国が始めた炭素キャッシュバック!省エネ商品を買うとポイントが貯まる

韓国のIT産業政策を担当する省庁の知識経済部は、2008年10月より炭素キャッシュバック制度(Carbon Cashback)を導入すると発表した。

 地球温暖化防止のための活動に市民をより積極的に参加させる方法として、省エネまたは二酸化炭素ガス低排出製品を購入すると炭素キャッシュバックポイントが貯まり、交通費や行政関連手数料納付、自動車購入、商品券などに変えられ、現金のように使えるようにするという内容である。


 クレジットカードのマイレージポイントと同じ使い方で、このキャッシュバック制度のために、政府は現在韓国で人口の約8割、3000万人以上が加入している「OKキャッシュバッグ」の運営会社(株)SKマーケティングアンドカンパニーと提携することにした。既存のOKキャッシュバッグカードに炭素キャッシュバックポイントを別途貯められる。OKキャッシュバッグはSKグループが経営するガソリンスタンド「Enclean」や、携帯電話キャリア「SKテレコム」を利用するとポイントが貯まり、その他にも大手スーパーやチェーン店、本屋など全国4万5000店以上の加盟店でポイントを貯めたり使ったりできる。


 エコ、省エネは韓国でも国家課題になっているほどで、テレビや新聞で毎日何度も耳にする。「ゴミの分別をしっかりしましょう」や「電気を節約するためにエアコンの温度を高めに設定しましょう」というレベルではもう間に合わない、画期的な二酸化炭素排出削減方はないかということで思いついたのがキャッシュバック制度、というわけだ。


 まずは何よりも二酸化炭素を発生させている家電がターゲットになっている。韓国の家電と車には全てエネルギーの効率性を評価し、その結果を表すシールを付着しているが、省エネ1等級または待機電力1W未満の家電製品から優先的にキャッシュバックの対象となる。


 テレビ、オーディオ、DVDプレーヤー、洗濯機、冷蔵庫、電気炊飯器、キムチ冷蔵庫(韓国の家庭にキムチ冷蔵庫は必需品だ)、エアコン、掃除機、扇風機、食器洗い機、電話機など33品目が選ばれた。


 炭素キャッシュバック制度の参加企業はまだ募集中とのことで、当分は販売価格の1~5%をポイントに貯めてあげる方針だという。OKキャッシュバッグの加盟店で購入した場合には重複積立も可能とのこと。


 参加企業はキャッシュバック運営に関する広告宣伝費と運営手数料が免除され、エネルギー管理公団が色々なインセンティブを提供するとしている。キャッシュバックされる金額の部分については基本的に企業が負担するが、政府予算で一部費用を補充する方案も検討されている。今後は二酸化炭素排出情報表示制度とも連携し、炭素排出量によってポイントを提供する制度へと発展させたいとしている。


 韓国では2012年末までにはアナログ放送が中断されデジタルに切り替わるため、日本と同じくデジタルテレビへの買い替え需要が大きく動いている。炭素キャッシュバック制度の導入で、省エネデジタルテレビの普及が促進されることは間違いないようだ。


 韓国では家庭の消費電力の約11%が待機電力によるものであるとして、使わない電気機器類のプラグはこまめに抜きましょうというCMが流れている。待機電力の少ない家電を使うのも省エネであり環境保護につながる。


 しかしエコ以前に切実なのが電気代の節約。韓国も日本以上に物価高騰が問題になっていて、電気代に水道代に光熱費の値上がりも時間の問題だ。電気代も節約してキャッシュバックもしてもらって一石二鳥なのは確かだが、政府が特定企業1社と手をつないでキャッシュバック制度を運営することを懸念する声もなくはない。このまま問題なく始められるのだろうか、10月になったらまた報告します。




(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月27日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080827/1007364/

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>5.今回のテーマ■ETRI

シンクタンクの中小企業支援 技術支援派遣や諮問など



 


 添付画像


 韓政府の技術系シンクタンクであるETRI(韓電子通信究院)は、2008年からすべての究員が中小企業の技術イノベションのための活動に加し、究開のための技術を支援したり問題を解決するといった「お助け制度」を運することにした。



