韓国 地下鉄でもWibro利用可能に(2006年11月27日 掲載)

対応端末も多様化



 


 


【ソウル発】来年1月からソウル地下鉄1-8号線のほか、地下商店街でもWibro(モバイル無線LAN)を利用できるようになる。Wibroは時速120kmで移動しながらもブロードバンドインターネットが使えるサービスで、PDAやノートパソコンで利用できる。KTとSKテレコムは250億ウォンの予算で工事を急いでいる。工事はKTがすすめて費用は折半する方式だ。これまでWibroに投資された金額は5000億ウォンを超えている。



 Wibroカ
ードが内蔵されたノートパソコンも11月に発売され、内蔵PDAも発売間直となっている。来年上期までに超小型のノートパソコン(UMPC=Ultra Mobile Personal Computer)、タブレットPC、USB型端末も発売される。SKテレコムは HSDPAとWibroを一緒に使えるデュアルバンド・デュアルモード(DBDM=Dual Band Dual Mode)方式のUSB 端末(ノートパソコン用)を年内に発売することにした。


 


 Wibro加入者はKTとSKテレコム両社合わせて1300人余りとまだまだ少ない。両社は今年年末を基点に利用スポットと利用端末が増えることからWibroへの関心も高まることを期待している。


趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)


 


[BCN This Week 2006年11月27日 vol.1164 掲載] Link 


 


 

韓国 ソウル市内 どこでもWibro生活圏に(2007年5月28日 掲載)

KTが対応端末を発売




 


【ソウル発】KTは4月3日からソウル市全域と首都圏地下鉄、仁川空港鉄道および首都圏主要大学の構内・周辺商店街などでWibro(モバイルWimax)が使えるように、サービス地域を拡大した。



 KTは今回のWibroサ
ービス地域拡大を契機に、対応ノートPC、ノートPC用カード、複合端末デラックスMITs、CDMA音声通話とWibroの両方が使えるスマートフォンを発売した。

WibroはHSDPA(高速パケット
伝送技術のひとつ)よりも速度が3倍以上速く料金も安い。カメラ付きスマートフォンで撮影した動画をその場ですぐ個人のSNSやUCC(動画投稿サイト)にアップロードできるという点で、移動しながらネットを使う機会の多いビジネスマンや、10代の若い世代の利用も増えてくると予想されている。


 


 従来、KTはWibroのマーケティングに積極的でなかったが、4月からはテレビ広告を打ち、バスで移動しながらWibroが使える「Wibro体験バス」を運行するなど、積極的な活動を開始している。年末まで加入者20万人の確保を目標としている。


 


 KTでは、「ソウルを中心に1000万ユーザーが、移動しながら自由にインターネットを利用できるようになった。これまでのサービスは予告編に過ぎない。今度こそWibroとはどういうサービスなのか分かってもらえるはず。Wibroを今年最高のヒット商品に育てたい」としている。


趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)



[BCN This Week 2007年5月28日 vol.1188 掲載] Link 


 


 


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>3.今回のテーマ■Wibro(下)

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>3.今回のテーマ■Wibro(下)


 


 


課題はエリアの拡大 自治体との連携も視野に


 


 


 


添付画像 Wibro(モバイルWiMAX)は2006年6月に一部が商用化されたものの、韓国KTの本社近くとソウル市の中心部だけでしか使えず、ソウル全域で使えるようになったのが07年4月のことだ。今年6月になってもまだソウル市内と首都圏の一部地域でしかサービスが提供されていないため、使いたくても使えない状況が続いている。加入者も当然ながら予想を下回る状況。06年6月の世界初の商用化と騒がれた当時は最初の1年で13万人、11年には少なくとも390万人を超えると予想されていたのに、今年6月までのWibro加入者は約20万人にしか達していない。



 それでも、一度でもWibroを使ったことのある人には、「思ったより速度も速くバスやタクシ
ーに乗りながらでもインターネットが使えるのでとても便利。家でも外でもWibroでつながればいいのに」と、好評を博している。大量の写真データをその場ですぐ送信したい報道カメラマンの間では、ソウル市内では利用料が安いWibroを使う人が増えている。だが、一般ユーザーを獲得するにはやはり狭すぎるサービスエリアがネックだ。


 


添付画像 こうした停滞状況から脱するため、KTは自治体と提携してユビキタス都市を構築すべくWibroを早期に導入できるような手を打っている。韓国第二の都市である釜山市やソウル近郊にある京畿道はWibro Wave2基盤ユビキタス環境を築いてモバイルオフィス、観光情報、災害情報などを提供する。通勤時間帯の利用や会社での利用も増え、地域経済の活性化に寄与することが期待されている。


 


 KTはWibroのために過去3年間に約670億円を投資している。08年にはWave2とサービスエリア拡大のため、さらに約120億円を投資する計画だ。同社によれば、08年末には首都圏全域をカバーし、自宅でも外でもWibroにさえ加入していれば移動しながらもシームレスにブロードバンドが使えるようになるとしている。


 


 リサーチ機関のジュニパーリサーチの調査によると、2013年には世界のWibro加入者が8000万人を超え、関連市場規模も230億ドルを上回ると予測されている。
(趙 章恩●取材/文)


