生させるeBayの韓国支社は、健全なオープンマーケットを作り販売者と消費者の権利を守り、販売者と一緒に成長していくといった内容の公正取引自律遵守プログラムを運営すると発表している。また、韓国の競争力のある商品を世界のeBayに紹介するとして、8月3日まで100人の販売者を選定してeBayドイツに100個まで無料で商品を登録できるようにするイベントを行っている。


 韓国ではスマートフォンを経由したインターネットショッピング市場が急成長中だ。オープンマーケット市場もモバイル競争になっているので、SKテレコムが本業のモバイルを生かしてシェアを拡大するのか、それともeBayKOREAがグローバル競争力でシェアを守るのか、それも注目である。





趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2011年7月21日

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20110721/1033119/