 中小企業の育成
支援のために政府系シンクタンクの人材を積極的に活用するこの制度は、市場とフレンドリな政府になるという李明博政の政府組織改編によって施されることになった。「政府の技術系シンクタンクは技術を開することだけが目的なので市場でれない技術ばかり開している」といった批判があったことも制度足の背景にある。


 


 この制度により、ETRIのすべての究員は勤務時間の10%以上を中小企業支援の究に使わなくてはならなくなった。中小企業の役に立つシンクタンクになることを目指し、イノベション型中小企業向けの究開支援策としてプロセス段階別改善方向と短期、中期、長期に分けた行項目を作成している。添付画像


 


 具体的な支援としては、(1)大企業と中小企業との共同究開事業によって生産する部品の競力を高める、(2)品質保証制度を施して開された技術の完成度を向上させることで事業化成功率を高める、(3)中小企業への技術移を円滑にするため、企業ごとに担者を決めて製品化までのプロセスを支援することで要求事項を適時に把握する、(4)技術移後に人材不足で事業化できない技術イノベション型中小企業のために、アフタビスとして支援を大する、(5)技術移によって製品化を現するだけでなく、中小企業の足度を高めた究員には破格的なインセンティブを支給する、(6)中小企業向けETRI技術お助けセンタの運、(7)開技術の事業化と資金調達やインキュベションセンタなどのためのETRI技術持ち株社設立など。


 


 ETRIは中小企業と密接な係を築くことで市場需要とのギャップをなくし、市場が要求する技術の需要化を究計時反映、製品化の成功率を高めるのが狙いである。中小企業のみである究開要員の不足についても、ETRI究員の派遣や出向で解決できるのではないかと期待されている。(趙 章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年8月4日 vol.1246 載] Link


 



 

[東京留学生活]iPhone3Gが日本に与える影響

iPhone3G買っちゃいました~なんていう人が本当に多い。


テレビを観てたらお昼のワイドショーにまでiPhoneが登場して使い方を教えてたよ。


iPhone3Gはそんなにすごいの?特に、「日本」でそんなにすごい影響を与える端末なのか?
あっちこっちでiPhone3Gがモバイル業界を変えるって話すのを聞くけど、「日本」でiPhone3Gはそれほどインパクトのある端末には思えないのだ。


iPhoneはコンテンツが充実している、タッチパネルで使いやすい、持っていて自慢になる、こういった理由から画期的で買いたくなると思うんだけど、この理由は日本では当てはまらないのではないかと思うのだ。(ところで、携帯電話ってもう機能とかデザインとかより、持っていて自慢になるかならないかで決まっちゃうような気がするよね)


自慢になるからたくさんの人が買って、ソフトバンクの加入者がぶわ~っと増えて、街中iPhone3Gだらけになったら、日本変わるよ。でもそこまではいかない。メール打ちにくいとか、微妙なところで日本人の携帯の使い方に合ってないところもあるし。


日本人の携帯の使い方は世界でも希だよ。携帯でメールやりとりして、携帯でちょっとコンテンツ見てSNS利用して、それでインターネットをフル活用している気分になっている人が結構いる。これはまた日本人の中でも所得とか職業とかによって違ってくるけど、若い人ほど携帯だけでOKだよね。不思議だ~


韓国のように端末には国内標準プラットフォーム搭載義務化で携帯電話端末鎖国状態、勝手サイトは存在しない、閉鎖的なモバイルインターネット(フルブラウザーでURLを入力するようになっているけど、キャリアと契約しているサイトにしかアクセスできない)、キャリアの子会社であるマスターCPがモバイルコンテンツを牛耳る、キャリアとCPの配分は時と場合によってまちまち(日本はキャリア手数料9%だよね)、端末価格は補助金もらってもまともなものを買うには4~5万円必要、などなど・・・・こんなところにぽんとiPhoneが登場してこそ、すごいことになるのではないか?私だってiPhone3G買っちゃうよ。