 


教訓


“世界初”の技術も、インフラが未整備なら普及しない


[BCN This Week 2008年7月21日 vol.1244 掲載] Link

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>2.今回のテーマ■Wibro(中)

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優遇料金制でWibroを普及 ライバルの参入で活気づくか


 


 


 


添付画像 Wibroの主なユーザーはネットを活発に利用する大学生であることから、全国の大学をWibroの拠点にするための準備が始まっている。すでにソウルと首都圏の大学はほぼ全てのキャンパスのどこでもWibroが使え、釜山市でも大学を優先的にサービスエリアとしている。料金も学校内でのアクセスは月3000ウォン(約300円)と格安料金で提供する。



 KTは、月約2000円で30GB分利用できる料金体系と月約1000円で1GBまで利用できるお手頃料金を提供し、モデムも無料提供、加入費も免除している。KTが提供しているブロ
ードバンドや無線LAN、携帯電話サービスと同時に利用することで半額近く割引されるセット割引料金プランも設定されている。こうしたプロモーション料金体系のほかに月2800円ほどのKTのブロードバンド料金に月約800円を追加するだけで全国にアクセススポットがある無線LANとWibro(月1GB分)が使えるプランも人気がある。Wibroに新規加入し、2年契約にするとヒューレット・パッカードのノートPCが2万円ほど割引されるキャンペーンも実施中だ。Wibroシネマ料金プランというのもあり、Wibro料金に月260円ほど追加するだけで提携先の映画館で毎月1本映画を無料で観ることができる。添付画像


 


 KTのWibroはノートパソコンにUSBモデムを差し込んで使うのが最もスタンダードな使い方だが、Wibroを搭載したサムスン電子やLG電子のスマートフォン、UMPC、携帯型の動画再生機PMP(ポータブル・マルチメディア・プレーヤー)、ナビゲーション機器からも使える。KTは2008年末までにはWibro搭載デジカメも発売し、写真や動画を撮ったらブログに転送できるパーソナルメディアとしての役割をもたせたいとしている。USBモデムはMP3プレーヤーとしても使える優れものが揃っている。


 


 KTと同じくWibroの事業免許を持っているSKテレコムは、3GやHSDPAの普及に力を入れていたため、Wibroに積極的ではなかったが、今年度下半期からはWave2技術を導入して本腰を入れる。データ速度は上りが5.04Mbpsから10.08Mbpsに、下りは18.72Mbpsから37.44Mbpsに大きく改善されることで、HSDPAよりも優れたブロードバンドサービスになる。(趙 章恩●取材/文)


 


[BCN This Week 2008年7月14日 vol.1243 掲載]Link 


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>1.今回のテーマ■Wibro(上)

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>1.今回のテーマ■Wibro(上)


 


 


期待高まるWibro


モバイルVoIPで携帯電話を超えた


 




添付画像 韓
国のITは、日本よりも進んでいると評価されることが多い。だが、その発展の過程を仔細に見ると、試行錯誤の連続ともいえる。韓国在住のITジャーナリストが、その実際を生々しくレポートする。


 


                  ◇      ◇



 今年6月16-17日、ソウルでは10年ぶりのOECD IT担
当大臣会議が開催された。アジアで初めて開催されるOECD会議とあって、国を挙げて準備に取り掛かってきた韓国は、付帯行事として数々の展示会やカンファレンスを開催した。そのなかでもひときわ目立っていたのがWibro、すなわち2006年6月に韓国が世界で初めて商用化した2.3GHzモバイルWiMAXサービスだった。Wibroは07年10月、国際電気通信連合が認めた国際標準で、韓国、米国、日本、ロシア、ブラジルなど40か国で導入済みの、あるいは導入を検討されている通信サービスである。



 


 韓国KTとサムスン電子はOECD会議の期間中、Wibroと携帯電話を使ったモバイルVoIPを実演し、OECD関係者はもちろん、一般参加者からも「これはすごい!」と絶賛された。Wibro経由のモバイルVoIPはサムスンのスマートフォンSPH-M8200を使い、携帯電話と同じ感覚で使うことができる。添付画像


 


 時速120kmで移動しながらも使えるWibroのモバイルVoIPは携帯電話と変わらないサービスを格段と安い料金で利用できるため、諸外国のIT担当大臣の間で絶大な人気を得た。「自分の国でも導入したい」とWibroの運営会社であるKTに詳しい料金や利用情報などについて質問する人も多かった。特に有線インフラがぜい弱な途上国からはWibroで国の通信網を構築したいという依頼もあり、すでにルワンダやウズベキスタンなどに輸出されている。韓国ではWibroの技術ロイヤリティ収入が2024年までで約6800万ドルに及ぶとの見通しを立てている。


 


 ブロードバンドと電話と地上波DMB(日本でいうワンセグ)を持ち歩けるモバイルトリプルプレーサービスを実現できるので、従来の通信サービスを根底から変えるものとして注目されているWibroの音声搭載だが、肝心の韓国全域での商用化計画はまだメドが立っていない。まずはサービスエリアを拡大しなくてはならないという課題が残っているからだ。(趙 章恩●取材/文)


 


[BCN This Week 2008年7月7日 vol.1242 掲載] Link