でも韓国ではiPhoneの販売予定はまだない。


さっきも話したように、韓国ではモバイルインターネットが使える携帯電話端末には全て、WIPIという韓国独自のプラットフォームというかOSというか、とにかくこれの搭載が義務付けられている。海外のメーカーからすれば、たかが韓国市場のためだけに開発費をかけないといけないし、その分端末価格に上乗せされて価格的なメリットもなくなって結局売れない、という危険があるから、あきらめちゃうんだよね。


韓国で早くiPhone3G販売してほしい。2年約定でアメリカでは199ドル。
うわ~こんな値段でこれぐらいの端末が手に入るんだったらみんなiPhoneに買い替えするね。


韓国では高飛車の(ブランド価値を守るために高く売るのだ!もちろん、サムスンの端末がかっこいいから買うという人もいるけど)サムスン電子が、アメリカではスマートフォンの「Instinct」をiPhone3G より安い129.99ドルで売り出しているのだ!(2年約定)韓国でもそれぐらい安くしてよ・・・


韓国はモバイルインターネットの定額制が始まったばかりで(これもやっかい。定額制はプロモーション料金だからころころ料金や条件が変わるんだよね)、携帯電話でインターネットやメールはほぼ使わない。音声通話とSMSとカメラばっかりだから、タッチパネルで十分。というか、タッチパネルの方が使いやすい。


日本は勝手サイトがある。なのに、アップルから直接モバイルコンテンツが買えることがコンテンツの流通構造を変えるだの、キャリアとベンダーの関係が変わるだの(これは変わるかも。日本はベンダーよりキャリアが強いよね)、すごく新しい物が登場したかのような騒ぐのがよくわからない。


日本のようにモバイルインターネットが盛んでモバイルコンテンツも豊富な国では、iPhoneなんて大した影響力を持てないと思うんだけど。iPhoneが何故「日本」ですごいすごいと言われているのか、すごさを教えてください!


– BY  趙章恩

Link
http://www.kddi-ri.jp/blog/cho/

韓国ユーザーが携帯に求める機能は「自分」撮りのしやすさ、機種変更周期は1年未満

韓国での携帯電話の買い替え周期がまた短くなった。

 リサーチ会社と携帯電話部品開発会社が2008年1月に共同で開催したアンケート調査の結果によると、16~35歳の利用者629人のうち、58.2%が過去1年以内に携帯電話を機種変更しているという。しかもそのうち36.4%は機種変更して6カ月も経たないと答えた。2007年に行われた政府機関の調査では、機種変更の周期は1年4カ月ほどという結果があったが、今回は16~35歳と若い世代を対象にした調査のせいか、さらに短くなった。


 韓国の携帯電話は決して安くない。2008年3月末から奨励金規制がなくなり自由化されてから無料端末も登場したが、無料といっておきながら実は月賦で36カ月払いとか、特定の付加サービスに加入しなくてはならない条件があるから、顧客は端末価格を違う形で支払っているだけである。


 奨励金があっても最新端末の価格は大体7万~9万円はするので、どんなに安くなっても流行の新機種だと5万円は下らない。それでも機種変更を繰り返す理由は、携帯電話は機能やデザインよりも、自慢になるかどうかで決めるようなものだからではないだろうか。そしてもう一つ、韓国携帯ユーザーにとっては自分撮りしやすいカメラ、実物よりきれいに写してくれるカメラが付いているかどうかもすごく大事なのである。


 上記のアンケートでは1年以内に機種変更したいという人も35%いた。機種変更の理由としては端末の故障が43.9%ともっとも多かったが、「流行遅れ」25.8%、「キャリアを変えたい」6.7%、「新しい機能とサービスを利用したい」5.6%という理由もあった。


 携帯電話購入時に最優先する要素としては価格、デザイン、ブランド、通話品質、付加機能、故障しないといった順でカメラの画素数は上位に登場しないのだが、携帯電話で通話以外に頻繁に使う機能はカメラが圧倒的だった。その次に音楽再生、電子辞書、ワンセグ、モバイルインターネットと続く。日本では当たり前な携帯電話でインターネットを使うという機能は韓国ではまだまだそれほど使われていない。何よりも料金が高いからだ。

携帯電話カメラを使った撮影頻度は週6.7回。日本だと携帯電話のカメラで撮るのは風景や食べ物などだろうが、韓国は違う。男性の場合は友達や彼女が37.7%で1位、女性の場合は自分自身を撮ると答えた人が48.9%と圧倒的に多かった。


 確かに、時間と場所に関係なくあちこちで携帯電話で自分を撮っている女性をよく見かける。腕を思いっきり上に伸ばして、できるだけ顔が小さく写るようにがんばるんだよね。今街を歩いている自分、今ケーキを食べている自分などなど、この瞬間の自分を記録に残したいという個人的な目的だけでなく、SNSやホームページに堂々と掲載して自分のかわいさをアピールするところは、世界でも稀なのではないかと思ってしまう。自分に自信がありすぎるというか、国民総芸能人化というか、自分のことをアピールするのが好きなんだよね。


 韓国では人に撮ってもらうのではなく自分で自分を撮る「セルフカメラ」好きな女性が本当に多くて、写真写りがいい場所とネットで噂になれば客がどっと増える。ソウルの中心部である鐘路には33階建てのビルがあり、最上階はガラス張りのレストランになっている。このレストランでセルフカメラを撮ると美人に見えるとネットの書き込みが増え話題になったことから、周辺のレストランやカフェではお店で撮ったセルフカメラの写真を投稿するイベントを開催し、照明にものすごく気を使っているほどだ。携帯電話の大型代理店にはフォトゾーンみたいなコーナーがあって、壁に絵を掛けたり照明を落としたりしてセルフカメラを撮りたくなるようにしている。


 韓国のこの夏の人気機種はどれもタッチパネルで、500万~800万画素のカメラが付いている。顔認識でセルフカメラが撮りやすくしたカメラが付いた携帯も増えている。日本ではiPhone 3Gだとメールが打ちにくいということがよく言われているが、韓国ではメールよりSMS、モバイルコンテンツよりは写真なのでタッチパネルの方が使いやすい。撮った写真を確認したいので液晶もどんどん大きくなっている。写真を保存するためにメモリも大容量になっている。


 ここで、セルフカメラのコツを伝授。「顔は15度横に傾け、カメラを45度上に置いて上目にして撮る」。すると、顔は細く目は大きく見えるという。みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょう?



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月20日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080808/1006883/

選手より燃える五輪マーケティング、動画投稿にインターネットTVでも中継

北京オリンピックが佳境だ。スポーツ観戦好きで愛国心も強い韓国人にとってオリンピックは何よりも楽しみである。選手よりも応援の方が熱すぎて怖くなるほどの韓国だけに、オリンピックマーケティングも日本以上に熱い戦いが繰り広げられている。スーパーやデパ地下では連日中華料理フェアが開催され、街の屋台にも豚マンやシューマイ、中国のお菓子が目立って増えている。

 市場やディスカウントショップでは金メダル念願セールが開催され、夜食やスポーツ用品が値引きされている。金メダルを取った種目のスポーツ用品は特別セールも予定されている。オリンピックとあまり関係なさそうなガソリンスタンドまでも選手への応援メッセージを書き込む懸賞イベントを開催している。


 特にオリンピックマーケティングに熱を上げているのはテレホンショッピング。オリンピック期間中はテレホンショッピングの視聴率も売上も落ちることが予想されているだけに、試合中継の合間に入るCMの時間を狙って売れそうなものを集中的に宣伝するしかない。CMが始まるとみんな一斉にリモコンでザッピングするから、その瞬間を狙うのである。


 水泳試合の時間帯には、水泳選手のナイスボディーに刺激された視聴者達がダイエットや筋トレに関心を持つと予想されるため筋力トレーニンググッズを販売し、男性がテレビの前に集まるサッカーの試合中継時間には男性に人気の高い一眼デジカメや保養食品を販売するといった計画だ。韓国は夏になると3回サムゲタンを食べる日があり(初伏、中伏、末伏)保養にとても気を使うからだ。


 家電は言うまでもない。2012年末でアナログ放送が中断される韓国では、日本と同様、オリンピックを目処に地上波デジタル放送を受信できるテレビへ買い換えるよう宣伝している。4年ごとに開催されるオリンピックに合わせてテレビや映像技術が進化したように、北京オリンピックはハイビジョンデジタル放送普及に向けた分岐点となる。全競技がハイビジョンで放映されるだけに、デジタルテレビの販売にも力が入る。今年は液晶画面が鮮明で大きいだけでなく音声がきれいになったのも特徴だ。


 映像に合わせてスピーカーの設定が自動的に変わるテレビや今までは人気のなかったハードディスク録画機能のあるテレビが売れるなど、オリンピックらしい動きが見えている。サムスン電子の携帯電話は中国の国家代表選手団の公式端末として使われることになったことから、韓国でも限定でオリンピック待ち受け画面付きの端末を販売した。

インターネットテレビもオリンピックを中継する。オリンピック公式中継放送局であるKBSとSBSはそれぞれ
こちらと、こちらからオリンピックを生中継する。


 KTのインターネットテレビ「MEGATV」では一般人公募で選ばれた5人の大学生とお笑い芸人が北京でオリンピックの裏側を伝える番組を制作し、myLGtvは中国の歴史や文化に関する特番を放映することで、地上波テレビとはまた違ったオリンピックの楽しさを伝える計画だ。インターネットテレビは地上波放送の再放送や映画VODばかりで、自社で制作した番組を放映するのはこれが初めてである。2008年末には地上波デジタル放送のリアルタイムIP再送信や双方向放送も予定されているだけに、オリンピックをインターネットテレビからIPテレビへと進化するきっかけにしたいようだ。


 またUCC(User created contents)公募も活発に行われている。北京やオリンピックに関する動画を放送局やインターネットテレビのサイトに投稿するイベントだが、放送局や企業がスポンサーとなり一般市民からUCC中継団を選抜、ビデオカメラを持たせて北京に送り込み動画をネットに投稿するようにしている。予選での応援団の様子や北京の街並みなど旅行者の視点で見たオリンピックについて、開幕前から続々とUCC動画が投稿されている。


 UCCはアマチュアが撮影する動画なので画面も荒っぽく内容もたいしたことのない動画がほとんどなのだが、中には劇的瞬間を捕らえた動画や超笑える動画もある。UCC動画を募集する理由はデジカメの宣伝や企業のロゴを露出させる広告目的もあるが、たくさんの動画を確保していい物を選びテレビで使うためでもある。


 北京のオリンピックを迎える中国の盛り上がりはソウルオリンピックを思い出させる。色んな問題があろうとも、オリンピック期間中はオリンピックを思う存分楽しむべきではないだろうか。オリンピックマーケティングに踊らされても、それはそれで楽しい夏になりそうだ。



(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月13日 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080808/1006860/

五輪開幕式リハーサルをスクープ?の韓国メディア、反省すべき視聴率競争

韓国の民放ソウル放送(SBS)が撮影・報道が禁止された北京オリンピック開幕式リハーサルの様子をスポーツニュースとして放映し、韓国内でも「国際的な恥」、「取材倫理というのがないのか」、「SBSがオリンピックを中継できないように処罰するべきだ」など大問題になっている。7月29日、SBSは「単独撮影」したという開幕式リハーサルの主な場面を2分ほど放映した。

 SBSの言い訳は、「オリンピックでボランティア活動をしている人々を取材するためにメインスタジアムに入った。開幕式リハーサルの練習をしている最中だったが、潜入したわけでも隠し撮りをしたわけでもない。カメラマンが正式に撮影をしたが誰にも止められなかった」とのこと。


 つまり公式のリハーサルではなくリハーサルのリハーサルというか、練習場面を放映したに過ぎないという主張だ。中国や日本で言われているように中国をけなすためだとか、オリンピックを台無しにするためだとか、そういうものではなく、「北京オリンピックはすごい、史上最大のショーになる」と絶賛する字幕を入れ、しきりにすごいすごいと盛り上げていた。


 しかし誰にも撮影を止められなかったとしても、中国側があれだけ開幕式を当日のお楽しみにするためリハーサルは報道しないでくれと言っていたのに。それを知っていながら、偶然撮影できたから放映してしまおうとする視聴率最高主義には参ってしまう。中国の人々が怒るのも当たり前だ。

SBS側は中国北京オリンピック組織委員会からの公式な抗議はまだなかったとしながらも、幹部が北京に出向いて「オリンピックを盛り上げるための放映だった」と社長名義の謝罪書簡を渡したと説明した。でもSBSは当初謝罪ではなく「こっちは盗撮したわけではない。相手が不快に思うなら遺憾としか言いようがない」と、とんでもない態度を見せていた。韓国内でSBSが謝罪する他に解決策はないと騒がれてから、やっと重い腰を上げたといった感じだった。困ったものだ。


 この問題で思ったのは韓国はまだ放送=特権、放送局の記者やカメラマン=何でもカメラを向けていい特権を持っている、という認識が強く残っているんだな、ということだ。韓国では企業のPR担当者が記者を「記者様」と呼び、バレンタインや誕生日にはプレゼントを贈り、プレス発表の時は必ずお土産を用意する。会食接待は基本だ。マスコミに属している記者のために大手企業のビルの中にはパソコンや電話が使える記者室という部屋まで用意してある。この頃はここにアルファブロガーとインターネット新聞の市民記者も接待しないといけないから大変だ。


 このような「記者はえらい」、「放送はえらい」という特権意識を変えない限り、このような問題はまた発生するに違いない。でもどうやったら特権意識をなくせるのだろうか。マスコミ入社試験は司法試験並みに難しく倍率も高い。難関を突破したエリート達が集まっているからそうなってしまうのかな。


 韓国の新聞報道によると、中国のネットでは「韓国選手団に報復しよう」、なんて書きこみがどんどん増えているという。まさか選手に悪さをするなんてそんな幼稚なことはしないでしょう。SBSは恨めしいけど、それを選手に八つ当たりするのはどうかな。


 もしこれが韓国のオリンピックで中国の放送局に開幕式のリハーサルが放映されたら?中国へのネット攻撃は壮絶なものになっていただろう。これぐらいで済まなかったかもしれない。オリンピックのように愛国心に燃え上がれる敏感な時期に中国を刺激してしまった韓国。このままでは中国に住む韓国人、企業が苦労することになる。今後の関係だってどうなることやら。中国のテレビに謝罪広告だした方がいいんじゃないのかな。


(趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
2008年8月6日 

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http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20080806/1006758/

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>4.今回のテーマ: WIPI

 


iPhoneを発売しない韓 策技術の放棄になる!?


 


 


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 日本では大きな話題となっているiPhoneだが、韓ではまだ発売の計がない。iPhoneに限らず、韓ではノキアやソニー・エリクソンのような外の端末は販されていない。その理由は、韓政府が策として開し、モバイルインタネットが使えるすべての携電話端末に搭載を義務化しているWIPI(Wireless Internet Platform for Interoperability)にある。WIPIは携電話のOSのようなプラットフォムで2002年5月に開された。その背景には、01年、韓の移動通信キャリアがGVMやBREW、WAPなどの異なるプラットフォムを使用していたため、モバイルコンテンツに互換性がなかったことがある。このような不便をなくし、BREWとJavaの長所を取り入れた共通プラットフォムを採用することでモバイルコンテンツの利用を活性化させる目的でWIPIが開された。05年4月からWIPI搭載が義務化され、07年までの間に約4000万台の携電話に搭載された。



 コンテンツプロバイダにとってはコンテンツ開
が容易になったものの、外の端末メは韓市場だけのために自社の端末にWIPIを搭載するという面倒なことはしたがらなかった。そのため自然と市場は閉鎖的になり、ユ7-8万円もの高額なサムスン電子やLG電子の携電話を買うしかなくなっていた。


 添付画像


 策として大的に開されたWIPIを止することに難色を示す人も多い。特に中小のコンテンツプロバイダはWIPI向けのコンテンツしか開していないので、海外のさまざまな端末が韓市場に入ってきてプラットフォムも自由化されるとなれば市場を奪われることになる。一方、止に成側のキャリアはWIPIを捨てるのではなく義務化をしないことでユの選幅をげるべきだと主張している。WIPIが止されればキャリアはiPhoneなど世界で話題の端末を発売できるようになるからだ。


 


 担の放送通信委員は「まだ討段階で、止するしないの決定は先のことだ」というが、すでに米アップルのサイトには韓iPhoneを担するアカウントマネジャを募集するという求人告が載されている。政府が策を放棄するための言いを思いつかないだけのことで、WIPIの止は時間の問題のようである。(趙 章恩●取材/文)


 


 BCN This Week 2008年7月28日 vol.1245 載] Link


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>3.今回のテーマ■Wibro(下)

<ケススタディ“韓流”IT TRY&ERROR3.今回のテマ■Wibro(下)


 


 


課題はエリアの大 自治体との連携も視野に


 


 


 


添付画像 Wibro(モバイルWiMAX)は20066月に一部が商用化されたものの、韓KTの本社近くとソウル市の中心部だけでしか使えず、ソウル全域で使えるようになったのが074月のことだ。今年6月になってもまだソウル市と首都の一部地域でしかサビスが提供されていないため、使いたくても使えない況がいている。加入者も然ながら予想を下回る況。066月の世界初の商用化とがれた時は最初の1年で13万人、11年には少なくとも390万人を超えると予想されていたのに、今年6月までのWibro加入者は約20万人にしか達していない。



 それでも、一度でもWibroを使ったことのある人には、「思ったより速度も速くバスやタクシ
りながらでもインタネットが使えるのでとても便利。家でも外でもWibroでつながればいいのに」と、好評を博している。大量の写真タをその場ですぐ送信したい報道カメラマンの間では、ソウル市では利用料が安いWibroを使う人がえている。だが、一般ユを獲得するにはやはりすぎるサビスエリアがネックだ。


 


添付画像 こうした停滞状況からするため、KTは自治体と提携してユビキタス都市を構築すべくWibroを早期に導入できるような手を打っている。韓第二の都市である釜山市やソウル近郊にある京畿道はWibro Wave2基盤ユビキタス環境を築いてモバイルオフィス、光情報、災害情報などを提供する。通勤時間の利用や社での利用もえ、地域経済の活性化に寄することが期待されている。


 


 KTWibroのために過去3年間に約670億円を投資している。08年にはWave2とサビスエリア大のため、さらに約120億円を投資する計だ。同社によれば、08年末には首都全域をカバし、自宅でも外でもWibroにさえ加入していれば移動しながらもシムレスにブロドバンドが使えるようになるとしている。


 


 リサチ機のジュニパリサチの調査によると、2013年には世界のWibro加入者が8000万人を超え、連市場規模も230億ドルを上回ると予測されている。
(趙 章恩●取材/文)


 



“世界初”の技術も、インフラが未整備なら普及しない


BCN This Week 2008年7月21 vol.1244 載] Link

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>2.今回のテーマ■Wibro(中)

<ケススタディ“韓流”IT TRY&ERROR2.今回のテマ■Wibro(中)


 


 


優遇料金制でWibroを普及 ライバルの入で活づくか


 


 


 


添付画像 Wibroの主なユはネットを活に利用する大生であることから、全の大Wibro点にするための準備が始まっている。すでにソウルと首都の大はほぼ全てのキャンパスのどこでもWibroが使え、釜山市でも大を優先的にサビスエリアとしている。料金もでのアクセスは月3000ウォン(約300円)と格安料金で提供する。



 KTは、月約2000円で30GB分利用できる料金体系と月約1000円で1GBまで利用できるお手頃料金を提供し、モデムも無料提供、加入費も免除している。KTが提供しているブロ
ドバンドや無線LAN、携電話サビスと同時に利用することで半額近く割引されるセット割引料金プランも設定されている。こうしたプロモション料金体系のほかに月2800円ほどのKTのブロドバンド料金に月約800円を追加するだけで全にアクセススポットがある無線LANWibro(月1GB分)が使えるプランも人がある。Wibroに新規加入し、2年契約にするとヒュレットパッカドのノPC2万円ほど割引されるキャンペンも施中だ。Wibroシネマ料金プランというのもあり、Wibro料金に月260円ほど追加するだけで提携先の映館で1本映を無料でることができる。添付画像


 


 KTWibroはノトパソコンにUSBモデムを差しんで使うのが最もスタンダドな使い方だが、Wibroを搭載したサムスン電子やLG電子のスマトフォン、UMPC、携型の動再生機PMP(ポタブルマルチメディアプレ)、ナビゲション機器からも使える。KT2008年末までにはWibro搭載デジカメも発売し、写真や動を撮ったらブログに送できるパソナルメディアとしての役割をもたせたいとしている。USBモデムはMP3プレとしても使える優れものが揃っている。


 


 KTと同じくWibroの事業免許を持っているSKテレコムは、3GHSDPAの普及に力を入れていたため、Wibroに積極的ではなかったが、今年度下半期からはWave2技術を導入して本腰を入れる。デタ速度は上りが5.04Mbpsから10.08Mbpsに、下りは18.72Mbpsから37.44Mbpsに大きく改善されることで、HSDPAよりも優れたブロドバンドサビスになる。(趙 章恩●取材/文)


 


BCN This Week 2008年7月14 vol.1243 載]Link 


 

<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>1.今回のテーマ■Wibro(上)

<ケススタディ“韓流”IT TRY&ERROR1.今回のテマ■Wibro(上)


 


 


期待高まるWibro


モバイルVoIPで携電話を超えた


 




添付画像 韓
ITは、日本よりも進んでいると評されることが多い。だが、その展の過程を仔細に見ると、試行錯誤の連ともいえる。韓在住のITジャナリストが、その際を生しくレポトする。


 


                  ◇      ◇



 今年61617日、ソウルでは10年ぶりのOECD IT
大臣議が開催された。アジアで初めて開催されるOECD議とあって、げて準備に取り掛かってきた韓は、付行事としての展示やカンファレンスを開催した。そのなかでもひときわ目立っていたのがWibro、すなわち20066月に韓が世界で初めて商用化した2.3GHzモバイルWiMAXビスだった。Wibro0710月、際電通信連合が認めた際標準で、韓、米、日本、ロシア、ブラジルなど40で導入みの、あるいは導入を討されている通信サビスである。



 


 韓KTとサムスン電子はOECD議の期間中、Wibroと携電話を使ったモバイルVoIP演し、OECD係者はもちろん、一般加者からも「これはすごい!」と絶された。Wibro由のモバイルVoIPはサムスンのスマトフォンSPHM8200を使い、携電話と同じ感で使うことができる。添付画像


 


 時速120kmで移動しながらも使えるWibroのモバイルVoIPは携電話とわらないサビスを格段と安い料金で利用できるため、諸外IT大臣の間で絶大な人を得た。「自分のでも導入したい」とWibroの運営会社であるKTに詳しい料金や利用情報などについて質問する人も多かった。特に有線インフラがぜい弱な途上からはWibroの通信網を構築したいという依もあり、すでにルワンダやウズベキスタンなどに輸出されている。韓ではWibroの技術ロイヤリティ入が2024年までで約6800万ドルに及ぶとの見通しを立てている。


 


 ブロドバンドと電話と地上波DMB(日本でいうワンセグ)を持ちけるモバイルトリプルプレビスを現できるので、従来の通信サビスを根底からえるものとして注目されているWibroの音搭載だが、肝心の韓全域での商用化計はまだメドが立っていない。まずはサビスエリアを大しなくてはならないという課題がっているからだ。(趙 章恩●取材/文)


 


BCN This Week 2008年7月7 vol.1242 載] Link